BOSS GE-7は、音を整えるイコライザーとしてだけでなく、ブースターやプリアンプのようにも使えるところが気に入っています。 私にとっては、学生時代にピンク・フロイドをカバーしたとき、ブースターとして使っていた思い出のあるエフェクターです。
所有しているのは日本製が2台、台湾製が1台。今回は日本製の2台を紹介します。製造時期はほぼ同じと認識していて、中身もほぼ同じなので、内部はそのうち1台を見ていきます。

日本製GE-7の2台。基本は7帯域とLEVEL
GE-7は、100Hzから6.4kHzまでを調整する7バンドのグラフィックイコライザーです。7本の周波数スライダーに加え、右端に音量を調整するLEVELがあります。
| コントロール | 調整する内容 |
|---|---|
| 100 / 200 / 400 / 800Hz | 低域から中域の音色 |
| 1.6 / 3.2 / 6.4kHz | 中高域から高域の音色 |
| LEVEL | エフェクト音全体の音量 |
パネルには±15dBの目盛りがあり、少しだけ音を整えることも、大きく音色を変えることもできます。まずは各スライダーを中央にそろえ、1本ずつ動かしてみると、それぞれがどこに効くのかつかみやすいです。
メーカーも、GE-7を音色補正だけでなく、クリーン・ブーストやプリアンプ用途に使える機種として紹介しています。私が好きなのも、この使い道の広さです。
参考 GE-7の音作りと使い方BOSS
台湾製も持っていますが、いまは見当たらないので、今回は手元の日本製2台を紹介します。正確な製造年月は分かりませんが、ほぼ同じ時期の個体として使っています。
イコライザーとして、気になる帯域を整える
基本の使い方は、今の音から足りない部分を足し、気になる部分を引くことです。低音が膨らんでいるなら低域側を少し下げる。輪郭が出にくいなら中域から中高域を試す。GE-7は、こうした調整を目で見ながら進められます。
最初からすべての帯域を上げると、何が変わったのか分かりにくくなります。まず1本だけ動かし、必要な変化が得られたら、次の帯域を試すくらいが扱いやすいと思います。
帯域を調整したあとにLEVELでオンとオフの音量をそろえると、単に大きくなったのか、音色が変わったのかを聴き分けやすくなります。
ブースターとして使うGE-7が好き
GE-7の面白さは、周波数ごとの調整にLEVELを組み合わせられることです。全体の音量を上げるだけでなく、欲しい帯域も一緒に持ち上げられます。
たとえばソロで少し前に出たいなら、まず各帯域を中央にしたままLEVELを上げてみる。音量だけでは狙った感じにならなければ、中域も少し動かしてみる。こうした順番で、自分のギターとアンプに合うところを探せます。
同じブーストでも、GE-7を置く位置によって、音量と歪みへの効き方が変わります。 歪みエフェクターの前に置いて出力を上げると、後段へ入る信号が大きくなり、歪み方にも影響します。歪みの後ろに置けば、その音を帯域ごとに整えながら持ち上げる使い方になります。
ただし、後段のアンプなどがすでに大きく歪んでいる場合は、LEVELを上げても音量より歪みが増えることがあります。ソロ用の音量アップを狙うなら、接続位置とアンプの余裕も合わせて確かめたいです。
| 目的 | 試し方の出発点 |
|---|---|
| 全体の音量を持ち上げたい | 各帯域を中央にし、LEVELを少し上げる |
| ソロの聞こえ方を調整したい | LEVELに加え、中域を少しずつ動かす |
| 歪みの反応を変えたい | 歪みの前に置いて帯域と出力を調整する |
ここに書いたのは使い方の出発点です。私が学生時代に使った設定値や、ギルモア本人の設定値を再現したものではありません。
学生時代、ピンク・フロイドのカバーで使っていた
私には、学生時代にピンク・フロイドをカバーしたとき、GE-7をブースターとして使っていた覚えがあります。デヴィッド・ギルモアの音作りに興味を持つと、歪みやディレイだけでなく、イコライザーにも目が向きます。
ギルモアのGE-7使用は、機材システムを手がけたPete Cornishの公式資料でも確認できます。1994年のツアー用システムには、GE-7が3台記載されています。
参考 David Gilmourの1994年ツアー用システムPete Cornish(英語)Boss GE-7 (1) / Boss GE-7 (2) / Boss GE-7 (3)
日本語訳:BOSS GE-7の1台目、2台目、3台目。
この一覧から確認できるのは、GE-7を組み込んでいたという事実です。3台それぞれの設定や役割を一律に音量ブーストと決めるのではなく、イコライザーを含めて音を作っていた点が参考になります。
私自身は、そうした音作りに惹かれ、GE-7をブースターとして使っていました。イコライザーを補正だけの道具と考えず、自分の音を作るために使う。その楽しさを思い出す1台です。
プリアンプのように、アンプへ送る音を作る
GE-7は、アンプの前で音色と出力を調整する、プリアンプのような使い方も気に入っています。ギターから出た音をそのままアンプへ入れる前に、GE-7で全体のバランスを整えるイメージです。
ここでいうプリアンプ用途は、アンプへ送る音を作る役割のことです。GE-7だけでスピーカーを鳴らしたり、アンプの全機能を置き換えたりする意味ではありません。
常時オンで基本の音色を作る使い方もあれば、必要なところだけ踏む使い方もあります。私には、どちらも選べるところがGE-7の魅力です。
以前紹介したGE-6も、ブーストしたときの音が面白い機種です。BOSSのイコライザーを音作りの中心に使いたい人は、こちらも参考にしてください。
内部にはJRC4558DDとTL022CP

私の2台は、中身もほぼ同じと認識しています。今回の基板写真では「4558DD JRC」と「TL022CP」の刻印が確認できます。TL022CPは3個並んでいて、基板の中でも目につきます。

4558は、2回路入りオペアンプのシリーズとして知られています。JRCの資料を引き継ぐ日清紡マイクロデバイスでも、NJM4558の製品情報を確認できます。
参考 NJM4558シリーズの製品情報日清紡マイクロデバイス
TIはTL022を、低消費電力のデュアルオペアンプと説明しています。
参考 TL022の製品情報Texas Instruments(英語)dual low-power operational amplifier
日本語訳:低消費電力の2回路入りオペアンプ。
こうした部品を実際に見られるのも、古いエフェクターの面白さです。ただ、特定のICだけをGE-7の音の理由にしたり、同じ部品なら必ず同じ音になると考えたりはしていません。自分が気に入って使っているエフェクターの中身として、眺める楽しさがあります。
日本製のACA仕様は、電源の表記を確認したい
今回の2台は、底面ラベルにACAアダプターの指定があります。現行GE-7のPSA仕様とは、電源を選ぶときに区別する必要があります。
Rolandの公式サポートにも、GE-7にはACA対応とPSA対応の2種類があると説明されています。DC IN付近のラベルで指定を確認し、ACAが用意できない場合は9V電池を使う方法が案内されています。
参考 GE-7の推奨電源とACA/PSAの違いRoland公式サポート(英語)use a 9V battery
日本語訳:9V電池を使用してください。
古いGE-7を手に入れたときは、型番だけでなく、個体の電源表記も見ておくと使い始めやすいです。
補正にも、音作りの中心にも使えるGE-7
私にとってGE-7は、イコライザーという名前だけでは収まらないエフェクターです。気になる帯域を整えるだけでなく、ブースターとして音を持ち上げたり、アンプへ送る音を作ったりできるところが気に入っています。
学生時代のピンク・フロイドのカバーで使っていた記憶もあり、この日本製2台には愛着があります。イコライザーを使ったことがある人も、音量や接続位置を変えてみると、GE-7の別の面白さが見つかると思います。
BOSS GE-7日本製についてよくある質問
- GE-7はブースターとして使えますか?
- 使えます。各帯域を中央にそろえ、LEVELを上げるのが出発点です。歪みの前では歪み方が変わり、後では音量を上げやすくなりますが、後段のアンプの余裕にも左右されます。
- GE-7はプリアンプとして使えますか?
- アンプの前で音色と出力を調整する、プリアンプのような役割に使えます。単体でスピーカーを駆動するものではありませんが、アンプへ送る基本の音を作るのに便利です。
- 日本製と台湾製のGE-7は音が違いますか?
- 今回は日本製2台の紹介で、台湾製との音の比較はしていません。個体の状態や電源仕様も違うため、製造国に加えて実機の状態を確かめ、自分の環境で試して選びたいです。
- 日本製のACA仕様GE-7には、どの電源を使いますか?
- 個体に指定されたACAアダプターか、9V電池を使います。GE-7にはPSA仕様もあるため、型番だけで判断せず、DC IN付近や底面の表記を確認してください。

