NUX 6ixty 5ive Overdriveとは?
NUX(ニューエックス)の6ixty 5ive Overdriveは、1960年代のフェンダー“ブラックパネル”アンプの グラッシーなクリーン〜クランチを再現したアナログOD。
公式でもVEMURAM Jan Ray(通称ジャンレイ)インスパイアを公言しており、 低価格ながら本家のニュアンスを追求した意欲作です。

アリエクだともう少し安く買えそうです。
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基本スペック
主な仕様
- アナログ回路(JRC4558オペアンプ使用)
- トゥルーバイパス・ハードウェアスイッチング
- 内部
Saturationトリマー搭載(圧縮感を微調整可能) - 入力インピーダンス:1 MΩ / 出力インピーダンス:10 kΩ
- 消費電流:<10 mA(9 V DC センターマイナス)
- サイズ:121 × 77 × 48 mm / 重量:230 g
- 想定実売価格:US $40–55程度
サウンドキャラクター
ピッキングの強弱に素直に追従する“トランスペアレント系”のライトドライブ。 Bass/TrebleのパッシブEQでローエンドのハリとトップエンドの“キラッ”を細かく調整でき、 シングルコイルの艶を残した軽いクランチから、ゲインを上げたブルースロック・リードまで対応します。

内部回路を覗いてみた
Timmy系をベースにしたJan Ray派生
基板を追ってみると、Timmy → Jan Rayと受け継がれた回路構成を踏襲しつつ、 一部の抵抗/コンデンサ定数がより汎用的な値に置き換えられていました。 Jan Rayで象徴的な“レア値”パーツ(μF単位のフィルタ用フィルムコンなど)は、 標準的な 220 nF / 470 nF 等で代用されており、 その結果として
- わずかに低域のアタックがマイルド
- ゲイン全開でも高域が暴れにくい
――というチューニングが感じられます。 部品コストを抑えつつ、実戦的なバランスに落とし込んだ印象です。
内部トリマーの活用
背面のミニトリマーはSaturation(コンプレッション量)調整用。 時計回りでコンプ感が深く、アンプ入力が飽和するようなサステインが得られます。 逆にゼロ付近ではバッファ感の薄いほぼクリーンブーストとして使えるため、 シングルコイル+クリーンアンプ派ならまず最小〜中間位置で試すのがおすすめ。
実際に弾いてみて感じたポイント
良かったところ
- Jan Ray系の“スパークル感”が手軽に得られる
- ハイゲインに振ってもノイズが少なめ
- トゥルーバイパスで原音変化が少ない
- 価格以上に筐体・ポットの作りがしっかり
気になったところ
- コンプ感のピーク付近で中域がやや薄く感じる個体差あり
- 電源ジャックが側面上部にあり、ペダルボードの配線次第で干渉する可能性

こんなプレイヤーにおすすめ!
“クリーンをちょっとだけ押し出したい”派
アンプをクリーン設定にしてピッキングニュアンスを残したいプレイヤーに最適。 コンプ薄め&ゲイン30〜40%で、John Mayer系の温かいクランチが気持ちよく再現できます。
Jan Rayが欲しいけど予算が…という人
本家は新品で3万円台後半〜4万円超え。対して6ixty 5iveは 約5,000〜8,000円前後で入手可能とコスパ抜群。 Jan Ray特有の煌びやかさを試したい人のエントリー機として十分機能します。
まとめ
総評:個人的には「Jan layのニュアンスを低コストで味わえる良質OD」という結論!
回路の定数差により完全コピーではないものの、実用上は
“抜けるけど耳に痛くない”絶妙なライトドライブを提供してくれます。
初めてのトランスペアレント系、あるいはボードのセカンドODを探している方は ぜひチェックしてみてください。