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Xotic SP Compressorレビュー|ブースターとしても使える小型コンプ

Xotic SP Compressorの外観。VOLUME、BLENDと3段階の切り替えスイッチ

Xotic SP Compressorは、コンプレッサーとしてはもちろん、ブースターやプリアンプのように使うのもおすすめの一台です。 音を強く潰すことだけを目的にせず、軽く整えてから次のペダルやアンプへ送る。私はそういう使い方にも注目したいです。

ROSSやDyna Compと同じく、OTA方式のコンプレッサーです。小さな本体にVOLUMEとBLEND、3段階の切り替えを備えていて、コンプの効かせ方を手早く選べるところが特徴です。

Xotic SP Compressorの外観。VOLUME、BLENDと3段階の切り替えスイッチ

SP Compressorの操作部。2つのノブで音量と原音の混ざり方を調整し、小さなスイッチでコンプレッションの強さを選びます。

ROSSやDyna Compと同じOTA方式

OTAは、信号の増幅量を電流で制御する素子です。コンプレッサーでは、この仕組みを使って入力音の強さに応じた音量調整を行います。SP Compressorは、ROSSやDyna Compと同じ方式に属するモデルです。

Xotic公式も「based on the highly revered Ross Compressor」と説明しています。日本語では「高く評価されるROSS Compressorをもとにしている」という意味です。ただ、回路の方式が同じだからといって、操作や音までまったく同一になるわけではありません。

SPにはBLENDがあり、圧縮した音へ原音を混ぜられます。コンプの揃った音が欲しいときも、弾き始めの感触をどのくらい残すか調整できることが、使い方の幅につながっています。

参考 SP Compressorの設計・BLEND・ブースト機能(英語)Xotic

ヴィンテージのROSSそのものに興味があれば、1979年製の実機と修理記録を紹介した記事もあります。SPの元になった系統を知る参考にどうぞ。

VOLUMEとBLENDを分けて考えると使いやすい

外側の操作はシンプルです。圧縮の強さをスイッチで選び、BLENDで混ぜ方を決め、VOLUMEで最終的な音量を合わせます。

操作役割
HI/MID/LOコンプレッションの強さを3段階から選ぶ
BLEND原音と圧縮した音の割合を変える
VOLUME出力音量を調整する

BLENDは反時計回りいっぱいで原音100%、時計回りいっぱいでエフェクト音100%です。圧縮感を弱めたいときは、LOにするだけでなく、原音を多めに混ぜる方法もあります。

例えば、コードのまとまりは欲しいけれど、強く弾いた感触も残したい。そんなときにBLENDを動かして、原音と圧縮音の間を探せます。HIを選んでもBLENDを控えめにするなど、強さと混ぜ方を組み合わせて使えるのが面白いところです。

ブースターやプリアンプのように使う

私がおすすめしたいのは、圧縮を控えめにして音の土台を整え、必要に応じてVOLUMEで押し出す使い方です。メーカーは最大+15dBのブーストを案内しているので、音量を持ち上げる用途も想定されています。

ただし、+15dBを目標に上げる必要はありません。ONにしたときの変化を聴きながら、必要な分だけ調整すれば十分です。

歪みの前なら、入力を押す使い方

歪みペダルの前に置いてVOLUMEを上げると、次のペダルへ入る信号が大きくなります。後段が歪む設定なら、音量だけでなく歪み方や圧縮感が変わることもあります。

この使い方なら、SP側では軽く音を整え、歪みのキャラクターは後段に任せる、と考えると分かりやすいです。どのくらい変わるかは、次につなぐペダルやアンプの余裕によって違います。

「プリアンプ的」は音の土台を整えるという意味

ここでいうプリアンプのような使い方は、軽い圧縮と出力レベルの調整を使い、普段の音の土台を作るという意味です。EQ付きのアンププリアンプや、スピーカーの音まで作る機材の代わりというわけではありません。

コンプをかけっぱなしにするときも、OFFに戻した音と比べて、必要な変化かを確認したいです。常時ONでの考え方は、こちらで詳しくまとめています。

最初はLOと原音多めから試したい

ブースター寄りの使い方を試すなら、私なら次の順番で合わせます。固定のおすすめ値というより、自分のギターで必要な変化を探すための出発点です。

STEP 1
LOにして原音を多めにする
切り替えをLOにし、BLENDを反時計回り寄りから始めます。コードと単音を弾き、圧縮した音を少しずつ混ぜます。
STEP 2
ON/OFFの音量を揃える
VOLUMEで大きな音量差を抑えます。まず音が大きくなった効果と、コンプによる弾き心地の変化を分けて聴きます。
STEP 3
欲しい分だけブーストする
音のまとまりが決まったら、VOLUMEを少し上げます。後段の歪みが増えるのか、音量が上がるのかを確認し、使いたい変化になる位置を探します。
STEP 4
バッキングと単音の両方で確認する
コードの強弱が残るか、単音が必要以上に揃いすぎていないかを聴きます。圧縮感が強ければ原音を増やし、もう少し効かせたければMIDも試します。

BLENDを最小にすれば、圧縮した音を混ぜずに原音側を使えます。コンプの効果と音量の変化を知るためにも、一度両端まで動かして比べてみると役割がつかみやすいです。

内部DIPスイッチで、さらに調整できる

Xotic SP Compressorの内部。電池スナップと4つのDIPスイッチ

小さな本体の中に電池スナップとDIPスイッチがあります。外側のノブに加え、内部でも反応や高域、入力を調整できます。

内部の4つのDIPスイッチは、1・2がアタック/リリース、3が高域のカット、4が入力パッドに関係する設定です。アタック/リリースは、圧縮がかかる速さと元へ戻る時間のことです。

まずは外側の操作で音を作り、弾き始めの反応や高域などに調整したい点が残ったときに、内部設定を確認すると分かりやすいです。変更前の状態を写真に残し、一つずつ変えると元へ戻して比較できます。

4番は説明書上、スイッチをOFFにすると入力を抑える側になるので、「ONならパッドが効く」と名前だけで判断しないようにします。説明書の図と本体のON表示を見ながら設定したいです。

参考 SP CompressorのBLENDと内部DIPスイッチ説明書(英語)Xotic

小ささと、調整できる範囲のバランス

SPは、ボードへ小さく収めつつ、圧縮音と原音を混ぜたい人に向いています。電池にも対応していますが、内部設定を変えるには底面を開ける必要があります。演奏中にアタックやリリースまで頻繁に調整したいなら、その操作性は考えたいところです。

圧縮を強くしたり出力を上げたりすると、弾いていない間のノイズも目立つことがあります。静かな設定を探すときは、必要な圧縮量と音量に戻し、ギターや前段から来るノイズも一緒に確認します。

SP Compressorの実演動画

「おばけ – Obake Guitar Channel -」によるSP Compressorの紹介動画です。試奏前に、このペダルの音を聴く参考にどうぞ。

ほかの方式や操作系のコンプも見たい方は、ギター用コンプレッサーのまとめ記事で比較できます。

よくある質問

SP Compressorはブースターとして使えますか?
使えます。メーカーは最大+15dBのブーストを案内しています。LOと原音多めのBLENDから始め、必要な音量までVOLUMEを調整する方法があります。
BLENDは何を調整しますか?
原音と圧縮した音の割合です。反時計回りいっぱいで原音100%、時計回りいっぱいでエフェクト音100%になります。
プリアンプの代わりになりますか?
軽い圧縮と出力レベルの調整で、音の土台を整える使い方はできます。EQ付きアンププリアンプやスピーカーシミュレーターと同じ機能を持つわけではありません。
内部DIPスイッチは何のためにありますか?
アタック/リリース、高域のカット、入力パッドを調整します。特に入力パッドはスイッチのON/OFFと効き方を公式説明書で確認して設定します。

音を潰すだけで終わらないコンプレッサー

SP Compressorは、ROSSやDyna Compと同じOTA方式を採りながら、BLENDで原音の感触も調整できる一台です。しっかり圧縮する使い方も、軽く整える使い方も選べます。

私なら、コンプだけでなくブースターや音の土台を作るペダルとしても試してみてほしいです。まずLOと原音多めから始め、必要な分だけ音を整えて押し出す。その使い方からでも、SPの魅力を探せると思います。