JC-120でジミー・ペイジの音を作るなら、まずギターのボリュームで歪みを薄くできるクランチを用意します。 低音を増やしすぎず、リフの音を止めた瞬間がはっきり聞こえるところを探す。リードでは手元のボリュームを戻し、必要な曲だけエコーを加える、という順番が取り組みやすいです。
レッド・ツェッペリンの大きな音を追いかけてGAINを上げすぎると、リフの歯切れや、弱く弾いたときの変化がなくなります。私は、歪みの深さよりも、音を出すところと止めるところの差を先に合わせたいです。
初期のテレキャスター、レスポールで弾くリフ、「Stairway to Heaven」のリード、エコーを生かす演奏を分けて説明します。数値やエフェクターの組み合わせは、JC-120で試すための私の提案です。ペイジ本人の録音機材や設定値を示したものではありません。
最初に決めるのは、スタジオ盤とライブのどちらへ近づけるか
ペイジといえばレスポールとMarshallを思い浮かべますが、録音された音をすべてその組み合わせで説明することはできません。2020年の本人インタビューでは、1作目をテレキャスター中心に録音し、Suproや歪み、Echoplex、ワウを使ったことを振り返っています。
The first album was totally based around the Telecaster.
日本語訳:最初のアルバムは、完全にテレキャスターを中心に作られました。
参考 ペイジ本人が語る初期のギター・アンプ・エフェクト(英語)Guitar World/Total Guitar同じ取材では、「Whole Lotta Love」にSuper BeatleのアンプとTransonicのキャビネットを使ったこと、後にMarshallを録音とライブの両方で使ったことも説明しています。Marshall系の歪みを選ぶことと、特定の録音機材を再現することは別です。 JC-120ではまず、弾きたい録音を1つ決め、単音の明るさと歪みの量を合わせます。
| 弾きたい方向 | 最初に合わせるところ |
|---|---|
| 初期のざらつくリフ | リアPUと、ピックが当たる瞬間の輪郭 |
| レスポールで弾くロックのリフ | 低音を止めたときの切れ方と中音域 |
| 歌うようなリード | 単音の伸びとチョーキングの音程 |
| エコーを生かす演奏 | 原音と反復音の音量差、繰り返しの長さ |
JC-120の基本設定|コーラスを切り、歪みは外で作る
JC-120は、クリーンに設定して歪み系エフェクターを組み合わせます。内蔵リバーブが使えるCH-2のHIGH入力から始めます。配線するときは電源を切り、VOLUMEを0にしておき、電源を入れてから必要な音量へ上げます。
アンプはこの位置から調整する
| 操作子 | 出発点 |
|---|---|
| BRIGHT | OFF |
| TREBLE | 4〜5 |
| MIDDLE | 5〜6 |
| BASS | 3 |
| DISTORTION | OFF |
| REVERB | まず0。必要なら1〜2 |
| VIB/OFF/CHORUS | OFF |
| VOLUME | 演奏場所に合わせる |
アンプの0〜10目盛りでの目安です。最初にコーラスを切るのは、リフの輪郭と左右の広がりを一緒に変えないためです。歪みが決まるまでは、残響も少なくしておきます。
Rolandの取扱説明書では、標準的な出力のギターにHIGH入力を案内しています。エフェクターをつなぎ、入力が不自然に割れるようなら、まずエフェクターの出力を下げます。
For a guitar with a standard output, use the “HIGH” input.
日本語訳:標準的な出力のギターには、HIGH入力を使用します。
参考 JC-120の入力と各コントロール(英語PDF)RolandJC-120の硬さが気になるときの調整や、チャンネルの使い方はこちらでも扱っています。
ZVEX Vexter Box Of Rockでクランチを用意する
歪みの候補はZVEX Vexter Box Of Rockです。メーカーはJTM45を大きく鳴らしたときの歪みを設計の目標とし、ギターのボリュームで歪み量を変える使い方を案内しています。JC-120でロックのクランチを補い、手元で薄くする用途に選びます。
use your guitar’s volume control to adjust for the exact amount of distortion you need
日本語訳:ギターのボリュームを使って、必要な歪み量へ調整してください。
参考 Vexter Box of Rockの設計とボリューム操作(英語PDF)ZVEX
Box of Rockの操作面。左のBOOSTと右のROCKを独立して切り替えられるため、まずROCK側だけで歪みを作れます。画像は25周年デザイン。画像引用:ZVEX公式製品ページ(英語)。
接続はギター → Box of Rock → JC-120。BOOST側はOFFにして、DRIVEを10〜12時、TONEを11〜13時、VOLUMEをON/OFFで音量がそろう位置へ合わせます。JTM45を目標にした製品なので、SuproやTone Benderの音そのものが得られるとは考えず、まず弾いた音の強弱を残せる範囲で使います。
初期の音|テレキャスターの明るさを残してリフを弾く
「Communication Breakdown」のような勢いのあるリフを手がかりにするなら、テレキャスターのリアPUから始めます。ストラトでもリアPUを使えます。ギターのボリュームは10、トーンは7〜10程度にして、細かく弾いた音が続いても一つずつ聞き取れるか確認します。
歪みを増やす前に、ピッキングとミュートを合わせる
ペイジの初期の音にはTone Benderも関わります。ただ、ざらつきを足すことと、歪みを最大にすることは同じではありません。初期のファズ特有のつぶれ方まで狙う場合は別の検討になりますが、最初は手元の歪みで、ピックの当たり方が変わる範囲を探したいです。
レスポールのリフ|Whole Lotta LoveやBlack Dogを弾くなら
レスポール系のギターなら、リアPU、ボリューム10、トーン7〜10から始めます。Box of RockのDRIVEは11〜13時付近。JC-120のBASSは2〜3へ控え、MIDDLEは5〜6を起点にします。
ここでは、これらの曲のリフをJC-120で弾くための調整をします。「Whole Lotta Love」の録音アンプについては冒頭の本人発言を踏まえ、Marshall系の歪みで録音機材まで一致するという話にはしません。
リフが重く聞こえるかは、休符も含めて判断する
低音の量だけを増やすと、弦を止めたあとも部屋の響きが残り、次の音がぼやけることがあります。アンプの正面に加えて少し離れた場所でも聞き、低い弦と高い弦の両方が分かる位置へBASSを下げます。
「Black Dog」のように歌とリフが交互に出る曲では、音を出さない時間も大事です。歪みの深さを比べるときも、リフを弾き続けるだけでなく、一度止めてみます。止めた直後にノイズや他の弦が目立つなら、ミュートとDRIVEの両方を確認します。
ギターのボリュームでクランチへ戻す
ボリュームを6〜8程度へ絞り、コードを弾いたときに歪みが薄くなるか試します。リフやソロで10へ戻します。絞ると高音が減るギターもあるので、必要ならTONEを少し戻し、アンプのTREBLEを上げる前に手元で比べます。
2ボリュームのレスポールなら、フロント側を少し絞っておき、リア側を10にする使い分けもできます。PUを切り替えたときは音色だけでなく音量も変わるため、バッキングへ戻る音量として使えるか確認します。
リード|Stairway to Heavenはレスポールの印象と分けて考える
「Stairway to Heaven」の録音されたソロには、1959年製テレキャスターが使われています。Fenderの公式解説でも、その使用が紹介されています。ライブ映像のギターと、スタジオ盤のソロを分けると、ギター選びで迷いにくくなります。
Jimmy Page used his ’59 model to record the solo
日本語訳:ジミー・ペイジは、その1959年製モデルでソロを録音しました。
参考 Stairway to Heavenのソロとテレキャスター(英語)Fender音の伸びと、弾き始めの輪郭を両立させる
シングルコイルならリアPUから、Box of RockのDRIVEを12〜13時付近で試します。レスポールなら、低音がつぶれないところまでDRIVEを少し下げます。TONEは11〜13時付近から、単音が耳に痛くならず、速いフレーズが埋もれない位置へ合わせます。
まず短いフレーズを1つ選び、最後のチョーキングだけを長く伸ばします。上げる先の音程を先に弾き、その音へ届いているかを確かめる。音色が近づいても着地する音程がずれると、印象は大きく変わります。
BOOSTは歪み量ではなく、音量を足すために使う
Box of RockではBOOSTが歪み回路の後ろにあります。JC-120をクリーンにした今回の接続では、まずソロの音量を少し上げる目的で使います。BOOSTを踏むだけでDRIVEを上げたときと同じ歪みになる、とは考えません。
BOOSTノブは低い位置から少しずつ上げ、バンドの中でソロが聞こえる量にします。大きく上げるとJC-120への入力も強くなります。音が不自然に割れたり急に大きくなったりする場合は戻し、歪みの伸びはDRIVEで調整します。
エコーを足す|音の隙間に反復を聞かせる
ペイジが使ったEchoplexを手がかりに、JC-120ではディレイを歪みの後ろへ置く方法を試します。まずリフやリードの音を決めてから、反復音を加えます。これは操作しやすさを優先した接続例です。
BOSS DD-8のTAPEモードを使う
エコーは原音の後ろへ薄く添えます。BOSS DD-8のTAPEモードなら、テープ・エコーをもとにした反復音で余韻を加えられます。
新品で揃える候補にはBOSS DD-8を選びます。2026年10月6日時点で国内販売店の新品販売を確認でき、必要な操作もシンプルです。時間・繰り返し・音量を調整できるディレイを既に持っているなら、まずはそれで試してみてください。

DD-8は4つのノブで音色・時間・繰り返し・反復音の音量を調整できます。画像引用:BOSS公式製品ページ。
接続はギター → Box of Rock → DD-8 → JC-120。DD-8はINPUTとOUTPUTのA(MONO)を使います。
時間は曲のテンポに合わせるための出発点です。リフを弾き、エコーが次の音を覆わない位置を探します。反復を増やすほどペイジらしくなるわけではないので、原音の強弱や休符が聞こえる量に留めます。
参考 DD-8のモードとコントロールBOSS 参考 DD-8リファレンス・マニュアルBOSS新品の販売状況はサウンドハウスのDD-8製品ページで確認できます。購入時には在庫を確かめてください。
セッションへ持っていくなら、まず歪み1台でリフを仕上げる
私は、最初からファズ・ワウ・エコーを全部そろえるより、まず歪み1台でリフとリードを切り替えられる状態にしたいです。ギターのボリュームを絞った音と全開の音が使えれば、曲の中で変化を付けられます。ワウが動くパートや長いエコーが必要な曲は、その役割が決まってから足します。
レコードの厚みには、ギターの重ね録りや、ベース・ドラム、録音の響きも含まれます。ギター1本で全部を埋めようとせず、低音はバンドの中で確認します。自分だけで弾いたときには控えめに感じても、リフの切れ方が残っている設定を出発点にすると調整しやすいです。
同じJC-120で古いブルース・ロックの歪みを作る方法として、クラプトン編ではCreamやBluesbreakersの音を扱っています。ペイジのリフとは、ギターのトーンを絞る量や歪みの使い方を比べられます。
よくある質問
- JC-120だけでもジミー・ペイジの音を作れますか?
- クリーンのフレーズは直接つないで試せます。この記事で扱うロックのリフやリードには、ギターのボリュームで歪みを薄くできるエフェクターを組み合わせます。
- レスポールがないと難しいですか?
- 初期のアルバムやStairway to Heavenの録音ソロにはテレキャスターの使用が確認されています。手持ちのギターでリアPUから始め、低音と歪み量を調整できます。
- ペイジの録音はすべてMarshallですか?
- そうではありません。本人は1作目のSuproや、Whole Lotta Loveで使ったSuper Beatleのアンプにも言及しています。どの録音を目標にするかを先に決めると、音作りの方向を絞れます。
- Box of RockとDD-8は本人の使用機材ですか?
- この記事ではJC-120に歪みとエコーを足すための候補として紹介しています。本人の使用機材として挙げたものではありません。
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