BOSS CE-3は、CE-2の2ノブ操作を引き継ぎながら、2系統の出力とSTEREO MODEを加えたアナログコーラスです。 1台のアンプでも使えますが、本機の特徴を生かすならMODE I/IIとOUTPUT A/Bの役割を理解しておく必要があります。
- 1982〜1992年に販売されたBOSSのアナログコーラス
- RATE、DEPTH、2種類のSTEREO MODEを搭載
- MODE IはA/Bの両出力でコーラス、MODE IIはAが変調音、Bが原音
- 電源は9V電池または旧ACAアダプター仕様
- CE-2の完全な上位互換ではなく、ステレオ運用を含めて選ぶ機種
手元の台湾製個体では、明瞭さを残した揺れが得られ、RATEとDEPTHだけでも薄い広がりから深いコーラスまで調整できます。中古で選ぶ場合は音だけでなく、電源仕様と両出力の動作を確認してください。
BOSS CE-3の仕様
| 項目 | 公式仕様 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 販売期間 | 1982〜1992年 | 生産終了した中古機 |
| コントロール | RATE、DEPTH、STEREO MODE | 速さ、深さ、出力方式を調整 |
| 入出力 | INPUT、OUTPUT A、OUTPUT B | モノラルはMODE IでAまたはBを使う |
| 電源 | 9V電池、BOSS ACAシリーズ | 現行PSAを直接挿す前に対応を確認 |
| 消費電流 | 13mA | 電源容量よりACA仕様への対応が重要 |
| 入力インピーダンス | 1MΩ | FET入力 |
| 外形寸法 | 70×55×125mm | 現行BOSSコンパクトに近い大きさ |
| 重量 | 400g | 9V電池を含む実用重量を確認 |
Roland公式サポートは、CE-3の販売期間、操作部、入出力、電源、寸法を公開しています。BOSS公式の旧製品マニュアルでも、STEREO MODEと接続方法を確認できます。
参考 CE-3: Technical SpecificationsRoland Corporation 参考 CE-3 Owner’s ManualBOSS
正面にはRATE、DEPTH、STEREO MODEが並びます。CE-2と同じ2ノブだけでなく、右端のモード切替と2つの出力がCE-3の重要な違いです。
実機で感じる音
手元の個体では、揺れの輪郭が分かりやすく、DEPTHを浅くするとコードの芯を残した広がり、深くすると明確なピッチ変化を作れます。CE-2より優れている、または同じ音と決めるより、明瞭なコーラスとステレオ運用を含む別の選択肢として考えるのが自然です。
最初はRATEを10時、DEPTHを11時前後にし、エフェクトON/OFFでフレーズの輪郭を比べます。揺れが速すぎる場合はDEPTHではなくRATEを戻し、音程変化が足りない場合だけDEPTHを上げると調整しやすくなります。
以下はこの記事で以前から掲載している所有個体の試奏です。録音環境による違いはありますが、RATEとDEPTHを動かしたときの変化を確認できます。
MODE I/IIとOUTPUT A/Bの使い方
CE-3の旧取扱説明書では、MODE IとMODE IIの出力を次のように説明しています。
| モード | OUTPUT A | OUTPUT B | 向く接続 |
|---|---|---|---|
| MODE I | コーラス | コーラス | アンプ1台、または2台で広がりを作る |
| MODE II | ピッチが変化する変調音 | 原音 | 2台のアンプへ変調音と原音を分ける |
アンプ1台で使う場合はMODE Iに設定し、OUTPUT AまたはBへ接続します。MODE IIはAとBを2台のアンプへ接続して使う前提です。B側だけを1台のアンプへつなぐと原音だけになり、コーラス効果を確認できません。
2台のアンプを使う場合は、両方の音量を下げた状態から接続し、ハムノイズや位相感も確認してください。CE-3の出力方式だけでなく、アンプ間の電源・接地・設置距離でも結果は変わります。
CE-2との違い
BOSS公式は、1979年発売のCE-2をギター向けに設計した最初のBOSSコーラスと説明し、1982年にステレオ出力を備えたCE-3が後継になったとしています。CE-2はRATEとDEPTH、モノラル出力という簡潔な構成です。
参考 The PX-1 Plugout FX: Timeless BOSS Pedals RebornBOSS Articles| 比較 | CE-2 | CE-3 |
|---|---|---|
| 発売 | 1979年 | 1982年 |
| 基本操作 | RATE、DEPTH | RATE、DEPTH、STEREO MODE |
| 出力 | モノラル | OUTPUT A/B |
| 選ぶ理由 | 2ノブの定番コーラスを重視 | MODE I/IIと2系統出力を重視 |
回路や年代だけで音の優劣を決めず、同じギター、アンプ、音量で比較してください。CE-2の実機、CE-2Wを含む現行の選択肢は別記事で整理しています。
電源はACA仕様に注意
CE-3は9V電池またはBOSS ACAシリーズのアダプターを使う設計です。旧ACAアダプターは生産終了しているため、現行のPSA対応9Vアダプターを本体へ直接挿せば必ず正常に動く、と考えない方が安全です。
Roland公式は、ACAアダプターがない場合、9V電池、またはBOSS TU-3のようなPSA対応のDC OUTを備えたエフェクターから給電する方法を案内しています。電源方式を変更・改造する場合は、極性、電圧、既存回路を確認できる修理店へ相談してください。
参考 CE-3: Recommended Power SupplyRoland Corporation音が小さい、LEDが暗い、コーラスが浅い場合は故障と決めつける前に、新しい9V電池で動作を確認します。中古購入時はアダプターを付けた状態だけでなく、電池でもRATE、DEPTH、両出力を試すと切り分けやすくなります。
内部基板で確認できる部品
以下は台湾製の所有個体です。基板全体にはスルーホール部品が使われ、写真から「CE-3」と基板番号を確認できます。

拡大写真では、JRC4558DD、MN3207、MN3102の表記を読み取れます。MN3207は遅延素子、MN3102はそのクロック用ICとして使われる組み合わせです。これは掲載個体で確認できる実装であり、全生産期間のすべてのCE-3が同じ部品とは限りません。

部品型番だけでCE-2と同じ音、または上位互換とは判断できません。音は回路全体、部品定数、調整状態、経年変化でも変わります。
日本製・台湾製と中古購入の注意
掲載個体は底面ラベルで「MADE IN TAIWAN」を確認できます。ノブの色やネジの大きさだけで生産国や製造年を決めず、底面ラベルとシリアルを直接確認してください。

中古で確認したい項目は次の通りです。
- RATEとDEPTHを回したときに揺れが滑らかに変わるか
- MODE IでOUTPUT A/Bの両方からコーラスが出るか
- MODE IIでAとBの役割が分かれるか
- フットスイッチ、LED、ジャック、ノブに接触不良がないか
- 電池室に液漏れや端子の腐食がないか
- ACA電源への対応方法が明確か
現行品の保証や入手性を優先するなら、CE-5やCE-2Wも候補です。CE-5はフィルターとステレオ出力を備えますが、CE-3の完全な再現ではありません。
コーラスの通常機、名機系、安い機種を横断して比べる場合は、比較記事から用途を絞れます。
FAQ
- BOSS CE-3とCE-2の違いは何ですか?
- CE-2はRATEとDEPTH、モノラル出力の2ノブ機です。CE-3は基本操作にSTEREO MODEとOUTPUT A/Bを加え、2種類の出力方式を選べます。完全な上位互換と決めず、ステレオ運用の必要性で選ぶと分かりやすいです。
- CE-3をアンプ1台で使うときのモードはどれですか?
- 公式取扱説明書に従いMODE Iへ設定し、OUTPUT AまたはBを使います。MODE IIはAへ変調音、Bへ原音を分け、2台のアンプへ接続するためのモードです。
- BOSS CE-3は現行の9Vアダプターで使えますか?
- CE-3は旧ACAアダプター仕様です。公式はACAがない場合に9V電池、またはTU-3などPSA対応のDC OUTを備えた機器からの給電を案内しています。現行PSAを本体へ直接挿す前に対応を確認してください。
まとめ
BOSS CE-3は、CE-2系のシンプルな操作へ2系統出力とSTEREO MODEを加えたヴィンテージコーラスです。アンプ1台ならMODE I、アンプ2台で変調音と原音を分けるならMODE IIから試してください。
中古ではCE-2との価格差だけで決めず、RATE/DEPTH、MODE I/II、OUTPUT A/B、ACA電源への対応を確認します。所有個体の基板ではJRC4558DD、MN3207、MN3102を確認できますが、部品型番だけで音の優劣は断定できません。


