ジョン・フルシアンテのファズを探すと、Big Muff、Fuzz Factory、BOSS FZ系、Fuzzrite系など複数の名前が出てきます。ここで大事なのは、ジョンの歪みが「ファズ1台」でできているわけではないことです。
本人使用を確認できるファズは、世代不明のBig Muff、Fuzzrite、MXR M236 Super Badass Variac Fuzzです。Fuzz FactoryとBOSS FZ系は、発振やギター側ボリュームへの反応など、異なる動作を比較するための候補です。
ジョン・フルシアンテのファズを再現したいなら、まずはBig Muff系の低中音域と長いサステイン、Fuzz Factory系の発振・暴れ感、FZ/Fuzzrite系の荒いヴィンテージ感、そしてDS-2の中音域が強くなるリードを分けて考えると選びやすくなります。
ジョン・フルシアンテのファズは1種類ではない
ジョン・フルシアンテの歪みは、Stratocaster、Marshall系アンプ、BOSS CE-1由来の低中音域の量、BOSS DS-2、Ibanez WH10、そしてファズ系エフェクターが組み合わさって作られます。単体のファズだけを買っても、いきなりあの音になるわけではありません。
ファズを選ぶ前に、まず目的を決めるのが近道です。ソロを太く伸ばしたいのか、発振するようなノイズを出したいのか、カッティングやリフに荒さを足したいのかで、選ぶべきエフェクターは変わります。
ジョン・フルシアンテのエフェクター全体像は上の記事で整理しています。このページでは、その中でも「ファズ」に絞って、現実的に選べる候補と音作りの考え方をまとめます。
ジョン・フルシアンテ系ファズの比較表
| 候補 | 音の傾向 | おすすめな人 |
|---|---|---|
| Electro-Harmonix Big Muff Pi | 低中音域が多く、音が長く伸びる状態 | ジョンの厚いリード、壁のようなファズを狙う人 |
| Electro-Harmonix Ram’s Head Big Muff Pi | 高音域を抑え、単音を伸ばしやすいリード | Big Muffの中でも輪郭と伸びを重視する人 |
| Electro-Harmonix Green Russian Big Muff Pi | 太め・ロー寄り | 低音域の量を残したい人 |
| ZVEX Fuzz Factory | 発振・暴れ感 | 発振や音切れを演奏へ取り入れたい人 |
| BOSS FZ-1W | 現行BOSSファズ | 近年のボード感を現行品で狙いたい人 |
| BOSS FZ-5 | 扱いやすいファズ | 荒さより実用性を優先したい人 |
| Catalinbread Fuzzrite | ヴィンテージ・ガレージ | Fuzzrite系の細く荒い音が欲しい人 |
| MXR Super Badass Variac Fuzz | 電圧低下風・荒い倍音 | 近年の荒いファズ候補を探す人 |
| BOSS DS-2 Turbo Distortion | 中域のリード | ファズより先にジョンらしいリードの中音域を作りたい人 |
| Ibanez WH10V3 | ワウとの組み合わせ | ファズやDS-2にジョンらしい母音感を足したい人 |
ジョン・フルシアンテ系ファズの選び方
低中音域が多いリードならBig Muff系を選ぶ
ジョン・フルシアンテのファズで最初に考えたいのはBig Muff系です。DS-2が中音域を強めるリードなら、Big Muffはより広く、厚く、サステインの長い歪みを作ります。
ソロの音を太く長く伸ばしたい場合は、Big Muff系のSustainとToneの効き方を試します。
発振や暴れる音ならFuzz Factory系を選ぶ
Fuzz Factoryは、普通のファズとしてだけでなく、ゲート感、発振、ブチブチした崩れ方を作れるエフェクターです。きれいなリードより、ノイズも含めてフレーズの表情にしたい人に向いています。
整ったリードより、発振や途切れる音をフレーズに使いたい場合の候補です。ただし設定幅が広く、普通のファズより扱いは難しめです。
現行候補と本人使用機を分けて選ぶ
本人使用を確認できるMXR Super Badass Variac Fuzzと、音の比較用の現行候補であるBOSS FZ-1Wは分けて考えます。
FZ-1WはBOSSらしく踏みやすく、Variac Fuzzは電圧を下げたような荒れ方を作りやすい方向です。どちらもBig Muffとは別の音なので、低中音域が多く、音が長く伸びる状態より荒い倍音を足したいときに合います。
DS-2をファズ代わりに考えすぎない
BOSS DS-2はジョン・フルシアンテの音作りで非常に重要ですが、分類としてはファズではなくディストーションです。ただ、Turbo IIの中域が強いリードは中音域が強いなので、ファズと混同されやすい音でもあります。
ジョン風の歪みを作るなら、まずDS-2で中音域を強め、必要に応じてBig MuffやFuzz Factoryを足す考え方が実用的です。ファズだけでジョンの音を作ろうとすると、低域が膨らみすぎたり、バンド内でギターが聞こえにくくなったりします。
本人使用を確認できるファズと音の比較候補
Electro-Harmonix Big Muff|本人使用・世代不明
本人使用資料で確認できる名称はBig Muffまでです。次の現行品は音と操作を比較する候補です。
Electro-Harmonix Big Muff Pi|現行候補
Big Muff Piは、ジョン・フルシアンテのファズを考えるうえで中心に置きたい定番です。低中音域が強い歪みと長いサステインを作りやすく、DS-2より広い音域を強く歪ませます。
Gainを上げすぎると低域と歪みが膨らみやすいので、アンプ側は少し明るめ、ギターはリアピックアップ中心で作ると輪郭を残しやすいです。単体で完結させるより、バンドの中でギターが聞こえやすい設定を探すのが大事です。
Electro-Harmonix Ram’s Head Big Muff Pi|現行候補
Ram’s Head Big Muff Piは、Big Muff系の中でも滑らかな伸びとリードの歌わせやすさを重視したい人に向いています。低中音域が多いだけでなく、単音の輪郭を残したいときに選びやすいモデルです。
ジョン・フルシアンテ風のリードで使うなら、Sustainを上げすぎず、Toneを少し明るめにして、アンプのクリーンからクランチに乗せると扱いやすいです。歪み量より、中音域が強くなり、バンド演奏で聞き取りやすい設定を探します。
Electro-Harmonix Green Russian Big Muff Pi|現行候補
Green Russian Big Muff Piは、Big Muff系の中でも低音域の量を感じやすい方向です。ストラトのリアピックアップが細く感じる人、もう少し低域の塊が欲しい人には相性が良いです。
一方で、低域が多いアンプや大音量のバンドでは、音が広がりすぎることがあります。ジョン・フルシアンテ風に使うなら、アンプ側の低域を控えめにして、ファズの低中音域の量を活かすほうがまとまりやすいです。
ZVEX Fuzz Factory|音の比較候補
ZVEX Fuzz Factoryは、発振、ノイズ、ゲート感を含む実験的なファズ音を比較する候補です。本人使用を確認できる機材ではありません。
設定次第で音量差や発振の出方が大きく変わるので、ライブで使うなら事前に踏む位置を決めておくと安全です。普通の歪みとして使うより、曲中のアクセントやイントロ、ブレイクで強い個性を出す用途に合います。
BOSS FZ-1W|現行候補
BOSS FZ-1Wは、ギター側のボリューム操作へ反応する現行ファズです。本人使用機との比較候補として、音と操作の違いを確認します。ヴィンテージファズの荒さを意識しつつ、BOSSらしい安定感もあるので、ボードに組み込みやすいです。
Big Muffのような壁状のサステインというより、ピッキングの荒さやギター側のボリューム操作を残したファズに向いています。DS-2とは違う音を追加したいときの現実的な選択肢です。
BOSS FZ-5|現行候補
BOSS FZ-5はF、M、Oの3モードを備え、異なるヴィンテージ系ファズの方向を切り替えて試せます。本人使用機の代替ではなく、音の比較候補です。
ヴィンテージファズ特有の気難しさを抑えたい人、自宅や小音量でも安定したファズを使いたい人には選びやすいです。ジョン風の荒さを作るなら、あまり歪ませすぎず、ギターのボリュームやピッキングで表情を付けると近づきます。
Fuzzrite|本人使用確認
本人使用資料で確認できるFuzzriteと、次のCatalinbread製現行品は別製品です。
Catalinbread Fuzzrite|現行候補
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Fuzzrite系は、Big Muffのような太く滑らかなファズとは反対に、細く、荒く、ガレージ感のある音が特徴です。ジョン・フルシアンテの中でも、ヴィンテージファズ的な荒さや、少しチープに崩れる雰囲気を狙うときに候補になります。
Catalinbread Fuzzriteは、現行でFuzzrite系の方向を試しやすいエフェクターです。低域を太くするというより、中高域のザラつきと攻撃性を足したい人に向いています。
MXR Super Badass Variac Fuzz|本人使用確認
MXR M236 Super Badass Variac Fuzz
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MXR Super Badass Variac Fuzzは、電圧を下げたような荒れ方や、潰れた倍音を作りやすいファズです。Big Muffのような滑らかさより、音が崩れる感じや、少し危ういリードトーンを求める人に向いています。
2022年の本人機材資料で確認されたファズとして、現行品で入手しやすく、ボードに組み込みやすいのが利点です。ファズ単体で音を作るより、DS-2やアンプのクランチと役割を分けると扱いやすいです。
BOSS DS-2 Turbo Distortion|現在販売される非ファズ製品
本人資料で確認できるDS-2の使用個体と、現在販売される個体の製造時期は分けて考えます。
BOSS DS-2はファズではありませんが、ジョン・フルシアンテのリードを考えるなら外せないエフェクターです。Turbo IIの強い中域は、Big Muff系の広い歪みとは違い、バンドの中で聞こえやすい中音域を作ります。
ジョン風の歪みを狙う人が最初に迷うなら、ファズより先にDS-2を試したほうが近道になることも多いです。そのうえで、もっと低中音域が多く、音が長く伸びる状態が欲しければBig Muff、もっと発振や暴れ感が欲しければFuzz Factoryを足すと整理しやすいです。
Ibanez WH10V3|現在販売される非ファズ製品
WH10には複数世代があります。ここでは現在販売されるWH10V3の操作を確認します。
Ibanez WH10V3はファズではありませんが、ジョン・フルシアンテ風の歪みを作るうえで重要なワウです。DS-2やファズの後に強い母音感を足すことで、単なる歪みではなく、歌うようなリードに近づきます。
ファズだけを踏むと音が平面的に感じる場合でも、WH10系の深いワウを組み合わせると一気にジョンらしい表情が出ます。特にソロやファンク寄りのフレーズを狙うなら、歪みエフェクターと同じくらい重要です。
音の役割で見るファズの選び方
| 狙う音 | 候補 |
|---|---|
| 太く長く伸びる音 | Big Muff系 |
| 発振や音切れを使う音 | Fuzz Factory系 |
| 中高音域が荒い音 | Fuzzrite系 |
| 電圧を下げたような崩れ | Super Badass Variac Fuzz |
ジョン・フルシアンテ風ファズの音作り手順
次の接続順と設定は、各機材の役割を聞き分けるための編集部による試奏例です。
ファズとDS-2の違い
ジョン・フルシアンテの音を調べると、DS-2とファズが混ざって語られがちです。どちらも強い歪みですが、役割は違います。
| 機材 | 音の特徴 | 向く使い方 |
|---|---|---|
| DS-2 | 中域が強く、バンドで聞こえやすくなる | ソロ、リード、バンド内で聞こえやすい歪み |
| Big Muff系 | 太く、広く、サステインが長い | 厚いリード、壁のようなファズ |
| Fuzz Factory系 | 発振、ゲート、暴れ感 | 実験的な効果音、ノイズ的なアクセント |
| Fuzzrite系 | 細く荒いヴィンテージ感 | ガレージ感、ラフなリフ |
最初の1台としては、ジョン・フルシアンテのリード全体を狙うならDS-2、ファズらしい低中音域の量を狙うならBig Muff系、特殊な音を狙うならFuzz Factoryという分け方が実用的です。
DS-2自体の音やTURBOの使い方は、BOSS DS-2の実機レビューで詳しく紹介しています。ファズと組み合わせる前に、歪みの中心になる音を確認する参考になります。
関連するファズ記事
Big Muff系を深く選びたい場合は、系統別の比較も参考になります。
ファズフェイス系の音作りやトランジスタの違いを知りたい場合は、以下の記事も参考になります。
ジョン・フルシアンテのファズ FAQ
- ジョン・フルシアンテのファズでまず買うならどれですか?
- 本人使用を確認できるファズから選ぶなら、世代不明のBig Muff、Fuzzrite、MXR Super Badass Variac Fuzzが候補です。DS-2はファズではありませんが、本人のリードで重要な歪みです。
- BOSS DS-2はファズですか?
- DS-2は分類としてはディストーションです。ただしジョン・フルシアンテのリードでは非常に重要で、ファズと混同されやすい中域の強い歪みを作ります。
- Big MuffとFuzz Factoryはどちらがジョン・フルシアンテ風ですか?
- 低中音域が多く、音が長く伸びるリードならBig Muff、発振や暴れる音ならFuzz Factoryです。低中音域が多く伸びるリードにはBig Muff、発振や崩れた音にはFuzz Factoryが合います。
- ファズだけでジョン・フルシアンテの音になりますか?
- ファズだけでは難しいです。Stratocaster、Marshall系アンプ、CE-1的な低中音域の量、DS-2、WH10などの組み合わせでジョンらしい音になります。
- 自宅練習でジョン・フルシアンテ風ファズを使うコツは?
- 低域とSustainを上げすぎないことです。小音量では低中音域の量が気持ちよく聞こえますが、録音やバンドでは輪郭が消えやすいので、Toneを少し明るめにすると扱いやすいです。
まとめ
ジョン・フルシアンテのファズを狙うなら、1台で全部を再現しようとせず、役割を分けて選ぶのが重要です。低中音域が多いリードならBig Muff系、発振やノイズならFuzz Factory、近年の現行ファズならBOSS FZ-1WやMXR Super Badass Variac Fuzz、荒いヴィンテージ感ならFuzzrite系が候補になります。
ただし、ジョンらしい歪みにはDS-2も大きく関わります。ファズはその中音域に低中音域の量、荒さ、サステイン、実験性を足すものとして考えると、音作りが役割を整理しやすくなります。
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