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ジョンメイヤーの歪み系エフェクター32選|OD・ファズ・コンプ

ジョンメイヤーの歪み系エフェクター32選

この記事は、John Mayer(ジョンメイヤー)が使用したエフェクター全67機種を役割別に分けた前編です。前編では歪み、ブースター、コンプレッサーの32機種を紹介します。

前編では、オーバードライブ、ファズ、ディストーション、ブースター、コンプレッサーなど、ジョンメイヤーの音作りの土台になるエフェクターを中心にまとめています。

ディレイ、モジュレーション、リバーブ、ワウ、EQ、ルーパー、マルチエフェクトは後編で解説しています。

後編:ディレイ・モジュレーション・空間系はこちら

現代の3大ギタリストの一人、ジョン・メイヤー。彼のサウンドは、ブルースに根差しながらも、ポップスやソウルフルなフィーリングを併せ持つ、極めて繊細かつ表現力豊かなトーンで知られています。その代表的な音には、ヴィンテージエフェクターとブティック系エフェクターを載せたエフェクターボードが使われています。この記事では、全67機種のうち前編に該当する32機種を、歪み、ブースター、コンプレッサーに分けて紹介します。ディレイやモジュレーションなど後編の35機種は、一覧から重複掲載せず後編へ集約しました。

歪み・ブースター・コンプ32機種一覧

彼のサウンドを彩る膨大なエフェクター群を一覧にまとめました。機種名をクリックすると、各エフェクターの詳細解説へジャンプします。

機種名メーカーカテゴリー備考(主な使用時期・楽曲)
Klon Centaur OverdriveKlonオーバードライブ彼の代表的な使用機材。ほぼ常時ON。「Gravity」等。
Marshall BluesbreakerMarshallオーバードライブContinuum期のローゲインサウンド。「Slow Dancing…」等。
Analog Man King of ToneAnalog ManオーバードライブBluesbreaker系の発展形。近年のメインドライブ。
Ibanez TS10 Tube ScreamerIbanezオーバードライブキャリア初期のメインドライブ。「Good Love Is on the Way」。
Keeley BD-2 Blues Driver ModKeeley / Bossオーバードライブブルージーで各弦の音を聞き取りやすいドライブ。「Bold as Love」等。
JHS The BonsaiJHS Pedalsオーバードライブ歴代TS系サウンドを網羅。ソロなどで使用。「Gravity」。
Fulltone Full-Drive 2 MosfetFulltoneオーバードライブContinuum期。「Belief」「Gravity」等。
J. Rockett Archer “The Jeff”J. Rockett AudioオーバードライブKlon Centaurの代替・クローンとして使用。「Vultures」。
Ibanez TS808 Tube ScreamerIbanezオーバードライブ定番のオーバードライブ。「Slow Dancing…」「Gravity」。
Ibanez TS9 Tube ScreamerIbanezオーバードライブクラシックなオーバードライブ。「Who Did You Think I Was」。
Way Huge Pork LoinWay Hugeオーバードライブクリーンブレンド可能なドライブ。「Slow Dancing…」。
Way Huge Red LlamaWay HugeオーバードライブODとディストーションの中間。「Vultures」。
Way Huge Green Rhino MkIIWay Hugeオーバードライブ低音を強調したサウンド。「Belief」。
Way Huge Camel ToeWay Hugeオーバードライブトリプルオーバードライブ。「Good Love Is on the Way」。
Keeley Tone WorkstationKeeleyオーバードライブODとコンプの一体型。「Gravity」。
’69 FuzzFulltoneファズヴィンテージファズフェイス系。「Who Did You Think I Was」。
Cornish NG-2 FuzzPete Cornishファズ低中音域が多いファズ。「Good Love Is On The Way」。
Tycobrahe OctaviaTycobraheファズオクターブアップファズ。「Who Did You Think I Was」。
JHS Supreme FuzzJHS Pedalsファズ強烈なファズ。「I Don’t Trust Myself…」。
Way Huge Foot PigWay Hugeファズ強烈なサチュレーション。「Who Did You Think I Was」。
Way Huge Swollen PickleWay Hugeファズ太く強烈なディストーション。「Belief」。
Way Huge SasquatchWay Hugeファズレアなカスタムエフェクター。
MXR Distortion+MXRディストーションクラシックなディストーション。「Crossroads」等。
Keeley Katana BoostKeeleyブースター彼の代名詞的クリーンブースター。「Belief」等。
JHS BOX IT LATERJHS Pedalsブースターライブセットで使用されるクリーンブースト。
Coriolis Kirkland Bulk BoostCoriolis Effectsブースターライブでのソロプレイを際立たせるカスタムブースト。
Way Huge Angry TrollWay Hugeブースターソロ時に音量を増強するブースト。
Sabbadius Mr White BoosterSabbadiusブースター音量とアタックを強化。「Who Did You Think I Was」。
JHS PrestigeJHS Pedalsブースターギターの音量と中音域を上げるブースト。「Crossroads」。
Origin Effects Cali76Origin Effectsコンプレッサースタジオ品質のコンプレッション。近年のボードの定番。
Strymon OB.1Strymonコンプレッサークリーンで繊細なトーンを維持。「Slow Dancing…」。
Analog Man 2 Knob CompressorAnalog Manコンプレッサー各弦を聞き取りやすい音を実現。「Bold as Love」。

John Mayerの使用エフェクター詳細解説(前編)

オーバードライブ (Overdrive)

Klon Centaur Overdrive

ジョン・メイヤーのサウンドを語る上で絶対に欠かせない、伝説のオーバードライブ。彼はこれを単なる歪み系エフェクターとしてではなく、常時ON、あるいはそれに近い状態で使用する「魔法のバッファー/プリアンプ」として活用しています。Gainをほぼ0にし、Outputを上げてアンプへの入力を強くする設定が紹介されています。「Gravity」「Vultures」などに関連する使用機材として、このエフェクターが紹介されています。

設定例 (クリーンブースト):GAIN: 9時 / TREBLE: 1時 / OUTPUT: 2時

オリジナルは天文学的な価格で取引されていますが、サウンドを再現した優れたクローンエフェクターが多数存在します。

Marshall Bluesbreaker (Original)

アルバムContinuum期の彼のサウンドを支えたもう一つの重要なエフェクター。Klon Centaurがほとんど歪んでいない音の基礎を作るのに対し、Bluesbreakerは高音域の角が強く出にくい軽い歪みを加えます。アンプライクな反応性が特徴で、ピッキングの強弱でクリーンからクランチまでを自在にコントロールする彼のプレイスタイルに合います。「Slow Dancing in a Burning Room」のライブバージョンなどでそのサウンドを聴くできます。

設定例:GAIN: 2時 / TONE: 2時 / LEVEL: 12時

Analog Man King of Tone Overdrive

上記のMarshall Bluesbreakerの回路をベースに、さらに改良を加えたブティックエフェクター。2つのチャンネルを持ち、片方をクランチ、もう片方をリード用のブーストとして設定するなど、多彩な音作りが可能です。近年のライブパフォーマンスではメインのドライブエフェクターとして活躍しており、「Belief」のようなクリーントーンからオーバードライブまで、幅広い音色をこの一台でカバーしています。

オリジナルは入手困難ですが、サウンドを再現したクローンエフェクターも人気です。

Ibanez TS10 Tube Screamer Classic

キャリア初期、特にJohn Mayer Trio時代に多用されたヴィンテージオーバードライブ。スティーヴィー・レイ・ヴォーンからの影響を色濃く感じさせる選択です。中音域を強める傾向があり、Fender系アンプと組み合わせると低中音域が増え、単音を伸ばしやすくなります。「Good Love Is on the Way」などで、そのアグレッシブなサウンドを聴くできます。

Keeley Boss BD-2 Blues Driver “Phat” Mod

Robert Keeleyによって改造されたBD-2。ノーマルのBD-2よりもレンジが広く、特に低音域が豊かになる「Phatスイッチ」が特徴です。ジョンはこれを、「Bold as Love」のカバーや「Neon」などで使用し、ブルースの枠を超えた各弦の音を聞き取りやすくダイナミックなドライブトーンを得ています。

KeeleyのMODモデルは現在入手困難ですが、現行のBOSS BD-2や、そのアップグレード版である技WAZA CRAFTシリーズも素晴らしいエフェクターです。

JHS The Bonsai

9種類のクラシックなチューブスクリーマーの回路を1台に収めた画期的なエフェクター。TS10やTS808などのモードを切り替えられます。彼の歴代TSエフェクターへのリスペクトと、サウンドへの探究心を満たす一台です。

Fulltone Full-Drive 2 Mosfet

Continuum期に使用された、2チャンネル仕様のオーバードライブです。MOSFETスイッチにより、弾く強さに応じて音量や歪み方が変わりやすいモデルです。「Belief」「Gravity」で使用されました。ブーストチャンネルを使い、バッキングとソロで音量を切り替えられます。

J. Rockett Archer “The Jeff” Mod

Klon Centaurのサウンドを追求したクローンエフェクターの一つ。特にギタリスト、ジェフ・ベックの好みに合わせて調整されたモデルです。ジョンは「Vultures」などで、オリジナルのCentaurの代替として、あるいは異なる音域の傾向を求めて使用しました。本家に忠実でありながら、独自の解釈も加えられた透き通るようなサウンドが特徴です。

Ibanez TS808 Tube Screamer

Ibanez TS808は、1979年に発売されたオーバードライブです。ジョンは「Slow Dancing in a Burning Room」「Gravity」といった楽曲で使用し、中音域を強めています。TS10より高音域が控えめで、ブルースやポップスでも使えます。

Ibanez TS9 Tube Screamer

TS808と並び称される定番オーバードライブ。TS808よりもやや硬質で、エッジの効いたサウンドが特徴です。ジョンは「Who Did You Think I Was」のライブなどで、よりロック色の強いアプローチをしたい時にこのエフェクターを選択しています。

Way Huge Pork Loin

クリーンサウンドをブレンドできるユニークなオーバードライブ。歪ませても中音域が減りにくく、ピッキングの強弱やギター本来の音色を残しやすい設定です。ジョンは「Slow Dancing in a Burning Room」などで、このエフェクターの特性を活かして深みのあるドライブサウンドを構築しています。

Way Huge Red Llama

オーバードライブとディストーションの中間に位置するような、荒々しいサウンドが特徴のエフェクター。「Vultures」のレコーディングで使用され、楽曲のスリリングな雰囲気を演出しています。シンプルなコントロールながら、ダイナミックな歪みを生み出します。

Way Huge Green Rhino MkII Overdrive

TS系をベースに、より幅広いトーンシェイピングを可能にしたオーバードライブ。特に100Hzの帯域を調整するノブが特徴で、低音域を強調したパワフルなサウンドメイクが可能です。ジョンは「Belief」などで、そのユニークなサウンドを活用しました。

Way Huge Camel Toe Triple Overdrive MkII

Red LlamaとGreen Rhinoという、強くなる音域が異なる2つのオーバードライブを1台に収めた贅沢なエフェクター。「Good Love Is on the Way」などで使用され、2つの歪みを組み合わせることで、ワイドレンジで複雑なオーバードライブサウンドを作り出しています。

Keeley Tone Workstation

KeeleyのBD-2 Mod、Katana Boost、コンプレッサーを1台にまとめたエフェクターです。「Gravity」のライブなどで、ボードをシンプルにまとめつつも妥協のないサウンドを求める場面で使用されました。ジョンの好むトーンが詰まった一台です。

ファズ (Fuzz)

’69 Fuzz

60年代後半のヴィンテージDallas-Arbiter Fuzz Faceのサウンドを再現したエフェクター。ゲルマニウムトランジスタを使い、高音域の角が強く出にくいファズです。ギターのボリュームへの追従性が高く、手元でクリーンから激しいファズまでコントロール可能。「Who Did You Think I Was」のライブで、その実力を発揮しています。

Cornish NG-2 Fuzz

アンプビルダー/エフェクトデザイナーであるピート・コーニッシュによるハイエンドなファズ。ノイズを抑えながら、低中音域と中音域を補える設計です。ジョンは「Good Love Is On The Way」で、サステイン豊かでクリーミーなファズサウンドを得るために使用しました。

https://graphtronix.com/stomp-box/pete-cornish-n-g-fuzz/

Tycobrahe Octavia

弾いた音の1オクターブ上の倍音を加えて出力する、オクターブファズの元祖。ジミ・ヘンドリックスの使用で有名です。ジョンは「Who Did You Think I Was」のソロなどで、このエフェクターを使い、叫ぶような強烈なインパクトを持つリードトーンを生み出しています。

オリジナルは超希少ですが、MXRなどから優れたリイシューモデルが販売されています。

JHS Legends of Fuzz Series Supreme

1972年のUnivox Super-Fuzzを再現したエフェクター。荒々しく、アッパーオクターブを含んだ強烈なファズサウンドが特徴です。ジョンは「I Don’t Trust Myself (With Loving You)」のライブで、楽曲の持つダークでセクシーな雰囲気を、このファズでさらに増幅させています。

Way Huge Foot Pig

Way Hugeによるレアなファズ。その詳細はあまり知られていませんが、「Who Did You Think I Was」のセッションなどで使用されたとされています。強烈なサチュレーション感を持つ、個性的なサウンドだったと推測されます。

Way Huge Swollen Pickle MKII Jumbo Fuzz

Big Muff系の回路をベースに、より多彩な音作りを可能にしたファズ。太く強烈なディストーションサウンドから、スクープされたドンシャリ音まで、内部のトリマーと合わせて細かく調整できます。ジョンは「Belief」などで、そのパワフルなサウンドを活用しました。

Way Huge Sasquatch

その名の通り、目撃情報がほとんどない幻のファズ。Jeorge Trippsがジョンのためにカスタムメイドした可能性がある、レアな一台です。そのサウンドは謎に包まれています。

https://www.tumblr.com/wayhugeelectronics/158193798667/the-way-huge-sasquatcha-rare-and-reclusive-pedal

ディストーション (Distortion)

MXR M104 Distortion+

70年代から多くのギタリストに愛されてきた、クラシックなディストーションエフェクター。オーバードライブとファズの中間にあたる歪みで、高音域の角が強く出にくく、弦を弾いた直後の音はっきりしています。ジョンは「Crossroads」のカバーなどで、ブルースロックのフィーリングを出すために使用しています。

ブースター (Booster)

Keeley Katana Boost

ジョン・メイヤーのエフェクターボードに頻繁に登場する、クリーンブースター。その名の通り、サウンドを刀のように鋭く、各弦の音を聞き取りやすくブーストします。本人は、アンプや後ろにつないだ歪み系エフェクターへの入力を強くし、歪み量と音の伸びを増やすために使用しています。「Belief」では、歪みを抑えながら中音域と音量を補う用途で使われています。

設定例:ノブをプルしたクリーンブーストモードで、ボリュームは12時〜3時方向。

現在はよりコンパクトになったミニバージョンが主流です。

JHS BOX IT LATER

最近のライブセットで使用が確認されたブーストエフェクター。その詳細はまだ多くありませんが、JHSの定評あるクリーンで元のギターとアンプの音を大きく変えにくいブーストを提供し、サウンド全体を元のギターとアンプの音を大きく変えにくいに持ち上げる役割を担っていると考えられます。

https://www.instagram.com/johnmayergear/p/C30XwlNud4U/?img_index=1

Coriolis Effects Kirkland Bulk Boost

ジョンのためにカスタムメイドされたと思われる、レアなブーストエフェクター。その名の通り、サウンドに「バルク(かさ)」を与え、特にソロプレイでギターの音を際立たせるために活用されています。一般販売はされていないようです。

https://www.corioliseffects.com/shop/p/kirklandbulkboost

Way Huge WHE101 Angry Troll

50年代のヴィンテージコンソールプリアンプからインスパイアされた、個性的なブーストエフェクター。ボリュームを上げるだけでなく、サウンドに倍音とサチュレーション感を加えられます。ライブでは、ソロの音量と歪み量を上げる用途で使われています。

Sabbadius Mr White Booster

アルゼンチンのハンドメイドエフェクターブランドによるクリーンブースター。原音を全く変えずに、ピュアに音量だけを持ち上げることに特化しています。ジョンは「Who Did You Think I Was」のライブなどで、ギターの持つダイナミクスやアタックを失わずにブーストしたい場面で使用しています。

https://ameblo.jp/buy-japan/entry-11282594910.html

JHS Prestige

シンプルなワンノブ仕様ながら、ブースター、バッファー、エンハンサーとして機能する多目的ツール。ノブを絞ればバッファーとして、上げるにつれてクリーンブースト、さらに上げると元のギターとアンプの音を大きく変えにくいサチュレーションが得られます。ジョンは「Crossroads」などのライブで、ギターの音量と中音域を上げるために使用しています。

コンプレッサー (Compressor)

Origin Effects Cali76 Compact Deluxe

スタジオコンプレッサー「UREI 1176」のサウンドをエフェクターサイズで再現したハイエンドモデル。強く弾いた音と弱く弾いた音の差を抑えながら、ピッキングの強弱を残せるように調整できます。近年のエフェクターボードでも確認され、「Who Did You Think I Was」のライブなどで使用されています。弦を弾いた直後の音をそろえるコンプレッサーです。

Strymon OB.1 Optical Compressor and Clean Boost

光学式(オプティカル)のコンプレッサーとクリーンブースターを組み合わせたエフェクター。弦を弾いた直後の音を潰しすぎず、元のギターとアンプの音を大きく変えにくいコンプレッションが特徴です。ジョンは「Slow Dancing in a Burning Room」のような楽曲で、繊細なアルペジオやクリーントーンのサステインを伸ばし、美しく響かせるために使用しました。

現在は後継機種として「Compadre」がリリースされています。

Analog Man 2 Knob Small Compressor

Rossコンプレッサーをベースに改良を加えた、ブティックコンプレッサーの定番。歪み量が少なく、高音域の角が強く出にくい音です。ジョンは「Bold as Love」などの楽曲で、ピッキングの強弱を残しつつ、音量差を整えるためにこのエフェクターを使用しています。

https://www.buyanalogman.com/2_Knob_Small_Comprossor_p/am-2-knob-small-comprossor.htm

後編はこちら

ここまでが前編です。後編では、John Mayerサウンドの反復音や残響の広がりを作るディレイ、Uni-Vibe系モジュレーション、リバーブ、ワウ、EQ、ルーパー、マルチエフェクトを解説しています。

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