ギターを宅録するなら、オーディオインターフェースは「音を良くする箱」というより、ギターの信号をDAWで扱いやすい状態に変える録音の入口です。
この記事では、エレキギター録音に必要なHi-Z入力、レイテンシ、同時入力数、アンプシミュレーターとの相性を基準に、2026年時点で選びやすいオーディオインターフェースを整理します。
以前掲載していたFocusrite Scarlett 3rd Gen系やUniversal Audio OX Amp Top Boxは、おすすめ枠から外しました。Scarlettは4th Gen中心に更新し、OXはオーディオインターフェースではなくロードボックスなので、真空管アンプをライン録音したい場合の別ルートとして扱います。
結論:ギター録音ならこの基準で選ぶ
| 用途 | おすすめ | 選ぶ理由 |
|---|---|---|
| 最初の1台 | Focusrite Scarlett Solo 4th Gen | Hi-Z入力、扱いやすさ、価格のバランスが良い |
| ギターとボーカルを録る | Focusrite Scarlett 2i2 4th Gen | 2入力で弾き語りやステレオ録音に対応しやすい |
| 低中音域や倍音を加えたい | Universal Audio Volt 2 | Vintageモードで音域のバランスや歪み方を足せる |
| 録音時にコンプも使いたい | Universal Audio Volt 276 | 76 Compressorを搭載し、ギターやボーカルのピークを整えやすい |
| Cubase系で始めたい | YAMAHA UR12MK3 | シンプルな1入力系で、DTM入門に使いやすい |
| アンプシミュ中心 | Positive Grid RIFF | ギター録音とBIAS FX系の音作りに寄せた設計 |
| 小型・配信・持ち運び | ZOOM AMS-22 | コンパクトで配信/モバイル用途に組み込みやすい |
| できるだけ安く始める | M-Audio M-Track Solo / Behringer UMC22 | 最低限の宅録環境を低予算で作りやすい |
迷ったら、ギターだけならScarlett Solo 4th Gen、ボーカルも録るならScarlett 2i2 4th Gen、音域のバランスや歪み方まで含めて楽しみたいならVolt 2かVolt 276を選ぶのが失敗しにくいです。
ギター録音向けオーディオインターフェースの選び方
Hi-Z入力があるものを選ぶ
エレキギターやベースを直接つなぐ場合は、Hi-ZまたはInstrument入力が重要です。ギターのハイインピーダンス信号を受けられない入力に直接つなぐと、音が細くなったり、高音域が減ったり、音域のバランスが崩れたりします。
アンプシミュレーターを使う宅録では、まずギターの生音を歪ませず、適正な入力レベルで録ることが大切です。あとからプラグインで歪みやキャビネットを作る場合でも、入口の音が悪いと補正が難しくなります。
1入力か2入力かを先に決める
ギターだけを録るなら1入力でも問題ありません。ただし、弾き語り、マイク録り、ステレオ出力のマルチエフェクター、エフェクターボードのステレオ空間系まで考えるなら2入力モデルが便利です。
将来の使い方が少しでも広がりそうなら、Scarlett 2i2やVolt 2のような2in/2outを選ぶ方が買い替えを避けやすくなります。
低レイテンシとダイレクトモニターを確認する
レイテンシが大きいと、弾いたタイミングと返ってくる音がズレて演奏しづらくなります。アンプシミュレーターをリアルタイムで鳴らすなら、ドライバの安定性とバッファサイズの詰めやすさが重要です。
一方、マイク録りやクリーンの確認だけなら、ダイレクトモニター機能があると遅れの少ない音を聴きながら録音できます。
付属ソフトは「すぐ録れるか」で見る
付属DAWやプラグインの数だけで選ぶより、購入後すぐにギター録音へ入れるかが重要です。アンプシミュレーター、簡単なEQ/コンプ、チューナー、録音ソフトがそろうと、最初のハードルが下がります。
USB-Cかどうかより安定性を優先する
USB-C接続は便利ですが、音質を決める要素は端子の形だけではありません。実際にはドライバ、入力回路、ヘッドホン出力、モニター操作のしやすさの方が録音体験に影響します。
おすすめオーディオインターフェース
Focusrite Scarlett Solo 4th Gen:ギター宅録の最初の1台
ギターを1本ずつ録る人にとって、Scarlett Solo 4th Genは最も選びやすい定番です。入力数はシンプルですが、ギターのHi-Z録音、ボーカル用マイク入力、モニター出力をひと通り備えています。
古いScarlett Solo 3rd Genを今から探すより、4th Genを選ぶ方が自然です。これから宅録を始める人、アンプシミュレーターでギターを録りたい人に向いています。
Focusrite Scarlett 2i2 4th Gen:ボーカルやステレオ録音まで見据える定番
Scarlett 2i2 4th Genは、ギターとマイクを同時に録りたい人に向いています。弾き語り、アコースティックギターのマイク録り、ステレオ出力のマルチエフェクター録音まで考えるなら、Soloより2i2の方が余裕があります。
「今はギターだけだけど、あとで歌やマイクも録るかもしれない」という人は、最初から2i2を選ぶ価値があります。
Universal Audio Volt 2:ギターに少し色気を足したい人へ
Volt 2は、クリーンに録るだけでなく、Universal AudioらしいVintageモードで内蔵プリアンプで倍音を加えられるのが魅力です。ギター、ベース、ボーカルを宅録する人にとって、入口で少し雰囲気を作れるのは大きなメリットです。
アンプシミュレーターで作る音が少し平面的に感じる人にも合いやすいモデルです。
Universal Audio Volt 276:コンプ付きで録り音を整えたい人へ
Volt 276は2in/2outに加えて、1176系を意識した76 Compressorを搭載しています。ギターのカッティング、クリーン、ベース、ボーカルなどでピークを軽く整えながら録れるのが特徴です。
後からプラグインで処理する前提でも、録音時のモニター音が気持ちよくなると演奏のニュアンスが出しやすくなります。宅録の音作りも楽しみたい人向けです。
YAMAHA UR12MK3:Cubase系でシンプルに始めたい人へ
SteinbergブランドのハードウェアはYamahaブランドへ移行が進んでいるため、今から選ぶならYAMAHA UR12MK3のような現行寄りのモデルを候補に入れたいところです。
1入力中心のシンプルな組み合わせなので、ギターやボーカルを1トラックずつ録る宅録に向いています。Cubase系のワークフローに入りたい人にも検討しやすい選択肢です。
Positive Grid RIFF:アンプシミュレーター中心のギタリスト向け
Positive Grid RIFFは、一般的なDTM用インターフェースというより、ギター録音とアンプシミュレーターでの音作りに寄せた機材です。BIAS FX系のソフトと組み合わせて、練習から録音までギター中心に完結させたい人に向いています。
ボーカル録音やマイク録りも広くやるなら通常の2in/2outが便利ですが、「とにかくギターをPCに入れて良い音で弾きたい」という用途なら候補になります。
ZOOM AMS-22:小型で持ち運びや配信にも使いやすい
ZOOM AMS-22は、コンパクトな宅録、配信、モバイル録音に向いたモデルです。大きな制作環境を組むというより、ギターや声を手軽にPCへ入れたい人に合います。
省スペースの机、外出先、配信用のサブ環境として使いやすい選択肢です。
M-Audio M-Track Solo:低予算で宅録を始める
M-Track Soloは、まず録音できる環境を安く作りたい人向けです。上位機種のような入力数やノイズ性能を求めるモデルではありませんが、ギター録音の入口としては十分に使えます。
予算をアンプシミュレーター、ヘッドホン、モニタースピーカーに回したい場合にも検討できます。
Behringer UMC22:最安クラスで始めたい場合の候補
Behringer UMC22は、価格を最優先する場合の候補です。録音環境としての余裕は上位機に劣りますが、ギターをPCに入れてDAWで録る基本は押さえられます。
長く使う前提ならScarlettやVoltをすすめますが、まず宅録を試したい段階では選択肢になります。
Universal Audio Apollo Twin X DUO:本格制作まで見据える上位候補
Apollo Twin X DUOは、UADプラグインやUnisonプリアンプを含めて制作環境を組みたい人向けです。価格帯は上がりますが、録音時のモニター環境、プラグイン処理、音作りまで一段上のシステムとして考えられます。
初心者の最初の1台としては過剰になりやすいですが、ギター、ボーカル、ミックスまで本格的に進めるなら候補になります。
現行の追加候補
ここまでの定番に加えるなら、SSL、MOTU、Audient、Arturia、Apogeeも現行の有力候補です。使い方が近くても、I/O数、モニター機能、付属ソフト、入力の質で選び分けると失敗しにくくなります。
Solid State Logic:SSL 2 MkII / SSL 2+ MkII / SSL 1
SSL系は、シンプルに録るだけでなく、少しだけ4Kモードによる高音域の強調を重視したい人に向いています。最初の1台としてはSSL 1、入出力のバランスを取りたいならSSL 2 MkII、少し余裕がほしいならSSL 2+ MkIIが候補です。
MOTU:M2 / M4
MOTUのM2とM4は、ギター録音だけでなく、配信やループバックを含む使い方でも候補になります。M2は必要十分、M4は入出力に少し余裕を持たせたい人向けです。
Audient:iD4 MKII / iD14 MKII / EVO 4 / EVO 8 / iD24 / iD44 MKII
Audientは入力の素直さと扱いやすさで選びやすいブランドです。ギター主体ならiD4 MKII、2入力で広げるならiD14 MKII、より新しい組み合わせを求めるならiD24、上位機の余裕がほしいならiD44 MKIIが候補です。EVO 4とEVO 8は、導入のしやすさや配信も意識した選択肢として見やすいです。
配信・モバイル寄りの候補
配信やモバイル録音を重視するなら、ZOOM AMS-44、Arturia MiniFuse 1、Apogee BOOM、audio-technica AT-UMX3系も選択肢になります。ギター録音だけに振るより、スマホや配信まで含めて使いたい人に合います。
ギター録音の基本接続
ギターを直接つなぐ場合
最も簡単なのは、ギターからシールドでオーディオインターフェースのInstrument/Hi-Z入力へつなぐ方法です。DAW側ではアンプシミュレーターを立ち上げ、入力レベルが赤くならない範囲でゲインを調整します。
録音時は音量を大きくしすぎないことが重要です。ピークが-12dBFS前後に収まるくらいでも、あとから十分に音量を作れます。
エフェクターを通して録る場合
歪み、コンプレッサー、ブースター、空間系などを通して録る場合は、エフェクターボードの最後からインターフェースのInstrument入力へ入れます。アンプシミュレーターを使うなら、歪みエフェクターだけ実機で、アンプとキャビネットはプラグインという組み合わせも便利です。
ステレオディレイやリバーブをそのまま録りたい場合は、2入力あるモデルを選ぶと左右を分けて録音できます。
アンプの音をラインで録る場合
真空管アンプのスピーカーアウトをそのままオーディオインターフェースへ接続してはいけません。アンプのスピーカーアウトを録る場合は、ロードボックスやキャビネットシミュレーターが必要です。
Universal Audio OX Amp Top Boxのような機材はこの用途のためのもので、オーディオインターフェースの代わりではありません。アンプ録音を深掘りしたい場合はこちらの記事も参考にしてください。
よくある質問
ギター録音だけなら1入力で足りますか?
ギターを1本ずつ録るだけなら1入力で足ります。弾き語り、ステレオ出力のエフェクター、マイク録りまで考えるなら2入力の方が便利です。
Hi-Z入力は必須ですか?
ギターやベースを直接つなぐなら必須と考えてください。マルチエフェクターやプリアンプのライン出力を使う場合は、ライン入力で問題ないこともあります。
安いオーディオインターフェースでも録音できますか?
録音自体はできます。ただし、入力音の余裕、ヘッドホン出力、ドライバの安定性、ノイズ面で差が出ます。長く使うならScarlett 2i2やVolt 2以上を選ぶ方が満足しやすいです。
アンプシミュレーターを使うならどれがおすすめですか?
幅広く使うならScarlett Solo/2i2かVolt 2、ギター特化で考えるならPositive Grid RIFFが候補です。リアルタイムで弾く時間が長い人は、低レイテンシで安定する環境を優先してください。
MacとWindowsで選び方は変わりますか?
Macはクラスコンプライアントで使いやすい機種が多い一方、Windowsは専用ドライバの安定性が重要です。購入前に対応OSとドライバ提供状況を確認しておくと安心です。
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ギター録音の音作りは、オーディオインターフェースだけで完結しません。プリアンプ、インピーダンス、ロードボックス、マルチエフェクターも関係します。
まとめ
ギター録音向けのオーディオインターフェースは、まずHi-Z入力、入力数、レイテンシ、モニター環境で選ぶのが基本です。
最初の1台ならFocusrite Scarlett Solo 4th Gen、ボーカルやステレオ録音も考えるならScarlett 2i2 4th Gen、音域のバランスや歪み方まで楽しみたいならUniversal Audio Volt 2/Volt 276が有力です。Cubase系でシンプルに始めるならYAMAHA UR12MK3、ギター特化ならPositive Grid RIFFも候補になります。
古いモデルを中古で安く探すより、現行モデルを選んだ方がドライバ、付属ソフト、OS対応の面で安心です。ギター録音では、インターフェースを入口として整えるだけでアンプシミュレーターやエフェクターの音作りもしやすくなります。





















