Cory Wongの音を本人の使用機材から追うなら、2022年のEgo Compressor中心のボードと、2024年のCory Wong Compressor/The Optimist/Wong Press/Quad Cortexの構成を分けて見ると分かりやすくなります。弾く強さによる音量差を整えるコンプレッサーも、使用モデルが変わり、アンプやエコー・残響をまとめる方法も変化しています。
ここでは本人の機材取材と写真で使用を確認できる11機種を紹介します。各図は本人の実設定ではなく、操作の意味と音の変化を確かめるための記事の提案です。
Cory Wongの使用エフェクター・機材一覧
| 機材 | 役割 | 確認時期 |
|---|---|---|
| Wampler Ego Compressor | 音量差を整える | 2022年取材 |
| HOTONE Soul Press II | ワウ・音量の足操作 | 2022/2024年取材 |
| GFI System Rossie | 弾く強さで音を明るくしたり、こもらせたりする | 2022年取材 |
| Beetronics VEZZPA | ファズ・上のオクターブ | 2022年取材 |
| Vertex Ultraphonix MKII | クリーンを混ぜる歪み | 2022年写真 |
| Jackson Audio The Optimist | 2種類の歪みと、低音・中音・高音の調整 | 2022/2024年取材 |
| Strymon BigSky | 残響 | 2022年取材 |
| TC Electronic Sub ’N’ Up MINI | 上下1オクターブ | 2022年写真 |
| Wampler Cory Wong Compressor | 音量差を整える・音量を上げる | 2024年取材 |
| Neural DSP Quad Cortex | アンプと効果をまとめる | 2024年取材 |
| HOTONE Wong Press | 本人仕様のワウ・音量操作 | 2024年夏の取材 |
Wampler Ego Compressor日本語訳:ワンプラーのEgo Compressor。2022年は、ワイヤレス受信機の次につなぐ機材として紹介されています。
出典:Premier Guitarの2022年Cory Wong機材取材(英語)。

青い5ノブのEgo、3ノブの赤いSub ’N’ Up MINI、黒い4ノブのUltraphonix MKIIを確認できます。2024年のシグネチャー機材と混ぜず、当時の構成として見る写真です。 出典:機材取材(英語)。Premier Guitar掲載写真より引用。
2022年と2024年で何が変わったのか
2022年の取材では、コンプレッサー、ワウ、フィルター、ファズ、歪み、リバーブ、オクターバーを個別に並べています。Cory WongはVulfpeckやThe Fearless Flyersでも活動するギタリスト。短いコードを細かく刻む演奏では、音の立ち上がりを残しながら、強く弾いた音だけが飛び出さないようにすることが要点です。
2024年夏に収録されたThe Fearless Flyersの取材では、Quad Cortexの外にCory Wong Compressor、The Optimist、Wong Pressをつないでいます。Quad Cortexからいったん音を取り出してペダルを通し、再びQuad Cortexへ戻す往復用の接続が、外部ループです。足元の単体ペダルと、Quad Cortex内のアンプや効果を組み合わせた構成です。
Hotone Wong Press日本語訳:ホットーンのWong Press。Cory Wong側の外部ループに入る機材として紹介されています。
出典:Premier Guitarの2024年The Fearless Flyers機材取材(英語)。
2024年6月の日本公演は、輸送中にメインボードが破損し、Soul Press IIとQuad Cortexで対応した別の構成です。公演写真にペダルが少ない理由まで確認すると、通常の機材を手放したと早合点せずに済みます。
使用エフェクター・機材11選
1. Wampler Ego Compressor
2022年のボードで使う5ノブのコンプレッサーです。音量差を小さくするだけでなく、BLENDで音量差を整えた音と、元の音を混ぜられます。SUSTAINで音量差を抑える効きの強さを調整します。上げると、小さくなっていく音を持ち上げ、長く伸ばしやすくなります。強弱やピックが弦へ当たる瞬間を残したい人は、SUSTAINを上げる前にBLENDで混ざり方を調整してください。
ATTACKを右へ回すと、強く弾いた音をゆっくり抑えるようになります。弾き始めの強い音を残しやすくする調整です。
Ego:カッティングの強弱を残す
- 1 SUSTAIN10時
- 2 TONE11時
- 3 ATTACK2時
- 4 VOLUME11時
- 5 BLEND12時
ATTACKは右ほど遅く反応。VOLUMEはオン/オフの音量をそろえる提案。
attack (fast CCW, slow CW)日本語訳:ATTACKは左へ回すと速く、右へ回すと遅く反応します。
出典:Wampler Ego Compressor公式製品情報(英語)。
2. HOTONE Soul Press II
HOTONE SOUL PRESS II ボリューム/エクスプレッション/ワウペダル
Amazonサウンドハウスで見る楽天市場Yahooショッピングメルカリで探す
2022年のボードと2024年6月の来日公演で使った、ワウと音量を足で操作するペダルです。MODEでWを選べばワウ、Vなら音量の調整、V/Wなら踏み込みで2つを切り替える使い方になります。
ワウは足の位置に応じて強調する音域が動き、声の母音が変わるような効果を付けます。ワウの変化を鋭く目立たせるか、なだらかにするかをQで調整します。図は側面Qだけを示す提案です。TONEはCLASSIC、MODEはWを選び、まずゆっくり踏んで音域の動きを聴いてください。
Soul Press II:ワウの変化を確認する
- 1 Q12時
側面Qのみ。MODE=W、TONE=CLASSICは本体のスイッチで選ぶ。
出典:HOTONE国内代理店のSoul Press II操作解説。
3. GFI System Rossie
弾く強さで音の明るさが変わるEnvelope Filterと、決めた順番と速さで音色が変わるStep Filterを備えています。ワウの踏み板を動かさなくても、右手の強弱で音色を変えられます。2022年のボードに載り、2024年の来日取材でも本人のお気に入りとして紹介されています。
4つのノブは押す操作も兼ね、画面を見ながら設定するエンコーダーです。時計位置ではなく、画面に出るモードと数値を合わせます。以下はEnvelope Filterの反応を聴くための操作提案です。
Every knob is also a button.日本語訳:すべてのノブがボタンを兼ねています。
出典:GFI System Rossie公式取扱説明書(英語)。
4. Beetronics VEZZPA
2022年のボードにあるファズです。音を強く歪ませるFUZZZZと、上のオクターブが加わるSTINGERを切り替えられます。常に薄い音で刻むための機材とは別に、強い歪みへ切り替えるための1台として見ると役割が分かります。
SUSTAINは歪みの強さと音の途切れ方を変えます。低くするとブツブツと途切れる音になり、上げると歪みの強い音になります。VOLUMEで全体の音量を合わせてください。
VEZZPA:上のオクターブを含む単音
- 1 VOLUME9時
- 2 SUSTAIN12時
STINGERモードを選ぶ提案。最初は低い音量で単音を弾き、VOLUMEを合わせる。
操作部はVOLUMEとSUSTAIN。足のスイッチは通常のオン/オフだけでなく、2回続けて押すとモードを切り替えます。演奏中に慌てて切り替えないよう、まず音を止めて2つのモードを聴き比べてください。
Controls: Master Volume, Sustain日本語訳:操作部は全体音量とSustainです。
出典:Beetronics販売元のVEZZPA製品資料(英語)。
5. Vertex Ultraphonix MKII
2022年の取材本文はUltraPhonix Specialと表記していますが、写真にはMASTER、LEVEL、RATIO、FILTERの4操作部を持つMKIIが写っています。RATIOで元の音と歪んだ音を混ぜられ、歪みを加えても弦の輪郭を調整できます。
LEVELは歪み量、MASTERは全体の音量、FILTERは中音域の強さを調整します。2つを同じ音量つまみと考えず、LEVELを変えた後にMASTERで音量差を戻すと、歪みの変化を聴き比べやすくなります。
Ultraphonix MKII:元の音も混ぜた軽い歪み
- 1 MASTER11時
- 2 LEVEL10時
- 3 RATIO12時
- 4 FILTER11時
MASTERで音量をそろえる。旧3ノブ版へ読み替えない設定提案。
RATIO Blends clean and distorted signals日本語訳:RATIOは元の音と歪んだ音を混ぜます。
出典:Vertex Ultraphonix MKII公式取扱説明書(英語)。
6. Jackson Audio The Optimist
Cory Wongのシグネチャーで、2系統のオーバードライブと、音域ごとの強さを変えるEQを備えます。2022年のボード、2024年のQuad Cortexとの併用の両方で確認できます。
上下の列にVOL、TONE、GAINが並び、上段がOD1、下段がOD2です。図は歪み部分の6つだけを示します。まずOD1だけをオン、OD2とEQはオフにし、音量差を合わせてから2つ目の歪みを試す提案です。
The Optimist:OD1の軽い歪みを聴く
- 1 VOL 111時
- 2 TONE 111時
- 3 GAIN 19時
- 4 VOL 211時
- 5 TONE 212時
- 6 GAIN 212時
OD1=ON、OD2=OFF、EQ=OFF。EQの小型3ノブは図に含めない。
7. Strymon BigSky
2022年のボードで使うリバーブです。写真は初代BigSky。短いコードの後ろへ残響を足しますが、混ぜすぎるとリズムの切れ目が聞こえにくくなります。DECAYは残響の長さ、PRE-DELAYは弾いた音から残響が鳴り始めるまでの間隔、MIXは元の音と残響の混ざる割合を調整します。
BigSky:カッティングの隙間に短い残響
- 1 DECAY10時
- 2 PRE-DELAY9時
- 3 MIX9時
ROOMを選び、上段の3つだけを図示。本人の実設定ではない。
図はROOMでDECAY、PRE-DELAY、MIXだけを調整する提案です。2024年の取材ではQuad Cortex内のリバーブも使っているため、両方を同時に強くかける設定が本人の標準とは扱いません。
8. TC Electronic Sub ’N’ Up MINI
TC ELECTRONIC Sub’n’Up Mini Octaver
Amazonサウンドハウスで見る楽天市場Yahooショッピングメルカリで探す
2022年の写真にある赤い3ノブのMINIです。DRYが元の音、SUBが1オクターブ下、UPが1オクターブ上の音量。元のギターを残し、低い音を薄く足すと単音の響きを変えられます。
Sub ’N’ Up MINI:単音に低い音を加える
- 1 DRY12時
- 2 SUB10時
- 3 UP7時
本体へ読み込む音色設定のTonePrintによって音が変わる。図は3つの音量の例で、本人のTonePrintは未確認。
出典:Sub ’N’ Up MINIの操作部・TonePrint製品情報。
9. Wampler Cory Wong Compressor
Wampler Pedals Cory Wong Compressor
Amazonサウンドハウスで見る楽天市場Yahooショッピングメルカリで探す
2024年の取材で使う、本人仕様のコンプレッサーです。元の音を混ぜるBLENDに加え、音量を持ち上げるブーストを別の足スイッチで操作できます。コンプレッサーの効きを変えずに、ソロのときだけ音量を上げられます。SUSTAINは音の伸びを調整し、上げるほど長く伸ばしやすくなります。
ATTACKを右へ回すと、強く弾いた音をゆっくり抑えるようになります。弾き始めの強い音を残しやすくする調整です。
Cory Wong Compressor:刻む音の立ち上がりを残す
- 1 ATTACK2時
- 2 TONE11時
- 3 SUSTAIN10時
- 4 VOLUME11時
- 5 BLEND12時
- 6 BOOST9時
BOOSTはOFFで調整。BOOSTモードはFLATを選ぶ提案。
SUSTAINを上げすぎず、BLENDで元の音を戻します。BOOSTを使うときは少ない量から音量差を確認してください。本人が全公演で同じつまみ位置を使うという意味ではありません。
counter clockwise for fast attack, clockwise for slower attack.日本語訳:ATTACKは左へ回すと速く、右へ回すと遅く反応します。
出典:Wampler Cory Wong Compressor取扱説明書(英語)。
10. Neural DSP Quad Cortex
2024年の構成で、アンプの音と複数の効果をまとめて処理する機材です。足スイッチは回して値を変える操作も兼ね、画面に合わせて役割が変わります。時計位置をまねするより、表示されるアンプ・効果・経路を確認する必要があります。
2024年夏の取材では、当時開発中だったArchetype: Cory Wongの内容を使い、アンプを組み合わせています。その時点の試作内容を、現在ダウンロードできる本人プリセットと決めつけないことが大切です。外部ループに入れるペダルの音量差をそろえ、その前後で出力が急に変わらないかを確かめてください。
Capture, share and download your favorite rigs’ sounds.日本語訳:気に入った機材の音を取り込み、共有し、ダウンロードできます。
出典:Neural DSP Quad Cortex公式製品情報(英語)。
11. HOTONE Wong Press
Soul Press IIを基に、本人が求めるワウのQと音量の変わり方を調整したシグネチャーです。2024年夏の本人取材で使用を確認できます。ワウと音量、外部機器の操作を1台で分けて使えます。
本体のQ、TONE、MODEを確認します。ワウの変化を鋭く目立たせるか、なだらかにするかをQで調整します。図は側面Qのみを示し、TONEはCLASSIC、MODEはWを選ぶ提案です。
Wong Press:コードの音域を足で動かす
- 1 Q12時
側面Qのみ。MODE=W、TONE=CLASSIC。踏み板を戻す位置も音を聴いて合わせる。
Cory’s custom volume curve and wah Q control日本語訳:本人仕様の音量カーブと、ワウのQを調整する操作部を備えます。
出典:HOTONE Wong Press公式製品情報(英語)。
コンプレッサーを調整する順序
本人と同じコンプレッサーを手にしたら、まず弦へ触れた瞬間の音と音量差を聴き分けます。次は記事の図を調整する順序です。
圧縮をかけ続けるときの調整はコンプレッサーをかけっぱなしにする設定と注意点でも説明しています。強弱が消えすぎるときの見直しに使えます。
よくある質問
- Cory WongはEgo Compressorと専用モデルのどちらを使いますか?
- 2022年の取材ではEgo Compressor、2024年の取材ではCory Wong Compressorを確認できます。使用時期を分けて考えると、同じボードに常に2台を並べていると誤解せずに済みます。
- Cory WongのSub ’N’ UpはMINIですか?
- 2022年のPremier Guitar掲載写真では、DRY、SUB、UPの3ノブを備えたSub ’N’ Up MINIを確認できます。
- 2024年の来日公演でエフェクターが少ないのはなぜですか?
- 機材取材では、輸送中にメインボードが破損したため、Soul Press IIとQuad Cortexで対応したと説明されています。通常のメインボードとは別の構成です。
- 記事のセッティングは本人の実設定ですか?
- 本人が公開したつまみの実設定ではなく、実機の操作部に合わせた記事の提案です。使用時期・機種の確認と、つまみ位置の提案を分けて掲載しています。
Tom Mischの使用機材と比べる
フィルターや音程の揺れを取り入れる別の構成なら、Tom Mischの使用エフェクター・機材まとめへ。本人公開のボードを見ながら、圧縮やワウ中心の構成と、ローファイ系やルーパーを含む構成を比べられます。
2n3565_tokyo 










