ローリー寺西とは?
グラム~歌謡まで縦横無尽に跨ぐエンターテイナー、ROLLY(旧名:ローリー寺西)。80~90年代にすかんちで脚光を浴び、以降はソロ、舞台、映画吹替まで幅広く活動。ギターとショーマンシップを同居させる稀有な存在です(プロフィール:Wikipedia/公式サイト)。
どんなギターやアンプを使っているのか
メインは翼ギター工房(Tsubasa Guitar Works)製「テトラトキャスター」。24F・サステナー・キルスイッチ等を積んだ“舞台仕様”の1本で、Crate Vintage Club 30を中心に運用するのが近年の基本セットと公開されています(八橋義幸氏・機材解説)。Crate VC30はEL84×4の30WクラスA設計で、ペダルのノリが良く“直結+足下で彩る”ROLLY流に合致します(参考スペック:ショップ解説)。
どんなサウンドが特徴か
最大の核は「ギターでショウを演出する」姿勢! ピッチ系やリングモジュレータで音を“喋らせ”、ワウ/ビブラートで歌心を押し出し、アナログ/デジタル両ディレイで奥行きを制御。ピッキング主体のクランチをODで押し出す一方、ピッチシフトやサイレン効果で観客の視線を奪う、楽曲×演目の両立型です(PS-6やボード構成の言及:Ethmusica/note)。
ローリー寺西の使用エフェクター10選まとめ
機種名 | メーカー名 | カテゴリー | 備考 |
---|---|---|---|
BOSS PS-6 Harmonist | BOSS | ピッチ/ハーモナイザー | S-BENDで“サイレン芸”。2010年代後半〜現在のライブで中核 |
Neotenic Sound “The Buff” | Neotenic Sound | バッファ | 前段配置で追従性UP。ピッチ系や空間系との相性◎ |
Gamechanger Audio Bigsby Pedal | Gamechanger Audio | ピッチ/ビブラート(表現ペダル) | 2023年頃〜導入確認。バラードの“溶ける揺れ”に好相性 |
Maxon Super Tube Screamer(ST-9) | Maxon | オーバードライブ | 中域の押し出しで常時ON運用が定番 |
Shin-ei Companion FY-2 Fuzz | Shin-ei | ファズ | 初期すかんち期にSE/ブレイク要員として推定使用 |
BOSS DM-2 / DM-2W | BOSS | アナログ・ディレイ | スラップ〜400msで“温かい影”を付与 |
Maxon Digital Delay(DD-1000) | Maxon | デジタル・ディレイ | 長秒/霞がかった空間。90s〜2000sの録音/舞台で活躍 |
Electro-Harmonix Ring Modulator | Electro-Harmonix | リング・モジュレーター | “喋るギター”演出。バラエティ/劇伴的SEに有効 |
MXR Carbon Copy Analog Delay | MXR | アナログ・ディレイ | 最大約600ms。歌伴で浅い残響を常時ONしやすい |
Hotone Soul Press | Hotone Audio | ワウ/ボリューム/EXP | ミニ筐体で3役。省スペースで表現力を確保 |
BOSS PS-6 Harmonist
どんなエフェクター?
PS-6はハーモニー/ピッチ/ディチューン/S-BENDの4モードを1台に統合したピッチ系の定番! 特にS-BENDは最大±4オクターブの瞬間ピッチ・ダイブ/ライズが可能で、ワンアクションでサイレン級の効果音から極端なソロの跳躍まで演出できます(製品概要:Premier Guitar)。
どんな曲に使用された?いつ頃?
推定:ライブの“サイレン芸”で中低音をピッキング→踏み込み全開→戻す一連の操作を多用。2010年代後半~現在のボード解説でもPS-6が実名で挙がっており、ソロ・コーナーや間奏の見せ場でS-BENDを軸に使うケースが多いと考えられます(ボード記載:Ethmusica/操作性の解説:Premier Guitar)。
他の著名ユーザー
S-BENDの大胆な飛び道具性から、セッション系やYouTuberデモでも定番。表現ペダル併用で“手元+足元”の二段変化が作れるのが受けており、ピッチの瞬間移動を多用するプレイヤーに広く支持されています(機能要点:Premier Guitar)。
Neotenic Sound “The Buff”
どんなエフェクター?
国産ハンドメイドの高品位バッファ。ギター信号をローインピーダンス化し、長い配線や多段ペダルでも高域抜けとダイナミクスをキープ! ピッチ系や空間系の前段で使うと追従性が上がり、ローリーのような“大技系”でも音像が痩せません。
大阪で作られているメーカーのようですが、すでに生産をしていないのかなかなか見かけません。
どんな曲に使用された?いつ頃?
推定:PS-6の手前に置かれることが多く、2010年代後半~現在のライブで“サイレン芸”や速いピッチ・スイープの輪郭維持に貢献。プロのセッティングでも「前段バッファ→ピッチ系」は王道で、ROLLYのボード文脈とも合致します。
他の著名ユーザー
国産界隈のプロ/テックから評価が高く、ペダル総数が多いボードの“要”として紹介例が多数。ハイゲインやピッチ系と併用してもサウンドの芯が崩れにくいのが利点です。
Gamechanger Audio Bigsby Pedal
どんなエフェクター?
足元でビグスビー的アーム操作を再現する革新ペダル! バネ感のある可変カーブと高精度トラッキングで、コードごとの揺れやディップが自然。Pitch系と違い「音程を滑らせる」挙動が得意で、歌伴のニュアンス付けにも最適です(製品紹介:GuitarWorld/アーティスト掲載:GCA公式)。
どんな曲に使用された?いつ頃?
実例:国内代理店のデモでROLLY本人がBigsby Pedalを試奏・高評価。バラードのアウトロやイントロの“溶けるようなビブラート”は本機との相性抜群。2023年頃~のソロ公演/配信動画での導入が確認できます(MINET特集)。
他の著名ユーザー
海外ではJack White、国内では轟音系のBorisや実験ロックSWANSが公式アーティストページに掲載。ヴィブラート“芸”の幅を広げたい表現派に人気です(GCA公式)。
Maxon Super Tube Screamer(ST-9)
どんなエフェクター?
TS系の要点に中域バンプ/広めのヘッドルームを加えた“押し出し系”OD! クランチ~ミドルゲインの粘りが秀逸で、歌うリードや80sフレーズを太く前に出せます。ST-9はTSの生みの親Maxonらしい“ギターらしさ”を保つ設計です(ブランド背景:Maxon公式)。
すでに廃盤で、現行品でST-9proというものはあります。ヴィンテージのST9は私も所有していますが、TSよりも太いブースターのような感じで素晴らしいです。
どんな曲に使用された?いつ頃?
推定:すかんち代表曲の8分系リフや歌メロ下の刻みに常時ONで厚みを付与。近年ボードでは「土台のクランチ+場面で上乗せ」の二段構えが主流で、ROLLYもクリーン寄りのアンプにST-9で“艶”を足す使い方が合います(アンプ運用の背景:note)。
他の著名ユーザー
TS系はジャンル横断で“準必須”OD。ハードコア~フュージョンまで幅広く、モダン現場でもミドルの通りとノイズ少の扱いやすさが評価されています(系譜解説:Maxon公式)。
Shin-ei Companion FY-2 Fuzz
どんなエフェクター?
60s日本製ガレージ直系! FY-2は鋸歯状のギザつきとローを削った“鼻詰まり”が持ち味。コードで轟き、単音は切り裂く——サイケ/ガレージの代名詞的ファズです(来歴:Wikipedia)。
どんな曲に使用された?いつ頃?
推定:初期すかんち(~1992頃)のステージでSE的なノイズ/ブレイクに投入。派手な衣装とともに“音の視覚化”を担い、ショウアップの要として機能したと考えられます(FY-2のキャラクター参照:Wikipedia)。
他の著名ユーザー
Graham Coxon、Dan Auerbachほか、UK/USのガレージ~オルタナ勢が多数愛用。ローファイな“潰れ”が現代でも根強い人気です(Wikipedia)。
BOSS Analog Delay(DM-2 / DM-2W)
どんなエフェクター?
BBD素子による温かいアナログ・ディレイ。スラップ~400ms付近の滲む反復で、クランチやビブラートと好相性! 現行DM-2Wではスタンダード/カスタムの2モードで音の開きも選べます(製品解説:BOSS公式)。
どんな曲に使用された?いつ頃?
推定:ROLLYのクリーン〜クランチで隠し味のスラップとして使用。歌番組/バラエティでの短いソロにも向くため、2010年代以降の実戦機材として採用される場面が多かったはずです(性格面:BOSS公式)。
他の著名ユーザー
80s~現行にかけてアナログ・ディレイは定番。クリーントーンの厚み付けやリードの後ろに“影”を作る目的で、ジャンルを超えて常用されています(BOSS公式)。
Maxon Digital Delay(DD-1000 / Ibanez DD1000)
どんなエフェクター?
80sの名残香ただようデュアル・デジタル・ディレイ。長秒設定やモジュレーション的揺らぎで、コーラスとは違う“霞がかった”空間を作れます。
どんな曲に使用された?いつ頃?
推定:ギター1本で劇伴的サウンドスケープを作る場面で、ロング・リピート+軽い揺れを付与。90年代~2000年代のスタジオ/舞台で多用途に使われた可能性が高い機材です。
他の著名ユーザー
シューゲイズ/ポスト系の制作者が“Lo-Fiデジタルの質感”ゆえにコレクタブル扱い。現行機では得にくい粗さが人気です。
Electro-Harmonix Ring Modulator
どんなエフェクター?
搬送波で倍音を生成し、ギターを“機械音声化”する変調系。チューニング感をあえて崩し、宇宙語のようなソロやSEを作るのが得意! 視覚的演出と相性が良く、ROLLYのショウ型ギタリングにぴったりです。
どんな曲に使用された?いつ頃?
推定:バラエティ出演時の“喋るソロ”や劇伴的インタールードで使用。短い小節でインパクトを作る手段として2010年代以降も活躍していると見られます。
他の著名ユーザー
Jonny Greenwood(Radiohead)らがEHX系リングモジュレータを使用。オルタナ界隈の“異化効果”装置として定番の座です(Equipboard)。
MXR Carbon Copy Analog Delay
どんなエフェクター?
最大約600ms、深いモジュレーションも載せられるアナログ・ディレイの現代標準! 音の芯を曇らせず温度感だけ足せるので、歌伴カッティングにもうっすら奥行きを追加できます(製品史:Premier Guitar)。
どんな曲に使用された?いつ頃?
推定:クリーン~クランチの浅めリピートで常時ON、ソロではフィードバックを上げてドラマ性を強化。現場で使いやすい堅牢さから、2010年代~現在もボード常連の一台です。
他の著名ユーザー
10周年企画等でJoe Perry、The Edgeほか多数の名手が取り上げる定番。ロック~カントリーまで“まず困らない”一台です(Premier Guitar)。
Hotone Soul Press(Mini Wah / Volume / Expression)
どんなエフェクター?
掌サイズでワウ/ボリューム/エクスプレッションの3役をこなす多機能ミニ! ステージが狭い現場や多機材セットで威力を発揮し、足元スペースを大幅節約しつつ表現力を落としません(ブランド動向:MusicRadar)。
どんな曲に使用された?いつ頃?
推定:ROLLYのデモ/インタビュー動画では、ミニサイズの可変ペダルを併用する場面が散見。ワウを浅くかけた歌メロ裏のニュアンス付けや、劇伴的アプローチで表情付けに使われたと考えられます(近年の演奏動画例:YouTube)。
他の著名ユーザー
ミニペダル文化の広がりとともに愛用者が増加。ファンク~インスト勢まで、ボードの“最後の1枠”としての採用例が目立ちます(ブランド動向:MusicRadar)。
よくある質問
Q1. ROLLYの“サイレン音”はどう作る?
PS-6をS-BENDに。RANGEを+1~+2oct、RISE/FALLは最速寄り。低い音を弾いて踏み込み→戻すだけ! ダイナミクスを均すなら前段にThe Buffや軽コンプも有効です(PS-6機能の詳細はPremier Guitar参照)。
Q2. Crate VC30を選ぶ理由は?
ペダルの乗りが良く、クリーンの張りがあってショウ系の音作りに合致。実際にROLLYのメインアンプとして言及されており、足下主導の現代的運用にマッチします(出典)。
Q3. 10台全部は要る?代替は?
核はPS-6(S-BEND)+中域押しのOD(ST-9等)+短めアナログDLY。リングモジュレータやロングDLYは代替容易です。可変ペダル(Bigsby/Soul Press)は“見せ場”の強化に有効!
注:一部はライブ映像・機材写真・技術仕様からの推定。正式な組み合わせは公演毎に変動します。最新の機材写真はアーティスト本人・制作/代理店のSNSや特集記事をご確認ください(例:MINET/Ethmusica)。