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メタリカ/ジェームズ・ヘットフィールドの使用機材|ギター・アンプ・エフェクター

メタリカ/ジェームズ・ヘットフィールドの使用機材|ギター・アンプ・エフェクター

ジェームズ・ヘットフィールドと同じ機材を選ぶなら、まずギターはESP SnakebyteなどとEMG JH Set、アンプ側はMesa/Boogieを使った時代とFractal Audio Axe-Fxを使う時代に注目したいです。

メタリカは歪みの中心となるアンプに、残響などを加える機器を組み合わせています。歪んだリフ、クリーン、曲の途中で加わる効果は、複数の機材や保存した設定で切り替える構成です。録音とライブで使った機材を、時期を添えて紹介します。

ジェームズ・ヘットフィールドの主な使用機材

種類機材使用場面・役割
ギターESP Snakebyte/Copper Topライブと『72 Seasons』の録音
ギターElectraのOGV初期から所有し、『72 Seasons』でも使用
ギターSo What!/EET FUK『72 Seasons』の録音
ギターESP Vulture2023年ツアーで新曲に使用
ピックアップEMG JH Set本人仕様のSnakebyteなどに搭載
アンプMesa/Boogie TriAxis+2:90アナログ機材中心だった時代のライブ
アンプRoland JC-120ヘッドAxe-Fxへ移る前のクリーン用
アンプ・エフェクトFractal Audio Axe-Fx III2023年ツアーの機材写真に登場
エフェクターTC Electronic G-Major以前のラックに組み込まれた音の加工用
エフェクターDBX Quad Gate弾いていない間のノイズを抑える
切り替え機材Mesa Amp Switcher/Digital Music Corp. GCX Expanderプリアンプやエフェクトの切り替え

使用ギターとピックアップ

ESP SnakebyteとCopper Top

Snakebyteは、本人のデザインを基にしたESPのシグネチャーギターです。市販ESP版はマホガニーのボディとネック、エボニー指板、EMG JH Setを組み合わせています。

ESP Snakebyte Black Satinの角張ったボディと2ボリュームの配置

市販ESP SnakebyteのBlack Satin。2つのつまみはそれぞれのピックアップの音量用で、トーンつまみはありません。出典:ESP公式・James Hetfieldモデル。

『72 Seasons』について本人が話した2023年のインタビューでは、銅色のCopper Topを主な録音ギターとして最初に重ねると説明しています。厚く塗装され、ピックアップまで塗られた個体で、『Hardwired…To Self-Destruct』でも多く使ったとのこと。Black SatinやSnow Whiteの市販品とは外装が異なります。

Copper Topの録音での使い方を語る本人インタビュー(英語)

2019年のMetallica Nightで本人が弾いたGiants仕様のSnakebyteについても、バンド公式がEMG JH Set搭載と紹介しています。Snakebyteの形だけで選ぶより、搭載ピックアップと2ボリュームの仕様まで確認すると、本人と共通する部分が分かります。

Powered by James’ own EMG JH set active pickups.

日本語訳:ジェームズ本人のEMG JH Setアクティブ・ピックアップを搭載しています。

参考 2019年に本人が演奏したSnakebyteの仕様(英語)Metallica公式

ESP版とLTD版を選ぶとき

SnakebyteにはESP版とLTD版があります。どちらも本人のシグネチャーですが、本人の特注個体、ESP市販品、LTD市販品は同じ1本ではありません。日本向け公式仕様ではいずれも628mmスケール、22フレット、JH-n/JH-bを搭載し、ペグなどに違いがあります。

価格を比べる際は、モデル名にESPとLTDのどちらが付くかを確認してください。2026年10月29日時点の公式掲載では、Black SatinとSnow WhiteのSnakebyteが両ブランドにあります。

参考 Snakebyte・Vultureなどの日本向け仕様ESP公式

ElectraのOGV

OGVは、メタリカの初期に本人が使っていた白いElectraのV型ギターです。『72 Seasons』のインタビューでは、Copper Top以外で多く登場したギターとして挙げています。

長年の傷や修理跡がある1本ですが、本人は弾きやすく、生き生きした音だと語っています。初期のギターが新しいアルバムでも使われている点は、外観の年代だけでは録音機材を決められない好例です。

OGVについても語っている本人インタビュー(英語)

So What!とEET FUK

本人は同じインタビューで、So What!も弾き、EET FUKは2本目に重ねるギターとしてよく登場したと話しています。『72 Seasons』のギターを1機種だけに置き換えて考えない方が、録音時の使い分けを理解しやすいです。

The EET FUK guitar showed up a lot as a second guitar.

日本語訳:EET FUKは2本目のギターとしてよく登場しました。

参考 ジェームズ本人が語る『72 Seasons』の使用ギター(英語)Metallica公式・So What!

ESP Vulture

2023年のツアーについて、ギターテックのChad Zaemischは新曲でVultureを渡すと説明しています。本人のツアー個体は黒に黄色のラインを入れた仕様です。市販の通常色とは分けて見てください。

市販ESP版はV型のボディに、Snakebyteと同じJH-n/JH-b、2ボリュームとピックアップ切り替えを備えます。形の違いだけでなく、構えたときの右手の位置も試したいモデルです。

新曲にVultureを使う理由を話すギターテックのインタビュー(英語)

EMG JH Set

EMG JH Setは本人の要望から作られた交換用ピックアップです。ネック用のJH-Nとブリッジ用のJH-Bがセットになっています。電池を使うアクティブ方式で、もともと電池を使わないギターへ付ける場合は、電池の収納場所や配線部品も確認します。

EMGはJH-Nでは従来の60より強い弾き始めと豊かな低音を、JH-Bでは81から構造を変えて低音の明瞭さを狙ったと説明しています。EMG 81/60のセットとJH Setは別の製品です。

the JH Set consists of the JH-N (neck) and the JH-B (bridge).

日本語訳:JH Setはネック側のJH-Nとブリッジ側のJH-Bで構成されます。

参考 EMG JH Set|構造・交換時の確認点(英語)EMG公式

外観で選ぶなら、光沢のあるGoldと、つやを抑えたBrushed Goldがあります。以下は市販JH Setの色違いで、本人のSnakebyteに搭載されたものと同じ仕上げを示すものではありません。

EMG JH Set Gold:光沢のある仕上げ

EMG JH Set Brushed Gold:つやを抑えた仕上げ

EMGによるJH Setの試奏動画です。音の傾向を聴く参考にしてください。

使用アンプとAxe-Fx

Mesa/Boogie TriAxisと2:90

アナログ機材を使っていた時期のライブでは、歪みを作るTriAxisと、スピーカーを鳴らす2:90を分けた構成が使われていました。

TriAxisは音量や歪み、音質を決める「プリアンプ」です。2台を使い、片方をMark IIC+の音を基にしたモード、もう片方をGreen Cleanにして、歪みとクリーンを切り替えます。その後ろに2:90パワーアンプをつなぎ、Mesa Traditional Straight 4×12キャビネット2台へ送る構成です。

ヘットフィールドが使ったTriAxisや2:90を収めたMesa中心のラック

以前のラックにはTriAxisの予備機も並び、下部に2:90、中央に切り替え機材が収まっています。エフェクター1台で歪みとクリーンを切り替える構成とは異なります。出典:Mesa/Boogieロシア販売サイトの機材紹介(ロシア語)。

こうした構成を同じように揃えるには、TriAxisだけでなくパワーアンプとキャビネットも必要です。中古でTriAxisを見つけても、それだけで通常のギターアンプ1台と同じようにスピーカーを鳴らせるわけではありません。

Roland JC-120ヘッド

Chad Zaemischは、Axe-Fxに移る前にはクリーン用の小さなラックがあり、JC-120のヘッドも使っていたと話しています。通常のスピーカー付きJC-120コンボと、本人が使っていたヘッドを同一の仕様として扱わないことが大切です。

JC-120ヘッドを含む以前の機材を説明するギターテックのインタビュー(英語)

JC-120を実際に使っていて、歪みエフェクターとの組み合わせやEQを見直したい方は、こちらに調整方法をまとめています。

Fractal Audio Axe-Fx III

Axe-Fxは、アンプやスピーカー、エフェクターの働きをデジタル処理で再現する機器です。2023年ツアーの取材写真では、Axe-Fx IIIが複数台並ぶ構成が確認できます。

2023年の取材で撮影されたヘットフィールドの複数のAxe-Fx III

2023年ツアーのラックに並ぶAxe-Fx III。写真:Evan Close/出典:Chad Zaemischのインタビュー(Guitar World・英語)。

移行のきっかけは大きな音を出せない南極公演でした。アンプとキャビネットを並べる代わりにAxe-Fxで従来の音を作り、ライブにも採用していきます。Vultureや以前のJC-120ヘッドについても、同じ取材でテック本人が説明しています。

We did our best to duplicate the sound of the analog rigs [in Antarctica].

日本語訳:南極ではそれまでのアナログ機材の音をできるだけ再現しました。

参考 ギターテックが説明する2023年ツアーの機材(英語)Guitar World・Chad Zaemischインタビュー

Axe-Fx IIとIIIの違い

Axe-Fx IIIはIIの後の世代です。IIIはカラー画面と、回して数値を変えたり押して選んだりする5つのつまみを備えています。このつまみは押し込み式エンコーダーと呼ばれ、アンプやキャビネット、効果の設定を画面で編集できます。中古のIIを、写真にあるIIIと同じ製品だと思って買わないよう、前面の型番を確認してください。

物理的なつまみが同じ方向でも、選んだアンプの種類や画面内の値が違えば音も変わります。同じ機材で音を追いかける際は、本体の型番に加えて、使うアンプモデルとキャビネットの設定が必要です。

Five push-encoders plus a main encoder allow rapid data entry and parameter control.

日本語訳:5つの押し込み式エンコーダーとメイン・エンコーダーで、数値入力や設定を操作します。

参考 Axe-Fx III|操作部と機能(英語)Fractal Audio公式

使用エフェクターと切り替え機材

以前のラックでは、音を加工する機器と、使う機材を切り替える機器を別々に組み合わせていました。下の3項目はその役割を分けて見ると分かりやすいです。

TC Electronic G-Major

G-Majorは、以前のラックに組み込まれたマルチエフェクターです。アンプの歪みとは別に、残響や音の揺れなどを加える役割を持ちます。

ラックの紹介に出てくるのはG-Majorです。後のG-Major 2とは世代が異なります。中古を探す場合は、商品名の「2」の有無と、前面に印刷された型番を見てください。

DBX Quad Gate

弾いていないときに聞こえるノイズを抑える機器です。音が一定より小さくなったら通す量を減らす仕組みで、こうした働きを「ノイズゲート」と呼びます。

歪みそのものを作る製品ではありません。歪みを作るアンプと、休符のノイズを抑えるゲートは別の役割です。両方を使っていることが、短いリフの合間を考える手掛かりになります。

Mesa Amp SwitcherとDigital Music Corp. GCX Expander

Mesa Amp Switcherは、複数のプリアンプなどを切り替えるための機器です。Digital Music Corp.のGCX Expanderと組み合わせ、ラック内の機材をまとめて制御しています。

これらは歪みを足すエフェクターではなく、選んだ音へ切り替えるための機器です。ギターの音を作る部分と、曲に合わせて呼び出す部分を分けた構成になっています。

TriAxis、2:90、G-Major、DBX Quad Gate、切り替え機材を組み合わせた以前の構成は、Mesa/Boogieのロシア販売サイトにも写真付きで掲載されています。

参考 ヘットフィールドのMesa中心のライブ機材(ロシア語)Mesa/Boogieロシア販売サイト

『72 Seasons』制作時のAxe-Fx

録音での使い方も、バンド公式の制作スタッフの話から分かります。Jason Gossmanは遠隔で曲を作っていた段階で、ジェームズのギターを加工前の音と、Axe-Fxから出る2種類のアンプ音に分けて録っていたと説明しています。

加工前の音はギターから出た直後の信号です。これを残しておくと、後で別のアンプへ通して音を作り直せます。2つのアンプ音も一緒に録ることで、そのとき演奏者が聞いていた音も残しています。

two different amp sounds coming out of his amp simulator, his Fractal Axe-Fx.

日本語訳:Fractal Axe-Fxのアンプシミュレーターから出る、2種類の異なるアンプ音です。

参考 Jason Gossmanが語る『72 Seasons』制作時の録音(英語)Metallica公式・So What!

本人と同じ機材を選ぶときは、まず聴きたい録音やライブの時期を決めると、探す型番を絞れます。Snakebyteの市販仕様、Copper Topという個体、Mesaの以前のラック、Axe-Fx IIIを使うライブを分けて見ることが、買い間違いを防ぐ助けになります。

よくある質問

ジェームズ・ヘットフィールドはどのエフェクターを使っていますか?
以前のラックではTC Electronic G-MajorやDBX Quad Gate、切り替え機材が使われていました。2023年ツアーの取材写真ではFractal Audio Axe-Fx IIIを確認できます。アンプを使った時代とAxe-Fxを使う時代を分けて見ると分かりやすいです。
『72 Seasons』で使った主なギターは何ですか?
本人は2023年の公式インタビューで、SnakebyteのCopper Top、OGV、So What!、EET FUKを挙げています。Copper Topを主なギターとして最初に重ね、EET FUKは2本目によく使ったと説明しています。
EMG 81/60とJH Setは同じですか?
別の製品です。JH Setは本人の要望から開発されたJH-NとJH-Bのセットで、EMGは従来の60と81から構造を変更したと説明しています。どちらも名前にEMGが付くため、購入時は型番まで確認してください。
Axe-Fxに移る前はJC-120も使っていましたか?
ギターテックのChad Zaemischは、以前のクリーン用機材にJC-120ヘッドがあったと説明しています。通常のスピーカー付きJC-120コンボと、本人が使ったヘッドは分けて考えてください。