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BOSS MT-2の改造方法|3種類の有名MODを実際に試して比較

BOSS MT-2 Metal Zone改造記事のアイキャッチ

BOSS MT-2の改造方法|3種類の有名MODを実際に試して比較

MT-2には、昔から複数の有名な改造方法があります。本記事では、筆者が実際に試した3種類のMODについて、部品の変更内容と音の違いを比較します。ただし、製造時期や基板仕様によって同じ作業ができない場合があります。

この記事で分かること
  • Diezel–Bogner、Marshall Boogie、Keeley MT-2 Modの変更箇所
  • 3種類を実際に試して感じた音とEQの違い
  • Remove、ダイオードの極性、コンデンサ容量の注意点
  • 改造前に確認したい基板仕様、工具、作業手順
  • 自分で改造する場合と工房へ依頼する場合の判断基準

MT-2を改造する前の注意

改造するとメーカー保証の対象外になる可能性が高く、基板や部品を破損することもあります。電池とACアダプターを外し、はんだごてによる火傷や火災に注意してください。本記事は改造の成功を保証するものではなく、作業は自己責任です。不安がある場合は修理・改造工房へ相談してください。改造の有無や施工状態は、中古で売却するときの査定にも影響する可能性があります。

MT-2には昔から複数の改造方法がある

BOSS MT-2 Metal Zoneは、純正状態でも音作りの幅が広いディストーションです。BOSS公式では、2段のゲイン回路、歪みの前後に配置された複数のフィルター、セミ・パラメトリック方式の中域を含む3バンドEQが特徴として説明されています。

特にMIDDLEとMID FREQの組み合わせは変化が大きく、中域の量だけでなく、調整する中心帯域を動かせます。HIGHとLOWも含め、純正MT-2だけで細かな帯域バランスを作れます。

参考 BOSS MT-2 Metal ZoneBOSS

一方、MT-2特有の中域の癖や歪み方を変えるため、コンデンサやクリッピングダイオードを交換する改造も昔から行われてきました。どのMODも同じ方向を狙うわけではありません。フィルター、クリッピング、EQ周辺のどこを変更するかで、つまみの反応や聴感が変わります。

改造は、純正より上の音を作るための作業ではありません。純正の音が好きなら、そのまま使うのが最も確実です。改造は、中域、低域、高域、歪み方のバランスを自分の好みへ近づけるための選択肢として考えてください。

BOSSエフェクター全体の中でMT-2の特徴を確認したい場合は、こちらの記事も参考になります。

今回比較する3種類のMT-2 MOD

今回扱うのは、Diezel–Bogner Mod、Marshall Boogie Mod、Keeley MT-2 Modの3種類です。筆者は3種類を実際に試していますが、表の「向いている人」は音質の順位ではなく、選び方の目安です。

MOD名主な変更実際に試した印象選び方の目安
Diezel–Bogner Mod中域・クリッピング・EQ周辺低域と高域の存在感が分かりやすく、歪みの輪郭も比較的追いやすい帯域の上下が広がるような印象を求める人
Marshall Boogie Mod中域・クリッピング・C36筆者が最も好み。EQで好みの帯域バランスを作りやすいMT-2のEQを細かく追い込みたい人
Keeley MT-2 Mod複数のコンデンサとダイオード周辺音の輪郭が整理され、コードの各弦を追いやすい歪みの中でコードの分離感を重視する人

MOD名にアンプメーカーの名前が入っていても、そのメーカーのアンプと同じ音になるという意味ではありません。ここでは、昔から使われてきた改造名として表記します。

BOSS MT-2基板上の改造対象部品に丸印を付けた位置確認画像

丸印は改造部品の位置を探すための目安です。作業時は、手元の基板に印刷された部品番号を必ず読んで確認してください。

画像の丸印だけで作業しない

製造時期によって基板や部品の並びが違う場合があります。画像の丸印や文字色だけを信じず、手元の基板に印刷されたC8、C35、D3などの部品番号を1つずつ読んで、交換表と照らし合わせてください。番号が読めない、または表と一致しない場合は作業を進めません。

Diezel–Bogner Modの改造内容

Diezel–Bogner Modは、中域のフィルター、クリッピング、EQ周辺へ広く手を入れるMT-2改造です。対象基板で部品番号と純正値が一致することを確認してから作業します。

部品位置純正値改造後
C350.01µF取り外す
C340.027µF0.047µF
C250.01µF取り外す
C420.047µF0.1µF
D31N4148LED
D41N41481N4001
C360.022µF0.1µF

C35とC25は取り外し、C34を0.047µF、C42を0.1µF、C36を0.1µFへ変更します。クリッピング周辺ではD3をLED、D4を1N4001へ交換します。

この組み合わせは、コンデンサ1個だけを交換するMODではありません。回路上は、歪みの前後にあるフィルターやクリッピング、EQの動作に関係する複数箇所を変更します。そのため、改造前と同じつまみ位置でも、帯域バランスや歪み方が同じになるとは限りません。

「Remove」は部品を取り外す指定です。C35とC25を外したあとの穴を、ジャンパー線でつなぐ指定ではありません。「外して何もつながない」と「線でつなぐ」では、回路の動きが変わります。

実際に試した感想

実際に試した印象では、Diezel–Bogner Modは3種類の中で最も「アメリカンアンプを連想する」と表現したくなる帯域バランスでした。ここでいうアメリカンな感じとは、中域だけが前へ集まるというより、低域と高域の存在感が比較的分かりやすく感じられたという意味です。

筆者の環境では、歪みの輪郭も比較的追いやすく、低音弦を弾いたときの存在感が出やすい印象でした。Marshall系を連想する中域中心の方向とは異なり、帯域の上下が広がったように聞こえました。

ただし、実際のDiezelやBognerアンプと同じ音になるわけではありません。「アメリカン」は筆者が3種類を比較したときの主観的な表現であり、必ず低音や高音が増えるという意味でもありません。

Marshall Boogie Modの改造内容

Marshall Boogie Modは、Diezel–Bogner Modと共通する変更が多い一方、C42を変更せず、C36を1µFへ変更する点が大きな違いです。

部品位置改造後
C35取り外す
C340.047µF
C25取り外す
C361µF
D3LED
D41N4001

C35とC25の取り外し、C34の0.047µF化、D3のLED化、D4の1N4001化はDiezel–Bogner Modと共通します。違いは、C42の変更を含まず、C36を0.1µFではなく1µFへ変更することです。

回路上は、C36の値がEQの反応に関係します。このMODでは1µFへ変更するため、3種類を比較するときの重要な確認箇所です。実際の操作では、EQの変化幅が大きく感じられる方向でした。

1µFのコンデンサは、種類や耐えられる電圧によって大きさが変わります。部品の足が基板の穴に合うか、ケースを閉じたときに部品が内側へ当たらないかを先に確認してください。容量の数字が合っていても、足を強く曲げないと付かない部品や、ケースに当たる部品は避けます。

実際に試した感想

筆者の好みでは、3種類の中でMarshall Boogie Modが最も気に入りました。理由は、音が単純に太くなったからではなく、MT-2がもともと備える細かなEQを使い、好みの帯域バランスへ調整しやすく感じたためです。

実際に試すと、中域と低域を動かしたときの変化が分かりやすく、MIDDLEとMID FREQを組み合わせた追い込みにも反応が見つけやすい印象でした。筆者の環境では、HIGHとLOWを固定したまま中域を探し、その後に低域を合わせる手順で音を決めやすくなりました。

これは筆者のギター、アンプ、演奏方法における好みです。すべての人へMarshall Boogie Modをすすめるものではありません。音の輪郭を優先するならKeeley Mod、低域と高域の存在感を重視するならDiezel–Bogner Modのほうが合う可能性があります。MarshallやMesa/Boogieのアンプと同じ音になるという意味でもありません。

Keeley MT-2 Modの改造内容

Keeley MT-2 Modは、複数のコンデンサを変更し、D4とD5へ小容量コンデンサを追加する構成です。元の一覧でC20が重複している例がありますが、ここでは1箇所として整理しています。

部品位置改造後
C80.22µF
C90.1µF
C111µF
C171µF
C200.22µF
C371µF
C391µF
C420.1µF
D4・D5それぞれの両端へ0.001µFのコンデンサを追加

0.001µFは、1nF、1000pFと同じ容量です。単位を読み違えると1000倍の差が生じるため、部品表示とテスターの測定レンジを確認してください。

D4とD5は、ダイオードを取り外して交換する指定ではありません。それぞれのダイオードの両端へ、0.001µFのコンデンサを1個ずつ追加します。追加した部品の足が、隣の部品や基板上の銅の配線へ触れないようにしてください。

C26とC32をシルバーマイカコンデンサへ変更する例も知られていますが、容量について複数の情報があります。具体的な容量はここでは断定しません。実際に作業する場合は、対象基板に対応した回路図と、部品位置を確認できる情報を照合してください。

実際に試した感想

実際に試した印象では、Keeley Modは3種類の中で音の輪郭が最も整理されたように感じました。コードを鳴らしたときに各弦の音を追いやすく、強く歪ませても音全体が一つの塊になりにくい印象です。

高域から中域にかけて細かな成分を聞き取りやすく、「解像度が上がった」と表現したくなる変化でした。ただし、ここでいう解像度は、コードの各弦や歪みの中の細かな音を聴感上追いやすかったという意味です。

これは筆者の使用環境における主観です。周波数特性、歪率、ノイズフロアを測定して改善を確認したわけではありません。「Keeley Modなら必ず解像度が上がる」とは断定できません。

3種類のMODを実際に試して感じた違い

3種類の差は、絶対的な音質順位ではなく、どの帯域と操作感を好むかで整理すると分かりやすくなります。筆者が自分のギター、アンプ、演奏方法で比較した場合は、Marshall Boogie Modが最も好みでした。

比較項目Diezel–BognerMarshall BoogieKeeley
筆者が感じた方向性低域と高域の存在感が分かりやすいEQで好みの音へ調整しやすい音の輪郭が整理された印象
中域の印象中域だけへ集中しない中域を好みに合わせやすいコードの各音を追いやすい
低域の印象低音弦の存在感が分かりやすいEQで低域を調整しやすい量よりもまとまりを感じる
高域の印象歪みの輪郭を比較的追いやすいEQ設定によって大きく変わる細かな成分を聞き取りやすい
筆者の好み帯域の上下が広がる方向として好印象3種類の中で最も好み分離感を重視すると好印象
選び方の目安低域と高域の存在感を重視する人EQで細かく追い込みたい人コードの分離感を重視する人

筆者と同じく、MT-2のEQを使って中域や低域を細かく追い込みたいなら、Marshall Boogie Modが候補です。歪みの中で音の輪郭やコードの分離感を重視するならKeeley Mod、低域と高域の存在感が分かりやすい方向を求めるならDiezel–Bogner Modから検討できます。

純正MT-2の中域感や歪み方が好きなら、無理に改造する必要はありません。改造によって必ず音抜けがよくなる、ノイズが減る、音圧が上がるとは限りません。ギター、アンプ、スピーカー、音量が変われば、同じMODでも印象は変わります。

筆者の感想が使用環境で変わる理由

エフェクターの聴感は、回路だけでは決まりません。同じMT-2 MODでも、次の条件で中域、低域、高域、歪みのまとまり方が変わります。

  • ギターの種類
  • ピックアップの種類と出力
  • アンプ
  • アンプのINPUTまたはエフェクトリターン
  • 音量
  • MT-2のEQ設定
  • バンド内で鳴らすか、単独で鳴らすか
  • スピーカーとキャビネット
  • 演奏する音域
  • DISTで設定する歪み量

今回の比較時に使用した機種名と全つまみ位置は、公開できる記録がそろっていません。そのため、特定のギター、ピックアップ、アンプ名は記載していません。筆者の感想は3種類を試した経験に基づきますが、読者の環境で同じ順序や印象になるとは限りません。

比較するときは、ギター、アンプ、音量、演奏フレーズをそろえ、エフェクトON/OFFとMOD間の音量差もできるだけ合わせてください。音量が大きいほうを良く感じる影響を減らせます。

改造前にMT-2の基板仕様を確認する

最初に確認するのは部品ではなく、手元のMT-2の基板です。製造時期によって、スルーホール部品を使う基板と、表面実装部品を使う基板が存在する可能性があります。

スルーホール基板では部品のリードが基板穴を通ります。表面実装基板では小型部品が基板表面へ直接実装されるため、同じ部品番号が見つからない、番号が同じでも作業位置や実装方法が異なる場合があります。表面実装部品の交換には、より細いこて先、温度管理、拡大、細かな作業が必要です。

古くから知られているMT-2改造を、現行基板へそのまま適用しないでください。ケースを開けたら、次を確認します。

  • 部品番号が表と一致するか
  • 純正値が表と一致するか
  • 回路図と基板上の部品番号が対応するか
  • スルーホール基板か表面実装基板か
  • 交換部品を収めるスペースがあるか

基板写真だけで作業位置を決めるのも避けます。同じMT-2という製品名でも、基板仕様が異なれば作業方法が一致しない可能性があります。改造キットを扱うFromel Electronicsも、表面実装基板には同社のMT-2用キットを使えないと注意しています。

参考 Boss MT-2 Metal Zone Mod KitFromel Electronics

現行MT-2の製品仕様はBOSS公式で確認できます。ただし、公式製品ページの仕様欄だけで内部基板の部品番号までは判断できません。

MT-2改造に必要な工具と部品

工具は、部品を付けるものだけでなく、外すものと確認するものをそろえる必要があります。

最低限必要なもの

  • 温度調整式はんだごて
  • 電子工作用はんだ
  • はんだ吸い取り線
  • 精密ドライバー
  • ピンセット
  • ニッパー
  • テスター
  • 対象MODに合う交換部品
  • 作業前の状態を記録するカメラ

あると便利なもの

  • はんだ吸い取り器
  • フラックス
  • 拡大鏡
  • 基板ホルダー
  • 静電気対策用品
  • 取り外した部品を分ける部品ケース

工具をこれからそろえる場合は、自作エフェクター向けの工具をこちらでまとめています。

はんだの種類と基本的な接合作業は、こちらの記事も確認してください。

改造作業の基本手順

機種固有の分解位置を推測せず、手元の個体を確認しながら進めます。基本の流れは次のとおりです。

手順1
改造前の音と設定を記録する
つまみの位置、つないだギターとアンプ、音量を写真やメモに残します。改造後も同じ条件にすると、音の違いを比べやすくなります。
手順2
電池とACアダプターを外す
電源がつながったまま作業してはいけません。電池も本体から外します。
手順3
ケースを開ける
ねじを外し、基板につながる細い線を引っ張らないようにケースを開けます。無理に開かない場合は、引っかかっている場所を確認します。
手順4
基板と部品番号を確認する
記事の部品番号と、手元の基板に印刷された番号が同じか確認します。番号が違う場合は、そのまま作業を進めません。
手順5
基板を写真に残す
基板全体と、交換する部品の周りを撮影します。部品の向きや配線を元へ戻すときにも役立ちます。
手順6
部品を少しずつ交換する
可能なら作業をいくつかに分けます。一度に全部を交換すると、音が出ないときに間違えた場所を探しにくくなります。
手順7
外した純正部品を保管する
C35、D3などの番号ごとに分けて保管します。小袋や部品ケースへ番号を書いておくと、元へ戻すときに迷いません。
手順8
はんだ付けした場所を見る
隣り合う場所が余分なはんだでつながっていないか、基板上の銅の配線がはがれていないか、部品の足が浮いていないかを確認します。
手順9
テスターでショートを確認する
電源のプラス側とマイナス側が、間違ってつながっていないかをテスターで確認します。
手順10
部品の数字と向きを確認する
コンデンサの容量、ダイオードの向き、取り外す指定の場所をもう一度確認します。確認が終わるまで電源をつなぎません。
手順11
小さな音で動作確認する
アンプの音量を下げてから電源を入れます。音が出ない、異常に小さい、いつもと違うノイズが出る場合は、すぐに電源を外します。
手順12
改造前と同じ条件で比べる
改造前と同じギター、アンプ、つまみ位置、音量で弾き比べます。音量差だけで良くなったと判断しないようにします。

一度に全箇所を交換すると、音が出ないときの原因を絞りにくくなります。作業を区切れる場合は、その都度、部品値とはんだ状態を確認してください。

コンデンサの種類、容量表記、極性の基本は、こちらの記事で詳しく整理しています。

「Remove」は部品を外すだけ。穴を線でつながない

改造表の「Remove」は迷いやすいため、ここは独立して説明します。今回のC35とC25に書かれたRemoveの意味は、「部品を取り外す」です。部品を外したあとの2つの穴をジャンパー線でつなぐ意味ではありません。

部品を外しただけなら、その2つの場所はつながっていない状態になります。ジャンパー線を付けると、反対に2つの場所が直接つながります。同じ処理ではありません。

部品が回路のどこに付いているかによって、外したときの動きは変わります。そのため、別の改造表にRemoveと書かれていても、今回と同じ処理だと決めつけないでください。必ず手元の基板に合う回路図と部品番号を確認します。今回のC35とC25は、外したあとの穴をジャンパーしません。

LEDとダイオードの向き

LEDと1N4001などのダイオードには、取り付ける向きがあります。交換前に、元のダイオードにある帯の向き、基板に印刷された記号、部品番号を写真に残してください。

一般的な棒状のダイオードでは、帯がある側がカソードです。LEDは製品によって見分け方が違うため、足の長さや本体の形だけで決めず、メーカーの仕様表またはテスターのダイオード測定で向きを確認します。

D3とD4では交換部品が異なります。Diezel–Bogner ModとMarshall Boogie Modでは、D3がLED、D4が1N4001です。基板写真だけから向きを断定せず、回路図と交換前の実装を照合してください。向きを誤ると、意図したクリッピングにならない可能性があります。

クリッピング用LEDは、エフェクトのON/OFFを示すインジケーターLEDとは用途が異なります。信号がクリッピングする瞬間に、基板上のLEDがわずかに発光することがあります。

参考 1N4001 Series Datasheetonsemi

MT-2改造で起こりやすい失敗

動作しないときは、交換した部品をさらに変更する前に、電源、向き、容量、はんだの順で確認します。

症状考えられる原因確認箇所
音が出ないはんだ不良、電源のプラスとマイナスがつながっている、配線切れ、部品の向き交換箇所、電源、入出力
バイパス音だけ出るエフェクト回路側の不具合基板、スイッチング回路
音量が小さい容量や抵抗値の間違い、部品の取り違え容量、抵抗値、ダイオード
ノイズが増えた電源のマイナス側(GND)の接続不良、はんだ不良、長い追加配線GND、追加部品
発振する配線、容量間違い、はんだブリッジ交換箇所と配線
EQが不自然C36などの容量間違い部品表記と取り付け位置
音が極端に変わったµF、nF、pFの読み違いコンデンサ容量

特に1µF、0.1µF、0.01µFは、小数点を見落とすと結果が大きく変わります。容量表記を部品袋だけで判断せず、部品本体とテスターでも確認します。

改造後にノイズが増えた場合は、電源やケーブルも含めて原因を切り分けてください。

自分で改造するか工房へ依頼するか

はんだ付け経験が少ない場合や表面実装基板の場合は、工房への依頼も現実的です。料金は施工内容、基板仕様、部品、元へ戻す作業の有無で変わるため、ここでは一律の金額を示しません。

比較項目自分で改造工房へ依頼
費用部品代と工具代部品代、作業料、送料
作業リスク自分で負う施工範囲は工房へ相談できる
元へ戻しやすさ記録と純正部品の保管次第原状復帰の可否を事前確認
部品の選択自分で容量や抵抗値とサイズを選ぶ対応部品を提案してもらえる場合がある
保証メーカー保証へ影響する工房独自の施工保証がある場合もメーカー保証とは別
作業時間調査とやり直しを含む納期と発送期間が必要
向いている人基板作業と故障対応ができる人仕上がりとリスク管理を優先する人

依頼前には、MOD名だけでなく、交換する部品番号と容量、手元の基板に対応できるか、元へ戻せるか、動作保証の範囲を確認します。名前が同じMODでも、作業する人によって内容が異なる可能性があります。

BOSSの補修案内では、指定者以外による修理・改造は保証内無料修理の対象外となる条件に含まれています。改造前に保証書と現在の公式案内を確認してください。

参考 補修対応に関してBOSS

改造前に試したいMT-2の音作り

改造する前に、純正MT-2のEQを中央付近から調整してください。目的の音へ近づけるなら、次の順序が分かりやすいです。

1. HIGHとLOWを12時付近に置き、極端に上げない

2. MIDDLEを一度上げ、MID FREQを動かして耳につく帯域を探す

3. 見つけた帯域をMIDDLEで必要な量だけ上げ下げする

4. LOWを低音弦がぼやけない範囲で調整する

5. HIGHを高域の角が強くなりすぎない位置へ合わせる

6. DISTを下げ、コードの各弦を追いやすい歪み量を探す

7. エフェクトON/OFFの音量をそろえる

アンプ側のEQは、まずフラットに近い位置から始めます。アンプのINPUTとエフェクトリターンでは、アンプのプリアンプやEQを通る範囲が違うため、同じ設定でも結果が変わります。接続先を変えた場合は、音量を下げてからHIGH、LOW、MIDDLEを再調整してください。

単独で迫力を感じる設定が、バンド内でギターを聞き取りやすい設定とは限りません。低域を増やしすぎたり、中域を大きく削ったりすると、ベースやキックと重なったときにギターの音程を追いにくくなることがあります。

純正状態の設定だけで目的の音へ近づける場合もあります。改造前の音と設定を残しておくことは、改造後の変化を判断する基準にもなります。

BOSS公式では、MT-2WはMT-2を土台に回路を再設計し、StandardとCustomの2モードを備えるモデルとして説明されています。はんだ付けをせずに別の音の方向を試したい場合は、改造MT-2とは分けて比較する価値があります。

参考 BOSS MT-2W Metal ZoneBOSS

ディストーション全体の選び方やMT-2Wとの比較候補は、こちらの記事で確認できます。

MT-2改造に関するよくある質問

MT-2の改造は初心者でもできますか?
スルーホール基板でも部品の取り外しが必要なため、はんだ付けが初めての人には難しい作業です。不要な基板で練習し、不安なら工房へ依頼してください。
3種類の中ではどのMODがおすすめですか?
EQで細かく調整するならMarshall Boogie、コードの分離感ならKeeley、低域と高域の存在感ならDiezel–Bognerが選ぶ目安です。
筆者が最も好みだったMODはどれですか?
筆者の環境ではMarshall Boogie Modが最も好みでした。中域と低域を動かした結果が分かりやすく、EQで好みの帯域へ調整しやすく感じたためです。
Keeley Modは本当に解像度が上がりますか?
筆者には、コードの各弦と歪みの細かな音を追いやすく感じられました。ただし、これは聴感上の印象であり、測定で改善を確認した結果ではありません。
Diezel–Bogner Modの「アメリカンな音」とは何ですか?
筆者が、低域と高域の存在感を比較的つかみやすく、中域だけへ集中しない帯域バランスだと感じた表現です。特定のアンプと同じ音という意味ではありません。
部品を取り外した場所はジャンパーしますか?
今回のC35とC25は取り外す指定であり、ジャンパーしません。「外して何もつながない」と「線でつなぐ」では回路の動きが変わるため、Removeだけを見て処理を決めないでください。
LEDは何色でも同じ音になりますか?
色や製品が違うと、LEDが電気を通し始める電圧も変わるため、同じ音になるとは限りません。表示用LEDだから使えると決めず、部品の仕様を確認してください。
Keeley ModのC26とC32の容量はいくつですか?
容量について複数の情報があるため、本記事では断定しません。対象基板に対応した回路図と、容量を確認できる情報を照合してから作業してください。
現行のMT-2にも同じ改造ができますか?
同じ方法を適用できるとは限りません。表面実装基板では部品、番号、作業方法が異なる可能性があるため、ケースを開けて対象基板を確認してください。
改造するとメーカー保証は受けられますか?
BOSSの補修案内では、指定者以外による修理・改造は保証内無料修理の対象外となる条件に含まれます。作業前に保証書と最新の公式案内を確認してください。
改造後に元へ戻せますか?
純正部品、部品の向き、取り付け位置、作業前写真が残っていれば戻せる場合があります。ただし、基板上の銅の配線がはがれたり、基板が破損したりすると、完全には戻せない可能性があります。
1µFのコンデンサはフィルムコンデンサでなければいけませんか?
フィルムコンデンサだけに限定できません。容量、耐えられる電圧、取り付ける向き、大きさを確認し、基板の穴に足が合い、ケースを閉じても当たらない部品を選んでください。
MT-2Wと改造MT-2はどちらがよいですか?
保証と完成品の安定性を重視するならMT-2W、自分の好みに合わせて部品やEQの反応を変えたいなら改造MT-2が候補です。両者は回路設計も異なります。

まとめ

Diezel–Bogner、Marshall Boogie、Keeleyの3種類は、変更箇所と筆者が感じた音の方向が異なります。筆者は、EQで好みの帯域バランスを作りやすく感じたMarshall Boogie Modが最も好みでした。

Keeley Modはコードの各弦と歪みの細かな音を追いやすく、音の輪郭が整理されたように感じました。Diezel–Bogner Modは、中域だけへ集中するより、低域と高域の存在感が分かりやすく、アメリカンアンプを連想する帯域バランスに感じました。いずれも筆者の使用環境における聴感上の感想です。

作業前には、基板の種類、部品番号、元の容量、ダイオードの向き、交換部品を付けられる広さがあるかを確認してください。改造前の音と基板写真を記録し、取り外した純正部品も保管します。不安があれば工房へ依頼するほうが安全です。

純正MT-2には、広い可変範囲を持つEQと独自の歪み方があります。まず純正状態の音作りを十分に試し、そのうえで変えたい帯域や操作感が明確になった場合にMODを検討してください。