Maxon PT-909 Phase Toneは、私にとってMXR Phase 90より使い勝手のいいフェイザーです。理由は単純で、SPEEDだけでなく、WIDTHとFEED BACKも調整できるからです。
揺れる速さを決めたあとに、どのくらい大きく揺らすか、どのくらい効果を強調するかまで変えられます。この調整の余地があるだけで、作れるフェイズ効果がずいぶん増えます。

SPEED、WIDTH、FEED BACKを備えたPT-909。丸いフットスイッチの付いた古いタイプです。
Phase 90を連想するオレンジの筐体
このオレンジ色を見ると、やはりPhase 90を意識したのではないかと思ってしまいます。大きく書かれた「PHASE TONE」の文字も含め、古いマクソンらしい見た目です。
手元のものは、1979〜80年頃の個体ではないかと思っています。1980年のマクソンカタログにもPT909は掲載されていますが、そちらは四角いスイッチの別形状の筐体です。同じ型番でも、外観には違いがあります。

三つのノブは三角形の配置。INPUTとEXT. DC端子は同じ側面にあります。
速さだけでなく、揺れ幅と癖を変えられる
PT-909の面白さは、この三つのコントロールにあります。
| ノブ | 調整すること |
|---|---|
| SPEED | 音が揺れる速さ |
| WIDTH | 音色が変化する範囲、揺れ幅 |
| FEED BACK | フェイズ効果の強調具合 |
Phase 90はSPEED一つで扱えるところが魅力ですが、PT-909では速さを変えずに揺れ幅を狭くしたり、FEED BACKでうねりの癖を強めたりできます。
「この速さはいいけれど、もう少し控えめにかかってほしい」「速さはそのままで、もっとフェイザーらしさを出したい」。そういう調整ができるところが、私には使いやすく感じられます。
当時のマクソンカタログでも、WIDTHはスイープする範囲、FEED BACKはフェイジング効果を強めるコントロールとして説明されています。単にノブが多いだけでなく、揺れ方を別々に調整できるのがポイントです。
参考
マクソン1980年カタログ・PT909掲載ページ楽器カタログの世界
中を開けるとUA1458Cが三つ

小さな基板に部品が詰まっています。黒いICには「UA1458C」の刻印が見えます。
中を開けると、UA1458Cと刻印されたICが三つ。周囲にはトランジスタや抵抗、青い電解コンデンサーなどが並んでいます。部品構成を見た印象でも、Phase 90に近い系統の回路なのではないかと思います。
基板の左側には調整用の半固定抵抗も見えます。外から触る三つのノブとは別の内部調整用なので、音作りはまず表側のコントロールで楽しむのがよいと思います。

電解コンデンサーには「nichicon」と「H7903L」の印字。古い機材は、こうした部品の表記を見るのも楽しいです。
私なら、調整できるPT-909を選びたい
Phase 90の一つのノブで音が決まる手軽さもよいですが、私はもう少し細かく揺れ方を変えたい方です。PT-909なら、速さ、揺れ幅、効果の強調具合を自分で調整できます。
見た目は昔ながらのフェイザーですが、音作りの自由度は高いです。古いから面白いというだけでなく、実際に使ううえでも、この三つのノブはよくできていると思います。
比較に挙げたスクリプト期のPhase 90については、こちらでも紹介しています。

