本物のジミ・ヘンドリックスマニアであれば、指の力が強いとか坂巻きの弦だとか機材ではなくジミヘンのプレイスキルがジミヘンサウンドの秘密と言ってくるかもしれませんが、我々機材オタクから言えばそういう話が聞きたいのではなくジミヘン”みたいな”音が出せるエフェクターはどれなのかと知りたいわけです。
とはいえ1960年代後半にジミヘンが現役で使ってた機材は今やヴィンテージ価格でなかなか手が出せないと思うので、本日は現行で販売されているエフェクターの中でジミヘンサウンドが再現できそうなエフェクターをまとめました。
なお、アンプとギターは考えないものとする。
ジミヘンエフェクターの種類について
ざっくり下記4種類です。
- ファズ-Fuzz
- ユニヴァイブ-Uni-vive
- オクターブファズ-Octave Fuzz
- ワウ-Wah
意外と少ないですよね。というかJimi Hendrixが生きた時代にはまだそこまでエフェクターの種類が無かったというのがあると思います。
もしジミヘンが今も生きていたら、ジョン・フルシアンテみたいな巨大なエフェクターボードを使っていたかもしれません。
というか、そもそもギターを持たずに違う電子楽器を使っているような気もします。
ジミヘンサウンドが出せそうなファズ
まずはジミヘンといえばファズフェイスだと思います。
ファズフェイスには大きく分けて2種類あって、信号を増幅させるトランジスタという部品に「ゲルマニウム」という素材を使っているのか「シリコン」という部品を使っているのかです。
だいたいですが69年頃まではゲルマニウムで、70年以降はシリコンなことが多いです。ジミヘンといえばどっちなのかという話もありますが、どっちも使ってます。ただ近年ジミヘンモデルとして販売されるファズフェイス系のエフェクターはシリコンなことが多いです。
ただ、これはシリコンの方がゲルマニウムよりも安定して動作するので製品化しやすいのと、ゲルマニウムトランジスタはもうあんまり製造していないということがあるのかと思います。
ゲルマニウムトランジスタはいわゆるオーパーツ的なもので、気温や湿度によってhfeという増幅率を表す数字が変化してしまうので日によって音が違ったりします。冬の寒いときに使うといまいちな音がします。
ゲルマニウムトランジスタのファズフェイス
やはりというかゲルマニウムトランジスタを使ったファズフェイスは数が少ないです。ゲルマニウムトランジスタの特徴としてPNP接地型という物が多く、一般的なシリコントランジスタはNPN接地型が多く、エフェクターケースをグランドとしてマイナスの電気を流せるのですがPNPは逆でケースをグランドとしてプラスの電気を流さねばならない関係で外部電源が使えないものがゲルマニウムタイプのファズフェイスはほとんどです。
回路で無理やり使えるようにしているものもたまに売ってます。
ゲルマニウムトランジスタタイプのファズフェイスのサウンドの特徴としては、ブチブチ系でサステインは意外と無いオーバードライブ的なサウンドです。
シリコントランジスタのファズフェイス
流石にシリコントランジスタは安定供給されているので販売数が多いですね。外部電源が使えるものも多いです。
JIM DUNLOP Jim Dunlop JHMS1 FUZZ FACE Authentic Hendrix Shrine `68
シリコントランジスタファズフェイスのサウンドの特徴は、いわゆるディストーションな感じです。
ファズフェイスの使い方
ファズフェイスを使ってみたけどいまいちだったという声をよく聞きます。それは使い方が間違っているのです。
まずアンプの設定はクリーンではなく少し歪ませて、VOLUMEとFUZZのつまみはほぼマックスにしてください。
音がでかい場合はアンプで調整してください。ファズフェイス側で調整すると音がしょぼくなります。
そしてファズフェイスをオフにすることはほぼ無いです。ファズフェイスを音にしたままギター側のボリュームを絞ると歪みも落ちてくれるのでバッキングで使いやすい鈴なりサウンドが出ます。リアで使うとしょぼくなるので、フロントで使うのをおすすめします。
ファズファクトリーもおすすめ
Z.VEXのファズファクトリーはゲルマニウムトランジスタとシリコントランジスタを両方使ったハイブリッドで、作れる音の幅が広くて外部電源も使えておすすめなのですが、セッティングが若干難しいので中級者以上向けなきがします。
ユニヴァイブ系エフェクター
ユニヴァイブ系はJimi Hendrixだけでなくデヴィッド・ギルモアやジョンメイヤーもよく使ってくれているおかげで色んなメーカーがリリースしてくれてて選択肢が多いです。
サウンドはフェイザーとコーラスとトレモロを混ぜた感じで、よく水中サウンドと言うふうに形容されます。
フェイザーやトレモロはFETトランジスタなどの素子で位相を変化させてゆらぎを作るのですが、ユニヴァイブは全く違ってムギ球電球やLEDなどの光る素子をピカピカ光らせて、その周りを囲うようにCDSという光の強さを検知して抵抗値を変化させる抵抗を設置することで光の強弱によて抵抗値が変わってゆらぎを作ってます。
Jim Dunlop(ジム ダンロップ)JHMS3 UNI-VIVE ユニバイブ Authentic Hendrix Shrine ‘68 Series 【国内正…
electro-harmonix エレクトロハーモニクス エフェクター アナログモジュレーター Good Vibes 【国内正規品】
JHS Pedals ジェイエイチエスペダルズ エフェクター トレモロ/ヴィブラート Unicorn V2 【国内正規品】
ちなみに私はJHSのUnicornを愛用してます。自作もしましたが、どうしてもサイズが大きくなってしまって持ち運びに不便なので仕方なく使ってます。
本物のUnivibeも所有してます。ジミヘンが亡くなったあとの製造のものですが。
オクターブファズ
オクターブファズは私はジミヘンのカバーをするとき以外に使ったことがないです。なかなか使い所が難しいエフェクターです。
ジミヘンはtycobraheというメーカーが出していたOctavioというオクターブファズを使っていました。
Musiclily Pro Octave Fuzz ギターエフェクター DC 9V アダプター電源エレキギター/ベース用トゥルーバイパ…
ELECTRO-HARMONIX Lizard Queen OCTAVE FUZZ エレクトロハーモニクス リザードクイーン オクターブファズ …
Way Huge (ウェイ ヒュージ) WHE800 Purple Platypus Octidrive MKII オクターブファズ
WAY HUGE ウェイ ヒュージ WM81 Stone Burner Sub Atomic Fuzz サブオクターブ ファズ【国内正規品】
ジミヘン風なワウ
ワウはなかなか選択肢がないです。VOXかCRYBABYが主流で、V847とCBM95はだいたい中身は一緒です。
良いワウになると高いので、本音を言えばV847かCBM95を中古で探して中身を改造したほうが幸せになれると思います。
HOTONE 「SOUL PRESSII」Volume/Expression/Wah/Volume & Wah マルチペダル [国内正規品] トランスペアレン…
ワウのサウンドを決める要素は
- インダクタ
- ポット
- トランジスタ
- 回路の定数
とあって、シンプルな回路ではありますが部品の選定もそうですが同じ回路で作っても同じ音が出ないというのはよくあります。
最終的には耳で調整するしかないでしょう。自作するには。
自作がめんどい場合は高いお金出してFulltone CLYDE deluxeを買いましょう。
V846-HWは、トゥルーバイパスの仕様になってるのですが回路はオリジナルのままなのでワウをオンにするとボリュームも下がるという現象が起きるので、もし買ったとしたら68K(青色-灰色-オレンジ-金)の抵抗を47Kの抵抗と交換しましょう。
まとめ
完全に独断と偏見でジミヘンサウンドを再現できそうなエフェクターを紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
私自身ジミヘンが大好きなのですが、世のジミヘン好きおじさんはすごく細かく機材について言及してくる場合があります。
正直同じような音が出せれば何でも良いと思います。(そういう細かく言ってくるおじさんに限ってギターが下手)