デレク・トラックスの音作りで先にそろえたいのは、SG系ギター、オープンE、ガラス製スライド、音量に余裕のあるチューブアンプです。エフェクターを多数並べるタイプではありません。機材は活動時期で変わりますが、指弾きの強弱とスライドのピッチがサウンドの中心にあります。
この記事の結論
2014年のAllman Brothers Band、2019年の本人インタビュー、2022年のTedeschi Trucks Bandでは使用機材が異なります。PRS、Fender、Alessandroは使用時期が異なるため、時期別に分けて見る必要があります。
参考 Rig Rundown: Tedeschi Trucks BandPremier Guitar 参考 Interview: Derek TrucksGuitar.com 参考 デレク・トラックスが2022年ツアーで使用したギター、アンプ、エフェクターギター・マガジンWEB使用ギター、チューニング、弾き方
メインはGibson Custom ShopのDickey Betts SGを含むSG系です。オープンEで使い、ピックを持たずに親指と指で弾きます。弦はDRの.011、.014、.017、.026、.036、.046、スライドはDunlopのシグネチャーモデルが確認されています。
オープンEはE、B、E、G#、B、Eに合わせるチューニングです。レギュラーチューニングより3本の弦を上げるため、ネックや弦高に不安があるギターでは無理に合わせず、オープンDから試す方が安全です。
音程はスライドをフレットの真上へ置き、左手のビブラート幅と右手のミュートで整えます。歪みを増やす前に、クリーンで不要弦のノイズとピッチを確認すると違いが分かりやすくなります。
参考 Tedeschi Trucks Band: All in the FamilyPremier Guitar時期別の使用機材
| 時期 | 主なギター | アンプ | エフェクト、周辺機器 |
|---|---|---|---|
| 2014年 Allman Brothers Band | Gibson Dickey Betts SG | PRS HXDA、Alessandro | TC Electronic PolyTune、1963 Fender Reverb Unit、Radial Tonebone |
| 2019年 Tedeschi Trucks Band | Gibson SG | Alessandro製アンプ | 本人はSuper Reverbより音量とヘッドルームを増やした方向と説明 |
| 2022年ツアー | Gibson Dickey Betts SG | Alessandro AZZ、予備のAZZ、Fender Super Reverb | PolyTune 3、Octonaut Hyperdrive、EP103、Strymon Lex |
| 2026年『Future Soul』録音 | Gibson SGを中心に複数のギター | Fender Vibroverb、Supro、Silvertone、Leslie 16 | Octonaut Hyperdrive、Tycobrahe Octavia、Fender ’63 Reverb、Maestro Echoplex EP-4 |
2026年の機材はアルバム録音時のリストであり、2022年のツアーボードを置き換えたという意味ではありません。録音では曲ごとにギター、アンプ、エフェクターを選び、ライブではSGとAZZを中心にした組み合わせへ絞っています。
参考 Gear Rundown: Warren Haynes and Derek Trucks of the Allman Brothers BandGuitar World 参考 Inside Tedeschi Trucks Band’s new album, Future SoulPremier Guitar確認できるエフェクターと周辺機器
Klon CentaurとKlon系オーバードライブ
Klon Centaurは過去のステージ映像で確認例がありますが、常に使う固定エフェクターとは断定できません。2022年のツアーではInterstellar Audio Machines Octonaut Hyperdriveをソロ用ブースターとして使い、歪み系エフェクター自体は時期によって替えているとテックが説明しています。
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Jim Dunlop EP103 Echoplex Delay
2022年のEP103は常時オンで、8分音符を基準に薄くかけ、リピートは3回程度とされています。ディレイ音をバンド内で聞き取りやすくする設定ではなく、単音の後ろに短い余韻を作る使い方です。外付けのMXR M199でテンポを合わせています。
JIM DUNLOP EP103 ECHOPLEX DELAY エコープレックス ディレイ
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TC Electronic PolyTune 3
2022年の接続は、ギターからPolyTune 3を通り、AlessandroのカスタムA/Bスイッチャーで2系統へ分岐します。チューナーは音色を作るエフェクターではありませんが、オープンEとスライドのピッチをステージ上で確認する実用品です。
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AmpRx BrownBox
2017年のRig Rundownでは、アンプへ送る電圧を調整するAmpRx BrownBoxが紹介されています。エフェクターでも一般的なアッテネーターでもなく、会場ごとに異なる電源電圧をアンプに合わせるための機器です。電圧を下げても好みに合う音になるとは限りません。また、使用アンプが対応する電圧を確認する必要があります。
使用アンプ
Alessandro AZZ
2022年ツアーのメインはAlessandro AZZで、同じAZZのプロトタイプが予備として置かれていました。本人は2019年のインタビューで、以前のSuper Reverbに近い音を保ちながら、音量と、音が歪み始めるまでの余裕を増やしたアンプだと説明しています。
参考 Alessandro AZZ AmplifiersAlessandro ProductsFender Super Reverb
Super Reverbは長年の基準になったアンプです。2022年のツアーではAZZがメインで、Super Reverbは異なる音が必要な場面、予備、ゲスト用として用意されていました。ヴィンテージ個体と現行リイシューは同じ音ではありませんが、4基の10インチスピーカーと大きなクリーンの方向を知る候補になります。
Matchless Chieftain 2X10
1996年製Chieftain 2X10は、2006年に盗難被害を受けた機材一覧に記載された過去の所有機です。現在のライブ用アンプとして紹介するのは正確ではありません。
所有する1969年製Vibrolux Reverbも、10インチスピーカー2基を備えます。Chieftain 2X10、Vibrolux Reverb、4発のSuper Reverbは同じ音ではありませんが、10インチスピーカーの速い反応と低域のまとまりは共通する比較ポイントです。
参考 DTB Gear StolenJambands.comPRS DallasとPRS HXDA
デレク本人がPRS Dallas 50Wを紹介する2012年の映像は残っています。ただし、2014年のAllman Brothers Band用アンプとして詳細に確認されているPRSヘッドはHXDAです。Dallasを現在のメインアンプ、または長期間固定された機材として扱うのは避けた方がよいでしょう。
1963 Fender Reverb Unit
2014年のAllman Brothers Bandでは、リバーブを持たないPRS HXDA側へ1963 Fender Reverb Unitを接続していました。2022年のAZZやSuper Reverbと同じ時期に使われた組み合わせではありません。
Fender Vibro-Champ
ブラックフェイス期のVibro-Champは、自宅スタジオの映像や録音で確認できる小出力アンプです。大音量ライブのSuper ReverbやAZZとは用途が異なり、小さなアンプを録音で鳴らし切りたい場面に向きます。
現行の’68 Custom Vibro Champ Reverbは代替候補ですが、ヴィンテージVibro-Champの復刻ではなく、リバーブや10インチスピーカーを備えた別仕様です。
デレク・トラックスの音へ近づく手順
- SG系ギターを用意し、無理がなければオープンEへ合わせる
- ガラス製スライドでフレット真上のピッチとミュートを練習する
- 指弾きで弱音から強音まで音量差を出す
- アンプは歪ませすぎず、高域が硬ければギター側のトーンも下げる
- 必要なら薄いディレイとローゲインのブースターを加える
自宅ではSuper Reverb級の音量を出しにくいため、小出力のFender系アンプやアンプシミュレーターでも構いません。大切なのは機種名より、強く弾いたときだけ少し飽和し、弱く弾けばクリーンへ戻る余裕を残すことです。
よくある質問
- デレク・トラックスのメインアンプは何ですか?
- 長年の基準はFender Super Reverbです。2019年の本人インタビューと2022年ツアーでは、Super Reverbを発展させた方向のAlessandro AZZがライブの中心でした。
- デレク・トラックスはどのエフェクターを使いますか?
- 2022年ツアーではOctonaut Hyperdrive、EP103 Echoplex Delay、Strymon Lex、PolyTune 3が確認されています。歪み系エフェクターは時期によって変わります。
- デレク・トラックスの音に近づくには何から始めますか?
- SG系ギター、オープンE、ガラス製スライド、指弾きを先に練習します。アンプは高域を硬くしすぎず、強弱が残るクリーン寄りの設定から始めます。
関連記事
ライブ用アンプを出力と重さから比較する場合はこちらです。
国内アーティストの使用機材と比べたい場合は、常田大希の機材記事も参考になります。
まとめ
デレク・トラックスの使用機材は変化していますが、SG、オープンE、指弾き、スライド、余裕のあるチューブアンプという軸は一貫しています。最初から高価なヴィンテージ機材を集める必要はありません。ピッチとミュート、右手の強弱を整えてから、足りない歪みや広がりだけを追加する方が近道です。








