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BOSS OD-3レビュー|純正とSantana+Extra MODを比較

BOSS OD-3の純正個体とSantana MOD・Extra MOD個体

BOSS OD-3は、太い低域、広いレンジ、粘りのあるサスティンを持つオーバードライブです。SD-1やTube Screamerとは音の重心が異なり、ペダル側で存在感のある歪みを作れます。

私はOD-3が好きで、純正個体と改造個体の2台を所有しています。純正は良くも悪くもOD-3の主張が強く、JC-120のようなクリーンなトランジスタアンプで頼りになります。一方、真空管アンプではアンプ本来の歪みや反応を覆ってしまうことがあり、改造個体はその主張を少し薄めてなじませやすくしました。

先に結論
純正OD-3は、硬いクリーンアンプへ太さとサスティンを足したいときに強い一台です。改造個体はSantana MOD、Extra MOD、電源周辺のコンデンサー交換を施し、純正の押し出しを少し抑えて真空管アンプへ合わせやすくしています。SD-1やTS系の中域感が好みに合わない人にも、一度試してほしいオーバードライブです。
BOSS OD-3の純正個体とSantana MOD・Extra MOD個体

所有するBOSS OD-3の2台。写真左が純正個体、右がSantana MODとExtra MODを施した個体です。

BOSS OD-3はどんなオーバードライブか

OD-3は1997年に登場したBOSSのオーバードライブです。BOSS公式は、2段階の増幅回路とダイオード・クリッパー回路を組み合わせた「デュアル・ステージ・オーバードライブ・サーキット」を特徴として挙げています。

ワイドな周波数特性を持ち、低域は太く、高域には明るさがあり、DRIVEを上げると粘りのあるサスティンが得られます。中域へ音を集めるタイプというより、ギターの帯域を広く使いながらペダル側で分厚い歪みを作る方向です。

項目公式仕様・特徴
回路ディスクリート構成のデュアル・ステージ・オーバードライブ回路
操作LEVEL、TONE、DRIVE
バイパスバッファード・バイパス
電源9V電池またはBOSS PSAシリーズ
消費電流15mA
サイズ幅73×奥行129×高さ59mm
重量370g(電池を含む)
参考 BOSS OD-3製品情報BOSS 参考 BOSSコンパクト・ペダルの歴史(英語)BOSS

純正OD-3の音は太く、主張が強い

純正OD-3の魅力は、アンプ側に足りない太さをペダル一台で作れることです。低音弦は細くなりにくく、単音には粘りが加わり、クリーンアンプでも完成したドライブ・サウンドを得やすいと感じます。

その反面、音のキャラクターはかなり明確です。真空管アンプがすでに気持ちよく歪んでいる状態へ重ねると、アンプ固有の立ち上がりや倍音よりOD-3の太さとコンプレッションが前に出ることがあります。

これは欠点というより、OD-3がペダル側で音を積極的に作る設計だからだと思います。アンプを少しだけ押したい人には強すぎることがありますが、クリーンな環境から安定した歪みを作りたい人には頼りになります。

純正OD-3をJC-120で使う理由

私が純正OD-3をよく使うのはJC-120です。JC-120の硬くクリーンな土台へOD-3をつなぐと、足りない低中域、粘り、サスティンをまとめて足せます。ペダルの主張が強いことが、ここでは長所になります。

最初はDRIVEを9~10時、TONEを11~12時にし、LEVELをバイパスと同じ音量へ合わせます。音が細ければDRIVEを少し上げ、低音が膨らみすぎる場合はアンプ側のBassも含めて調整します。

真空管アンプでは、DRIVEを最低付近から始めた方が安全です。それでもアンプ本来の歪みを覆うと感じるなら、OD-3を無理にブースターとして使わず、SD-1やTS系など別の役割を持つペダルと比較した方がよいでしょう。

JC-120で歪みペダルを使うときの設定はこちらで詳しく紹介しています。

純正個体と改造個体を比較

BOSS OD-3の純正基板とSantana・Extra MOD基板の比較

2台の内部基板。写真左が純正、右がSantana MOD、Extra MOD、電源周辺のコンデンサー交換を施した個体です。

比較項目純正個体改造個体
音の存在感OD-3らしい太さと押し出しが強い主張が少し穏やかでアンプへ混ざりやすい
得意なアンプJC-120など硬くクリーンなアンプ真空管アンプを含めて合わせやすい
歪みの役割ペダル側で音を完成させやすいアンプのキャラクターを残しやすい
所有個体の仕様純正Santana MOD+Extra MOD+電源周辺のコンデンサー交換

改造個体は、純正OD-3の音を別物へ変えるのではなく、強く感じていた部分を少し引いています。OD-3らしい太さとディスクリート回路の感触は残しながら、真空管アンプの歪みやピッキングへの反応と共存しやすくしたイメージです。

この比較は所有する2台での結果です。製造時期、部品誤差、アンプ、ギター、出力音量によって印象は変わります。改造の効果を比べるときは、耳が大きい音を良く感じる影響を避けるため、必ずLEVELをそろえる必要があります。

改造個体はSantana MODとExtra MODを組み合わせた

Santana MODとExtra MODを施したBOSS OD-3の基板

改造個体の基板。ダイオード、抵抗、複数のコンデンサーを交換し、電源周辺の電解コンデンサーもグレードを上げています。

右側の個体には、既存のOD-3改造まとめ記事で紹介しているSantana MODとExtra MODを施しています。

Santana MODは、低域、クリッピング、伸び方を調整し、太く滑らかなサスティンを狙う組み合わせです。Extra MODは、抵抗やコンデンサーの値を追加で調整し、帯域の出方を追い込む内容です。所有個体では両方を組み合わせた結果、純正のキャラクターが少し穏やかになり、真空管アンプへ重ねたときにアンプの良さを残しやすくなりました。

さらに、電源周辺の電解コンデンサーも交換しています。電源部のコンデンサーは、音声信号経路の部品と同じように音色を直接決めるものではありません。容量、耐圧、極性、寸法を守ったうえで、経年した部品の更新と電源の安定性を狙った変更です。この交換だけの録音比較は残していないため、音の変化を単独では評価していません。

交換箇所と部品値を確認したい場合は、改造内容をまとめた記事を参照してください。

OD-3の改造について
改造するとメーカー保証の対象外になります。近年の表面実装基板は作業難易度が高く、古いスルーホール基板でも極性や部品値を間違えると故障します。変更前の写真と測定値を残し、一か所ずつ動作確認してください。

純正基板はディスクリート部品が並ぶ

純正BOSS OD-3のスルーホール基板

純正個体のスルーホール基板。トランジスタ、ダイオード、抵抗、コンデンサーが個別に実装されています。

BOSS公式はOD-3のデュアル・ステージ回路をディスクリート構成と説明しています。写真の旧基板にも、多数のトランジスタ、ダイオード、抵抗、コンデンサーが個別に並んでいます。

ディスクリート構成だから自動的に音が良くなるわけではありません。ただ、私はオペアンプを中心に歪みを作る回路より、個別のトランジスタを使った増幅段の歪み方を好みます。FETBOX Vにも感じる、音がつぶれ切る前の押し返しや、ゲインを上げたときの崩れ方が好みに合います。

OD-3はダイオード・クリッパーも使うため、「トランジスタだけで歪ませるペダル」ではありません。ディスクリート増幅段とクリッピング回路を組み合わせたところがポイントです。

SD-1やTS系が苦手な人にも試してほしい

SD-1やTube Screamerは、中域を前へ出し、低域を整理してアンプを押す使い方が得意です。バンドの中で抜けやすい反面、その中域感や低域の減り方が好みに合わない人もいます。

OD-3は同じ黄色い3ノブのオーバードライブでも、レンジが広く、低音弦の太さを残しやすい方向です。TS系のような中域の山より、ペダル単体で作る分厚いドライブ・サウンドを求める人に向いています。

ただし、真空管アンプを軽く押す用途ならSD-1やTS系の方が自然に感じる場合があります。OD-3は代用品ではなく、設計思想と得意なアンプが異なる選択肢として試すのがおすすめです。

TS系の特徴と各機種の違いはこちらで比較しています。

OD-3が向いている人

  • JC-120などクリーンなアンプへ太さを足したい人
  • 低音弦が細くなりにくいオーバードライブが欲しい人
  • ペダル単体で完成した歪みを作りたい人
  • SD-1やTS系の中域感が好みに合わない人
  • ディスクリート構成のオーバードライブを試したい人

反対に、真空管アンプの歪みをほとんど変えずに少しだけ押したい人や、バンド内で中域だけを前へ出したい人には、純正OD-3の主張が強すぎる可能性があります。

まとめ

BOSS OD-3は、ディスクリート構成のデュアル・ステージ回路により、太い低域、広いレンジ、粘りのあるサスティンを作るオーバードライブです。純正個体は音の主張が強く、私の場合はJC-120のようなクリーンアンプで特に使いやすく感じます。

改造個体にはSantana MODとExtra MODを組み合わせ、電源周辺のコンデンサーも交換しました。純正の太さを残しつつ主張を少し穏やかにしたことで、真空管アンプの反応と合わせやすくなっています。

SD-1やTube Screamerが好みに合わなかったからといって、オーバードライブ全体が合わないとは限りません。中域を押す定番機とは違う方向の一台として、OD-3を試す価値は十分にあります。

FAQ

BOSS OD-3はどんな音ですか?
太い低域、明るい高域、粘りのあるサスティンを持つ、レンジの広いオーバードライブです。中域だけを強調するより、ペダル側で存在感のある歪みを作る方向です。
OD-3はJC-120に合いますか?
合います。OD-3の太さ、コンプレッション、サスティンが、JC-120の硬くクリーンな土台を補いやすいためです。まずDRIVEを9~10時から試してください。
OD-3は真空管アンプにも使えますか?
使えます。ただし純正OD-3は音の主張が強く、アンプ本来の歪みや反応を覆う場合があります。DRIVEを最低付近から試し、LEVELをそろえて判断してください。
純正個体と改造個体はどう違いますか?
所有する純正個体はOD-3らしい太さと押し出しが強く、改造個体は主張が少し穏やかで真空管アンプへ混ざりやすい音です。個体差や設定でも印象は変わります。
OD-3とSD-1、TS系は何が違いますか?
SD-1やTS系は中域を前へ出し、低域を整理してアンプを押す使い方が得意です。OD-3はレンジが広く、低音弦の太さを残しながらペダル側で歪みを作りやすい方向です。