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ブルースにおすすめのエフェクターとは?

はじめに|ブルースとエフェクターの関係

ブルースで使うエフェクターは、アンプの歪みを補うオーバードライブ、音量を上げるブースター、音域を動かすワウ、強い歪みを作るファズが中心です。

ブルースの世界では「アンプ一発の音が至高だ。」という意見も根強く、確かに条件に合うチューブアンプを十分な音量で鳴らせる環境があるなら、下手にエフェクターは必要ないかもしれません。しかし、ライブやセッションでは置かれた環境のアンプを使わざるを得ないことも多いですし、音質や音量を思うようにコントロールできないシチュエーションも存在します。そんなときに頼りになるのがエフェクターの存在です。

この記事では、ブルースで使われるオーバードライブ、ブースター、ワウ、ファズを種類別に整理します。設定例は出発点として示し、ギターとアンプに合わせた調整方法も説明します。

ブルースでエフェクターを使う意義

「ブルース=アンプ直」がひとつの王道イメージになっている背景には、昔の名プレイヤーたちが限られた機材でしかも大音量のチューブアンプをフルにドライブさせていた歴史があります。例えば、マディ・ウォーターズやハウリン・ウルフなどのシカゴ・ブルースの巨人たちは、アンプのボリュームを高めて歪みを得るというスタイルが基本でした。

しかし、現代ではライブハウスの音量規制や、セッションで用意されたアンプに自由に手を入れられない状況も珍しくありません。そうしたとき、オーバードライブやブースターといったエフェクターを活用すれば、いつでも自分好みの歪みとニュアンスが作れます。また、ワウペダルやファズなどを使えば、ブルースとはいえ「攻めのサウンド」を狙える場面も多いです。

ブルース特有のリズム感やフィーリングはもちろん重要ですが、時には音作りの幅を広げるためにエフェクターの存在を視野に入れると、新たな表現力が生まれるはずです。「あ、こんな音もブルースにハマるんだ。」なんて発見があると、さらに演奏が楽しくなると思いませんか?

代表的なブルース向けエフェクターの種類

では実際に、どのような種類のエフェクターがブルースと相性が良いのかを見ていきましょう。大きく分けると、以下のようなジャンルに分類できます。

  • オーバードライブ系
  • ブースター系
  • ワウ系
  • ファズ系
  • その他(ディレイ、リバーブ、コーラスなど)

ここからは、それぞれの特徴を順番に解説します。

オーバードライブ系

オーバードライブは、アンプが軽く歪んだ状態に近い歪み量を設定できます。ブルースでよく使われるのは、ゲインを上げすぎない設定による「クランチ」くらいの歪み感です。あえて多めにゲインを稼ぎ、ロック寄りのサウンドを狙う人もいますが、ここでは低〜中程度の歪みを生かして表情をつけるのがポイントといえます。

ブースター系

ブースターと呼ばれるエフェクターは、ほとんど歪まないクリーンブースターと、若干の歪み要素を含むプリアンプ的ブースターに分かれます。ブルースでは、ソロ時にほんの少し音量やゲインを上げたいという使い方が代表的です。アンプの歪みを少し増やせるので、音作りの自由度が高まります。

ワウ系

ジミ・ヘンドリックスを筆頭に、エリック・クラプトンやスティーヴィー・レイ・ヴォーンも時折使っていたワウペダルは、ブルースに限らず演奏の表情を大きく変えてくれます。とくにブルースロック寄りの曲やジャムセッションで「ここぞ」という場面を演出したい場合に重宝しますね。

ファズ系

ファズは、ギターの原音を大きく変化させる強烈な歪みエフェクターです。「ブルースならオーバードライブだけで十分じゃない?」と感じる方もいるかもしれませんが、実はヘンドリックスが残したブルースナンバーを聴くと、ファズを巧みに使った濃密なサウンドが楽しめるんです。Fuzz Face系と呼ばれる製品には、ギターのボリュームを絞ると歪み量が減るものがあります。ただし、変化量は製品と設定で異なります。

その他(空間系エフェクターなど)

ブルースの世界ではディレイやリバーブを深くかけるケースは少なめですが、ライブハウス環境によっては多少のディレイやリバーブを用いてソロを際立たせるシーンも見られます。ほんの少しだけ空間系を加えることで、単音リードに反復音や残響を与えたり、スローなブルースバラードをしっとり聴かせたりと様々に活用できます。ただし、掛けすぎると曖昧になりがちなので、あくまで“うっすら”がベターです。

ブルースにおすすめの具体的なエフェクター

ここからは、実際に「これがあると便利。」といわれる定番エフェクターをピックアップしていきます。あくまで一例なので、あなたの好みに合ったアイテムを探す際の参考にしてください。

Ibanez TS9(チューブスクリーマー系)

ブルース用のオーバードライブといえば、まずはTS9やTS808などのチューブスクリーマー系が筆頭候補になります。TS9やTS808では、中音域が強くなり、音が圧縮されて単音を伸ばしやすくなります。歪み量や低音域は機種と設定で異なります。シングルコイルのストラトと組み合わせると、いわゆる「あのブルージーなトーン」が出やすいですね。

ハムバッカーを積んだギターの場合でも、ミッドにフォーカスした単音を伸ばしやすい音が得られるので、しっかりと聞こえやすくしたいときに重宝します。比較的リーズナブルかつ小型なので、エフェクターボードに1台入れておくと心強いエフェクターです。

Vemuram Jan Ray

元のギターやアンプの音を大きく変えにくいオーバードライブを求めるなら、VemuramのJan Rayもチェックしてみてください。ミッドを強調しすぎず、Fender系アンプのクリーン〜クランチをブーストするイメージに近いサウンドが得られます。ただし値段がやや高めなので、ハイエンドなブティックエフェクターを探している方に向いているかもしれません。

クランチ領域から歪みを深めても耳障りになりにくく、ギター本来の音を損ねないのがポイントです。真空管アンプへの入力を強くするブースター的使い方もできるので、「TS系がちょっとミッド出過ぎかな?」と感じる場合に試す価値ありです。

Mosfet Booster

ブースターといっても、その回路によって音質特性が異なります。なかでもMOSFETトランジスタを使ったブースターは、高音域の原音を大きく変えずちつつ、程よい高音域の明るさが乗ると評判です。FulltoneやZ.Vexなど有名メーカーからリリースされており、ブルース〜ロックのシーンで幅広く活躍します。

自分のアンプで作った軽い歪みをさらに引き出したいときは、この手のブースターが重宝します。中音域を強めるTS系とは違い、よりフラット〜繊細に持ち上げてくれる傾向なので、ギターやアンプの素の音を生かしたブルーストーンを求める方におすすめです。

ワウペダル(Cry Babyなど)

ジミ・ヘンドリックスをはじめ、多くの伝説的ギタリストが愛したワウペダルは、単なる「ワウワウ」という効果音だけでなく、音色のフィルターをリアルタイムで動かす表現手段として強力な武器になります。

特にブルースのギターソロでは歌わせるようなフレーズを弾くシーンが多く、ワウを踏みながら微妙にフィルターを動かすと、まるで「ギターがしゃべっている」かのようなニュアンスが出せるんです。ほんの少し動かしてハーフワウ状態にし、そのトーンを維持するだけでも、一味違ったサウンドが作れますよ。

ファズフェイス(Dunlopなど)

ブルースロック寄りのサウンドを突き詰めたいなら、ファズフェイス系は外せません。ゲルマニウムトランジスタ搭載のヴィンテージファズは高音が強すぎない歪みが得られ、シリコントランジスタタイプはややシャープで扱いやすい傾向があります。ヘンドリックスはもちろん、エリック・ジョンソンやボナー・マッサなどもファズを使いこなしてブルージーな音色を出しているので、一度試してみると面白いですよ。

ただし、ファズはアンプやギターとの相性に左右されやすく、操作感にも独特のクセがあります。ギターのボリュームを絞るとクランチ〜クリーンに近いトーンを得られるなど、ライブでのダイナミクスコントロールにも使えるので、その奥深さにハマる人も多いです。

エフェクターの接続順・設定のポイント

ここからは、ブルースでよく利用されるシンプルなエフェクターボードを想定し、接続順や設定のポイントをざっと解説しましょう。

接続順の一例

基本的には

  • ギター → ワウ(任意) → オーバードライブ or ブースター → (必要があればモジュレーション系) → (必要があればディレイやリバーブ) → アンプ

という順番がオーソドックスです。ワウをファズの前に入れるか後に入れるかなど、細かな好みもあるので、色々と試してみると面白いですよ。

オーバードライブ・ブースターの設定

アンプのクリーンチャンネルに接続すると想定して、オーバードライブのゲインは控えめ、レベルはやや上げ目にするとアンプへの入力を強くし、歪みを少し増やす設定にできます。ブースターも同様に、単なる音量アップか、軽い歪み付加か、どちらを狙うかで設定が変わってきます。

ワウの踏み方・使いどころ

常に動かし続けると「ワウワウ」しすぎて耳障りになることがあります。ブルースでは一音一音に表情をつける使い方が好まれるため、ソロのフレージングに合わせて軽く踏み込むだけでもOKです。また、サビやリフの一部だけワウを入れて雰囲気を変えるのも面白いですよ。

ファズの操作感

ファズはギターのボリュームやトーン操作によって大きくサウンドが変わるため、演奏中にボリュームをいじって多彩な歪みを表現します。アンプであまり歪ませず、ファズで思い切り歪みを作るやり方もあれば、ファズをブースター的に使う例もあるので、ぜひ研究してみてくださいね。

ライブ・セッションでの活用方法

ブルースセッションやライブハウスでは、自分のアンプを持ち込めないケースも多いですよね。そういうときにエフェクターがあると非常に心強いです。

例えば、置いてあるアンプがFender系のクリーン主体なら、オーバードライブを駆使して自分好みの歪みを作る方法がスタンダードです。一方、Marshall系のアンプであれば、アンプ自体を軽くクランチにしてブースターやTS系エフェクターでアンプへの入力をさらに強くするのもアリ。セッション前のサウンドチェックでアンプとエフェクターの相性を確かめておけば、リハなしの飛び入りでも落ち着いて挑めるでしょう。

さらに知っておきたいポイント

ここからはブルースのエフェクター選び・使い方で、覚えておくと便利な補足情報を紹介します。

“MEMO”

もし狙いたいサウンドがヴィンテージ系であれば、ゲルマニウムトランジスタを使ったファズや、ちょっとレアなオールド回路のブースターなども面白い選択肢になります。ただし、気温や電圧に左右されやすいなど扱いには注意が必要です。

“注意”

ライブハウスで大音量を出せないときは、アンプの歪みだけに依存しすぎるとエフェクターをオンにしても歪み量が不足することがあります。その場合は、オーバードライブ側でも必要な歪み量を調整します。

Q&A|よくある疑問にお答えします

Q1:ブルースならエフェクターはいらないって本当?

A:条件に合うチューブアンプを大音量で使えるなら、エフェクターに頼らなくても十分に素晴らしいブルースサウンドを得られます。ただし、多くの場合は音量規制や機材の制約があるため、手元で歪みや音量を補正できるエフェクターを用意しておくと便利です。

Q2:ワウペダルは初心者にも使いこなせますか?

A:最初は足で踏むリズム感と手元のフレーズを合わせるのに戸惑うかもしれませんが、慣れれば難しくありません。ブルースのフレーズは比較的シンプルなものが多いので、その分ワウによる表情をつけやすいですよ。ぜひ練習してみてください。

Q3:ブースターとオーバードライブは同時に使う必要がありますか?

A:同時に使う必要はありませんが、ブースターで軽く音量をアップしてからオーバードライブに入れる「段階的なゲインアップ」を狙う人も多いです。クランチの上にさらに音量と歪みを増やしたソロ音を作るなど、組み合わせによって自由に音作りができるので、試行錯誤してみてください。

ブルース系ギタリストの機材例から選ぶ

機材名だけで決めにくい場合は、演奏スタイルの異なるギタリストのボードを比べると、必要な歪み、ブースター、空間系を絞りやすくなります。

まとめ|自分だけのブルーストーンを追求しよう。

以上、ブルースにおすすめのエフェクターを中心に、その活用方法や接続・設定のポイントをガッツリ紹介してきました。アンプの特性やライブ・セッションの現場環境によっては「もう少し歪みが欲しい。」「もう少し弦を弾いた直後の音をはっきりさせたい。」なんてシチュエーションが必ず出てきます。そんなときにオーバードライブやブースターをはじめとするエフェクターがあると、音の傾向を柔軟に変化させられるのが大きなメリットです。

たしかに、アンプのボリュームをフルアップして自分の指先のニュアンスだけで勝負するのも醍醐味のひとつ。エフェクターを補助的に使うと、歪み量、音量、音域を演奏中に切り替えられます。チューブスクリーマーやJan Ray、Mosfet Boosterなどの定番エフェクターはもちろん、ワウやファズを取り入れて「実はブルースにもぴったりなんだ。」という新しい音作りに挑戦してみるのも面白いですよ。

ブルースでエフェクターを使う場合は、歪み量、音量、中音域、オンにするタイミングを少しずつ調整します。アンプだけで必要な音が出る場合は、無理に追加する必要はありません。

最後にもう一度強調しますが、エフェクターはあくまであなたの「サウンドメイクを助ける道具」にすぎません。重要なのは日々の練習やセッションによるフィーリングの積み重ね。そこに自分らしい音作りのこだわりが加わると、ブルースはさらに奥深く、楽しくなります。

それでは、あなたの探求が素晴らしいブルースサウンドにつながるよう願っています。エフェクターを上手に取り入れて、多彩な表現をぜひ体験してみてください。機種と設定による違いを同じアンプで比較してください。