ギター録音用のオーディオインターフェースは、ギターの信号をパソコンへ渡し、録音した音をヘッドホンやスピーカーへ返す入口です。
初心者は、ギターを直接つなげるINST/Hi-Z入力、録りたい音の数、弾いた音の遅れ、ヘッドホン出力の4点を確認します。最初の1台はScarlett Solo 4th Gen、2本のマイクやステレオ機材も使うならScarlett 2i2 4th Genが分かりやすい候補です。
結論:ギター録音ならこの基準で選ぶ
| 用途 | おすすめ | 選ぶ理由 |
|---|---|---|
| 最初の1台 | Focusrite Scarlett Solo 4th Gen | Hi-Z入力、扱いやすさ、価格のバランスが良い |
| 同じ種類の入力を2本使う | Focusrite Scarlett 2i2 4th Gen | 2つのコンボ入力で、マイク2本やステレオ出力を録りやすい |
| 録音前に色付けを加えたい | Universal Audio Volt 2 | 610真空管プリアンプを基にしたVintageモードで倍音と色付けを加える |
| 録音時にコンプも使いたい | Universal Audio Volt 276 | 76 Compressorを搭載し、ギターやボーカルのピークを整えやすい |
| ギターとマイクを同時録音 | YAMAHA UR12MK3 | Mic/Lineコンボ入力とHi-Z入力を同時に使える2-in/2-out |
| アンプシミュ中心 | Positive Grid RIFF | ギター録音とBIAS FX系の音作りに寄せた設計 |
| 小型・配信・持ち運び | ZOOM AMS-22 | コンパクトで配信/モバイル用途に組み込みやすい |
| できるだけ安く始める | M-Audio M-Track Solo | 最低限の宅録環境を低予算で作りやすい |
ギターとボーカルを1本ずつ録るならScarlett Solo 4th Genでも対応できます。マイク2本、またはステレオ出力を同時に録りたい場合は、2つの同等なコンボ入力を持つScarlett 2i2 4th Genが便利です。
ギター録音向けオーディオインターフェースの選び方
Hi-Z入力があるものを選ぶ
エレキギターやベースを直接つなぐ場合は、Hi-ZまたはInstrument入力が重要です。ギターのハイインピーダンス信号を受けられない入力に直接つなぐと、音が細くなったり、高音域が減ったり、音域のバランスが崩れたりします。
アンプシミュレーターを使う宅録では、まずギターの生音を歪ませず、適正な入力レベルで録ることが大切です。あとから音作りソフトで歪みやキャビネットを作る場合でも、入口の音が悪いと補正が難しくなります。
同時に録りたい端子の数を決める
Scarlett Solo 4th Genは、ギター用入力とマイク用入力を同時に使えます。マイク2本、キーボードやマルチエフェクターの左右出力など、同じ種類の入力を2本使う場合はScarlett 2i2やVolt 2が便利です。
低レイテンシとダイレクトモニターを確認する
レイテンシが大きいと、弾いたタイミングと返ってくる音がズレて演奏しづらくなります。アンプシミュレーターをリアルタイムで鳴らすなら、ドライバの安定性とバッファサイズの詰めやすさが重要です。
一方、マイク録りやクリーンの確認だけなら、ダイレクトモニター機能があると遅れの少ない音を聴きながら録音できます。
付属ソフトは「すぐ録れるか」で見る
付属DAWや音作りソフトの数だけで選ぶより、購入後すぐにギター録音へ入れるかが重要です。アンプシミュレーター、簡単なEQ/コンプ、チューナー、録音ソフトがそろうと、最初のハードルが下がります。
USB-Cかどうかより安定性を優先する
USB-C接続は便利ですが、音質を決める要素は端子の形だけではありません。実際にはドライバ、入力回路、ヘッドホン出力、モニター操作のしやすさの方が録音体験に影響します。
おすすめオーディオインターフェース
Focusrite Scarlett Solo 4th Gen:ギター宅録の最初の1台
Scarlett Solo 4th Genは、ギター用INST入力とマイク用XLR入力を同時に使えます。ギターだけでなく、弾き語りを1本のマイクで録る人にも対応します。
マイクを2本使う録音やステレオ入力が必要なら2i2を選びます。
Focusrite Scarlett 2i2 4th Gen:ボーカルやステレオ録音まで見据える定番
Scarlett 2i2 4th Genは、2つの入力にそれぞれマイク、ライン、楽器をつなげます。マイク2本での録音や、ステレオ出力のマルチエフェクターを左右2本で録る人向けです。
Universal Audio Volt 2:録音前に色付けを加えたい人へ
Vintageモードをオンにすると、610真空管プリアンプを基にした倍音と色付けを加えられます。効果量を連続調整するノブではなく、オン/オフで切り替えます。
Universal Audio Volt 276:コンプ付きで録り音を整えたい人へ
Volt 276は2in/2outに加えて、1176系を意識した76 Compressorを搭載しています。ギターのカッティング、クリーン、ベース、ボーカルなどでピークを軽く整えながら録れるのが特徴です。
後から音作りソフトで処理する前提でも、録音時のモニター音が気持ちよくなると演奏のニュアンスが出しやすくなります。宅録の音作りも楽しみたい人向けです。
YAMAHA UR12MK3:Cubase系でシンプルに始めたい人へ
UR12MK3は2-in/2-outで、Mic/Lineコンボ入力とHi-Z対応ギター入力を備えます。ギターとマイクを同時に録音できます。
ギターと歌を一緒に録りたい人、Cubase系の制作環境から始めたい人が比較しやすいモデルです。
Positive Grid RIFF:アンプシミュレーター中心のギタリスト向け
Positive Grid RIFFは、一般的なDTM用インターフェースというより、ギター録音とアンプシミュレーターでの音作りに寄せた機材です。BIAS FX系のソフトと組み合わせて、練習から録音までギター中心に完結させたい人に向いています。
ボーカル録音やマイク録りも広くやるなら通常の2in/2outが便利ですが、「とにかくギターをPCに入れて良い音で弾きたい」という用途なら候補になります。
ZOOM AMS-22:小型で持ち運びや配信にも使いやすい
ZOOM AMS-22は、コンパクトな宅録、配信、モバイル録音に向いたモデルです。大きな制作環境を組むというより、ギターや声を手軽にPCへ入れたい人に合います。
省スペースの机、外出先、配信用のサブ環境として使いやすい選択肢です。
M-Audio M-Track Solo:低予算で宅録を始める
M-Track Soloは、まず録音できる環境を安く作りたい人向けです。上位機種のような入力数やノイズ性能を求めるモデルではありませんが、ギター録音の入口としては十分に使えます。
予算をアンプシミュレーター、ヘッドホン、モニタースピーカーに回したい場合にも検討できます。
Behringer UMC22:最安クラスで始めたい場合の候補
Behringer UMC22は、価格を最優先する場合の候補です。録音環境としての余裕は上位機に劣りますが、ギターをPCに入れてDAWで録る基本は押さえられます。
長く使う前提ならScarlettやVoltをすすめますが、まず宅録を試したい段階では選択肢になります。
Universal Audio Apollo Twin X DUO:本格制作まで見据える上位候補
Apollo Twin X DUOは、本体のSHARC DSPでUAD音作りソフトを処理し、Consoleを使って演奏音を小さな遅れでモニターできます。パソコン側の負荷を抑えながら、録音中の音作りも行いたい人向けです。
初心者の最初の1台としては過剰になりやすいですが、ギター、ボーカル、ミックスまで本格的に進めるなら候補になります。
現行の追加候補
ここまでの定番に加えるなら、SSL、MOTU、Audient、Arturia、Apogeeも候補です。同時に録る入力数、スピーカーとヘッドホンへ送る出力数、ADATによる増設、モニター機能を比べます。
Solid State Logic:SSL 2 MkII / SSL 2+ MkII / SSL 1
SSL 1は、マイク入力1つと楽器/ライン入力1つを備える2-in/2-outです。SSL 2 MkIIは2つのマイク/ライン/楽器入力、SSL 2+ MkIIは同じ2入力に加えて、合計4つのバランス出力、独立したヘッドホン出力2つ、MIDI入出力を備えます。3機種ともLegacy 4Kで倍音と高音域を加えられます。
MOTU:M2 / M4
MOTU M2はマイク/ライン/楽器入力2つとライン出力2つ、M4は同じ前面2入力に背面のライン入力2つを加え、ライン出力も4つ備えます。どちらも入出力レベルをカラーLCDで確認でき、パソコン音声を配信へ戻すループバックに対応します。
Audient:iD4 MKII / iD14 MKII / EVO 4 / EVO 8 / iD24 / iD44 MKII
Audient iD4 MKIIは2-in/2-out、iD14 MKIIはADAT入力で最大10入力へ増設できます。iD24は10-in/14-outでADAT入出力と外部機材を挟むインサート2系統、iD44 MKIIはマイク入力4つとADAT最大16チャンネルを備える20-in/24-outです。EVO 4は2-in/2-out、EVO 8は4-in/4-outで、入力レベルを自動調整するSmartgainを使えます。
配信・モバイル寄りの候補
配信やモバイル録音を重視するなら、ZOOM AMS-44、Arturia MiniFuse 1、Apogee BOOM、audio-technica AT-UMX3系も選択肢になります。ギター録音だけに振るより、スマホや配信まで含めて使いたい人に合います。
マルチエフェクターとオーディオインターフェースはどちらを選ぶ?
USB録音に対応するマルチエフェクターを持っているなら、まずそのUSB端子でギターを録音できます。ギター1本の音作りと録音を一台で済ませたい人には、この方法が簡単です。
マイク録音、歌との同時録音、スタジオモニターの音量調整まで行うなら、オーディオインターフェースが便利です。製品ごとにUSB録音の対応チャンネルやモニター方法が異なるため、マルチエフェクターの取扱説明書で確認します。
ギター録音の基本接続
ギターを直接つなぐ場合
最も簡単なのは、ギターからシールドでオーディオインターフェースのInstrument/Hi-Z入力へつなぐ方法です。DAW側ではアンプシミュレーターを立ち上げ、入力レベルが赤くならない範囲でゲインを調整します。
録音時は音量を大きくしすぎないことが重要です。ピークが-12dBFS前後に収まるくらいでも、あとから十分に音量を作れます。
エフェクターを通して録る場合
歪み、コンプレッサー、ブースター、空間系などを通して録る場合は、エフェクターボードの最後からインターフェースのInstrument入力へ入れます。アンプシミュレーターを使うなら、歪みエフェクターだけ実機で、アンプとキャビネットは音作りソフトという組み合わせも便利です。
ステレオディレイやリバーブをそのまま録りたい場合は、2入力あるモデルを選ぶと左右を分けて録音できます。
アンプの音をラインで録る場合
真空管アンプのスピーカーアウトをそのままオーディオインターフェースへ接続してはいけません。アンプのスピーカーアウトを録る場合は、ロードボックスやキャビネットシミュレーターが必要です。
Universal Audio OX Amp Top Boxのような機材はこの用途のためのもので、オーディオインターフェースの代わりではありません。アンプ録音を深掘りしたい場合はこちらの記事も参考にしてください。
よくある質問
- ギター録音だけなら1入力で足りますか?
- ギターを1本ずつ録るだけなら1入力で足ります。Scarlett Solo 4th Genはギター入力とマイク入力を同時に使えます。マイク2本やステレオ出力を録る場合は2入力モデルが便利です。
- Hi-Z入力は必要ですか?
- ギターやベースを直接つなぐ場合に使います。マルチエフェクターやプリアンプのライン出力は、製品の取扱説明書に従ってライン入力へ接続します。
- 安いオーディオインターフェースでも録音できますか?
- 録音できます。入力ゲインの調整、ヘッドホン出力、対応OS、専用ドライバの有無を確認すると、購入後の接続トラブルを減らせます。
- アンプシミュレーターを使うならどれがよいですか?
- Scarlett Solo/2i2、Volt 2、Positive Grid RIFFが候補です。弾いた音の遅れが気になる場合は、パソコンのバッファ設定とメーカーのドライバを確認します。
- マルチエフェクターがあればオーディオインターフェースは不要ですか?
- USB録音対応マルチならギター録音を始められます。マイク録音や複数入力、モニタースピーカーの音量操作も必要になったときに、専用インターフェースを追加します。
あわせて読みたい
ギター録音の音作りは、オーディオインターフェースだけで完結しません。プリアンプ、インピーダンス、ロードボックス、マルチエフェクターも関係します。
アンプの出力を安全に録音する機材は、こちらで確認できます。
マルチエフェクターの機能と選び方はこちらです。
まとめ
ギター録音向けのオーディオインターフェースは、まずHi-Z入力、入力数、レイテンシ、モニター環境で選ぶのが基本です。
最初の1台ならFocusrite Scarlett Solo 4th Gen、ボーカルやステレオ録音も考えるならScarlett 2i2 4th Gen、音域のバランスや歪み方まで楽しみたいならUniversal Audio Volt 2/Volt 276が有力です。Cubase系でシンプルに始めるならYAMAHA UR12MK3、ギター特化ならPositive Grid RIFFも候補になります。
古いモデルを中古で安く探すより、現行モデルを選んだ方がドライバ、付属ソフト、OS対応の面で安心です。ギター録音では、インターフェースを入口として整えるだけでアンプシミュレーターやエフェクターの音作りもしやすくなります。



























