はじめに
こんにちは!34歳でギター歴18年、自作エフェクターを15年以上にわたって手がけているものです。エフェクターの改造に関しては、私なりのこだわりと経験があります。今回は、長年愛されているIbanez TS-9を、より現代的なサウンドにアップグレードする方法を詳しく解説します。このガイドは、TS-9を持っているけど最近使っていない、または手放そうと考えている方に、ぜひ一度試していただきたい内容です。モダンなサウンドが好きな方にもおすすめですので、最後までお付き合いください
海外で紹介されている改造も合わせて紹介してます。
管理人が試してよかったものだけ紹介してますが、試して壊れちゃった!とかあんまりいい音にならなかった等は自己責任でお願いします。メーカーからの保証も当たり前ですが切れます。書き間違いもあるかもしれませんが、それによる故障は当方は関与しません。
改造するに当たって必要なもの
私が10年以上愛用しているハンダゴテです。ブーストボタンを押せばどんな頑固なハンダでもみるみる溶けていきます。
はんだごてを置いておく台です。これがないとはんだごてを床などにおいて火事になってしまいます。
ギターに使われる半田の定番品、kester44です。
部品を基板から取り外すために必要なハンダ吸い取り線です。ハンダがなかなか吸い取れないからって熱しすぎると基板のパターンが剥がれてしまうので吸い取るときは慎重にしましょう。僕は5秒経っても吸い取れなければ一旦冷やしてはんだごての当て方を変えてます。
はんだ付けするときもそうですが、はんだごては部品や基板に接する力の強さやコテの当たる場所などによってはんだ付けや取り外しのやりやすさが全然変わります。これは経験しなくては身につかないことなのでもし怖い場合はリペアショップなどはんだ付けに慣れている人にお金を払ってやってもらいましょう。
Ibanez TS-9の魅力とモディファイの意義
Ibanez TS-9 Tube Screamerは、1980年代から今なお多くのギタリストに愛用されているヴィンテージペダルです。その特徴的なミッドレンジの「ハンプ」は、ギターの音を前面に押し出し、クラシックロックやブルースのサウンドにぴったりです。しかし、モダンなサウンドを求めるギタリストにとっては、もう少し低音を強調したり、高音をクリアにしたりする必要があるかもしれません。そんな時に、TS-9の改造が大きな効果を発揮します。
BSM (Brent Mason) MOD
Brent Mason MODは、プロのギタリストBrent Masonをイメージにカスタマイズされた改造です。この改造は、TS-9にさらに多様なトーンを加え、ギターの音色をよりリッチで表現力豊かにすることを目的としています。
主な変更点
- A: 1K RESISTOR – 抵抗を1Kに変更し、音の抜けを改善。
- B: 0.22μF x 2 in parallel CAP – コンデンサを並列で0.22μF x 2に変更し、音に厚みを持たせる。
- C: 10K RESISTOR – 抵抗を10Kに変更し、トーンをより明瞭に。
- D, E: 1N4001 + 1N4001 SERIES – ダイオードを1N4001に変更し、シリーズ(直列)接続でより滑らかな歪みを実現。合計3つ使います。
- F: 1 μF FILM CAPS (2 OF THEM) – フィルムコンデンサを2つ追加し、全体の音質を向上。
- G: 0.15 μF or 0.047μF + 0.1 μF in parallel – コンデンサを並列で追加することで、トーンにさらなる柔軟性を持たせます。
Ibanez TS-9 MODERN MOD
TS-9 316 MODは、よりモダンなトーンを求めるギタリストのための改造です。この改造によって、TS-9のサウンドはより広がりを持ち、現代的な音楽シーンにも対応できるようになります。
主な変更点
- A: 1K RESISTOR – 抵抗を1Kに変更し、トーンのシャープさを強調。
- B: 0.22μF – コンデンサを0.22μFに変更し、低音域を増強。
- C: 10K RESISTOR – 抵抗を10Kに変更し、よりクリアなサウンドに。
- D: LED + 4148 in SERIES – LEDと4148ダイオードをシリーズ(直列)接続し、トーンに深みとダイナミズムを加えます。LEDは3mmの低輝度なものがおすすめです。LED1つと4148を1つ使います。もともと付いてたダイオードの一つはそのままにしてください。
- F: 1 μF フィルムコンデンサ– 電解コンデンサを1μFのフィルムコンデンサに変更し、クリアで力強い音を実現します。
Ibanez TS-9 standard Mod
スタンダードなTS-9の改造は、基本的な音質調整を行いたいギタリストにとって理想的な選択肢です。これらの改造を通じて、低音域の強化や歪みの増加など、よりパワフルなサウンドを手に入れることができます。
主な変更点とその効果
- B (0.047 μF → 0.1 μF) – 低音を強調します。さらに強調したい場合は、0.22 μFへの変更も可能です。
- D&E (LED & germanium 1n34a in series 1N4001) – 音に豊かさ、深み、そしてダイナミクスを追加します。LEDは3mmの低輝度なものがおすすめです。ゲルマニウムダイオードと1N4001は直列で繋いでください。
- A (4.7k → 3.3k) – 抵抗値を低くすることで、より強い歪みが得られます。
- オペアンプ(JRC4558D IC CHIP) – オペアンプの交換は必須ではありませんが、変更すると音質に大きな違いをもたらす可能性があります。OPA2134がおすすめです。
- F (1μF 電解コンデンサ → 1μF フィルムコンデンサ) – フィルムコンデンサへの変更で、低音域が歪みにくくなります。
Ibanez TS-9 Extra Mod
Extra’s Modは、TS-9の性能をさらに引き上げたい方に向けたオプション改造です。これらの変更により、ペダルの音色や操作性が大きく変化し、よりカスタマイズされたサウンドが楽しめます。全部を実施する必要はなく、足りないと思うことがあれば追加でやってみてください。
主な変更点とその効果
- 1G (1μF) – 中音をフラットにするために1μFに変更。
- C (10k) – ゲインノブを下げたときでも、ペダルのクリーンさを保つことができます。
- 2G (値を上げる – 0.47μF, 0.1 μF) – コンデンサの値を上げると高音が減少し、逆に値を下げると高音が増加します。0.47μFから0.1μFがおすすめです。 (珍しい値ですがあれば0.15μFも試してみてください)。
- B (低音を増やすために値を上げる) – 0.01、0.22、0.47、0.1 μF – これらはAの抵抗と連動して、値を上げるほどに低音域を強化します。
- D, E (クリッピングダイオード) – クリッピングダイオードの変更により、トーンやオーバードライブの特性が劇的に変わります。1N456Aもおすすめです。ショットキーダイオードに変えてみるのもいいでしょう。
- A (ゲイン抵抗器) – 抵抗値を低くすることで、ゲインが増加し、明瞭なサウンドが得られます。20.2kや1kの抵抗値を試してみてください。Bのコンデンサと連動しているのでいろいろ試してみてください。
- 808-1 (100 ohm), 808-2 (10k ohm) – この2つの変更で、TS-808の伝説的なトーンを再現することができます。ヴィンテージ感とモダンな歪みを両立させる改造です。
Ibanez TS-9 ??? Mod
最後に、直近Facebookの自作エフェクターコミュニティで海外の方が挙げられていた改造方法を紹介します。
Tamura modと書かれていましたが、なんのことでしょうか?試してみましたがかなり良かったです。
よくある質問(Q&A)
TS-9の改造は初心者でもできますか?
はい、基本的な改造は初心者でも十分に挑戦できます。ただし、電子部品の取り扱いに慣れていない場合は注意が必要です。まずは簡単な部分から始めるのがおすすめです。
改造すると元のサウンドに戻せなくなりますか?
基本的には、元の部品に戻せば元のサウンドに戻ります。しかし、一部の改造は元に戻せない可能性もあるので、慎重に行いましょう。
TS-9の改造で特におすすめのパーツはありますか?
個人的には、クリッピングダイオードの変更が最も音の変化を感じやすいのでおすすめです。LEDやゲルマニウムダイオードを試してみると、より豊かなサウンドが得られるでしょう。
まとめ
Ibanez TS-9の改造は、ギタリストに新しいインスピレーションを与える素晴らしい方法です。モダンなサウンドを手に入れるために、今回紹介した改造方法をぜひ試してみてください。改造は自己責任ですが、成功すればTS-9があなたのギターサウンドに新たな息吹を吹き込むこと間違いありません。