ジョン・メイヤーの魔法のサウンドを解剖する:歴代使用エフェクター66選 完全ガイド
現代の3大ギタリストの一人、ジョン・メイヤー。彼のサウンドは、ブルースに根差しながらも、ポップスやソウルフルなフィーリングを併せ持つ、極めて繊細かつ表現力豊かなトーンで知られています。そのサウンドの核となっているのが、伝説的なヴィンテージペダルから最新のブティック系ペダルまで、こだわり抜かれたエフェクターボードです。この記事では、彼のサウンドを構成する78種類もの代表的なエフェクターを、使用時期や楽曲、そして具体的なセッティング例を交えて徹底的に解説します。
John Mayer 使用エフェクター一覧表
彼のサウンドを彩る膨大なエフェクター群を一覧にまとめました。機種名をクリックすると、各エフェクターの詳細解説へジャンプします。
機種名 | メーカー | カテゴリー | 備考(主な使用時期・楽曲) |
---|---|---|---|
Klon Centaur Overdrive | Klon | オーバードライブ | 彼のサウンドの核。ほぼ常時ON。「Gravity」等。 |
Marshall Bluesbreaker | Marshall | オーバードライブ | Continuum期のローゲインサウンド。「Slow Dancing…」等。 |
Analog Man King of Tone | Analog Man | オーバードライブ | Bluesbreaker系の発展形。近年のメインドライブ。 |
Ibanez TS10 Tube Screamer | Ibanez | オーバードライブ | キャリア初期のメインドライブ。「Good Love Is on the Way」。 |
Keeley BD-2 Blues Driver Mod | Keeley / Boss | オーバードライブ | ブルージーでクリアなドライブ。「Bold as Love」等。 |
JHS The Bonsai | JHS Pedals | オーバードライブ | 歴代TS系サウンドを網羅。ソロなどで使用。「Gravity」。 |
Fulltone Full-Drive 2 Mosfet | Fulltone | オーバードライブ | Continuum期。「Belief」「Gravity」等。 |
J. Rockett Archer “The Jeff” | J. Rockett Audio | オーバードライブ | Klon Centaurの代替・クローンとして使用。「Vultures」。 |
Ibanez TS808 Tube Screamer | Ibanez | オーバードライブ | 定番のオーバードライブ。「Slow Dancing…」「Gravity」。 |
Ibanez TS9 Tube Screamer | Ibanez | オーバードライブ | クラシックなオーバードライブ。「Who Did You Think I Was」。 |
Way Huge Pork Loin | Way Huge | オーバードライブ | クリーンブレンド可能なドライブ。「Slow Dancing…」。 |
Way Huge Red Llama | Way Huge | オーバードライブ | ODとディストーションの中間。「Vultures」。 |
Way Huge Green Rhino MkII | Way Huge | オーバードライブ | 低音を強調したサウンド。「Belief」。 |
Way Huge Camel Toe | Way Huge | オーバードライブ | トリプルオーバードライブ。「Good Love Is on the Way」。 |
Keeley Tone Workstation | Keeley | オーバードライブ | ODとコンプの一体型。「Gravity」。 |
’69 Fuzz | Fulltone | ファズ | ヴィンテージファズフェイス系。「Who Did You Think I Was」。 |
Cornish NG-2 Fuzz | Pete Cornish | ファズ | 太くリッチなファズサウンド。「Good Love Is On The Way」。 |
Tycobrahe Octavia | Tycobrahe | ファズ | オクターブアップファズ。「Who Did You Think I Was」。 |
JHS Supreme Fuzz | JHS Pedals | ファズ | 強烈なファズ。「I Don’t Trust Myself…」。 |
Way Huge Foot Pig | Way Huge | ファズ | 強烈なサチュレーション。「Who Did You Think I Was」。 |
Way Huge Swollen Pickle | Way Huge | ファズ | 太く強烈なディストーション。「Belief」。 |
Way Huge Sasquatch | Way Huge | ファズ | 非常にレアなカスタムペダル。 |
MXR Distortion+ | MXR | ディストーション | クラシックなディストーション。「Crossroads」等。 |
Keeley Katana Boost | Keeley | ブースター | 彼の代名詞的クリーンブースター。「Belief」等。 |
JHS BOX IT LATER | JHS Pedals | ブースター | ライブセットで使用されるクリーンブースト。 |
Coriolis Kirkland Bulk Boost | Coriolis Effects | ブースター | ライブでのソロプレイを際立たせるカスタムブースト。 |
Way Huge Angry Troll | Way Huge | ブースター | ソロ時に音圧を増強するブースト。 |
Sabbadius Mr White Booster | Sabbadius | ブースター | 音量とアタックを強化。「Who Did You Think I Was」。 |
JHS Prestige | JHS Pedals | ブースター | ギター音を前面に押し出すブースト。「Crossroads」。 |
Origin Effects Cali76 | Origin Effects | コンプレッサー | スタジオ品質のコンプレッション。近年のボードの定番。 |
Strymon OB.1 | Strymon | コンプレッサー | クリーンで繊細なトーンを維持。「Slow Dancing…」。 |
Analog Man 2 Knob Compressor | Analog Man | コンプレッサー | クリアなサウンドを実現。「Bold as Love」。 |
Way Huge Aqua-Puss | Way Huge | ディレイ | 彼の隠し味。スラップバックディレイの定番。 |
Strymon TimeLine | Strymon | ディレイ | ライブでの多彩なディレイサウンドをカバー。 |
Dunlop Echoplex Delay EP103 | Dunlop | ディレイ | ヴィンテージなテープエコーサウンド。「In Repair」。 |
Boss RE-20 Space Echo | Boss | ディレイ | 空間的なテープエコーシミュレーター。「I Don’t Trust Myself…」。 |
Strymon Volante | Strymon | ディレイ | アナログテープエコーを再現。「Born and Raised」。 |
Boss DM-101 Delay Machine | Boss | ディレイ | 最新型のアナログディレイ。「I Guess I Just Feel Like」。 |
MXR Carbon Copy | MXR | ディレイ | 広がりのあるリードサウンドをサポート。「Gravity」。 |
T-Rex Replica | T-Rex | ディレイ | タップテンポ対応のクリアなディレイ。「Slow Dancing…」。 |
Line 6 DL4 Delay Modeler | Line 6 | ディレイ | 多機能なディレイ。「Who Did You Think I Was」。 |
Way Huge Supa-Puss | Way Huge | ディレイ | タップテンポ付きアナログディレイ。「In Repair」。 |
Dawner Prince Boonar | Dawner Prince | ディレイ | テープエコーのビンテージ感を再現。「If I Ever Get Around…」。 |
Eventide TimeFactor | Eventide | ディレイ | ステレオディレイ。「Edge of Desire」。 |
Univox U-915 Uni-Vibe | Univox | ユニバイブ | ジミヘン直系のサウンド。「Bold as Love」「Vultures」。 |
Drybell Vibe Machine V-2 | Drybell | ユニバイブ | 独特なサウンドを支えるビブラート。「Bold as Love」。 |
Fulltone Mini DejaVibe | Fulltone | ユニバイブ | 滑らかなモジュレーション。「Good Love Is On The Way」。 |
MXR Phase 90 | MXR | フェイザー | ウォームでスムーズなモジュレーション。「Who Did You Think I Was」。 |
MXR EVH90 Phase 90 | MXR | フェイザー | 強烈なフェイザー効果。「Crossroads」。 |
MXR Script Phase 90 | MXR | フェイザー | クラシックなフェイザー効果。「Slow Dancing…」。 |
Boss CE-2 Chorus | Boss | コーラス | 80’sサウンドに不可欠。「Last Train Home」。 |
Way Huge Blue Hippo | Way Huge | コーラス | 厚みのあるコーラス。「Belief」。 |
Chase Bliss Warped Vinyl | Chase Bliss Audio | コーラス | 独特なアナログコーラス。「Edge of Desire」。 |
Red Witch Empress Chorus | Red Witch | コーラス | 滑らかでリッチなコーラス。ライブで使用。 |
Strymon Flint | Strymon | リバーブ/トレモロ | リバーブとトレモロの定番。「Slow Dancing…」。 |
Neunaber Slate v2 | Neunaber | リバーブ/モジュレーション | 独特なモジュレーション。「Born and Raised」。 |
Xotic XW-1 Wah | Xotic | ワウ | 多機能で高品位なワウペダル。近年のメイン。 |
Dunlop MC404 CAE Wah | Dunlop | ワウ | 滑らかで幅広いサウンド。「Vultures」。 |
Fulltone CLYDE Standard Wah | Fulltone | ワウ | クラシックワウ。「Gravity」。 |
Real McCoy Custom RMC8 | RMC | ワウ | トーンシェイピングに貢献。「Slow Dancing…」ライブ。 |
Boss GE-7 Equalizer | Boss | イコライザー | トーンの微調整に使用。「Gravity」等。 |
MXR M-108 Ten Band EQ | MXR | イコライザー | 精密なサウンド調整。ライブセットで使用。 |
TC Electronic Ditto X2 Looper | TC Electronic | ルーパー | ソロギグでの即興演奏で使用。 |
Boomerang Phrase Sampler | Boomerang | ルーパー | 複数のトラックを重ねる。「Gravity」「In Repair」。 |
Boss RC-500 Loop Station | Boss | ルーパー | 最新ツアーで使用される高機能ルーパー。 |
Roger Linn AdrenaLinn III | Roger Linn | マルチエフェクト | 彼のシグネチャーサウンドの心臓部。「I Don’t Trust Myself…」 |
Fractal FM9 | Fractal Audio | マルチエフェクト | 最新ライブセットアップの核。デジタルモデリング。 |
John Mayerの使用エフェクター詳細解説(前編)
オーバードライブ (Overdrive)
Klon Centaur Overdrive
ジョン・メイヤーのサウンドを語る上で絶対に欠かせない、伝説のオーバードライブ。彼はこれを単なる歪みペダルとしてではなく、常時ON、あるいはそれに近い状態で使用する「魔法のバッファー/プリアンプ」として活用しています。ゲインをほぼゼロに設定し、太く艶やかなクリーンサウンドの土台を作り、アンプを心地よくプッシュするのが彼の基本的な使い方です。「Gravity」や「Vultures」などで聴ける、あの鈴鳴りのする美しいクリーントーンの根幹には、常にこのペダルが存在します。
セッティング例 (クリーンブースト):GAIN: 9時 / TREBLE: 1時 / OUTPUT: 2時
オリジナルは天文学的な価格で取引されていますが、サウンドを再現した優れたクローンペダルが多数存在します。
Marshall Bluesbreaker (Original)
アルバムContinuum期の彼のサウンドを支えたもう一つの重要なペダル。Klon Centaurがクリーンサウンドの基礎を作るのに対し、このBluesbreakerは温かみのあるローゲインなクランチサウンドを担当します。アンプライクな反応性が特徴で、ピッキングの強弱でクリーンからクランチまでを自在にコントロールする彼のプレイスタイルに完璧にマッチします。「Slow Dancing in a Burning Room」のライブバージョンなどでそのサウンドを聴くことができます。
セッティング例:GAIN: 2時 / TONE: 2時 / LEVEL: 12時
Analog Man King of Tone Overdrive
上記のMarshall Bluesbreakerの回路をベースに、さらに改良を加えたブティックペダル。2つのチャンネルを持ち、片方をクランチ、もう片方をリード用のブーストとして設定するなど、非常に多彩な音作りが可能です。近年のライブパフォーマンスではメインのドライブペダルとして活躍しており、「Belief」のようなクリーントーンからオーバードライブまで、幅広い音色をこの一台でカバーしています。
オリジナルは入手困難ですが、サウンドを再現したクローンペダルも人気です。
Ibanez TS10 Tube Screamer Classic
キャリア初期、特にJohn Mayer Trio時代に多用されたヴィンテージオーバードライブ。スティーヴィー・レイ・ヴォーンからの影響を色濃く感じさせる選択です。中音域を強くプッシュするサウンドが特徴で、フェンダー系アンプと組み合わせることで、太く粘りのあるブルーストーンを生み出します。「Good Love Is on the Way」などで、そのアグレッシブなサウンドを聴くことができます。
Keeley Boss BD-2 Blues Driver “Phat” Mod
Robert Keeleyによって改造されたBD-2。ノーマルのBD-2よりもレンジが広く、特に低音域が豊かになる「Phatスイッチ」が特徴です。ジョンはこれを、「Bold as Love」のカバーや「Neon」などで使用し、ブルースの枠を超えたクリアでダイナミックなドライブトーンを得ています。
KeeleyのMODモデルは現在入手困難ですが、現行のBOSS BD-2や、そのアップグレード版である技WAZA CRAFTシリーズも素晴らしいペダルです。
JHS The Bonsai
9種類のクラシックなチューブスクリーマーの回路を1台に収めた画期的なペダル。ジョンはTS10やTS808モードを好み、「Gravity」などのソロプレイで、楽曲の求めるニュアンスに応じて最適なTSサウンドを切り替えて使用しています。彼の歴代TSペダルへのリスペクトと、サウンドへの探究心を満たす一台です。
Fulltone Full-Drive 2 Mosfet
Continuum期に活躍した、2チャンネル仕様の万能オーバードライブ。MOSFETスイッチによるダイナミックレンジの広さが特徴で、「Belief」や「Gravity」での滑らかなドライブサウンドに貢献しています。ブーストチャンネルを活用し、一台でバッキングからソロまでカバーできる柔軟性も魅力です。
J. Rockett Archer “The Jeff” Mod
Klon Centaurのサウンドを追求したクローンペダルの一つ。特にギタリスト、ジェフ・ベックの好みに合わせて調整されたモデルです。ジョンは「Vultures」などで、オリジナルのCentaurの代替として、あるいは異なるキャラクターを求めて使用しました。本家に忠実でありながら、独自の解釈も加えられた透き通るようなサウンドが特徴です。
【国内正規品】 J. Rockett Audio Designs (JRAD) ギターエフェクター The Jeff Archer ザ・ジェフ・アーチ…
Ibanez TS808 Tube Screamer
オーバードライブの歴史における金字塔。ジョンは「Slow Dancing in a Burning Room」や「Gravity」といった楽曲で、このペダルのスムーズで歌心のある中音域を活かしています。TS10よりもマイルドで、ブルースからポップスまで幅広く対応できるサウンドが魅力です。
Ibanez TS9 Tube Screamer
TS808と並び称される定番オーバードライブ。TS808よりもやや硬質で、エッジの効いたサウンドが特徴です。ジョンは「Who Did You Think I Was」のライブなどで、よりロック色の強いアプローチをしたい時にこのペダルを選択しています。
Way Huge Pork Loin
クリーンサウンドをブレンドできるユニークなオーバードライブ。これにより、歪みの芯はありながらも、ピッキングのニュアンスやギター本来の音色を失わない、きめ細やかな音作りが可能です。ジョンは「Slow Dancing in a Burning Room」などで、このペダルの特性を活かして深みのあるドライブサウンドを構築しています。
Way Huge Red Llama
オーバードライブとディストーションの中間に位置するような、荒々しいサウンドが特徴のペダル。「Vultures」のレコーディングで使用され、楽曲のスリリングな雰囲気を演出しています。シンプルなコントロールながら、非常にダイナミックな歪みを生み出します。
WAY HUGE ウェイ ヒュージ レッド ラマ WM23 RED LLAMA OVERDRIVE MkIII オーバードライブ【国内正規品】
Way Huge Green Rhino MkII Overdrive
TS系をベースに、より幅広いトーンシェイピングを可能にしたオーバードライブ。特に100Hzの帯域を調整するノブが特徴で、低音域を強調したパワフルなサウンドメイクが可能です。ジョンは「Belief」などで、そのユニークなサウンドを活用しました。
Way Huge Camel Toe Triple Overdrive MkII
Red LlamaとGreen Rhinoという、キャラクターの異なる2つのオーバードライブを1台に収めた贅沢なペダル。「Good Love Is on the Way」などで使用され、2つの歪みを組み合わせることで、非常にワイドレンジで複雑なオーバードライブサウンドを作り出しています。
Keeley Tone Workstation
Keeleyの代表的なモディファイペダルであるBD-2 Mod、Katana Boost、そしてコンプレッサーを1台に集約した万能機。「Gravity」のライブなどで、ボードをシンプルにまとめつつも妥協のないサウンドを求める場面で使用されました。まさにジョンの好むトーンが詰まった一台です。
ファズ (Fuzz)
’69 Fuzz
60年代後半のヴィンテージDallas-Arbiter Fuzz Faceのサウンドを再現したペダル。ゲルマニウムトランジスタによる、温かく音楽的なファズサウンドが特徴です。ギターのボリュームへの追従性が非常に高く、手元でクリーンから激しいファズまでコントロール可能。「Who Did You Think I Was」のライブで、その実力を発揮しています。
Cornish NG-2 Fuzz
伝説的なアンプビルダー/エフェクトデザイナーであるピート・コーニッシュによるハイエンドなファズペダル。非常にノイズが少なく、太くリッチでありながらも、音の芯が失われないのが特徴です。ジョンは「Good Love Is On The Way」で、サステイン豊かでクリーミーなファズサウンドを得るために使用しました。
https://graphtronix.com/stomp-box/pete-cornish-n-g-fuzz/
Tycobrahe Octavia
弾いた音の1オクターブ上の倍音を加えて出力する、オクターブファズの元祖。ジミ・ヘンドリックスの使用で有名です。ジョンは「Who Did You Think I Was」のソロなどで、このペダルを使い、叫ぶような強烈なインパクトを持つリードトーンを生み出しています。
オリジナルは超希少ですが、MXRなどから優れたリイシューモデルが販売されています。
JHS Legends of Fuzz Series Supreme
1972年のUnivox Super-Fuzzを再現したペダル。荒々しく、アッパーオクターブを含んだ強烈なファズサウンドが特徴です。ジョンは「I Don’t Trust Myself (With Loving You)」のライブで、楽曲の持つダークでセクシーな雰囲気を、このファズでさらに増幅させています。
https://jhspedals.jp/guitar-pedals/3408
Way Huge Foot Pig
Way Hugeによる非常にレアなファズペダル。その詳細はあまり知られていませんが、「Who Did You Think I Was」のセッションなどで使用されたとされています。強烈なサチュレーション感を持つ、個性的なサウンドだったと推測されます。
Way Huge Swollen Pickle MKII Jumbo Fuzz
Big Muff系の回路をベースに、より多彩な音作りを可能にしたファズ。太く強烈なディストーションサウンドから、スクープされたドンシャリサウンドまで、内部のトリマーと合わせて細かく調整できます。ジョンは「Belief」などで、そのパワフルなサウンドを活用しました。
Way Huge Sasquatch
その名の通り、目撃情報がほとんどない幻のファズペダル。Jeorge Trippsがジョンのためにカスタムメイドした可能性がある、非常にレアな一台です。そのサウンドは謎に包まれています。
ディストーション (Distortion)
MXR M104 Distortion+
70年代から多くのギタリストに愛されてきた、クラシックなディストーションペダル。オーバードライブとファズの中間のような、ゲルマニウムダイオードによる温かみとバイト感のある歪みが特徴です。ジョンは「Crossroads」のカバーなどで、ブルースロックのフィーリングを出すために使用しています。
ブースター (Booster)
Keeley Katana Boost
ジョン・メイヤーのペダルボードに頻繁に登場する、伝説的なクリーンブースター。その名の通り、サウンドを刀のように鋭く、クリアにブーストします。彼はこれを、アンプや他のドライブペダルをプッシュしてゲインとサステインを得るために使用します。特に「Belief」のような楽曲で、クリーンでありながらも強い存在感を持つトーン作りに貢献しています。
セッティング例:ノブをプルしたクリーンブーストモードで、ボリュームは12時〜3時方向。
現在はよりコンパクトになったミニバージョンが主流です。
JHS BOX IT LATER
最近のライブセットで使用が確認されたブーストペダル。その詳細はまだ多くありませんが、JHSの定評あるクリーンで透明感のあるブーストを提供し、サウンド全体をナチュラルに持ち上げる役割を担っていると考えられます。
https://www.instagram.com/johnmayergear/p/C30XwlNud4U/?img_index=1
Coriolis Effects Kirkland Bulk Boost
ジョンのためにカスタムメイドされたと思われる、非常にレアなブーストペダル。その名の通り、サウンドに「バルク(かさ)」を与え、特にソロプレイでギターの音を際立たせるために活用されています。一般販売はされていないようです。
https://reverb.com/item/74364897-coriolis-effects-kirkland-bulk-boost
Way Huge WHE101 Angry Troll
50年代のヴィンテージコンソールプリアンプからインスパイアされた、個性的なブーストペダル。ボリュームを上げるだけでなく、サウンドに倍音とサチュレーション感を加えることができます。ライブパフォーマンスで、特にソロ時に音圧とアグレッシブさを増強するために使用されます。
Sabbadius Mr White Booster
アルゼンチンのハンドメイドペダルブランドによるクリーンブースター。原音を全く変えずに、ピュアに音量だけを持ち上げることに特化しています。ジョンは「Who Did You Think I Was」のライブなどで、ギターの持つダイナミクスやアタックを失わずにブーストしたい場面で使用しています。
https://ameblo.jp/buy-japan/entry-11282594910.html
JHS Prestige
シンプルなワンノブ仕様ながら、ブースター、バッファー、エンハンサーとして機能する多目的ツール。ノブを絞ればバッファーとして、上げるにつれてクリーンブースト、さらに上げるとナチュラルなサチュレーションが得られます。ジョンは「Crossroads」などのライブで、ギターサウンドを力強く前面に押し出すために使用しています。
コンプレッサー (Compressor)
Origin Effects Cali76 Compact Deluxe
伝説的なスタジオコンプレッサー「UREI 1176」のサウンドをペダルサイズで再現したハイエンドモデル。非常にナチュラルで音楽的なコンプレッションが特徴で、音の粒を揃えつつもダイナミクスを失いません。近年の彼のボードの定番であり、「Who Did You Think I Was」のライブなどで、クリーンでパンチのあるトーンを保つために不可欠な存在です。
Strymon OB.1 Optical Compressor and Clean Boost
光学式(オプティカル)のコンプレッサーとクリーンブースターを組み合わせたペダル。アタックを潰しすぎない、非常に滑らかで透明感のあるコンプレッションが特徴です。ジョンは「Slow Dancing in a Burning Room」のような楽曲で、繊細なアルペジオやクリーントーンのサステインを伸ばし、美しく響かせるために使用しました。
現在は後継機種として「Compadre」がリリースされています。
Analog Man 2 Knob Small Compressor
Rossコンプレッサーをベースに改良を加えた、ブティックコンプレッサーの定番。ナチュラルで温かみのあるサウンドが特徴です。ジョンは「Bold as Love」などの楽曲で、ピッキングのニュアンスを活かしつつ、サウンド全体をスムーズにまとめるためにこのペダルを使用しています。
https://www.buyanalogman.com/2_Knob_Small_Comprossor_p/am-2-knob-small-comprossor.htm