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Marshall Drive Masterヴィンテージレビュー|修理で触れた音と内部

修理で預かった英国製Marshall Drive Masterのヴィンテージ個体。黒い筐体と赤い文字の外観

今回のMarshall Drive Masterは、私の所有物ではなく、修理で預かったイギリス製のヴィンテージ個体です。 スイッチを取り外して分解・清掃し、元に戻したところ直りました。修理の機会に音も確認しましたが、正直に言うと私の好みには合わない音でした。

硬くてジャキジャキしていて、私には「ディストーションとオーバードライブを足して2で割り、それを少し薄めたような音」に感じられます。今回は、修理で触れたこの個体の内部と、その率直な印象を紹介します。

修理で預かった英国製Marshall Drive Masterのヴィンテージ個体。黒い筐体と赤い文字の外観

修理で預かったMarshall Drive Master。私の所有品ではありません。

修理で預かった、英国製のDrive Master

Drive Masterは、Gain、Bass、Middle、Treble、Volumeの5ノブを備えた歪みペダルです。歪み量と出力音量に加えて、低域・中域・高域をそれぞれ調整できます。

Drive MasterのGain、Bass、Middle、Treble、Volumeの5つのコントロール

GainとVolumeの間に、Bass・Middle・Trebleの3バンドEQが並びます。

Marshallの復刻版公式ページでは、Drive MasterはGuv’norをベースに、トーンとドライブ回路を発展させたモデルとして紹介されています。ガバナーとのつながりがある機種ですが、この記事で触っているのは復刻版ではなく、修理で預かったヴィンテージ個体です。

参考 Marshall Drivemaster公式紹介(復刻版・日本語)Marshall

スイッチは、分解して清掃したら復旧した

今回の修理で手を入れたのはフットスイッチです。扱ってみると、結構脆弱で壊れやすそうな作りだと感じました。筐体にはしっかりした存在感があるだけに、この部分は気になります。

作業は、スイッチを本体から取り外し、分解して内部を清掃し、再び組み付けて戻すという流れです。今回はスイッチを新品へ交換せず、元のスイッチを清掃して直すことができました。

同じようにスイッチが動作しなくても、機械的に部品が破損している場合などは清掃で直るとは限りません。ここで紹介しているのは、この個体では分解清掃で復旧した、という修理例です。

内部にはMotorola製のTL072CP

Drive Masterの内部基板。IC1のMotorola製TL072CP、取り付けられたフットスイッチ、コンデンサや抵抗

基板上のIC1はMotorola製TL072CP。中央には今回修理したフットスイッチがあります。

この個体には、Motorola製のTL072CPが使われています。基板上に部品が並び、フットスイッチも基板に取り付けられた構造です。

ヴィンテージ機材では中の部品を見るのも面白いところですが、Motorola製のICが入っているから自分の好きな音になる、というわけではありません。今回も、内部を確認する楽しさと、実際に弾いたときの好みは別でした。

音は硬くてジャキジャキ。私の好みではなかった

私がこのDrive Masterで一番強く感じたのは、硬くてジャキジャキした音色です。 歪み方を言葉にするなら、ディストーションとオーバードライブの中間にあるようで、その両方を少し薄めたような印象でした。

私には、欲しい太さや気持ちよさに結びつかなかった、というのが正直なところです。ヴィンテージの英国製Marshallだからといって、手放しで良い音だとは感じませんでした。

もちろん、これは今回の個体を弾いた私の感想です。硬い輪郭やジャキジャキした質感が欲しい人なら、評価が変わるかもしれません。ただ、私が自分の足元に置きたい音かと聞かれると、好みではなかったと答えます。

コンデンサが気になった理由と、自作ガバナーの経験

基板を見て気になったのが、積層セラミックコンデンサです。この部品の使い方が、私の感じた硬さや薄さに関係しているのではないかと思いました。

そう考えた背景には、以前持っていたガバナーの経験があります。そのガバナーでも、私は今回のDrive Masterと似た印象を持っていました。一方、普通のフィルムコンデンサを使って自作したガバナーは、私には良い音に感じられました。

その違いを思い出すと、「コンデンサの種類が関係しているのかな」と考えたくなります。ただ、これは部品の材質だけを入れ替えて条件をそろえた比較ではないので、音の違いの原因がコンデンサだと断定できるわけではありません。

セラミックコンデンサにも種類があり、電圧による容量変化などの特性は一律ではありません。村田製作所の解説でも、高誘電率系と温度補償系では電圧特性が異なると説明されています。「積層セラミックなら必ず硬い音、フィルムなら必ず良い音」と一般化せず、ここでは私の自作経験から気になった点として挙げておきます。

参考 コンデンサの静電容量の電圧特性とは?(日本語)村田製作所

市販の状態と内部を組み直した後で印象が変わった例としては、私のMXR Micro Ampもあります。こちらは自分の所有品で、ケースを生かしながら中身をほぼ入れ替えたものです。

入出力と電源端子は本体奥側にまとまっている

Drive Master背面のInput、Outputと、9V DCセンターマイナス表示の電源端子

InputとOutputの間に電源端子。9V DC・センターマイナスの表示があります。

Input、Output、電源端子はノブの奥側に並んでいます。この個体の電源表示は9V DC・センターマイナスです。接続時は本体の表示に合わせた電源を使います。

スイッチは直った。でも、音の好みは別

今回のDrive Masterは、スイッチを取り外して分解・清掃し、組み戻すことで復旧しました。元の部品を生かして直せたのは良かったところです。

一方、音については硬くてジャキジャキした印象が残り、私の好みには合いませんでした。Motorola製TL072CPを使った英国製のヴィンテージであっても、好きな音かどうかは弾いてみて初めて分かる。修理で触れたこの個体は、そんな1台でした。

よくある質問

このDrive Masterは筆者の所有品ですか?
私の所有品ではなく、修理で預かった英国製のヴィンテージ個体です。
スイッチは交換しましたか?
今回は交換していません。元のスイッチを取り外し、分解・清掃して組み戻したところ復旧しました。
積層セラミックコンデンサが音の硬さの原因ですか?
原因とは断定していません。フィルムコンデンサを使った自作ガバナーとの印象の違いから気になった点で、材質だけを変えた比較や測定はしていません。