Maxon UE300は、ヴィンテージのチューブスクリーマーらしい音を、コンプレッサー/リミッターとコーラスも含めて1台で使えるマルチエフェクターです。 私は近所のセッションに持っていくことがたびたびあります。大きくて重いのは本音ですが、この3つがまとまっている便利さと、内蔵TSの音が気に入っています。
私はヴィンテージのチューブスクリーマーを何台も持っていますが、UE300の歪みもかなり近い傾向に感じます。あの時代のTSの音が、このマルチの中にも入っている。そこにお得感がある1台です。

近所のセッションにも持ち出しているMaxon UE300。3つのエフェクトが1台にまとまっています。
UE300は1980年代のマルチエフェクター
UE300は、コンプレッサー/リミッター、チューブスクリーマー、ステレオコーラスを内蔵したモデルです。コンプレッサーとリミッターで1つのセクションになっており、エフェクトは全部で3系統です。
Maxonの取扱説明書には「MAR 1982」の表記が残っているので、1980年代初頭には存在していた機種だと確認できます。私の個体の製造年までは特定していませんが、当時のチューブスクリーマーを楽しめるマルチとして使っています。
参考 Maxon UE300取扱説明書の保存版(日本語)Manualzz一番の魅力は、内蔵チューブスクリーマーの音

私が特に気に入っているチューブスクリーマー部分。調整はTONE、LEVEL、DRIVEの3つです。
UE300のチューブスクリーマーは、手持ちのヴィンテージTSを弾いたときに近い音がします。 マルチに入っている歪みだから別物、という感じが薄く、私にはまさにヴィンテージのチューブスクリーマーを使っている感覚があります。
何台か持っているヴィンテージTSと音の傾向がかなり似ているので、内部の回路も共通する仕様なのではないかと思っています。ただ、部品定数まで照合したわけではないので、ここでは実際に弾いて感じる近さとして紹介します。
1980年代のチューブスクリーマーは、それ自体が魅力のある機材です。その音に加えてコンプレッサーとコーラスまで使えることを考えると、UE300はなかなかお得だと感じます。
手持ちのヴィンテージTSについては、1982年製Ibanez TS9の記事でも紹介しています。
3つのエフェクトを個別に操作できる

足元のスイッチは、各エフェクト用が3つと、全体を切り替えるマスターが1つ。
それぞれのエフェクトに専用のオン/オフがあり、必要なものを組み合わせて使えます。操作ノブも各セクションに並んでいるので、調整したいエフェクトのノブを直接触れる構成です。
コンプレッサー/リミッター

コンプレッサー/リミッターは、アタックタイム、スレッショルド、レベルを調整できます。
コンプレッサー/リミッターは、音の強弱を整えるセクションです。ATTACK TIMEで圧縮がかかるまでの速さ、THRESHOLDで圧縮を始める音量の境目、LEVELで出力音量を調整します。内蔵TSより前に置かれているので、歪みに入る音の強弱を整える使い方ができます。
ステレオコーラス

コーラスはWIDTHとSPEEDの2ノブ。専用スイッチでオン/オフできます。
コーラスは、WIDTHで揺れの深さ、SPEEDで揺れの速さを調整します。歪みのあとにコーラスを加えられ、コーラスを使わない曲ではオフにできる。セッション用の機材として、必要な音を選びやすい組み合わせだと思います。
3つ全体を切り替えるマスタースイッチ

一番右は全体を切り替えるMASTER。個別スイッチとは別に用意されています。
各エフェクトのオン/オフに加えて、全体をまとめて切り替えるマスターもあります。いくつかのエフェクトを組み合わせた音から、まとめて効果を外したいときに使えるスイッチです。
センド/リターンはTSとコーラスの間

本体に印刷された信号経路。外部エフェクトはTSとコーラスの間へ入ります。
接続順は、コンプレッサー/リミッター → チューブスクリーマー → 外部エフェクトループ → ステレオコーラスです。本体に図が印刷されているので、外部のエフェクターをどこへ挟めるかも分かります。

SENDとRECEIVEが外部エフェクト用。出力は1・2の2系統です。
外部エフェクターを挟むときは、UE300のSENDから外部エフェクターの入力へつなぎ、その出力をUE300のRECEIVEへ戻します。UE300の3つを基本にしながら、必要なときには別のエフェクターも加えられる構成です。
セッションには便利。ただし大きくて重い
私には、UE300は「これを1つ持っていけばセッションに参加できる」という発想に合った機材だと感じられます。音量や強弱を整えるコンプレッサー、歪みのTS、揺れもののコーラス。この組み合わせが最初からまとまっているのは便利です。
ただ、ギターケースへ気軽に入れて運ぶには、大きさも重さもあります。 1台で済むのはいいのですが、持ち運びまでコンパクトになるわけではありません。ケースに収めにくいというのが正直なところです。
それでも、私は近所のセッションへUE300を持っていくことがたびたびあります。運びやすさだけで選ぶならもっと小さい機材もありますが、この内蔵TSの音を含めて使いたいと思えるから、今も持ち出しています。
私の個体はAC100V仕様

私の個体は日本製・AC100V仕様。電源コードが本体から直接出ています。
背面ラベルにはAC100V・50/60Hz・3.4Wと記載されています。私のUE300は、コンパクトエフェクター用の9Vアダプターをつなぐ方式ではなく、本体から出ている電源コードをコンセントへ接続します。持ち出すときは、会場で電源を取れる場所も確認しておくと使いやすいです。
UE300の音を動画で確認
tenokuni-japanによるMaxon UE300の動画です。同機種の音を確認したい方は、こちらも参考にしてください。
ヴィンテージTSを、セッションで使える形にまとめた1台
UE300で一番気に入っているのは、手持ちのヴィンテージTSに近い歪みを、コンプレッサーとコーラスも含めて使えるところです。3つの個別スイッチ、全体のマスター、外部ループもそろっています。
大きくて重くても、近所のセッションへ持っていこうと思える。私にとってUE300は、ヴィンテージの音を楽しみながら、今も実際に使っているマルチエフェクターです。
よくある質問
- UE300には何が内蔵されていますか?
- コンプレッサー/リミッター、チューブスクリーマー、ステレオコーラスの3系統です。それぞれのオン/オフと、全体を切り替えるマスタースイッチがあります。
- 内蔵TSはヴィンテージの単体機と同じ音ですか?
- 私が持っているヴィンテージTSと、音の傾向はかなり近く感じます。回路や部品定数の完全な一致までは確認していません。
- 外部エフェクターはどこに入りますか?
- SENDとRECEIVEを使い、内蔵チューブスクリーマーとステレオコーラスの間へ接続できます。
- セッションへ持ち運びやすいですか?
- 私は近所のセッションにたびたび持っていきます。3系統が1台にまとまって便利ですが、大きくて重く、ギターケースに収まりにくいところは難点です。
2n3565_tokyo 
