Chicago Iron Octavian Plusは、古典的なOctavia系の回路を受け継ぎ、足元での切り替えを使いやすくしたオクターブファズです。 中を見ると、特段高そうな部品が並んでいるわけではありません。私には、回路を大きく作り替えたというより、もともとの音を使いやすくした一台に見えます。
注目したいのは追加のフットスイッチです。BOOSTというノブもありますが、追加スイッチの役割は独立したブースターのON/OFFではなく、ファズとオクターブファズの切り替え。この機能があることで、使いどころが広がっています。

今回のOctavian Plus。VOLUMEとBOOSTの間には60’s/70’sの切り替えがあり、足元には2つのスイッチが並びます。
Octavian PlusはTycobrahe Octaviaを受け継ぐモデル
Octaviaという名前には複数の製品や歴史がありますが、Octavian Plusで基準になるのはTycobrahe Octaviaです。Effects Databaseに転載されているChicago Ironの説明でも、Tycobrahe Octaviaと同じ回路を土台に、演奏者から要望のあった機能を加えたモデルとして紹介されています。
つまり、オクターブファズの音を一から別物に作り直すというより、従来の音をどう使いやすくするかを考えたモデルです。「オリジナルから大きく変わっていない」という私の見方にも、この説明はしっくりきます。ただし、今回の個体について、すべての部品定数と配線を原型と照合したわけではありません。
| 操作部 | 役割・表示 |
|---|---|
| VOLUME | 出力音量の調整 |
| BOOST | 音の伸びや歪みの感触を調整するノブ |
| 追加フットスイッチ | ファズ/オクターブファズの切り替え |
| 上部トグルスイッチ | 60’s/70’sの表示がある切り替え |
追加スイッチで、ファズからオクターブへ切り替えられる
Octavian Plusの便利なところは、オクターブの有無を足元で選べることです。ファズとして弾いていたところから、オクターブを加えた音へ切り替えられます。
Effects Databaseに残るメーカー説明には、次のように書かれています。
An additional foot switch has been added to allow the pedal to to be switched from fuzz to octave on the fly.日本語訳:演奏中にファズからオクターブへ切り替えられるよう、フットスイッチを追加しています。
参考 Octavian Plusのメーカー説明転載(英語)Effects Database別々のエフェクターを用意して踏み替える方法もありますが、一台の中で切り替えられるのは分かりやすいです。オクターブファズを特定のフレーズだけで使いたい人にも、この追加は便利だと思います。
BOOSTノブは、このフットスイッチとは別の操作です。同ページの操作説明では、BOOSTを上げると元の音のサステインが伸び、オクターブが立ち上がるまでの響き方が変わるとされています。単純に音量を上げるためのスイッチと捉えるより、VOLUMEで音量、BOOSTで伸ばした音の変化を確かめると分かりやすいでしょう。
中を見ると、特別に高価な部品を並べた印象はない

基板上には抵抗やコンデンサ、トランジスタが並び、右側にはトランスが見えます。部品点数の多い複雑な基板ではありません。
中を開けてみると、私には特段高い部品を使っているようには見えません。抵抗やコンデンサが並ぶ、昔ながらのエフェクターらしい構成です。高級な部品を大量に詰め込んでいる、といった印象とは違います。
ただ、部品の見た目と音の良し悪しは別の話です。写真だけでは仕入れ価格や選別の手間までは分かりませんし、見慣れた部品でも組み合わせや調整で結果は変わります。ここは「高い部品だから良い音」という見方より、出来上がった音と使い勝手で考えたいところです。
回路についても、私が面白いと思うのは大胆な作り替えではなく、古典的な仕組みを残しているところです。追加スイッチで扱いやすくするという方向が、このOctavian Plusの特徴だと思います。
内部写真で目に留まるトランス

角度を変えると、トランスや基板から各操作部への配線が見えます。写真の個体には9V電池が収まっています。
内部で目を引くのはトランスです。小さなICを中心に多くの機能を詰め込んだ構成とは、見た目からして違います。こうした部品を含めて、古典的なオクターブファズらしさを感じます。
この写真から具体的なトランジスタの型番やトランスの巻数比までは読み取れません。60’s/70’sスイッチについても、表示だけを根拠に「ゲルマニウムとシリコンを切り替えている」などと判断することはできません。内部の姿を楽しみつつ、分かることと推測は分けておきたいです。
音を試すときは、切り替えとBOOSTを別々に確認する
試奏するなら、まずファズとオクターブファズの違いを聴き、そのあとBOOSTを動かすと、各操作の役割をつかみやすいと思います。
Octavian Plusの実演動画
GuitarTutorialsdotitが公開しているPaul Audiaの実演です。実機で試す前に、Octavian Plusの音を知る参考にどうぞ。
同じオクターブファズという括りでも、機種ごとに違いがあります。別機種のOctavio Octave Fuzzについては、こちらで紹介しています。
よくある質問
- Octavian Plusの追加スイッチはブースト用ですか?
- メーカー説明の転載では、ファズとオクターブファズを切り替えるフットスイッチとされています。BOOSTノブとは別の操作です。
- どのOctaviaをもとにしていますか?
- Chicago Ironの説明ではTycobrahe Octaviaが基準です。Octaviaという名前のすべての機種と同一回路という意味ではありません。
- 高価な部品が使われていますか?
- 私には、内部を見ても特別に高価な部品を並べた印象はありません。ただし、写真だけで部品価格や選別の手間までは判断できません。
- オリジナルと回路は完全に同じですか?
- メーカー説明ではTycobrahe Octaviaの回路を受け継ぐとされていますが、今回の個体の定数や配線をすべて照合したわけではありません。追加の切り替え機能も備えています。
古典的な音を、使いやすくする追加機能
Octavian Plusは、中を見て部品の豪華さに驚くようなエフェクターではありません。私には、Octavia系の基本を残しながら、演奏中の切り替えを便利にしたところに魅力があると感じられます。
オクターブファズの音が欲しいけれど、ファズとしても使いたい。そういう人にとって、追加フットスイッチは実用的な機能です。回路の新しさよりも、昔ながらの音をどう演奏に取り入れるかで選びたい一台だと思います。
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