値段だけでは機材のクオリティは決まりませんが、プロギタリストに愛されるエフェクターは少しお値段が高いものが多いような気がします。
本日はエフェクターを愛し、エフェクターに愛されているかは微妙ですが自分でエフェクターを自作しちゃう男である管理人が、 「サウンド面」「回路面」「使用部品」3つの観点から、プロに愛されるオーバードライブを11個ご紹介します。
変に安くて微妙なもの買うなら最初から良いものかっておいても良いかもしれませんね。
目次
- 1 プロが愛するオーバードライブ、11選
- 1.1 Vemuram / Jan Ray
- 1.2 Hermida Audio Technology / ZENDRIVE
- 1.3 Shin’s Music / Dumbloid Special
- 1.4 Fulltone / OCD
- 1.5 JHS Pedals / Morning Glory V4
- 1.6 Fulltone / Fulldrive2
- 1.7 Ibanez / NTS Nu Tubescreamer
- 1.8 Mad Professor / Sweet Honey Overdrive HW
- 1.9 XOTIC / RC Booster V2
- 1.10 KLON / KTR
- 1.11 KarDiaN / C3H5N309
- 2 プロ向けオーバードライブのまとめ
プロが愛するオーバードライブ、11選
Vemuram / Jan Ray
2015頃から話題になっていたと記憶してますが、数々の有名ギタリストのメインの歪みエフェクターの座をかっぱらっていたのが本機です。
バークリー音楽大学で教鞭をとられているトモ藤田さんのメイン機材としても有名ですね。
アメリカのミュージシャンからも大人気で、だいたいみんな使っています。
海外のブランドかと思いきや、実は日本のメーカーさんだそうです。
サウンドは非常に良質です。Fenderの銀パネアンプのゲインを上げたようなチューブサウンドかと錯覚するほどです。
回路的には、後述のZendrive等に近い、デュアルオペアンプ1発のシンプルなものなのですが、非常に考えられた定数でアレンジされてあります。
コンデンサやオペアンプなどの部品的は一般的ですが、スイッチやケースなどに非常にこだわりがあり、ケースはブラス製でスイッチの接点は金メッキが施されたものを使用しているそうです。ケースでも音が変わりますし、頑丈で良いですね。
まさにプロ仕様のオーバードライブエフェクターです。お値段もお高めですが、納得です。
管理人は本物買えるお金がないので、自作したものを使って満足しちゃってます。いつか入手したい。
Hermida Audio Technology / ZENDRIVE
ロベン・フォード先生が愛用する、「脱TS系」の流れをくむオーバードライブエフェクターです。
いわゆるダンブル系と呼ばれる、ダンブルアンプの歪みをイメージしたオーバードライブです。
少し曇り気味の真空管サウンドから、カラッとしたストレートな歪みまで守備範囲が広いです。
お値段も高いですが、そもそも輸入数も少ないのでなかなか入手困難です。
日本人の方が完全コピーして販売している「禅駆動」というものもあり、そちらもおすすめです。
回路的にはJAN RAYやOCDと同じく、オペアンプ一発です。
ブースター的に使うのであれば、JAN RAYよりZENDRIVEのほうが管理人は好きです。
使用されている部品は一般的です。
Shin’s Music / Dumbloid Special
ダンブルイメージのオーバードライブ2つ目です。名前もそのままDumbloid(ダンブロイド)です。
管理人は10年ほど前にヘッドタイプのダンブルアンプの本物を弾く機会があったのですが、その時の感触に非常に近かったです。
回路的にはいわゆるTS系の回路なのですが、少し曇りがかったサウンドを奏でてくれます。むしろ、ダンブルアンプのコンセプトってそうなんじゃないかと個人的に思っており、その曇りが非常に音楽的に良いように感じます。
使用されてる部品は基本的には一般的ですが、オペアンプはバーブラウン社製のOPA2134、トランジスタはPete Cornishのエフェクター等によく使われるBC559が使われてます。
こだわりを感じます。お値段はかなり高めで、一生モノですね。
管理人はお金がないのでもちろん本物は買えませんが、しっかり自作して一時期はまってました。
Fulltone / OCD
超ど定番なオーバードライブですが、ハムバッカーにも合う歪みエフェクターを探していると結局コレにたどり着きます。
ハンドメイドエフェクター大手?のFulltone社が手がけた、ロングセラーなオーバードライブです。
10数年前、管理人が高校生の頃からみんな周りの方は使ってました。お値段もそこまで高いわけではないので、手に入れやすいんですよね。
サウンドはストレートで程よくコンプレッションがかかってくれるので、オンにするだけで少しうまくなったように感じます。
クリッピングにMOSFETというトランジスタと、ゲルマニウム・ダイオードが合わせて3つ非対称で使われており、サウンドの決め手になっているようです。
ストレートなサウンドな傾向があるので、ハムバッカーとも非常に相性がよく、レスポール使いに重宝されてます。
もちろん、シングルコイルのピックアップでもいい音出ますよ。
特段良い部品を使っているわけではないですが、回路のアイデアが優秀と思います。
JHS Pedals / Morning Glory V4
新進気鋭のエフェクターブランド「JHS PEDALS」の看板エフェクター「Morning Glory V4」です。
本日ご紹介するオーバードライブの中では独自の回路を持っている部類のオーバードライブかと思います。
名前にもあるとおり、仕様変更が何度かあり、現行で入手できるものは4世代目とのことです。
回路的にはオペアンプ+FETの構成で、Hot CakeやRATなんかに似た回路ですが構造が異なり、独自性を感じます。
サウンドはストレートで歪みを抑えられていて非常に素直です。ブースターとして非常に優秀なイメージです。
オペアンプもあまり聞き慣れないLM833が使用されていました。
Fulltone / Fulldrive2
OCDに続き、Fulltone社からFulldrive2のご紹介です。
管理人が高校生の頃は、オーバードライブの王様と言われておりました。その頃と比較すると現行品は少しお安くなって入手しやすくなっていいですね。
回路的には普通のチューブスクリーマーにブーストモードが追加された感じです。
1台で2台の役割を果たせるので、お得ですよね。数年前からクリッピングにMOSFETトランジスタが使用されるようになり、モデル名にもMOSFETの文言が追加されました。
管理人はMOSFETの歪が大好きで、クリッピングでも増幅部分でもMOSFETが使われているモデルを見るとついつい使ってしまいたくなります。
オーバードライブって、音の輪郭を強調すようとすると歪んでしまうものが多いんですが、MOSFETは美味しいところまで歪を抑えてくれるので、真空管サウンドに近い音色を作ってくれている気がします。
Ibanez / NTS Nu Tubescreamer
ど定番のTS-9と同じ形ながら、新素材の小型真空管「Nutube」を贅沢に使用した新モデル「Nu Tubescreamer」をご紹介します。
管理人は発売からすぐ入手しました。
小サイズながら、Nutubeは正真正銘真空管と同じ動きをしてくれるので、本機はとても暖かい音色を奏でてくれます。
ブーミーなオーバードライブから、ストレートで歪の少ないブースターとしてまで幅広い守備範囲です。
9Vの電源でも普通に使えるのですが、18Vの外部電源まで入力可能で、18Vを入れるとよりパワフルに音の輪郭がはっきりします。
できれば18Vで使用してあげるとおすすめですね。
Mad Professor / Sweet Honey Overdrive HW
名ブランド「BJFE」の流れをくむブランド「Mad Professor」から定番オーバードライブ、「Sweet Honey Overdrive HW」のご紹介です。
回路的には前述のJHS社のオーバードライブに近いと感じますが、本気の方が先に考案されています。
非常に操作性がよく、クリアでストレートなサウンドです。本機だけで歪みを作るよりはアンプの歪みをうまくサポートするほうが向いている印象です。プレゼンスが高めです。
ギター信号へのレスポンスも高いので、ミスは目立っちゃうかもしれません。玄人向けですが、使いこなせば非常に良質なサウンドです。
本機は通常のものとは違い、ハンドワイヤリング、つまりは手作業でしっかりと作られた高級モデルです。
通常モデルよりつやがある気がしました。通常のものは若干ゲイン高めです。
XOTIC / RC Booster V2
ハイエンドギター製作も手がける名ブランド、「XOTIC」社の看板オーバードライブ、RC BOOSTERです。最近V2という現行品にアップデートされて、ゲインの切り替えスイッチが追加されました。
2種類の歪みを使い分けてバッキングとソロを切り替えられるのは良いですね。
サウンド的には、ものすごくクリーンでブースターとして非常に優秀です。癖がなくアンプの持ち味を出してくれますが、単体で歪ませるには少し物足りないかもしれません。
アレン・ハインズ先生御用達の定番オーバードライブですね。
KLON / KTR
今や30万程度のお値段で取引される伝説オーバードライブ、「KLON CENTAUR」通称ケンタウロスを作っていた方がリリースした新作オーバードライブ、その名も「KTR」です。
回路はほぼケンタウロスと同じで、製造コストを抑えるためチップ部品で製造しているそうです。本物のケンタウロスと比較すると、本気の方が若干歪が抑えられてクリアな印象でした。
オリジナルのケンタウロスはトゥルーバイパスではなく、内部昇圧された電源を使用したバッファ回路をオフにしてるときにも通っていたのですが、本機はバッファバイパスとトゥルーバイパスを切り替えることができます。
筐体にも印字されてますが、管理人もバッファバイパスのままで良いと思います。
KarDiaN / C3H5N309
最後に、自作エフェクターコンテストで賞を受賞されている方が立ち上げたブランド、「KarDiaN」(カージアン)からオーバードライブペダルのご紹介です。
その名も「C3H5N309」(ニトログリセリン)です。
何じゃその名前はと思うかもしれませんが、化学式でC3 H5 N3 O9でニトログリセリンなんですよね。おしゃれです。
O(オー)が0(ゼロ)になってるのもおしゃれです。
サウンド的には少しファズよりのオーバードライブサウンドでした。絞ればクリーンにもなります。
筐体は一台一台手作業でデザインされているようで、一台一台サビ方(ヴィンテージ加工)が違います。
自作派の管理人が驚いたのは、その中身。
何じゃこの高級部品は!!!って感じです。管理人もなかなか使わないようなオーディオ用抵抗や、コンデンサを贅沢に使用しています。
これが製作者のこだわりですね。
値段に対してかなりお得な内容です。
他2モデルもでてます。
プロ向けオーバードライブのまとめ
いかがでしたでしょうか。
11個も紹介するのはなかなか骨が折れました。
傾向としては、プロはエフェクターだけで音作りをしないので、どちらかといえばアンプの美味しいサウンドをサポートしてくれるようなオーバードライブが人気のようです。
必ずしもエフェクターを繋いで歪みを作るのが正解とは言えませんが、皆様も理想のサウンドを求めてオーバードライブを買い漁っていただければ幸いです。