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プロが使う変なエフェクター4選|Tensor・HEDRA・Whammy

ステージ上でピッチシフトとグリッチ系エフェクターを操作するギタリストの足元

プロの足元にある“変なエフェクター”は、奇妙な音を鳴らすだけの機材ではありません。Red Panda Tensorはフレーズの時間を止めたり戻したりし、Meris HEDRAは複数の音程をリズムに合わせて動かし、DigiTech Whammyは足の動きをそのまま音程変化へ変えます。

西田修大さんの2024年撮影のボードを見ると、Whammy 5、HEDRA、Tensor、Telegraph Stutterが別々の役割を担当していました。ピッチを動かす、反復を崩す、残響を急に止める。変わった音そのものより、演奏中に何を操作できるかが重要です。

この記事で確認した範囲
西田修大さんの2024年撮影ボード、SUGIZOさんの2023年公演写真、1995年のRadiohead『The Bends』収録曲「My Iron Lung」を扱った専門誌記事を中心に整理しています。各時点の記録であり、2026年現在の全機材や継続使用を示すものではありません。

既存の珍しいペダルを広く見たい場合は、次の記事で歪み、モジュレーション、シンセ系を含む13機種を紹介しています。

プロが変なエフェクターで解決している4つのこと

4機種の違いは、音の派手さではなく、演奏中に操作する対象で分けると理解しやすくなります。

機材演奏中に動かすものプロの使用例で分かる役割
Red Panda Tensor時間、再生方向、音程、反復フレーズを落とす、切る、繰り返す、崩す
Meris HEDRA3声の音程と反復タイミングWhammyだけでは切り替えにくい音程変化を作る
DigiTech Whammyペダル操作による音程足の動きと連動した上昇、下降、跳躍をフレーズにする
CopperSound Telegraph Stutter音を通す/切る残響を含む信号を瞬時に止める

同じ「ピッチを変える機材」でも、Whammyは足で連続的に動かし、HEDRAは複数の音程を時間差で鳴らします。Tensorは録音した短いフレーズ自体を素材として扱います。この違いが分かると、見た目の珍しさではなく必要な操作から選べます。

Red Panda Tensorはフレーズの時間を演奏する

Red Panda Tensor

Tensorは、逆再生、テープストップのような速度変化、ピッチシフト、タイムストレッチ、ホールド、短いループの切り刻みを1台で扱えるペダルです。Red Panda公式では、音程を変えずに時間を伸縮する操作と、時間を変えずに音程を動かす操作を分けて調整できます。

西田修大さんはTensorを演奏の一部として使う

2024年12月公開の本人インタビューでは、Tensorで音を落とす、切る、反復する、崩す操作を行うと説明しています。本人はTensorを自分のギタープレイの一部と説明し、エクスプレッションペダルも接続しています。

同じボードの最後段にはTelegraph Stutterがあり、Tensorで変形した音や残響を急に止められる構成です。Tensor単体の機能を増やすより、最後に無音へ戻す方法まで用意している点が実用的です。

参考 多彩なサウンド・ギミックの秘密に迫る! 西田修大のペダルボードギター・マガジンWEB 参考 TensorRed Panda Lab

2021年撮影の君島大空さんのボードでもTensorを確認できます。ただし、同資料で分かるのは接続位置と製品名までで、西田修大さんと同じ操作をしていたとは限りません。

Meris HEDRAは音程をリズムに変える

Meris HEDRA

HEDRAは、原音に対して3つの音程を加え、それぞれを異なるタイミングで鳴らせるリズミック・ピッチシフターです。Meris公式では、各声の音程とディレイ時間、4種類のディレイ構成とフィードバック経路、キーに沿ったハーモニー、滑らかな変化と段階的な変化を設定できます。

西田修大さんはWhammyと役割を分けている

西田修大さんは2024年のインタビューで、Whammyのモードを足で変える時間がない場面と、一定のリズムで音程を動かす場面にHEDRAを使うと説明しています。Morningstar MC6 MKIIからHEDRAを制御しています。

Whammyが「足で音程を動かす楽器」なら、HEDRAは「音程を並べた短いシーケンス」を呼び出す機材です。コードへ単純なハモりを足すだけではなく、音程の変化自体をリズムとして配置できます。

参考 Hedra 3-Voice Rhythmic Pitch ShifterMeris

DigiTech Whammyは足の動きを音程へ変える

Whammyは、エクスプレッションペダルを踏み込む動きで音程を連続的に変えるピッチシフターです。世代によってモードやバイパス仕様が異なるため、プロの使用例はWH-1、WH-2、Whammy 5を分けて見る必要があります。

DigiTech Whammy 5

2024年撮影のボードではWhammy 5がHEDRAの前に置かれていました。本人はロータリーを足で動かし、曲に合わせて1オクターブ、2オクターブ、5度などのモードを選ぶと説明しています。

参考 Whammy Pitch Shifting Guitar EffectDigiTech

DigiTech Whammy II / WH-2

2023年7月10日のSUGIZOさんの公演写真では、Whammy II / WH-2が本人左側のボードで確認できます。写真から設置場所と機種は分かりますが、使用曲、設定、踏み方までは確認できません。

参考 SUGIZO 2023年7月10日公演の使用機材STAGE

DigiTech Whammy WH-1

Guitar WorldはRadiohead「My Iron Lung」の音を分析し、WH-1を1オクターブ上、ペダルを踏み込んだ状態で使ったと説明しています。これは同誌による機材分析であり、本人が公開した設定値ではありません。

同じWhammyという名前でも、「My Iron Lung」で扱われたWH-1と、現在購入できるWhammy 5は別世代です。WH-1の設定をWhammy 5へそのまま当てはめず、まず1オクターブ上のモードで音程の動きを確かめる方が分かりやすくなります。

参考 The secrets behind Jonny Greenwood’s guitar tone on My Iron LungGuitar World

Telegraph Stutterは残響ごと音を止める

CopperSound Pedals Telegraph Stutter

Telegraph Stutterは、フットスイッチを押している間だけ音を通す、または切るためのモーメンタリー・スイッチです。西田修大さんの2024年撮影ボードでは音声経路の最後に置かれ、Tensorや空間系で残った音を瞬時に止める用途が説明されています。

派手な音を追加する機材ではありませんが、直前まで鳴っていた音を意図した場所で無音にできるため、Tensorの反復やリバーブの余韻もフレーズの一部として区切れます。

CopperSound Pedals Telegraph Stutter Black

Telegraph Stutter Blackは、初代Telegraph Stutterの日本限定復刻仕様です。2026年8月14日時点でSound Houseでは販売終了と表示されています。2024年の写真だけでは西田修大さんの使用機と同じ色仕様か確定できないため、本人使用機とは分けています。

CopperSound Pedals Telegraph V2

Telegraph V2は、CopperSoundが初代Telegraph Stutterの後継として紹介する現行世代です。押している間だけ音を通す/切る操作に加え、連続した細かい断音を作るBurst、Kill、Activateの各機能を備えます。西田修大さんの2024年撮影ボードで確認された機材とは別製品です。

参考 Telegraph V2 Autostutter & KillswitchCopperSound Pedals

変なエフェクターを飛び道具で終わらせない試し方

Tensor、HEDRA、Whammyは機能を増やすほど複雑になります。最初は一つの操作だけに絞ると、曲の中で使えるか判断しやすくなります。以下は本人の公開設定ではなく、各製品の違いを確かめるための開始案です。

機材最初に試す操作聞くポイント
Tensor短いフレーズをホールドし、逆再生へ切り替える弾いた音と反復音の境目
HEDRA追加する声を1つに絞り、単純な反復を作る原音と変化した音程のタイミング
Whammy1オクターブ上または下を選び、ゆっくり踏む足の速さと音程変化の関係
Telegraph Stutter長い残響の後ろで短く音を切る無音へ戻る位置がリズムに合うか

1台目は操作方法で選ぶ

  • 足の動きで音程を操りたいならWhammy
  • 自動的なハーモニーやリズミックな音程変化ならHEDRA
  • 弾いた音を逆再生、停止、反復して組み替えたいならTensor
  • すでにある残響や反復音を瞬時に止めたいならTelegraph Stutter

WhammyとHEDRAはどちらもピッチ系ですが、置き換え関係ではありません。Tensorもピッチ変更はできますが、主な違いは時間と再生方向まで操作できることです。欲しい音色名ではなく、演奏中に何を動かしたいかで選ぶと役割が重なりにくくなります。

よくある質問

この記事でいう変なエフェクターとは何ですか?
音程、再生方向、反復、無音への切り替えを演奏中に操作し、通常の歪みや残響とは異なる動きを作るペダルです。
TensorとWhammyの違いは何ですか?
Whammyは足の動きで音程を連続的に変えます。Tensorは音程に加え、逆再生、速度、ホールド、短い反復も操作できます。
HEDRAとWhammyの違いは何ですか?
Whammyはペダルで音程を動かす機材です。HEDRAは3声の音程と反復タイミングを設定し、リズミックな変化を作れます。
プロは変なエフェクターをどう使っていますか?
西田修大さんはピッチ操作、反復の変形、残響のカットを別の機材へ分担し、足元の操作をフレーズの一部にしています。
初めて選ぶならTensor、HEDRA、Whammyのどれですか?
足で直感的に音程を動かすならWhammy、複数の音程をリズム化するならHEDRA、時間や再生方向まで変えるならTensorです。

まとめ

プロの足元で使われる変なエフェクターは、無関係な奇音を足すためではなく、演奏中に音程、時間、反復、無音を操作するための道具です。

  • Tensorは弾いたフレーズの時間と再生方向を組み替える
  • HEDRAは複数の音程をリズムに沿って配置する
  • Whammyは足の動きを音程変化へ変える
  • Telegraph Stutterは残響を含む音を狙った位置で止める

最初からすべての機能を使う必要はありません。1台につき一つの操作へ絞り、フレーズのどこで変化を始め、どこで通常の音へ戻すかを決めると、飛び道具ではなく演奏の一部として使いやすくなります。