ARION SOD-1 OVER DRIVEは、LEVEL、TONE、DRIVEという分かりやすい3ノブに、DIRECT/SOFTスイッチと2つの出力を加えたオーバードライブです。普通の歪みペダルとして使える一方、2出力を利用した音作りにも対応します。
所有個体はスリランカ製です。古いARION製品ではありますが、この記事では年代だけを理由にヴィンテージとは扱いません。現在は新品を安定して購入できる状況ではなく、中古でもTUBULATORほど見かけないというのが私の印象です。

所有するARION SOD-1 OVER DRIVE。LEVEL、TONE、DRIVEの3ノブ、DIRECT/SOFTスイッチ、OUT1/OUT2を備えます。
SOD-1はどんなオーバードライブか
ARIONの国内向けラインアップでは、SOD-1を温かくマイルドな歪みを作るステレオ・オーバードライブとして紹介しています。強く荒々しく歪ませるより、アンプの音へ軽く厚みを足したり、コードの輪郭を残したままクランチを作ったりする用途が分かりやすいモデルです。
本体はARIONらしいプラスチック筐体です。金属筐体ほど重量がなく、ペダルボードを軽くまとめやすい反面、中古では電池ふた、フットスイッチ、ジャック周辺の状態を確認した方がよいでしょう。
参考 ARIONエフェクター ラインアップARIONLEVEL、TONE、DRIVEは何を変えるのか
基本の3ノブは、一般的なオーバードライブと同じ感覚で使えます。
| 操作 | 変わるもの | 最初に試す位置 |
|---|---|---|
| LEVEL | エフェクトを通した音の大きさ | バイパス時と同じ音量になる位置 |
| TONE | 音の明るさ | 12時から調整 |
| DRIVE | 歪みの量 | 9~10時から少しずつ上げる |
初めて使うなら、TONEを12時、DRIVEを9時、LEVELをバイパス時と同じくらいに合わせます。そこから、音が暗ければTONEを上げ、歪みが足りなければDRIVEを上げると迷いにくいです。
アンプを押すブースターとして使う場合は、DRIVEを低め、LEVELを少し高めにします。SOD-1だけで歪みを作りたい場合は、LEVELで音量を合わせてからDRIVEを上げます。
DIRECT/SOFTとOUT1/OUT2の使い方
SOD-1の特徴は、OUT1とOUT2の2出力です。ARIONのラインアップには、エフェクト音とダイレクト音を並列に出力できるとあります。2台のアンプや2系統の入力を使えば、歪んだ音と元の音を分けて扱える可能性があります。
現存する製品記録では、DIRECT/SOFTはOUT2に関係するモードスイッチとして掲載されています。また、当時の説明には次の一文があります。
“The two different outputs allow the user to achieve distinctly different sounds.”
日本語訳:「2つの異なる出力により、はっきり異なる音を得られます。」
参考 ARION SOD-1製品記録(英語)Effects Databaseただし、今回確認できた資料には、OUT1/OUT2とDIRECT/SOFTを組み合わせた全動作が回路図付きで説明されていません。スイッチ名だけから、どの端子に完全な原音または特定の補正音が出るのかを断定するのは避けます。
実機では、まずアンプの音量を下げ、OUT1だけを接続して音を確認します。次にOUT2だけへ差し替え、DIRECTとSOFTを切り替えて比較します。2台のアンプへ同時接続するのは、それぞれの出力を確認した後の方が安全です。
内部基板から分かること

所有個体の内部。茶色い基板が上下に分かれ、ノブ、スイッチ、入出力ジャックへ配線されています。
内部には、操作部側とフットスイッチ側に分かれた茶色い基板が収まっています。写真では3つのポット、DIRECT/SOFTスイッチ、入出力ジャックへつながる構造を確認できます。
基板には「ARION JAPAN」の文字が読めます。一方、所有個体の製造国表示はスリランカです。基板上のブランド表記だけを見て日本製と判断することはできません。メーカーや設計元を示す表記と、完成品の生産国表示は分けて考える必要があります。

基板上のIC周辺。部品番号の一部は確認できますが、IC表面の型番は写真から判読できません。
拡大写真ではC19、R35、C22などの部品番号を確認できます。ただし、主要ICの表面は光の反射とピントの影響で読めません。この写真だけからオペアンプの型番、クリッピング方式、既存機種との回路上の関係を推測することはできません。
同じSOD-1でも製造時期によって部品や基板が異なる可能性があります。別個体の内部写真や非公式回路図を、この所有個体へそのまま当てはめない方が安全です。
TUBULATORとの違いは何か
ARIONのラインアップでは、MTE-1 TUBULATORとSOD-1は別製品として掲載されています。MTE-1はチューブアンプ風の柔らかく温かい歪み、SOD-1は温かくマイルドな歪みと、エフェクト音/ダイレクト音の並列出力が特徴です。
公開資料から確認できる一番分かりやすい違いは、SOD-1が2出力とDIRECT/SOFTスイッチを備えることです。SOD-1がTUBULATORの派生機、または同じ回路であると裏付ける信頼できる資料は確認できませんでした。
私の感覚では、中古市場で見かける機会はTUBULATORの方が多く、SOD-1はあまり出てきません。ただし、両機種の生産台数や販売台数は確認できていないため、TUBULATORの知名度が原因でSOD-1が少ないとは断定できません。
TUBULATORの音と所有個体の改造内容はこちらで紹介しています。
現在も新品で買えるのか
所有者としては現行販売を終えたモデルと認識しています。実際、サウンドハウスのSOD-1商品ページには「販売終了」と表示されています。
一方、ARION国内代理店のラインアップには、2026年9月の確認時点でもSOD-1が掲載されています。ラインアップへの掲載と、店頭で新品を継続購入できることは同じではありません。そのため、現状は「新品が安定流通する現行品」とは言いにくく、購入前に販売店へ在庫と取り寄せ可否を確認する必要があります。
参考 ARION SOD-1商品ページ(販売終了表示)サウンドハウス中古でも常に見つかる機種ではありません。相場を断定できるほど同時期の販売例を確認できなかったため、価格だけで急いで選ばず、各出力とスイッチが正常に動く個体を優先するのがよいと思います。
中古で確認したいポイント
- OUT1とOUT2の両方から音が出るか
- DIRECT/SOFTを切り替えたときに変化があるか
- LEVEL、TONE、DRIVEに大きなガリや音切れがないか
- フットスイッチが一度で切り替わるか
- 電池ふたの爪や筐体のねじ受けが割れていないか
- ジャックへ触れたときに音が途切れないか
- 本体表示と使用する電源の電圧・極性が一致するか
- 基板に改造跡や過度なはんだ修正がないか
特にSOD-1は2出力が特徴なので、片方だけの音出しで動作品と判断しない方がよいでしょう。DIRECT/SOFTを含めて確認できれば、この機種を選ぶ意味のある部分まで確かめられます。
まとめ
ARION SOD-1は、温かくマイルドなオーバードライブに、DIRECT/SOFTとOUT1/OUT2を加えた個性的な一台です。3ノブだけを使えば普通のオーバードライブとして扱え、2出力を使えば原音とエフェクト音を分けた音作りへ広げられます。
所有個体はスリランカ製で、内部基板には「ARION JAPAN」の表記があります。ただし、主要ICの型番は写真から読めず、回路やTUBULATORとの関係も断定できませんでした。
サウンドハウスでは販売終了ですが、代理店ラインアップには掲載が残っています。新品の安定流通は確認できないため、現実的には中古を探すモデルです。見つけたときは外観だけでなく、2つの出力とDIRECT/SOFTの動作を確かめることをおすすめします。
FAQ
- ARION SOD-1はどんな音ですか?
- ARIONの案内では、温かくマイルドなオーバードライブです。強い歪みより、軽いクランチ、音の厚み付け、アンプを押すブースターとして使いやすい方向です。
- DIRECT/SOFTスイッチは何をするものですか?
- 現存する製品記録ではOUT2に関係するモードスイッチです。ただし、確認できた資料だけでは全信号経路を特定できないため、小音量でOUT1とOUT2を一本ずつ接続して比較するのが確実です。
- ARION SOD-1は日本製ですか?
- 掲載している所有個体はスリランカ製です。基板にはARION JAPANとありますが、この表記だけで完成品を日本製と判断することはできません。
- SOD-1とTUBULATORは同じ回路ですか?
- 同じ回路と断定できる資料は確認できませんでした。代理店ラインアップでは別製品として掲載され、SOD-1には2出力とDIRECT/SOFTという独自の操作があります。
- ARION SOD-1は現在も新品で買えますか?
- サウンドハウスでは販売終了表示ですが、2026年9月時点で代理店ラインアップには掲載があります。新品が安定流通しているとは確認できないため、販売店へ在庫と取り寄せ可否を確認してください。

