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マテウス・アサトの使用エフェクターと音作り

マテウス・アサトのエフェクターを調べると、Asabi、Jan Ray、BigSky、Flintなど多くの機種が見つかります。結論から言うと、これらは同じ時期の1枚のエフェクターボードに並んでいたわけではありません。

2021年に本人が解説した6台のトラベルボードは、Jackson Audio Asabi、Golden Boy、Bloom、Modular Fuzz、Dunlop EP103 Echoplex Delay、Strymon Flintです。2017年の公開機材にはBigSky、Eventide H9、Wampler Tumnus、Bondi Effects Sick Asなどがあり、別のボードではWalrus AudioのARP-87、Julia、Slöも確認できます。

この記事では、マテウスアサトの使用エフェクターを時期別に整理し、本人風のクリーン、クランチ、アンビエントな音作りを再現する順番まで解説します。

この記事の前提
エフェクターボードはツアー、録音、渡航条件によって変わります。2026年7月時点で確認できる公開資料を年代別に扱い、試奏しただけの機種と実際のボードで確認できる機種を分けています。

マテウス・アサトのエフェクター|先に結論

マテウス・アサト風の音に近づけるなら、最初から全機種を集める必要はありません。優先順位は、反応の良いオーバードライブ、短いディレイ、薄いリバーブの順です。

  • 本人との結びつきを重視するならJackson Audio Asabi
  • クリーンからクランチをつなぐならローゲインOD
  • 単音に反復音や残響の広がりを足すならテープエコー系の短いディレイ
  • コードの分離を残すならリバーブのMixを控えめにする
  • アンビエント曲だけDecayとMixを増やす

Asabiは重要なシグネチャーエフェクターですが、彼の音を決める要素は1台の歪みだけではありません。ギター側のボリューム、ピッキングの強弱、クリーンに余裕のあるアンプまで含めて組み立てると、音数が少なくてもに聞こえます。

マテウス・アサトの使用エフェクター早見表

使用例製品カテゴリ主な役割
2021年トラベルボードJackson Audio AsabiOD / ディストーションクランチからハードロック系リード
2021年トラベルボードJackson Audio Golden Boyオーバードライブコード感を残すロー〜ミドルゲイン
2021年トラベルボードJackson Audio Bloomコンプレッサー / EQ / ブースト音量とダイナミクスの整理
2021年トラベルボードJackson Audio Modular Fuzzファズオクターブを含む強い色付け
2021年トラベルボードDunlop EP103 Echoplex Delayディレイテープエコー風の反復音や残響の広がり
2021年トラベルボードStrymon Flintリバーブ / トレモロアンプライクな残響と揺れ
2017年公開機材Strymon BigSkyリバーブアンビエントな長い残響
2017年公開機材Eventide H9マルチエフェクト空間系、ピッチ、モジュレーション
2017年公開機材Wampler Tumnusオーバードライブ中域と倍音を足すブースト
2017年公開機材Bondi Effects Sick Asオーバードライブ中音域を残したローゲイン
別時期のWalrusボードWalrus Audio ARP-87ディレイタップテンポ対応の多機能ディレイ
別時期のWalrusボードWalrus Audio Juliaコーラス / ビブラートクリーンに揺れと低中音域を増やす
別時期のWalrusボードWalrus Audio Slöリバーブパッドのようなアンビエント残響
使用写真を確認VEMURAM Jan Rayオーバードライブローゲインクランチ

時期を混ぜない
BigSkyやH9を含む2017年の機材リストと、AsabiやFlintを含む2021年の6台ボードは別組み合わせです。「現在も全機種を同時に使用している」とは断定できません。

2021年のエフェクターボードで確認できる6台

2021年9月、Sweetwaterはマテウス・アサト本人によるトラベルボード解説を公開しました。Guitar.comの報道では、6台はAsabi、Golden Boy、Bloom、Modular Fuzz、EP103 Echoplex Delay、Flintと整理されています。

この組み合わせは、歪みを4台並べたボードではありません。Bloomで入力を整え、Golden BoyとAsabiで歪み量を使い分け、Fuzzで強い歪みを加え、EP103とFlintで反復音と残響を加えます。

参考 Mateus Asato’s Pedalboard — What’s on Your Pedalboard?Sweetwater 参考 Mateus Asato’s latest pedalboard is packed with Jackson Audio stompboxesGuitar.com

Jackson Audio Asabi

Asabiは、マテウス・アサトとJackson Audioが共同開発したシグネチャーのオーバードライブ / ディストーションです。独立したDrive側とDistortion側を持ち、出力音量を少し上げる設定から倍音が多いリードまで1台で切り替えられます。

Jackson Audioの公式説明では、Drive側は特定の音域を大きく変えず、アンプへの入力を強くする設計です。Distortion側は交換式アナログモジュールに対応します。本人風に使うなら、Drive側はゲインを抑えてコード用、Distortion側はサステインが必要なソロ用に分けると実用的です。

参考 Asabi Overdrive/DistortionJackson Audio

Jackson Audio Golden Boy

Golden Boyは、クリーンブーストからオーバードライブまでを担当できるエフェクターです。2021年のボードではAsabiと併用されており、すべての歪みをAsabiだけに任せていたわけではありません。

コードの分離を残したい場合は、Golden Boyをローゲインにしてリズム用にし、Asabiをリード用にすると役割が明確です。2台を重ねるときは、低域を増やしすぎず、音量差を先に合わせます。

Jackson Audio Bloom V2

Jackson Audio Bloom V2 MIDI

Jackson Audio Bloom V2 MIDI

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Bloom V2は、コンプレッサー、EQ、ブーストをまとめたエフェクターです。マテウス・アサトのように指弾き、ピック、コード、単音を行き来する演奏では、強く潰すよりも音量差を薄く整える使い方が合います。

コンプレッションを深くすると音粒は揃いますが、ピッキングの強弱が平坦になります。まずはエフェクトを感じる直前まで戻し、ソロで足りない音量だけブーストする設定から始めるのがおすすめです。

Jackson Audio Modular Fuzz

Modular Fuzzは、交換式のアナログファズ回路とオクターブ回路を備えたエフェクターです。2021年のボードでは常時ONの土台ではなく、通常のドライブでは出せない倍音と荒さを足す役割で考えると分かりやすいです。

マテウス・アサト風の基本音を作るだけなら優先度は高くありません。クリーン、クランチ、リードを作ったあと、特定のソロへ強い音域の傾向を加えたい人向けです。

参考 FUZZ – Modular FuzzJackson Audio

Dunlop EP103 Echoplex Delay

EP103は、テープエコーの揺れや高域の丸まりをコンパクトエフェクターで扱えるディレイです。長い反復を主役にするより、原音の後ろへ短い反射を置くと、単音が太く聞こえます。

最初はDelayを250〜350ms、Repeatsを2〜3回、Mixを原音よりかなり小さくします。速いフレーズが濁る場合は、ディレイタイムより先にMixとRepeatsを下げます。

Strymon Flint

Flintは、アンプを思わせるリバーブとトレモロを1台にまとめたエフェクターです。Guitar.comの2021年記事では、本人が特に好むエフェクターとして紹介され、ギターのトレモロをFender Rhodesの揺れへ近づける考え方も語られています。

マテウス・アサト風のクリーンでは、リバーブを深くする前にPre-delay感を短くし、原音の輪郭を残します。トレモロはDepthを浅く、Speedを曲のテンポへ合わせると、コードの後ろで動きます。

空間系を1台から選びたい場合は、リバーブの種類と操作性も比較しておくと失敗しにくいです。

2017年に公開された使用エフェクター

Premier Guitarの2017年インタビューには、BigSky、TimeFactor、H9、Sick As、Del Mar、Wampler Ego、Suhr Koji Comp、PolyTune 2 Noir、BOSS TU-3、Neunaber Immerse / Slate、Wampler Tumnus、Ernie Ball Volume Pedalが掲載されています。

これは本人取材に付随する機材リストで、2017年前後の組み合わせを知るうえで重要です。一方、2021年の6台ボードとは分けて考える必要があります。

参考 Cyber Sensei: Mateus AsatoPremier Guitar

Strymon BigSky

BigSkyは、短いルームからShimmerやCloud系の大きな残響まで作れるリバーブです。Strymon公式では12種類のリバーブマシンを搭載し、マテウス・アサトの演奏動画でも使用例を確認できます。

彼のアンビエントな音を再現するときも、常に深くかける必要はありません。コードの分離を優先する場面ではPlateかRoomを薄くし、伸ばした単音やボリューム奏法だけDecayとMixを増やすと、曲中でのコントラストが出ます。

参考 BigSky Multi ReverbStrymon

Eventide H9 Max

H9は、ディレイ、リバーブ、ピッチ、モジュレーションを1台で扱えるマルチエフェクトです。2017年の機材リストではTimeFactorと併記されているため、H9だけですべてを完結させる組み合わせとは限りません。

再現用ボードでは、H9のようなマルチを空間系のまとめ役にすると省スペースです。ただしプリセットを増やしすぎると音量差の管理が難しくなるため、最初はリード用ディレイとアンビエント用リバーブの2種類に絞ります。

Wampler Tumnus

Tumnusは、Klon系の中域と倍音感をコンパクトサイズで足せるオーバードライブです。深く歪ませるより、Gainを低めにしてアンプや後ろにつないだオーバードライブへの入力を強くすると、コードの中音域を残しながら単音をバンド内で聞き取りやすくできます。

マテウス・アサト風に使うなら、常時ONの色付けか、リード時のブーストのどちらかに役割を決めます。Asabiを使う場合は機能が重なりやすいため、必須ではありません。

Bondi Effects Sick As Overdrive

Sick Asは、2017年の本人機材リストに含まれるオーバードライブです。低域を膨らませすぎず、クリーン成分とピッキングの輪郭を残したドライブを作りたいときに向きます。

掲載動画は現行世代のデモであり、本人が当時使った個体と世代が同じとは限りません。音の方向を確認する参考として扱ってください。

2017年リストにあるその他のエフェクター

製品カテゴリ音作りでの見方
Eventide TimeFactorディレイ2系統のディレイやリズムディレイを作る
Bondi Effects Del Marオーバードライブ中域の音の伸びを足すロー〜ミドルゲイン
Wampler Ego Compressorコンプレッサークリーンの音粒とサステインを整える
Suhr Koji CompコンプレッサーEQを含めて入力の音の変化を調整する
TC Electronic PolyTune 2 Noirチューナー小型ボードで素早く確認する
BOSS TU-3チューナー視認性と堅牢性を重視する
Neunaber Immerseリバーブ原音の後ろへ滑らかな残響を置く
Neunaber Slateマルチエフェクト空間系とモジュレーションを切り替える
Ernie Ball Volume Pedalボリュームスウェルと無音の切り替えに使う

Walrus Audio中心のエフェクターボード

別時期の本人エフェクターボード解説動画では、Walrus Audio ARP-87、Julia、Slöを同じ信号経路で確認できます。2021年のJackson Audio中心の6台ボードとは別組み合わせです。

Walrus Audio ARP-87

ARP-87は、タップテンポと複数のディレイアルゴリズムを備えたエフェクターです。EP103よりもリズムに合わせた反復や音色の切り替えを重視する場合に向きます。

マテウス・アサト風のリードでは、反復音を原音より小さくします。アンビエントなコードではDampenで高域を落とし、Slöの残響とぶつからないように調整します。

Walrus Audio Julia

動画で確認できるのはJuliaで、上の商品リンクは現行の購入候補となるJulia V2です。コーラスとビブラートの間を連続的に調整でき、クリーンへ揺れた音を混ぜる用途に向きます。

Depthを上げると音程の揺れがはっきり聞こえるため、コードの各音を聞き取りやすくしたい場合はRateを遅め、Depthを浅めにします。ディレイとリバーブの前へ置くと、揺れを含んだ残響が広がります。

Walrus Audio Slö

Slöは、アンプ残響よりも、パッドやオートスウェルに近いテクスチャーを作るリバーブです。マテウス・アサトのアンビエントな側面を狙うには便利ですが、通常のバッキングへ常時深くかけると輪郭がぼやけます。

基本のクリーンではMixを控えめにし、伸ばす単音やイントロだけDecayを長くします。FlintとSlöは優劣ではなく、残響か演出的な残響かで選びます。

VEMURAM Jan Rayも使用例が確認できる

VEMURAM Jan Ray

Equipboardには、マテウス・アサトがJan Rayと写る写真を根拠にした使用例があります。さらに国内ではMateus Asatoとのコラボレーションモデルも販売されました。ただし、Jan Rayは2021年の6台ボードには含まれていません。

Jan RayのようなローゲインODは、クリーンアンプの音域バランスを大きく変えずに倍音を加えたいときに向きます。Gainを上げるよりVolumeでアンプへの入力を少し強くし、弾き方でクリーンとクランチを行き来する設定がマテウス・アサトの方向に合います。

参考 Jan Ray for Mateus Asato #100三木楽器

トランスペアレント系の違いや、Jan Rayに近い方向の現行候補はこちらで比較しています。

Equipboardで確認できるその他の使用例

Equipboardには42件のエフェクター情報が掲載されています。BigSky、H9、Tumnus、blueSky、Suhr Shiba Drive Reloaded、Wampler Ego Compressor、Dunlop EP103、Ditto Looper、Bondi Effects Sick As、Neunaber Immerse、Jan Ray、Jackson Audio Prism、MXR M300、Flint、Hall Of Fame、Line 6 DL4などです。

ただし、Equipboardはコミュニティが構築するデータベースです。本人の投稿、動画、記事など根拠が付く項目は参考になりますが、試奏動画で触れただけのBogner Ecstasy Blueや、本人が受け取ったことまでしか分からないエフェクターを「常用機」として扱わないようにします。

参考 Mateus Asato’s Effects PedalsEquipboard

マテウス・アサト風の音作り

機材をそろえる前に、歪み量と空間系の深さを見直す方が効果的です。彼の音はハイゲインの場面でも音の立ち上がりが残り、コードでは各弦が聞き取れます。

基本のつなぎ方

おすすめの順番は、チューナー、コンプレッサー、ローゲインOD、ディストーション / ファズ、コーラス、ディレイ、リバーブです。

  • コンプレッサーは薄くかけて入力を整える
  • ローゲインODはコードとクランチを担当する
  • AsabiのDistortion側やファズは必要な場面だけONにする
  • ディレイはリバーブの前へ置き、反復の輪郭を残す
  • リバーブは最後で全体の距離感を決める

ファズはギター直後に置いた方が反応しやすい回路もあります。Modular Fuzzを含め、実際のエフェクターでギター側ボリュームへの反応を確認して順番を調整してください。

最初に試す設定

エフェクト設定の出発点狙い
コンプレッサー効果が分かる直前まで薄くするタッチを残して音粒を整える
オーバードライブGain 9〜11時、Levelは原音同等以上クリーンとクランチを弾き分ける
ディレイ250〜350ms、2〜3回、Mix 10〜18%単音の後ろへ反復音や残響の広がりを作る
リバーブRoom / Plate、Mix 10〜20%コードの分離を残す
アンビエント用リバーブDecayを長くし、Mixは曲中で調整伸ばした音をパッド化する

数値は本人の固定設定ではなく、再現を始めるための目安です。アンプの残響が多い場合はエフェクター側のMixを下げ、ハムバッカーで低域が膨らむ場合は歪み側のBassを先に整理します。

アンプとギター側の調整

アンプは完全な無機質クリーンより、強く弾いたときだけ少し歪む位置が使いやすいです。そこへローゲインODを重ねると、弱く弾いたコードは分離し、強く弾いた単音は太くなります。

ギター側ボリュームを7〜8へ下げた状態でクリーンを作り、10へ上げたときに軽く歪むよう調整すると、足元を切り替えなくても表情を付けられます。リアのハムバッカーで硬い場合は、ゲインを増やす前にPresenceかTrebleを少し下げます。

3台で再現するなら何を選ぶか

最小組み合わせなら、ローゲインOD、テープエコー系ディレイ、Room / Plate系リバーブの3台です。本人との関連を優先するならAsabi、EP103、Flintが分かりやすい組み合わせです。

予算を抑える場合は、所有しているオーバードライブのGainを下げ、ディレイとリバーブを1台のマルチエフェクトへまとめても構いません。重要なのはブランドを完全にそろえることではなく、原音の輪郭、短い反復、残響の深さを別々に調整できることです。

ジョン・メイヤー系のローゲインとブーストの考え方も、マテウス・アサト風の音作りを組み立てる参考になります。

よくある質問

マテウス・アサトのメインエフェクターは何ですか?
本人との結びつきが最も明確なのはシグネチャーのJackson Audio Asabiです。ただしボードは時期で変わり、2021年はGolden Boy、EP103、Flintなども併用しています。
2021年のマテウス・アサトのエフェクターボードは何台ですか?
6台です。Asabi、Golden Boy、Bloom、Modular Fuzz、Dunlop EP103 Echoplex Delay、Strymon Flintが確認されています。
マテウス・アサトはVEMURAM Jan Rayを使っていますか?
使用写真とコラボレーションモデルを確認できます。ただしJan Rayは2021年の6台ボードには含まれないため、別時期の使用例として考えるのが正確です。
BigSkyとFlintはどちらがマテウス・アサト風ですか?
アンプ内蔵に近い短い残響とトレモロならFlint、長い残響と複数のプリセットならBigSkyが候補です。本人が使った時期は異なります。
安いエフェクターでもマテウス・アサト風の音は作れますか?
作れます。ローゲインOD、短いディレイ、薄いRoomかPlateリバーブを用意し、歪みと残響を深くしすぎなければ音の傾向を近づけられます。

まとめ

マテウス・アサトのエフェクターは、時期によって大きく変わります。2021年の6台ボードではAsabi、Golden Boy、Bloom、Modular Fuzz、EP103、Flintが中心です。2017年にはBigSky、H9、Tumnus、Sick Asなどが公開され、別時期にはWalrus Audioの空間系3台も確認できます。

再現の近道は、全機種を集めることではありません。ローゲインODでタッチを残し、短いディレイで単音へ反復音や残響の広がりを足し、リバーブのMixを抑えてコードの分離を守ります。この3点を整えてから、Asabiのハイゲイン、Modular Fuzz、長いアンビエント残響を加えると、曲に合わせて使えるボードになります。