中国製と聞くと品質が悪いイメージを浮かべるのも今や昔。昨今の中国製エフェクターは大量生産を繰り返しながらPDCAサイクルを回しある程度の品質に進化しております。
しかもお値段は変わらず安いまま。
もしかして、日本製で倍以上のお値段のエフェクターよりも良いんじゃないか?と感じています。むしろ、大手エフェクターブランドの製造も中国に移行してたりして、その技術が流出して中国全体を通じて品質が上がっているのではと想像してます。
3PDTスイッチの普及でトゥルーバイパスが容易になったのでほとんどの中国製はトゥルーバイパスを採用しているのも嬉しいですね。
本日はそんな中国製のエフェクターの中でも管理人がおすすめだと感じたものを13個まとめました。基となってると言われているエフェクターも追記してます。ご査収ください。
Donner(ドナー)
他の中国製のブランドと同じ生産ラインで作られているのか見た目が非常に似ています。これも中国製の味ですね。幅広くOEMしてるのでしょう。
Donnerはほとんどのモデルが3,000円以下で購入出来ます。レガシーなエフェクターから最新のデジタル系ペダルまで上手く模倣してくれています。もしかしたらStrymonとかのコピーもいずれ作ってくれるかも?
DONNER / BOOST KILLER
Donnerの中で管理人が一番好きなのはこれです。ぶっちゃけXOTIC社のRC BOOSTERが元ネタのようですが、Donnerお得意の小さいサイズにしてくれてる上にそんなにサウンドに違いはありません。
強いて言えば本家のほうが締まっているというか芯がある感じで、Donnerのものは若干レンジが広く感じます。
Donner BOOST KILLERの元ネタ
Donner / Stylish Fuzz
元ネタはElectro Harmonix社の看板製品「Big Muff」ですね。Stylish Fuzzっていう微妙にセンスがない名前が愛らしいです。
マフ系のエフェクター通りいい塩梅で歪んでくれますが、現行品で販売されているBig Muffと比較すると若干明るいキャラクターに感じ、むしろガツガツロックするには良いんじゃないでしょうか。
Donner Stylish Fuzzの元ネタ
electro-harmonix エレクトロハーモニクス エフェクター ディストーション Big Muff Pi 【国内正規品】
Donner / パワーサプライ
エフェクターではないのですが、エフェクターボードを組む方にとっては必須のパワーサプライもDonnerではリリースしてくれています。
お値段が安いのもそうですが、なんと言っても目玉は電源それぞれが独立しているということです。
いわゆる、アイソレート型というやつですね。
一般的なパワーサプライはアイソレート型ではなく、一つの電源を分割して電力をエフェクターそれぞれに配分しているので、一つのエフェクターが故障して電源部分に悪影響が起きた場合他のエフェクターも動作しなくなってしまう可能性があります。
アイソレート型の場合、電源それぞれが独立してるので一つ壊れたとしても他のエフェクターには悪影響が出ません。ポジティブグラウンドのゲルマニウムファズフェイスにも普通に使えるのが嬉しいですね。
さらに12Vと18Vのアウトプットも備えているので歪み系のエフェクターに使えばよりパワフルに、高電源が必要なエフェクターも使えるようになります。
管理人が高校生の頃は入手できる選択肢がノアズ・アーク製のものだけだったので、今の高校生が羨ましいです。
元ネタは不明です。よくある回路のようです。
Rowin(ローウィン)
ローウィン(読み方あってる?)は中国で最も人気の高いエフェクターブランドの一つであるMooerのペダルを参考に製造されているそうです。
そもそもMooerも既存のエフェクターを参考にしているので、参考に参考を重ねてるだけあってお互い競い合ってくれて品質も上がっているんじゃないでしょうか。
筐体がおしゃれで安さを感じないのが特徴で、パット見中国製とは思えず2万円台のブティック系エフェクターと勘違いしそうです。
Rowin / オーバードライブ LEF-602B
中国製のエフェクターの中ではすこしお高めのオーバードライブエフェクターです。元ネタはIbanezのTS9DXらしく、比較すると確かにTS系のサウンドです。
小型の筐体に収められてる影響か、若干高音域が元ネタTS9DXより優れてるような印象でブースターとして使うにはかなり優秀なのではないでしょうか。
Rowin LEF-602Bの元ネタ
Ibanez アイバニーズ ギター用オーバードライブ Turbo Tube Screamer ターボ チューブスクリーマー TS9DX
Rowin / Comp Pedal LN-333
AORやカッティングなどのサウンドの要、コンプレッサーもRowinはリリースしてくれています。
恐らくDyna Comp系の回路を参考に、Keeleyのようにトーン調整ノブを追加したモデルではないでしょうか。評判も上々で、かなりチュラルなサウンドです。
コンプレッサーにありがちのちょっと歪んでしまうみたいなこともなさそうです。
Rowin Compの元ネタ
https://www.youtube.com/watch?v=txW2VvhUlBERowin ディストーション LEF-605
ヘビメタ好きの皆様おまたせしました。かなりハイゲインなエフェクターもRowinはカバーしてくれてます。アメリカンメタル系の歪み方をしてくれて、BOSSのMT-2メタルゾーンを参考にしたのかな?と思いきやElectro Harmonix社のMicro Metal Muffを参考にしているようです。管理人はブルース畑なので、歪むものとしてはファズフェイス系くらいしか使いませんが、メタル好きな皆さまやディストーションサウンドを求めてる方にとってはかなりお腹いっぱいにしてくれるエフェクターかと思います。
Rowin LEF-605の元ネタ
JOYO(ジョウヨウ)
中国製コピーエフェクターブランドの先駆けとも言える、JOYO社です。
他の中国製エフェクターブランドは元ネタにアレンジを加えたものが多いのですが、JOYO社は正面から堂々とコピーモデルをリリースしてくれていて男らしさを感じます。
他のエフェクターブランドは効率性を考えてチップ基盤で生産されているのですが、JOYO社はここも男らしく通常サイズの部品を使って製造しています。恐らく手作業じゃないでしょうか。驚異的です。
最近日本では見なくなった元祖激安エフェクターブランドBehringer(ベリンガー)に終止符をうったブランドと管理人は認識しています。
デザインが若干ダサいことがむしろマニア心をくすぐります。
JOYO / VINTAGE OVERDRIVE jf-01
色から判別できますが、Ibanez社の看板商品「Tube Screamer」が元ネタのオーバードライブです。
本家のTS-9はトゥルーバイパスではなくバッファバイパスのため、人によってはトゥルーバイパスがいいなんてニーズがありました。バッファを通さない分、本家よりJOYO社の方が歪み成分が多い印象でインパクトが大きかったのも売れた要因でしょう。
何度もいいますが、名前とフォントの采配の微妙なダサさが最高です。
JOYO jf-01の元ネタ
JOYO / ULTIMATE DRIVE jf-02
これは管理人も買ってかなり満足したエフェクターです。
いわゆるオーバードライブで、元ネタはなんとFulltone社のOCDです。OCDはハムバッカーにも合うので大好きなエフェクターの一つです。
いわゆるトランスペア系オーバードライブで、特徴的なのはクリッピングがゲルマニウムダイオードとMOSFETトランジスタによる非対称の歪みを作っていることです。
かなり元気なサウンドで、歪ませても良し、ブーストさせても良しなご機嫌なエフェクターです。
何度もいいますが、名前と、イラストの鬼?のダサさが愛くるしいです。表面はどこかサラサラした肌触りです。
JOYO jf-02の元ネタ
JOYO / Sweet Baby Overdrive JF-36
名前からあんまり隠す気が無いようですが、Mad Proffesor社の人気オーバードライブ「Sweet Honey Overdrive」が元ネタのようです。
元ネタと同じくそこまで歪みませんが、サウンドのツヤ、ミズミズしさはピカイチなオーバードライブかと思います。
前述のOCD元ネタと同じく、トランスペア系のオーバードライブですので傾向にてますが本機の方が現代的なオーバードライブに感じます。
JOYO JF-36の元ネタ
Mad Professor マッドプロフェッサー エフェクター FACTORY Series オーバードライブ Sweet Honey Overdriv…
JOYO / US DREAM JF-34
なんやねんその名前はと突っ込みたくなりますが、Shur社の大人気ディストーションペダル「Riot」(ライオット)が元ネタのようです。
本家と比較すると若干穏やかな歪みのように感じますが、むしろ本機の方がジャンルを問わず幅広く使えるんじゃないか?と感じてます。
色はもう隠す気がないのか同じ紫です。男らしい。
JOYO JF-34の元ネタ
JOYO / Analog chorus JF-37
色でわかるかもしれませんが、BOSS社のCE-2コーラスが元ネタのようで本物のBBD素子が使われてこのお値段なのは驚異的です。かなりクリアで澄み切ったコーラスで、アナログらしい温かみもあります。
コーラス系のエフェクターは歪み系より重要度は下がりますが、お値段高いものが多いのでかなりお得で需要あると思います。
JOYO JF-37の元ネタ
※オリジナルCE-2はとっくに廃盤のため、現行品CE-2Wです。
JOYO / DYNA COMPRESSOR JF-10
色はともかく、名前から隠す気ゼロなコンプレッサーです。MXR社のDyna Compをアレンジしているようです。他の中国製コンプレッサーもトーン回路が増設されているので、ここは中国勢のこだわりのようです。
個人的にダイナコンプよりパコパコいってくれるので、わかりやすくていいコンプだと思います。
なんでイラスト蠍(さそり)やねん。
JOYO JF-10の元ネタ
JOYO / Digital Delay jf-08
アナログライクなデジタルディレイもJOYOはカバーしています。元ネタという元ネタで言えば、TONEPADというサイトに掲載されている「Rebote Delay 2.5」かと思いますが、これ自体は製品化されていないのでパクリと言えるかは微妙なところです。
PT2399というディレイ用の定番デジタルICが使われており、現在市場で販売されているアナログライク系デジタルディレイはほとんどPT2399が使われています。
ディレイ・タイムはそこまで長くないですが、無難で使いやすいディレイです。
KOKKO(コッコ)
もう既に13個紹介しましたが、1個おまけで紹介させてください。
KOKKOという中国製エフェクターブランドです。ぶっちゃけあまり評判が良くないのですが、ひとつだけ他者中国製ブランドにないモデルをリリースしてくれています。
KOKKO / VIBE
管理人はまだ未入手なのですが、Uni Vibeのコピーモデルと噂されてます。一度知り合いが所有しているものを弾かせてもらったのですが、確かにユニヴァイブ系の水中サウンドでした。ロータリースピーカーっぽさが強い気がしましたが。
中身も見ておけばよかったと後悔してますが、このお値段でユニヴァイブ系のサウンドが手に入るのであればお得ですね。
中国製エフェクターのまとめ
いかがでしたでしょうか。歪み系エフェクターが中心の紹介になりましたが、トレモロやフランジャーなど定番モジュレーションも各社リリースしてくれております。
中国製の特徴として、デジタル系の回路はコピーしきれないため、アナログ系の人気モデルをコピーしてくれていることにあります。
今やトランジスタやオペアンプ、抵抗やコンデンサなども中国で製造されているものが多いので、結局同じ回路で同じ部品を使ってしまえばサウンドはほとんど一緒な状況にあります。
高すぎて手が出ないブティック系エフェクターを買うために我慢するのであればまず中国製のエフェクターを購入して満足してみてはいかがでしょうか?