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RANGE BLASTERレビュー|AC176ゲルマニウムNPNブースター

結論から言うと、このRANGE BLASTERは、Rangemaster系の高音域の強さに、ゲルマニウムトランジスタらしい丸さを残した自作品です。クリーンな音量上げより、少し歪んだアンプの前で倍音と食いつきを足す使い方に向いています。

Fuzz Centralに掲載されているRangeBlaster回路をもとに、部品と配線を少しアレンジして製作しました。完成までにノイズで苦労したぶん、シンプルな1石回路ほど部品とレイアウトの影響が見えやすいことを実感したエフェクターです。

RangeBlasterとRangemasterの違い

オリジナルのDallas Rangemasterは、PNPゲルマニウムトランジスタを使うポジティブグラウンド回路です。そのままでは一般的なセンターマイナス電源と共用しにくい点があります。

Fuzz CentralのRangeBlasterはNPNゲルマニウムトランジスタとネガティブグラウンドを採用し、一般的なエフェクターと電源を共用しやすくした改良型です。逆接保護やポップノイズ対策、メタル皮膜抵抗の使用も説明されています。

参考 Dallas RangeMaster / RangeBlasterFuzz Central

ラグ板と空中配線で製作

RANGE BLASTERのラグ板と空中配線

内部はラグ板を使った空中配線です。部品点数が少ないため、基板を使わなくても信号の流れを追いやすく、修理や部品交換もしやすい構造になりました。

見た目の整然さより、配線長、グラウンドの取り回し、入力と出力の距離を意識しています。1石ブースターは増幅率が高いため、雑に組むとハムやヒスを拾いやすいからです。

Daleの金属皮膜抵抗でノイズが収まった

Daleの金属皮膜抵抗を使ったRANGE BLASTER内部

何台か作るなかで、どうしてもノイズを抑えられない個体がありました。抵抗をすべてDaleの金属皮膜抵抗へ変更したところ、その個体ではノイズがあっさり収まりました。

抵抗のブランドだけで必ず解決するとは言えません。配線、電源、トランジスタのリークも影響します。それでも、Fuzz Centralが1%メタル皮膜抵抗と安定化電源を推奨していることを、実作業で納得できた経験でした。

AC176Kを選んだ理由

RANGE BLASTERに使ったAC176KゲルマニウムNPNトランジスタ

トランジスタはAC176Kです。K付きなので、最初からヒートシンクを備えています。

オリジナルRangemasterではOC44に代表されるPNPゲルマニウムが知られていますが、この回路ではNPNが必要です。入手できるNPNゲルマニウムの特性を調べ、近い条件のAC176へ行き着きました。

NPN・ネガティブグラウンドなので、一般的なエフェクターボードの電源へ組み込みやすいのが実用上の利点です。ただし、自作品やヴィンテージ系エフェクターは個体ごとに極性が違うことがあるため、接続前に本体表示を確認してください。

音と向いている使い方

下の動画は同名の別ブランド製Range Blasterです。この記事の自作個体そのものではありませんが、Rangemaster系ブースターを歪みかけたアンプへ入れたときの方向を知る参考になります。

Rangemaster系は、全帯域を平らに持ち上げるクリーンブースターではありません。暗めのアンプやハムバッカーに高音域と中高音域を加え、歪みの輪郭をはっきりさせる使い方が得意です。

ギター直後へ置くと、ピックアップとの相互作用が出やすくなります。ファズやバッファーの後ろでは反応が変わるため、まずはギターの直後、歪みの前から試すのがおすすめです。

ゲルマニウムトランジスタの選別やhFEの考え方は、こちらで詳しく解説しています。

一方、原音を変えずにソロの音量だけ上げたい場合は、クリーンブースターのほうが合います。用途別の違いはこちらで比較できます。

おすすめな人と注意点

RANGE BLASTERが向くのは、軽く歪んだ真空管アンプへの入力をさらに強くしたい人、ハムバッカーの低域を整理したい人、ゲルマニウム1石回路の反応を楽しみたい人です。

透明な音量アップ、低域を一切削らないブースト、温度や個体差に左右されない安定性を優先する人には向きません。ゲルマニウムは温度で動作点が変わりやすいため、夏冬で印象が変わる可能性も含めて使うエフェクターです。

FAQ

RangeBlasterはRangemasterと同じ回路ですか?
基本の1石トレブルブースターを土台にしていますが、NPNゲルマニウムとネガティブグラウンド、保護部品などを採用した改良型です。電源の扱いやノイズ対策が異なります。
RANGE BLASTERはどこにつなぐのがおすすめですか?
まずはギターの直後、ファズやオーバードライブより前を試してください。ピックアップと直接つながることで反応が出やすく、軽く歪んだアンプへの入力を強くする用途に向きます。
ゲルマニウムブースターはノイズが多いですか?
必ず多いわけではありませんが、トランジスタのリーク、抵抗、配線、電源の影響を受けやすい回路です。この個体では金属皮膜抵抗と配線の見直しで実用的な範囲に収まりました。

まとめ

RANGE BLASTERは、AC176Kとラグ板配線を使い、Rangemaster系の反応を現代の電源環境へ持ち込みやすくした自作ブースターです。抵抗交換でノイズが収まった経験も含め、単純な回路ほど部品選定と組み方が音と実用性へ直結することを教えてくれました。