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SansAmp Bass Driver DIレビュー|ベースのサポートで使う一台

Tech 21 SansAmp Bass Driver DIの旧型。6つのノブと3つの小型スイッチ

SansAmp Bass Driver DIは、ベースの音作りとDIの役割を一台で担えるプリアンプです。 私は普段ギタリストなので、使う機会はそれほど多くありません。それでも、たまにベースのサポートで呼ばれるときには、このサンズアンプを使うことがあります。

ベース専任の人ほど詳しく使い込んでいるわけではありませんが、音を作る部分と、PAへ信号を送る部分がまとまっているのは分かりやすいです。今回は私の手元にある旧型を紹介しながら、使うときに押さえておきたいポイントを整理します。

Tech 21 SansAmp Bass Driver DIの旧型。6つのノブと3つの小型スイッチ

私がベースのサポートで使うSansAmp Bass Driver DI。MIDノブのない旧型で、写真には出力レベル用を含む3つの小型スイッチが見えます。

私のものはMIDノブのない旧型

Bass Driver DIには世代による違いがあります。写真の個体は、LEVEL・BLEND・TREBLE・BASS・DRIVE・PRESENCEの6ノブを備えた旧型です。現行V2にあるMIDノブや周波数切り替えは付いていません。

同じサンズアンプでも、V2の設定例をそのまま当てはめると、手元にないノブが出てきてしまいます。この記事の操作説明は、写真の旧型に合わせています。

中を見るとデジタルに見えますが、アナログです

内部を開けると、小型の部品やICが並んでいます。私は最初、見た目からデジタルのように感じました。しかし、Bass Driver DIはアナログ方式です。

SansAmp Bass Driver DIの内部基板。小型部品とIC、電池用の配線

Bass Driver DIの内部基板。ICや表面実装部品が多く見えますが、その見た目だけでデジタル方式とは判断できません。

Tech 21は旧製品Landmark 60の公式説明でも、その基礎となったBass Driver DIを「100% analog」と記しています。日本語にすると「100%アナログ」。ICはアナログ回路でも使われるので、部品が小さくまとまっていることと、デジタル処理であることは別です。

参考 Bass Driver DIを100%アナログと説明する公式資料(英語)Tech 21

アンプらしい音を作る機材というと、デジタルのアンプモデラーを思い浮かべるかもしれません。サンズアンプは、アナログ回路でアンプやスピーカーを通した音の方向を作る、というところが面白いです。

歪みだけでなく、ベースの音の土台を作る

Bass Driver DIは、歪ませるためだけのペダルではありません。プリアンプとして音色を整えながら、XLR端子からミキサーへ送ることもできます。DIは、楽器の信号をミキサーなどへ送りやすい形にする機材です。

ベース・マガジンの開発者インタビューでは、会場で一般的なDIを渡される状況でも、プレイヤーが求める音を届けられるようにしたい、という設計の出発点が語られています。私のように、ときどきベースで参加する立場でも、持ち運ぶ一台に何を任せるのかが分かる話だと思います。

参考 Bass Driver DIの変遷と開発者インタビューベース・マガジン

音を濃くしすぎたらBLENDも見直す

音作りで覚えておきたいのがBLENDです。ベースからの直接音と、サンズアンプのアンプ・エミュレーションを通った音の割合を調整します。DRIVEだけで歪みを決めるより、どのくらいサンズアンプのキャラクターを加えるかまで考えられます。

ただし、BLENDを最小にしてもBASS・TREBLE・LEVELは効きます。BLEND最小とフットスイッチでのバイパスは同じではありません。

旧型には独立したMIDノブがないので、低音と高音を持ち上げたときの中域の聞こえ方にも気を配りたいです。低音の迫力だけで決めると、ほかの楽器と鳴らしたときに欲しい輪郭を見失うこともあります。

実際、01SoundEarthのレビューでは、バンドの中で聞こえるポイントを探す際、BLENDと低域を調整する使い方が紹介されています。私も設定を考えるなら、こうした「足すだけでなく、戻してみる」という調整を参考にしたいです。

参考 バンドの中での音作りを紹介したBass Driver DIレビュー01SoundEarth

アンプとPA、どの出力を使うか

端子が複数ありますが、まずは音を作った信号を送るのか、直接音を送るのかで整理すると分かりやすいです。

端子役割
OUTPUTアンプなどへ送る標準ジャック出力
XLR OUTPUTミキサーや録音機器へ送るバランス出力
PARALLEL OUTPUT入力に直結した、加工しないベースの信号

音作りした信号をアンプへ送りたいならOUTPUT、PAへ送りたいならXLR OUTPUTが基本です。PARALLEL OUTPUTではサンズアンプの音色は加わりません。

写真の個体ではOUTPUTとXLRそれぞれにLINE/INSTの切り替えがあります。接続先に合わせて選び、LEVELは小さく始めて調整します。PAへ接続する際は、担当者と入力レベルを合わせるとスムーズです。

電源には9V電池、指定に合うDC9Vアダプター、XLR経由のファンタム電源が使えます。ファンタム電源を使う場合はPHANTOM & GROUND CONNECTの設定も関係するため、旧型の説明書に沿って接続します。

参考 旧型Bass Driver DIの接続・BLEND・電源の説明書(英語)Tech 21

ベースのサポートで使うなら、控えめなところから

私はベースで毎日使っているわけではないので、まずは各ノブの変化を確かめながら、必要な音へ近づけたいです。次は普段の実測設定ではなく、説明書とレビューを踏まえた音作りの出発点です。

STEP 1
接続先と出力レベルを合わせる
使う出力とLINE/INSTを接続先に合わせます。接続時はアンプやミキサーをミュートし、LEVELを低めから上げます。
STEP 2
EQを中央から始める
BASSとTREBLEを中央にして、DRIVEとPRESENCEは控えめから試します。まずベースの低音と輪郭がどのように聞こえるかを確かめます。
STEP 3
BLENDで音の濃さを決める
BLENDを動かし、直接音とサンズアンプのキャラクターのバランスを探します。音色が変わったらLEVELも合わせ直します。
STEP 4
バンドの音に重ねて仕上げる
ドラムやギターと鳴らし、低音が膨らみすぎていないか、音程が聞き取れるかを確認します。必要に応じてBASSやBLENDを戻してから、歪みや輪郭を微調整します。

一人で弾いたときの迫力と、バンドを支える音は、少し違うことがあります。私なら、まず曲の中でベースの役割が分かる音を作り、そのあとに欲しいキャラクターを加えていきたいです。

今選ぶなら、旧型とV2の違いを確認したい

私の個体と現行V2では操作部が違います。V2はMIDコントロールに加え、中域と低域の周波数を切り替える機能があります。これから選ぶなら、旧型の6ノブで十分か、中域を独立して調整したいかが一つの判断材料になります。

参考 Bass Driver DI V2のMIDと周波数切り替え(英語)Tech 21

以下の商品と動画は、写真の旧型とは異なるV2です。

Bass StuffによるV2の実演動画です。旧型と同じものとしてではなく、現在選べるモデルの参考にどうぞ。

ほかのベースプリアンプも含め、音の方向から選びたい方はこちらで比較できます。

よくある質問

Bass Driver DIはアナログですか?
はい。アナログ方式です。内部にICや小型の表面実装部品があっても、それだけでデジタル方式ということにはなりません。
写真の個体はV2ですか?
写真はMIDノブのない6ノブの旧型です。現行V2にある中域の独立コントロールや周波数切り替えはありません。
BLENDを最小にするとバイパスになりますか?
完全なバイパスとは違います。アンプ・エミュレーションは通らなくなりますが、BASS・TREBLE・LEVELは引き続き効きます。
PARALLEL OUTPUTからはどんな音が出ますか?
入力に直結した、サンズアンプの加工が加わらない信号が出ます。音作りした信号を送るOUTPUTとは役割が違います。

ギタリストの私にも、役割が分かりやすい一台

普段はギタリストなので、Bass Driver DIを使う機会は限られています。それでも、ベースのサポートで使うときに、音作りとDIを一台で担えるのは便利なところです。

内部の見た目はデジタルのようでも、中身はアナログ。BLENDで加えるキャラクターを調整し、必要な出力へ送る。この基本を押さえておくと、ときどきベースを弾く立場でも付き合いやすい一台だと思います。