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Guyatone PS-012レビュー|8バンドEQのあっさりした音とBOSSとの違い

青いGRAPHIC EQ 8 BAND表示と銀色の操作部を備えたGuyatone PS-012

Guyatone PS-012は、私にはBOSSのGEシリーズよりもあっさりした音に感じられる、8バンドのイコライザーです。 癖が少なく使いやすいので、音色を整えるために選びたくなる1台。一方、ブースターとしての使い方を重視するなら、私はBOSSのGEシリーズをすすめたいと思っています。

コンパクトな筐体に、63Hzから8kHzまでの8本と、音量を調整するLEVELが並びます。BOSSのGE-6は6バンド、GE-7は7バンド。小型のエフェクターで8つの帯域に手を入れられるところは、このグヤトーンのおもしろさです。

青いGRAPHIC EQ 8 BAND表示と銀色の操作部を備えたGuyatone PS-012
所有するグヤトーンのGRAPHIC EQ。前面に「8 BAND」と表記されています。

PS-012は8バンド+LEVELのイコライザー

前面の周波数表示は、63、125、250、500Hz、1、2、4、8kHzです。右端のLEVELは全体の音量調整なので、周波数を選ぶ8本とは役割が異なります。

1983年のGuyatoneカタログには、同じ外観のPS-012が「8バンドグラフィック・イコライザー」として掲載されています。ギターに加え、キーボードやベースへの使用も案内され、オン・オフ時の音量を合わせるレベル・コントロールについても説明されています。

参考 Guyatone 1983年カタログ:PS-012掲載ページ(日本語資料)楽器カタログの世界
63Hzから8kHzまで8本の周波数スライダーと右端のLEVEL
周波数用が8本、音量用が1本。写真の位置は撮影時の状態です。

ギターで試すときは、次のように聴く場所を決めると調整しやすくなります。各スライダーは、表示された周波数の周辺にも影響します。

帯域調整するときに聴きたいところ
63・125Hz低音の量や、低い弦を弾いたときの膨らみ
250・500Hz音の厚みと、こもって聞こえる部分
1・2kHz中音域の輪郭、フレーズの聞こえ方
4・8kHz高音域の明るさ、アタックやノイズの目立ち方

63Hzや8kHzは、使うギター、アンプ、スピーカーによって変化の聞こえ方が違います。まずは1本ずつ少し動かし、音のどの部分が変わるかを確かめるのが分かりやすいと思います。

GE-6・GE-7と近い時代のヴィンテージEQ

PS-012は、ギター・マガジン1982年12月号の「CHECK & REPORT」に掲載されています。1983年のカタログにも載っているため、1980年代初頭には紹介・販売されていたモデルと分かります。所有個体の製造年までは、この資料からは決められません。

参考 ギター・マガジン1982年12月号の目次ギター・マガジンWEB

BOSS公式の年表では、GE-6は1978〜1981年、GE-7は1981年からのモデルとして整理されています。PS-012は、BOSSのコンパクトEQがGE-6からGE-7へ移ったころに近い時代の1台として見ると分かりやすいです。

参考 BOSSコンパクト・エフェクターの歴史BOSS

私が惹かれるのは、こうしたコンパクトな形で8バンドを扱えるところです。BOSSと並べて考えやすい大きさのエフェクターに、別の帯域配置を詰め込んでいる。それだけでも、使って比べてみたくなります。

音はあっさり。ブーストの好みはBOSSと分かれる

私の印象では、PS-012はBOSSのGEシリーズと比べて、かなりあっさりしています。イコライザー自体の癖を強く感じにくく、使いやすい音です。音のバランスを整える用途なら、この感触は魅力だと思います。

ただ、EQをブースター代わりに使うことが多い人には、私はBOSSのほうをおすすめしたいです。これは最大出力を測った比較ではなく、弾いたときの音の好みからの使い分けです。PS-012のあっさりした感触を気に入るか、BOSSのGEシリーズを使ったブーストを好むかで、選び方が変わります。

GE-6をブーストしたときの歪みについては、こちらの実機レビューで紹介しています。

BOSS GE-7とは、帯域の数だけでなく配置も違う

GE-7の周波数は100、200、400、800Hz、1.6、3.2、6.4kHzです。PS-012の63Hz〜8kHzとは、低い側・高い側の表示も、その間の割り振りも違います。単にGE-7へ1本足した配置ではありません。

BOSS公式では、GE-7の各スライダーは±15dB、LEVELはオン・オフの音量調整やクリーン・ブーストに使えると説明されています。ブースターとして使いたい人にとって、この用途が明確なのは選びやすい点です。

参考 BOSS GE-7の周波数・LEVEL・主な仕様BOSS

GE-7を比較候補にするなら、こちらの製品情報と鈴木健治さんによる音作りの解説が参考になります。動画はGE-7の実演です。

基板ではSONYのCXA4558が目を引く

Guyatone PS-012の基板に並ぶIC、トランジスタ、緑色のコンデンサ
所有個体の内部。部品の並びや刻印を見るのも、古いエフェクターの楽しみです。

基板を眺めると、私が見てきたBOSS系のエフェクターとは、部品の顔ぶれが違って見えます。特に目を引くのが、SONYのロゴとCXA4558の刻印があるICです。

PS-012内部のICに見えるSONYとCXA4558の刻印
所有個体に載っているSONYのCXA4558。

私は、ソニーの4558をグヤトーン系列以外ではあまり見たことがありません。あくまで自分が見てきた範囲での印象ですが、こういう部品に出会うと、内部まで見る楽しみがあります。

一方、PS-012のあっさりした音を、このICだけの効果として説明するには、回路全体の確認や条件をそろえた比較が必要です。ここでは「弾いて感じた音」と「基板で見つけた部品」を、それぞれこの個体のおもしろさとして楽しんでいます。

同じGuyatoneのPSシリーズには、歪みに5バンドの調整を組み合わせたPS-024もあります。グヤトーンの音作りに興味がある人は、こちらの実機レビューもどうぞ。

最初は8本を中央から、1本ずつ動かす

PS-012を初めて試すなら、次の順番を出発点にできます。

  1. アンプの音量を控えめにし、周波数用の8本を中央へ戻す。
  2. オンにしてLEVELを調整し、オフ時と音量を合わせる。
  3. こもりが気になるなら250・500Hz、輪郭を変えたいなら1・2kHzなど、気になる帯域を1本ずつ動かす。
  4. 帯域を調整したら、もう一度LEVELで音量差を整える。

最初から何本も大きく上げると、音量も音色も一度に変わって比べにくくなります。まず気になる帯域を少し下げる方法も試すと、必要な調整が見つかりやすいと思います。

中古で選ぶときは、8本の帯域スライダーとLEVELを実際に動かして、ガリや音切れ、帯域ごとの反応を確認したいです。外観の傷だけでなく、普段使いたい位置で安定して音が出るかを聴いてください。

私にとってPS-012は、強い味付けよりも、あっさりした感触で音色を整えたいときに魅力を感じるEQです。コンパクトな8バンドという使い勝手に惹かれる人には、BOSSと聴き比べてほしい1台です。

Guyatone PS-012についてよくある質問

PS-012は何バンドのイコライザーですか?
63、125、250、500Hz、1、2、4、8kHzの8バンドです。右端のLEVELは全体の音量を調整するためのスライダーで、周波数用の8本とは役割が異なります。
BOSSのGEシリーズと音はどう違いますか?
私にはPS-012のほうがあっさりしていて、癖が少なく感じられます。音色を整える用途では使いやすく、ブースターとしての使い方を重視するなら、私はBOSSをすすめたいです。
PS-012はいつごろのエフェクターですか?
ギター・マガジン1982年12月号に掲載され、1983年のGuyatoneカタログにも載っています。1980年代初頭の機種ですが、所有個体の製造年は特定していません。
SONYの4558が載っていますか?
私の所有個体では、基板上にSONYのCXA4558を確認できます。ソニーの4558は自分には珍しい部品ですが、音の印象をこのICだけで説明できるわけではありません。