フットスイッチ型のMaxon D&Sは、私にはキャラメルスイッチのOD-801よりややこもって聞こえますが、ファズとして見るとかなり面白い1台です。 ビッグマフ系の強烈な歪みがあり、古いエフェクターらしい音を楽しめます。
所有するのは、LEDと側面のDC端子が付いたヴィンテージのD&Sです。オフ時には音痩せを感じます。それでも私はトゥルーバイパス化せず、この個体の音をそのまま楽しんでいます。

所有するMaxon D&S。角型のキャラメルスイッチを備えたOD-801とは、筐体もスイッチも異なります。
今回のD&Sは、LED付きのフットスイッチ型
D&Sには外観や回路の異なる世代があります。中古を探す際は、商品名に加えて、スイッチの形、LEDの有無、DC端子の位置を見ておくと比較しやすいです。
今回紹介するのは、細長いオリーブ色のケースにフットスイッチを備え、つまみの間にLED、側面にEXT.DC端子があるタイプです。LEDやDC端子がない初期型と区別して、ナローケースの後期型と呼ばれることもあります。
実機を解析しているsarapedalsさんの資料でも、LED・DC端子付きのナローケースと、キャラメルスイッチのOD-801が分けて説明されています。小さな筐体に見た目が似た復刻版もあるので、ヴィンテージを選ぶときは販売写真と説明を合わせて確認したいところです。
参考 Maxon D&S:ナローケース後期型とOD-801の実機解析sarapedals
側面にEXT.DC端子があります。端子の位置も、世代を見比べる手掛かりになります。

底面に残るシリアル番号は92310。所有個体の製造年は特定していません。
OD-801よりややこもる。でもファズとして面白い
このD&Sは、かなり強烈に歪みます。私にはビッグマフ系のサウンドに感じられ、整ったディストーションを求めるより、ファズとして弾いたほうが魅力をつかみやすいです。
手元のキャラメルスイッチ型OD-801と比べると、こちらのほうがややこもるかな、というニュアンスがあります。ただ、そのこもり方も含めて、古き良きファズらしい音として楽しめます。明るさやすっきりした聞こえ方だけで選ばない人には、この個体を試してほしいと思います。
ここでいう「強烈」は、歪みの印象です。最大出力やゲインを測定して、OD-801との優劣をつけたものではありません。
| 比較するところ | 私が所有する2台の違い |
|---|---|
| スイッチ | 今回のD&Sはフットスイッチ、OD-801は角型のキャラメルスイッチ |
| 音の印象 | 今回のD&Sのほうが、ややこもって聞こえる |
| 楽しみ方 | 今回のD&Sは、そのこもりも含めてファズとして面白い |
キャラメルスイッチ型の音やバイパスについては、OD-801の実機レビューで紹介しています。同じD&Sの名前でも、どちらの個体を見ているかを分けて読むと違いがつかみやすいです。
LED付きヴィンテージD&Sの実演動画
音を聴く参考に、デジマートの「Vintage Effector File」によるD&Sの実演を掲載します。映像の個体は、今回の写真と同じくフットスイッチ・LED・側面DC端子を備えたタイプです。私の所有個体の録音ではありませんが、古いD&Sの歪み方を聴く参考になります。
音痩せを感じても、トゥルーバイパス化しない理由
私はこの個体を、トゥルーバイパスでもバッファード・バイパスでもないタイプと捉えています。ただし、オフ時の信号経路を確定するには、スイッチを含む配線の確認が必要です。実際に使うと、オフ時に音痩せを感じます。LEDは付いていますが、点灯表示があることと、オフ時に信号をどう通すかは別の話です。
私は、その音痩せも承知したうえで、トゥルーバイパス化はしていません。このD&Sの古き良き音を楽しみたいので、今の状態で使っています。常につないでいてもオフ時の音を変えたくない人には、この点が選ぶ際の大事な違いになると思います。
なお、バイパス方式と、歪み回路の中にバッファがあるかどうかは、分けて考える必要があります。 sarapedalsさんの所有するLED付き後期型には、初段のFETバッファが確認されています。「バッファード・バイパスではない」という話を、回路全体にバッファが存在しないという意味で捉えると、違う説明になってしまいます。
中古で試すときには、オンの歪みだけでなく、オフにした音も聴いてください。私のようにそのまま楽しめるか、普段のクリーン・サウンドとの違いが気になるかは、使う環境と好みで変わります。
基板に並ぶトランジスタと、ビッグマフ系の回路

所有個体の基板。トランジスタやコンデンサが並ぶ、古いエフェクターらしい内部です。
D&Sをビッグマフ系と呼ぶのは、音の印象だけではありません。sarapedalsさんは、所有する後期型を解析し、基本構成がBig Muffに近い一方、トーン回路はOD-801と異なると説明しています。
その解析では、後期型はBaxandall型のトーン回路、OD-801はBig Muffのように低域側と高域側の経路を混ぜる構成です。つまり、同じD&Sでも音色調整の仕組みに違いがあります。ただし、私の個体がややこもって聞こえる理由を、この違いだけで説明できるわけではありません。

手前のトランジスタには「C1815」「BL」の刻印が見えます。
私の個体の基板にも、C1815 BLの刻印が確認できます。全部品の定数や配線を照合したわけではありませんが、ケースの外観だけでなく、中の部品も眺めたくなる1台です。
中古で選ぶなら、価格と世代、オフ時の音を確認
私はこのフットスイッチ型を、キャラメルスイッチのOD-801より中古で見かける印象があります。1万円前後で状態のよい個体に出会えたなら、ヴィンテージ・エフェクターを気軽に試す候補としておすすめしたいです。
2026年9月10日に確認したイシバシ楽器の同世代の中古個体は、税込17,800円でした。これは1件の販売例なので、購入時は状態や修理・改造歴、送料も含めて比べてください。
参考 LED・側面DC端子付きMaxon D&Sの中古販売例イシバシ楽器中古で見かける頻度だけでは、当時の製造コストや生産数までは分かりません。私がすすめたい理由は、値段と状態が合えば、強い歪みとヴィンテージらしい感触を楽しめるからです。
試奏では、次の点を確認しておくと選びやすいと思います。
- LED、DC端子の位置、スイッチの形が、探している世代と合っているか。
- つまみを動かしたときに、ガリや音切れがないか。
- フットスイッチで確実にオン・オフできるか。
- オフ時の音痩せが、自分の使い方で許容できるか。
- 修理・改造の履歴と、外部電源を使う場合の電圧・極性・端子仕様を確認できるか。
オフ時の音も含めて気に入るなら、無理に改造せず使う楽しみがあります。私にとってこのD&Sは、OD-801より少しこもる感触も、古いファズの面白さとして残しておきたいエフェクターです。
ヴィンテージMaxon D&Sについてよくある質問
- 今回のD&Sは、キャラメルスイッチのOD-801と違いますか?
- 今回紹介するのは、LEDと側面DC端子を備えたフットスイッチ型です。私の2台では、こちらのほうがOD-801よりややこもって聞こえますが、ファズとして面白く感じています。
- オフ時に音痩せしますか?
- 私の所有個体では、オフ時に音痩せを感じます。それも承知したうえで、古き良き音を楽しみたいのでトゥルーバイパス化せず使っています。中古を試すときは、オフ時の音も確認してください。
- D&Sの回路はビッグマフ系ですか?
- 後期型D&Sの実機解析では、基本構成がBig Muffに近いと説明されています。ただしトーン回路などに違いがあり、同じD&Sでも世代ごとの仕様を見分けることが大切です。
- ヴィンテージD&Sは1万円前後で買えますか?
- 1万円前後で状態のよい個体に出会えれば、気軽に試す候補になります。ただし2026年9月10日には同世代の税込17,800円の販売例も確認しており、状態や世代を合わせて比較したいです。

