Universal Audio OX Amp Top Boxは、真空管ギターアンプのスピーカー出力を受けるリアクティブ・ロードボックスです。キャビネットの音量を下げるだけでなく、スピーカー、マイク、ルームを再現した音をライン出力やヘッドホンで使えます。
使い方で最も重要なのは音作りより接続です。アンプの電源を切り、アンプとOXのインピーダンスを合わせ、楽器用シールドではなくスピーカーケーブルで接続します。接続後はOXを先に、アンプを後に電源オンします。
アンプの電源を入れたままスピーカーケーブルを抜き差ししないでください。インピーダンスの不一致や誤ったケーブルはアンプ、OX、スピーカーの故障につながります。アンプ側の仕様が分からない場合は、アンプの説明書またはメーカーで確認してから接続してください。
OXの安全な接続手順
Universal Audioの取扱説明書に沿った基本手順は次の通りです。
- 真空管アンプの電源をオフにする
- OX背面のインピーダンスをアンプのスピーカー出力に合わせる
- アンプのスピーカー出力から、OX背面の赤い「FROM AMPLIFIER」へスピーカーケーブルを接続する
- キャビネットを鳴らす場合は、OXの「TO SPEAKER」からキャビネットへスピーカーケーブルを接続する
- SPKR VOL、LINE OUT、HEADPHONEの各レベルを0にする
- OXの電源を入れてからアンプの電源を入れる
- 必要な出力だけを少しずつ上げる
アンプとOX、OXとキャビネットの接続には、高品質な12〜16 AWGの非シールド1/4インチ・モノラルTSスピーカーケーブルを使います。ギターとアンプをつなぐ楽器用シールドは代用できません。
参考
OX Amp Top Box 取扱説明書Universal Audio
参考
アンプ・スピーカー接続図Universal Audio
インピーダンスは背面で合わせる
OXのインピーダンス切り替えは、トップ中央のRIGノブではなく背面のIMPEDANCEノブで行います。4Ω、8Ω、16Ωから、アンプのスピーカー出力と同じ値を選びます。
アンプに複数のスピーカー出力がある場合や、内蔵スピーカーの配線を外して使うコンボアンプでは、端子ごとのインピーダンスを確認してください。端子の表記だけで判断できない場合は、推測で接続しないのが安全です。
| 確認箇所 | 正しい状態 |
|---|---|
| アンプ | 電源オフで配線する |
| インピーダンス | アンプ出力とOX背面の設定が一致 |
| FROM AMPLIFIER | アンプのスピーカー出力を接続 |
| TO SPEAKER | 実キャビネットを鳴らす場合だけ接続 |
| ケーブル | 非シールドのモノラルTSスピーカーケーブル |
| 電源順 | OXを先にオン、アンプを後にオン |
OXでできること
OXは、真空管アンプに適切な負荷を与えながら、次の3通りで音を使えます。
- 実キャビネットの音量を下げて鳴らす
- 実キャビネットを鳴らさず、ヘッドホンでモニターする
- キャビネットとマイクを再現した音をオーディオインターフェースやミキサーへ送る
| 出力 | 役割 | 主な接続先 |
|---|---|---|
| TO SPEAKER | 実キャビネットへ減衰した信号を送る | 対応するギターキャビネット |
| LINE OUT | バランスTRSのステレオ・ライン出力 | オーディオインターフェース、ミキサー |
| S/PDIF | RCAまたはオプティカルのデジタル出力 | 対応するデジタル入力 |
| HEADPHONE | OXの処理音をモニター | ヘッドホン |
LINE OUTはXLR端子ではなく、左右2系統のバランスTRS端子です。オーディオインターフェースのライン入力へ接続し、マイク入力しかない場合は機器側の入力仕様とゲイン設定を確認してください。
実機で使った感想
私は、製作したエフェクターや所有するヴィンテージエフェクターを、スタジオでアンプを鳴らしたときに近い条件で録音するためにOXを使っています。下の動画もOXを経由して録音した例です。

OXをアッテネーターとして使うだけならアンプとスピーカーケーブルで接続できます。ライン録音には、OXのLINE OUTを受けるオーディオインターフェースも用意します。
オーディオインターフェースは同じUniversal AudioのVolt 1を使っています。OXの左右LINE OUTをステレオで録る場合は2つのライン入力が必要です。Volt 1は入力が1系統なので、私のようにモノラルで録る用途向けです。
入力数も含めた選び方は、オーディオインターフェースの比較記事で整理しています。
Deluxe Reverbでの音量感

トップ中央はインピーダンスではなくRIGセレクターです。インピーダンスは背面で設定します。
所有する1965年製Deluxe Reverbでは、アンプのボリュームを上げ、OXのSPKR VOLを低くすると、自宅で扱いやすいところまで実キャビネットの音量を下げられました。ただし、最小付近でも完全な無音ではなく、アンプやスピーカーによって体感音量は変わります。夜間はSPKR VOLを0にしてヘッドホンまたはライン出力を使う方が確実です。
使用しているDeluxe Reverbの仕様と実機レビューはこちらです。
本体ノブと背面端子の使い方
| 操作部 | 役割 |
|---|---|
| RIG | アプリで保存した6つのRIGを呼び出す |
| SPKR VOL | 実キャビネットへ送る音量を段階的に変更する |
| HEADPHONE | 前面ヘッドホン出力の音量を調整する |
| LINE OUT | 背面LINE OUTの出力レベルを調整する |
| IMPEDANCE | 背面で4Ω、8Ω、16Ωを選ぶ |
ROOMは本体ノブではありません。キャビネット、マイク、EQ、コンプレッサー、ディレイ、Dynamic Roomなどの録音音色はOXアプリで調整し、RIGとして本体へ保存します。
OXアプリとWi-Fiの使い方

実際に使っているOXアプリの画面。キャビネットと録音用マイクを選び、スピーカーから聞こえる音へ近づける方向で設定しています。
OXアプリでは、キャビネット、マイク、マイク位置、EQ、コンプレッサー、ディレイ、ルーム感を調整できます。作った設定は6つのRIGへ保存でき、演奏時は本体のRIGノブで呼び出せます。
アプリと対応OSは更新されるため、導入前に公式ダウンロードページで現在の対応環境を確認してください。
参考
OXアプリのダウンロードと対応環境Universal Audio
Wi-Fiにつながらない場合
OXが利用するWi-Fiは2.4GHzです。5GHz専用のネットワークには接続できません。接続できない場合は、まずルーターの2.4GHz、SSIDとパスワード、OXと端末の再起動を確認します。
ハードウェアリセットは最後の手段です。Universal Audioの案内では、リセットするとネットワーク設定を含むユーザーデータと保存したRIGが削除されます。単に接続できないという理由で、最初にリセットしないでください。
参考
OXのWi-FiトラブルシューティングUniversal Audio
OXが向いている人・注意が必要な人
OXは、所有する真空管アンプをそのまま録音の音源にしたい人、実キャビネットの音量を下げながらパワーアンプを動かしたい人に向きます。キャビネット、マイク、ルームを含めて素早く録音音色を作れることが強みです。
一方で、アンプを持たずに完結するモデラーではありません。アンプごとのインピーダンス確認とスピーカーケーブルが必要で、持ち運びも小型ペダルほど簡単ではありません。価格や他方式も含めて比較するなら、ロードボックス・アッテネーターのまとめ記事も確認してください。
OXを持ち運ぶ場合は、端子やノブを保護できるケースがあると安心です。
UDG Creator Universal Audio OX Amp Top Box Hardcase Black ハードケース
よくある質問
- OXとアンプは何ケーブルでつなぎますか?
- 12〜16 AWGの非シールド1/4インチ・モノラルTSスピーカーケーブルを使います。ギター用の楽器ケーブルは使いません。
- OXはスピーカーをつながずに使えますか?
- 適切に接続・設定したOXをロードとして使い、SPKR VOLを0にすれば、実キャビネットを鳴らさずにLINE OUTやヘッドホンでモニターできます。アンプの電源を入れる前に取扱説明書どおりの接続を確認してください。
- OXのLINE OUTはXLRですか?
- XLRではありません。左右2系統のバランスTRS端子です。接続先のライン入力と必要なケーブルを確認してください。
まとめ
Universal Audio OXの使い方は、アンプをオフにした状態でインピーダンスを合わせ、正しいスピーカーケーブルでFROM AMPLIFIERへ接続することから始まります。OXを先にオン、アンプを後にオンにし、SPKR VOL、LINE OUT、HEADPHONEを必要な分だけ上げます。
実キャビネットの音量調整、ヘッドホン練習、ライン録音を1台で切り替えられるのがOXの強みです。アプリの音作りより先に、アンプの仕様、インピーダンス、接続順を確認してください。




