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ギター配線材おすすめ|内部配線の選び方と音の違いを解説

ギター配線材おすすめ|内部配線の選び方と音の違いを解説

ギターの内部配線材は、ピックアップ、ポット、ジャック、スイッチをつなぐ信号の通り道です。ピックアップやアンプほど大きく音を変える部品ではありませんが、ノイズ、取り回し、ハンダ付けのしやすさ、高域の出方には確かに影響します。

ただ、配線材はこだわりすぎるとかなり深い沼です。個人的には、ある程度品質の良いものを基準にして、ギターの構造やノイズ対策に合わせて選べば十分だと考えています。高価なヴィンテージ線を探し続けるより、配線の取り回し、アース処理、ハンダの状態を整えるほうが効果的な場面も多いです。

この記事では、ギター内部配線材の選び方、単線と撚り線の違い、ツイスト配線とシールド線の考え方、現行で手に入るおすすめ配線材を整理します。

この記事の結論
迷ったらAWG22前後の扱いやすいフックアップワイヤーを基準にすれば問題ありません。ノイズが気になる長い配線やGibson系のコントロール周りでは、ツイスト配線やシールド線も候補になります。

ギター配線材のおすすめ早見表

配線材タイプ音の傾向向いている用途
BELDEN 8503撚り線 / フックアップワイヤー素直で扱いやすい迷ったときの基準
Allparts Cloth Wire Kit布被覆線キットヴィンテージ寄りFender系の交換・補修
Providence FW-800OFC配線材各音を聞き取りやすく癖が少ないクリーン、多用途配線
Sonic HW系ヴィンテージ寄りやや柔らかい方向Fender系の配線交換
MOGAMI 2514フックアップワイヤーまとまりが良い自作、改造、補修
Gavitt ブレイデッドシールド線シールド線ノイズに強く少し丸いGibson系、長いホット配線
Montreux Vintage braided wireシールド線Gibson系ギターの内部配線レスポール系の補修
FEP テフロン線テフロン被覆線各音を聞き取りやすく作業しやすい熱に強い汎用配線
BELDEN 8412の芯線太めの内部配線材各音の聞き分けやすさが上がりやすい自作・改造で音の輪郭を出したい場合

ギター内部配線材とは

ギター内部配線材は、ピックアップからセレクター、ボリューム、トーン、アウトプットジャックまでをつなぐ線です。見た目はただの電線ですが、ギターの信号は非常に小さいため、配線の長さ、構造、グランドの取り方でノイズや高域の感じ方が変わります。

とはいえ、配線材だけでギター本来の音が別物になるわけではありません。音の大部分はピックアップ、ギター本体、ポットやコンデンサ、アンプ側で決まります。配線材は、その音をできるだけ素直に送るための部品と考えるのが現実的です。

私自身、エフェクター製作やギター改造でいろいろな線材を使ってきましたが、最終的には「信頼できる線を、きれいに、必要な場所に使う」のが一番安定します。

配線材で音が変わる理由

配線材で音が変わる理由は、導体、太さ、被覆、構造、配線距離が変わるからです。特にパッシブピックアップのギターでは、ピックアップからジャックまでの信号がハイインピーダンスなので、線材や配線の取り回しの影響を受けやすくなります。

変化として出やすいのは、以下のような部分です。

  • 高音域の量
  • ノイズの量
  • 音の輪郭
  • 低域の締まり
  • ハンダ付け後の安定性
  • 配線作業のしやすさ

ただし、配線材の違いはピックアップ交換ほど大きくありません。大きな音質改善を期待するより、古い配線の劣化対策、ノイズ対策、メンテナンス性向上として考えると失敗しにくいです。

単線と撚り線の違い

単線

単線は、1本の導体でできた配線材です。音の輪郭が出やすく、ピッキングの立ち上がりが少しはっきり感じられることがあります。配線が短く、形を固定したい場所では扱いやすいです。

一方で、硬くて折れやすいのが弱点です。セミアコや複雑なコントロール配線のように、曲げたり引き回したりする場所では作業しにくい場合があります。

撚り線

撚り線は、細い導体を束ねた配線材です。柔らかく、取り回しがしやすいので、ギター内部配線ではかなり実用的です。ストラトキャスターやテレキャスターのコントロール周り、自作エフェクター、補修にも使いやすいです。

音は単線より少しまとまりやすい印象があります。絶対的にどちらが良いというより、作業性と耐久性を含めると、最初は撚り線を基準にするのが安全です。

単線と撚り線の違い

ツイスト配線とシールド線の違い

ツイスト配線

ツイスト配線は、ホット線とグランド線、または対になる線をねじって引き回す方法です。線をねじることで外来ノイズの影響を受けにくくし、配線もまとまりやすくなります。

Fender系のようにコントロールキャビティが広く、ピックガード裏で配線が長くなりやすいギターでは、必要な場所だけツイストさせると扱いやすいです。音の傾向としては、シールド線ほど高域が丸くなりにくく、オープンな感じを残しやすい印象があります。

シールド線

シールド線は、芯線の周りを網線やシールド層で覆った配線材です。芯線にホット、外側の網線をグランドに落とすことで、ホット信号をノイズから守ります。

Gibson系のギターでよく見られるブレイデッドシールド線はこのタイプです。ノイズ対策としては強いですが、線の構造や容量の影響で、少し高域が丸く感じることがあります。それを「こもる」と感じるか、「温かい」と感じるかはギターとアンプ次第です。

ギター内部配線に使われるシールド線

被覆材の違い

PVC被覆

PVC被覆は一般的で、価格も手頃です。扱いやすく、補修や初めての配線交換にも向いています。音に強い癖を付けにくく、普通に良い配線をしたいなら十分な選択肢です。

注意点は熱に弱いことです。ハンダごてを長く当てすぎると被覆が溶けやすいので、作業は手早く行う必要があります。

テフロン被覆

テフロン被覆は熱に強く、ハンダ作業で被覆が溶けにくいのがメリットです。音の印象は比較的各音を聞き取りやすく、配線後の仕上がりも安定しやすいです。

自作エフェクターやギター改造を何度も行う人にはかなり使いやすい被覆です。個人的にも、メーカー不明でもテフロン被覆で芯線がしっかりした撚り線は普段使いしやすいと感じています。

布被覆

布被覆は、ヴィンテージスタイルのFender系配線でよく使われます。見た目の雰囲気がよく、配線作業でも被覆を押し戻して芯線を出せるタイプは便利です。

音は少し柔らかく感じることがあります。ただし、布被覆だから必ずヴィンテージサウンドになるわけではありません。見た目、作業性、ギターの音の傾向を含めて選ぶのが良いです。

エナメル線

ヴィンテージ線や古い電子部品で見かけるのが、エナメル被覆の配線材です。独特の柔らかさや古い部品らしい雰囲気があり、ヴィンテージトーンを狙う改造では候補になります。

ただし、被膜をヤスリなどで剥がしてからハンダ付けする必要があり、作業性はよくありません。初めてのギター配線交換なら、無理に選ばなくても大丈夫です。

太さはAWG22前後を基準にする

ギター内部配線では、AWG22前後が扱いやすい基準です。太すぎる線は取り回しが悪く、狭いキャビティ内で作業しにくくなります。細すぎる線は扱いやすい反面、強度やハンダ付けの安定感に不安が出る場合があります。

線の太さは、主に配線時の取り回しや耐久性に関わります。ギター内部の短い距離では、太さだけで音が大きく変わるとは限りません。

迷ったらAWG22、細かい配線や狭い場所ならAWG24程度までを見る、という考え方で十分です。

おすすめギター配線材

BELDEN 8503

BELDEN 8503は、ギターやエフェクターの内部配線で使いやすい定番フックアップワイヤーです。音に強い癖を付けにくく、作業性も安定しているので、迷ったときの基準にしやすい線材です。

複数色セットを使うと、ホット、グランド、ピックアップセレクター周りを色分けできるのも便利です。配線ミスを減らしたい人にも向いています。

Allparts Cloth Wire Kit

AllpartsのCloth Wire Kitは、Fender系の内部配線をヴィンテージ寄りにまとめたいときに使いやすい布被覆線キットです。配線材の雰囲気を揃えやすく、ストラトキャスターやテレキャスターの補修・改造に向いています。

布被覆線は見た目のクラシックさだけでなく、作業時に被覆を押し戻して芯線を出せるタイプが多いのも便利です。ヴィンテージ風の配線にしたいけれど、古い線材の状態差までは背負いたくない場合に候補になります。

Providence FW-800

Providence FW-800は、OFC系の内部配線材を使いたい人に向く選択肢です。クセが少なく、クリーンな方向でまとめたいギターに使いやすいです。

ストラトやテレキャスターのように、ピックアップ本来の音を素直に出したいギターでは相性が良いです。音を大きく変えるというより、配線をきれいに整えたいときに候補になります。

Sonic HW系

Sonicの配線材は、ヴィンテージスタイルの配線をしたい人に向いています。Fender系の改造や補修で雰囲気を合わせたい場合に使いやすいです。

高域を必要以上に硬くしたくないギターや、布被覆の見た目も含めて仕上げたいギターに合います。配線材の見た目まで整えたい人にも良い選択肢です。

MOGAMI 2514

MOGAMI 2514は、国内でも手に入りやすく、作業性の良いフックアップワイヤーです。ギター内部だけでなく、自作エフェクターや小さな配線作業にも使いやすいです。

音の傾向は比較的まとまりが良く、癖を強く出したくない場合に向いています。複数色で管理しやすい点も実用的です。

Gavitt ブレイデッドシールド線

Gavittのブレイデッドシールド線は、Gibson系のギターでよく使われるタイプです。レスポール、SG、ES系のように、コントロールキャビティ内でシールド線を使いたい場合に候補になります。

ノイズ対策を重視するなら便利ですが、作業には少し慣れが必要です。外側の網線がグランドになるため、余計な接触やショートには注意してください。

Montreux Vintage braided wire

Montreux Vintage braided wireは、Gibson系のブレイデッドワイヤーを使いたい人に向く配線材です。レスポールやSGのような配線で、見た目も含めてヴィンテージ寄りに仕上げたい場合に使いやすいです。

Gavitt系と同じく、シールド線はノイズ対策に強い反面、外側の網線処理に注意が必要です。Fender系のオープンな配線とは少し考え方が違うので、ギターの構造に合わせて選びましょう。

FEP テフロン線

FEPテフロン線はギター専用品ではなく汎用線材ですが、耐熱性が高く、はんだ付け時に被覆が溶けにくい線材です。配線作業に慣れていない人でも、PVC被覆より扱いやすく感じる場面があります。

透明被覆なので見た目のヴィンテージ感は薄いですが、実用性重視ならかなり現実的です。配線材だけで音を大きく変えようとせず、安定して作業したい場合に候補になります。

現行で手に入る配線材メーカー

オヤイデ電気

オヤイデ電気は、オーディオや楽器周辺で使いやすい線材を扱うメーカーです。撚り線、テフロン被覆、単線など選択肢が多く、細かく選びたい人に向いています。

参考 オヤイデ電気 3398-22オヤイデ電気

桜屋電気で扱われているメーカー不明線

秋葉原の桜屋電気で扱われている、メーカー不明のテフロン被覆線も個人的にはよく使っています。詳細なメーカー名は確認できませんが、被覆が熱に強く、芯線もしっかりした撚り線なので、作業性が良いです。

音のバランスも素直で、極端な癖がありません。配線材だけで音を大きく変えようとせず、普通に良い線を使いたい場合にはかなり現実的です。

参考 桜屋電気 フックアップワイヤー桜屋電気

古河電工

古河電工のような国内電線メーカーの線材も、品質面では信頼できます。ギター専用として売られていない線でも、導体、被覆、太さが目的に合えば十分使えます。

ギター用という表記だけで判断するより、AWG、単線/撚り線、被覆材、作業性を見るほうが実用的です。

ヴィンテージ配線材は必要か

ヴィンテージ配線材には、Belden、General Electric、Western Electric、Lenz、Alpha、Gavittなどの名前がよく出てきます。古いFenderやGibsonの雰囲気を狙うなら、こうした線材を使う楽しさはあります。

ただし、ヴィンテージ線は状態差が大きく、酸化、被覆の劣化、入手性、価格の問題があります。必ず現行品より音が良いわけではありません。

ヴィンテージギターの補修や、見た目まで含めて時代感を合わせたい場合には有効です。一方で、普段使いのギターを安定して鳴らしたいなら、現行のBELDEN、MOGAMI、Providence、Sonic、Gavittあたりで十分です。

配線交換で音を良くするポイント

配線を短くしすぎない、長くしすぎない

配線は短いほど良いと思われがちですが、無理に短くするとメンテナンス性が落ちます。ピックガードを開けたときに作業できる程度の余裕は残したほうが安全です。

ただし、長すぎるホット線はノイズを拾いやすくなります。必要以上に長い線は避け、キャビティ内で無駄にループしないようにまとめましょう。

グランド配線を整理する

ノイズ対策では、配線材そのものよりグランドの取り方が重要なことがあります。ポット背面のハンダが甘い、複数のグランドが不安定に接触している、ジャック周りが緩い、といった状態では、どんな良い線材を使ってもノイズは減りません。

ハムノイズやグランドループの考え方は、こちらの記事でも詳しく解説しています。

トーンコンデンサやポットも一緒に確認する

配線材を交換するタイミングでは、トーンコンデンサ、ポット、ジャック、セレクターも確認しておきたいです。古いギターでは、配線材よりジャックやポットの劣化が音やノイズに影響していることもあります。

トーンコンデンサの選び方は別記事で詳しくまとめています。

BELDEN 8412を分解して芯線を使う方法

BELDEN 8412は本来、ギターシールドやマイクケーブルに使われる2芯シールドケーブルです。ただ、これを分解して中の芯線2本を取り出し、ギター内部配線として使う方法もあります。

8412の芯線は18〜20AWG相当で、ギター内部配線としては少し太めです。そのぶん取り回しはやや大変ですが、各音の聞き分けやすさや輪郭がかなり上がる印象があります。細い線材で少し音がぼやけるギターや、配線交換で中音域を出したい場合には試す価値があります。

ギターやエフェクターの自作・改造系では、BELDEN 8412の芯線を内部配線に使う方法が紹介されることもあります。松美庵のような自作・改造系の情報を参考にしている人には、比較的なじみのある使い方かもしれません。

注意点は、太さと硬さです。狭いキャビティや複雑なセレクター周りでは作業しにくく、無理に曲げるとハンダ部に負担がかかります。使うなら、ジャック周り、ポット間、短くまっすぐ引きたい場所など、太さを活かせる部分から試すのが安全です。

外部シールドケーブルと混同しない

ギター内部配線と、ギターからアンプへつなぐシールドケーブルは別の話です。内部配線を変えても、外部ケーブルが長すぎたり容量が大きすぎたりすると、高域の印象は変わります。

たとえばBELDEN 8412は、ケーブル全体としては外部シールドケーブル素材です。一方で、分解して芯線だけを内部配線に使う場合は、通常のフックアップワイヤーに近い考え方になります。ケーブル全体を内部に入れる話なのか、芯線だけを取り出して使う話なのかを分けて考えると整理しやすいです。

外部ケーブルも含めて見直したい場合は、ギターシールドの記事も参考になります。

よくある質問

ギター配線材を交換すると音は変わりますか?
高音域の量、ノイズ、音の輪郭が変わることはあります。ただしピックアップ交換ほど大きな変化ではないため、配線の整理や劣化対策として考えるのが現実的です。
ギター内部配線材は何AWGがおすすめですか?
迷ったらAWG22前後が扱いやすいです。狭い場所や細かい配線ではAWG24程度も候補になりますが、強度と作業性のバランスを見て選びましょう。
単線と撚り線はどちらが良いですか?
最初は取り回ししやすい撚り線がおすすめです。単線は輪郭が出やすい一方で硬く、折れやすいので、作業場所とギターの構造に合わせて選びます。
ツイスト配線とシールド線はどちらを選ぶべきですか?
オープンな音を残しつつノイズを抑えたいならツイスト配線、長いホット線やGibson系でノイズ対策を強めたいならシールド線が候補です。
ヴィンテージ配線材は必要ですか?
必須ではありません。見た目や時代感を合わせたい場合には有効ですが、普段使いなら現行の信頼できる配線材で十分です。

まとめ

ギター内部配線材は、音、ノイズ、作業性に影響する部品です。ただし、こだわりすぎると終わりがない部分でもあります。まずはAWG22前後の信頼できるフックアップワイヤーを基準にして、必要に応じてツイスト配線やシールド線を使うのが現実的です。

Fender系のように明るさや反応を残したいギターでは、扱いやすい撚り線や布被覆線を基準にする。Gibson系や長いホット配線でノイズが気になる場合は、ブレイデッドシールド線も検討する。このくらいの考え方で十分です。

最終的には、線材そのものよりも、きれいなハンダ付け、無駄のない配線、安定したグランド処理が大切です。配線材は「音を魔法のように変える部品」ではなく、ギターの信号をきちんと通すための土台として選ぶのが失敗しにくいです。