所有する1969年製Fender Vibrolux Reverbは、銀色のパネルとアルミの縁取りを備えた初期シルバーフェイス期の個体です。2基の10インチスピーカーによる反応の速いクリーン、スプリングリバーブ、トレモロが特徴で、ストラトやエフェクターの違いを確認する基準アンプとして使っています。
所有する1969年製Vibrolux Reverb
| 項目 | 所有個体で確認した内容 |
|---|---|
| 入手時の年代情報 | 1969年製として入手 |
| 外観 | シルバーパネル、グリル周囲のアルミトリム |
| スピーカー構成 | 10インチ×2 |
| パワー管 | 6L6GC×2 |
| 内蔵エフェクト | スプリングリバーブ、トレモロ |
| 回路・整備 | 入手後に回路とバイアス周辺を点検し、AB763方向へ変更。電解コンデンサーを交換 |

所有する1969年製Vibrolux Reverb。銀色のパネルとアルミトリムを確認できます。
年代は入手時の情報と実機の外観・部品を合わせて扱っています。ヴィンテージ個体では部品交換や回路変更があり得るため、単一の外観特徴だけで製造年やオリジナル状態を断定しません。
実機で感じる音の特徴
クリーンの輪郭と2×10の反応
手元の個体では、高域のきらびやかさを保ちつつ、10インチスピーカー2基らしい立ち上がりの速さがあります。ストラトのフロントやハーフトーンでは、低域が膨らみすぎず、コードの各弦とピッキングの強弱を確認しやすいです。
音量を上げるとクリーンの硬さだけでなくコンプレッションも増えます。ただし、歪み始める位置や低域の量は、スピーカー、真空管、バイアス、整備状態、部屋の大きさで変わります。
リバーブとトレモロ
スプリングリバーブは短めにするとクリーンへ奥行きを足し、深くするとサーフ系の残響になります。トレモロは周期的な音量変化として働き、単音やコードの余韻を動かせます。最初は両方とも浅く設定し、バンド内で残響が長くなりすぎない位置を探すと使いやすいです。
1969年製と現行’68 Customは同じではない
Fenderは2014年の公式発表で、’68 Custom Vibrolux Reverbを1960年代後半の銀パネ期へ敬意を表した現代モデルとして説明しています。35W、10インチCelestion TEN 30×2、真空管駆動のリバーブ/トレモロを備えますが、単なる1968年仕様の復刻ではありません。
| 項目 | 所有1969年製 | ’68 Custom公式仕様・説明 |
|---|---|---|
| 位置づけ | ヴィンテージ所有個体 | 銀パネ期を基に現代向けへ変更したモデル |
| 出力・スピーカー | 実測していない/10インチ×2 | 35W/Celestion TEN 30 10インチ×2 |
| チャンネル | 個体の実回路を確認 | 両チャンネルでリバーブ/トレモロ対応 |
| Customチャンネル | 該当なし | 変更されたBassman系トーンスタック |
| 負帰還 | 所有個体の変更歴による | 負帰還を減らし、早いゲイン立ち上がりを狙う |
現行モデルの仕様を、そのまま1969年製の回路説明には使えません。新品のサポートと再現性を重視するか、個体ごとの音と整備歴を含めてヴィンテージを選ぶかで判断が変わります。
参考 ’68 Custom Vibrolux Reverb発表資料Fender公式
参考 ’68 Custom Vibrolux Reverb Owner’s ManualFender公式マニュアル
回路変更と整備の記録
入手時の回路を確認したところ、AA1069に近い構成が見られましたが、過去の修理や変更も考えられるため「1969年製はすべて同じ回路」とは扱いません。所有個体は、使用する6L6GCと動作を確認したうえで、バイアス周辺を含めてAB763方向へ変更しています。
これはヴィンテージ価値を高めるためではなく、演奏機材として安定して使うための整備です。オリジナル状態を重視する場合は、変更前に回路、トランス、スピーカー、ポット、コンデンサーの年代と交換歴を専門店で記録してください。
電解コンデンサー
この個体はオーバーホール済みとして入手しましたが、内部には古い電解コンデンサーが残っていました。状態を点検し、使用条件に合うF&T製コンデンサーへ交換しています。外観だけでは容量抜け、漏れ電流、耐圧余裕を判断できません。

入手時に残っていた古い電解コンデンサー。年代だけで交換要否は決めず、専門技術者が測定します。

所有個体へ取り付けたF&T製コンデンサー。交換は高電圧箇所の作業です。
エフェクターとの合わせ方
クリーンで使う場合は、アンプ側の低域を上げすぎず、オーバードライブやファズの低域を後から足すと輪郭を保ちやすいです。リバーブをアンプ側で使うときは、ディレイのFeedbackとMixを控えめにすると残響が重なりすぎません。
- ストラト+クリーン: Trebleを耳に痛くない位置まで下げ、Reverbは浅めから開始
- オーバードライブ: アンプを完全な大音量にせず、ペダル側Levelで押し出しを調整
- ファズ: 低域が膨らむ場合はアンプ側Bassを先に整理
- ディレイ: 内蔵リバーブと併用するなら短いTimeと少ないRepeatから調整
同じFender系でも、Deluxe Reverbの所有実機レビューでは6V6×2、1×12構成との違いを確認できます。
大音量を避けて真空管アンプを使う場合は、ロードボックスとアッテネーターの役割、インピーダンス、許容入力を先に確認してください。
Fender系クリーンへ合わせるアナログディレイの比較はこちらです。
中古で確認するポイント
- 製造年の根拠と、回路名を断定できる資料があるか
- 電源トランス、出力トランス、スピーカーが交換されているか
- 電解コンデンサー、抵抗、配線、3芯電源コードの整備履歴
- 6L6GCの状態とバイアス調整履歴
- 両チャンネル、リバーブ、トレモロ、フットスイッチが動作するか
- 異常なハム、発振、焦げた臭い、ヒューズ交換の履歴がないか
- 重量、音量、持ち運び、修理を依頼できる店を確保できるか
音が出ることだけでなく、安全に継続使用できるかを確認します。「オーバーホール済み」という表示だけでは作業範囲が分からないため、交換部品と測定内容を具体的に聞く方が確実です。
関連する現行品
Vibrolux Reverbそのものの代替ではありませんが、現行流通、メーカーサポート、Fenderクリーンとスプリングリバーブを重視する場合はDeluxe Reverb系も比較対象です。出力、スピーカー構成、音量感は異なります。
よくある質問
- 1969年製Vibrolux Reverbは35Wですか?
- Vibrolux Reverbは35Wとして広く案内され、現代の’68 CustomもFender公式で35Wです。ただし、この記事の所有個体は出力を実測していないため、年式情報だけから現状の実出力までは断定しません。
- 現行’68 Custom Vibrolux Reverbは1968年仕様の完全復刻ですか?
- 完全復刻ではありません。Fender公式は、両チャンネルのリバーブ/トレモロ、変更したBassman系トーンスタック、減らした負帰還など現代向けの変更を説明しています。
- 中古で最初に確認することは?
- トランス、スピーカー、電解コンデンサー、回路変更、バイアス、リバーブ/トレモロの動作、修理記録です。内部には高電圧があるため、点検は専門技術者へ依頼してください。
まとめ
所有する1969年製Fender Vibrolux Reverbは、銀パネ初期の外観、10インチスピーカー2基、6L6GC×2、スプリングリバーブ、トレモロを備え、クリーンとエフェクターの違いを確認しやすいアンプです。
一方で、ヴィンテージアンプの音と安全性は年式だけで決まりません。この個体も回路変更と電解コンデンサー交換を経ています。中古ではオリジナル度だけでなく、整備内容、動作、修理先、実際に使える音量まで確認してください。



