Z’s Design ElectronicsのZ’s Driveを入手したのでレビューします。
Z’s Driveは、国産ハンドメイドオーバードライブの中でも評価が非常に高いモデルです。見た目はシンプルですが、中身を開けると一般的な量産エフェクターとは全く異なる作りになっています。

実際に中を見てみると、ビンテージのJRC4558D(艶ありタイプ)を採用しているほか、現在では高級機以外ではほとんど見ることのないカーボンコンポジット抵抗が多数使用されていました。音だけでなく、使用部品にも強いこだわりを感じられる一台です。

1983年製造のつや有り4558D。単体の価格は販売時期と状態によって変わります。
Z’s Driveとは?
Z’s Driveは、国内のハンドメイドブランド「Z’s Design Electronics」が製作するオーバードライブです。
現在ではあまり見かけないので、廃業されてしまったのかもしれません。
いわゆるTube Screamer系に分類されることが多いエフェクターですが、単純なクローンではありません。低域の量感やピッキングへの追従性、倍音の出方などは独自にチューニングされており、TS系特有の鼻づまり感を抑えながら、アンプに入る信号を大きくするようなサウンドに仕上げられています。
| メーカー | Z’s Design Electronics |
|---|---|
| 種類 | オーバードライブ |
| 回路 | TS系をベースに独自チューニング |
| 特徴 | ビンテージ4558D・カーボンコンポジット抵抗採用 |
| 製造 | 日本 |
内部を分解してみた
内部を開けると、まず目に入るのがJRC4558Dの艶ありパッケージです。
JRC4558DはTube Screamerシリーズでも有名なオペアンプですが、初期に製造された艶ありタイプは現在では入手が難しく、ビンテージパーツとして扱われています。
さらに驚いたのは、抵抗のほとんどにカーボンコンポジット抵抗が使われていることです。

現在のエフェクターでは、精度や温度特性に優れる金属皮膜抵抗が一般的ですが、カーボンコンポジット抵抗はビンテージアンプや1950〜60年代の機材で多く使用されていました。
製造コストや部品価格を考えると、このクラスの部品をここまで大量投入しているオーバードライブは非常に珍しいと言えます。
カーボンコンポジット抵抗を使う理由
カーボンコンポジット抵抗は、金属皮膜抵抗よりもノイズや誤差が大きく、測定性能だけを見ると決して優秀な部品ではありません。
しかし、ビンテージアンプやオールドエフェクターでは独特の音を好んで採用されることがあります。
また、カーボンコンポジット抵抗は瞬間的な高エネルギーパルスへの耐性が高く、古くから真空管アンプや高電圧回路でも使用されてきました。
音質への影響については科学的に明確な結論はありませんが、多くのビルダーやヴィンテージ機材愛好家が「独特の音」「柔らかい倍音感」を評価している部品でもあります。
実際に弾いてみた感想
実際にストラトキャスターとブラックフェイス系アンプで試奏してみました。
第一印象は、歪み量が少なく、ピッキングの強弱が残りやすいオーバードライブです。
TS系特有の中域の持ち上がりは感じられますが、中音域だけが極端に強くなる印象はありません。
- ピッキングニュアンスが非常に出る
- コードでも音が潰れにくい
- ローゲインでも低中音域の量がある
- クランチ〜ブルース向けが非常に気持ち良い
- アンプに入る信号を大きくする用途にも使える
歪み量は極端に多くありませんが、ギター側のボリューム操作にも素直に反応します。
歪みの強いエフェクターとは異なり、軽く歪ませた旧型アンプに歪みを少し加えるオーバードライブという印象でした。
Tube Screamerとの違い
| 比較項目 | Z’s Drive | TS808 |
|---|---|---|
| 低域 | やや豊富 | 控えめ |
| 中域 | 自然 | 強め |
| 倍音 | 豊か | 歪みの粒が細かい傾向 |
| アンプライクさ | 非常に高い | 高い |
| ピッキング追従 | 非常に良い | 良い |
TS808が「ミッドブースター」と感じる人でも、Z’s Driveは中音域の強さが控えめに感じられる可能性があります。
まとめ
Z’s Driveは、ヴィンテージJRC4558Dとカーボンコンポジット抵抗を使用しています。
一般的な現行TS系とは、オペアンプと抵抗の種類が異なります。
内部写真では、オペアンプと抵抗の種類を確認できます。
軽い歪みと中音域の調整幅を求める人に向く、国産ハンドメイドエフェクターです。
SPECIALがついた上位モデルもあるようです。

