Fernandes RST-50-57は、1980年代初頭のThe Revivalシリーズにある1957年型ストラトキャスタータイプです。筆者の所有個体は、乾いた反応とブルースに合う枯れた音が魅力です。
RST-50-57の仕様を先に確認
1982年3月のFernandesカタログ索引には、RST-80の’54/’59、RST-70の’57/’64、RST-50の’57/’64が掲載されています。したがって、末尾の「57」は価格や製造年ではなく、1957年型の仕様を表すものとして読むのが自然です。
| 確認項目 | RST-50-57 | 注意点 |
|---|---|---|
| シリーズ | The Revival | 年代によってカタログ構成が異なる |
| モデル | RST-50 | 当時の定価5万円クラス |
| 末尾 | 57年型 | 製造年そのものではない |
| ボディ | 筆者はアルダー3ピースと認識 | 塗装越しの外観だけでは断定しにくい |
| 塗装 | 1982年Vol.2の表記はウレタン | 旧本文の「ポリエステル」は訂正 |
| 所有個体の色 | Fiesta Red | 再塗装や退色の有無は現物確認が必要 |
旧本文では塗装をポリエステルと書いていましたが、保存公開されている1982年Vol.2カタログの仕様表ではRST-50はウレタン仕上げです。所有個体の塗膜は薄く見えますが、見た目だけで塗料の種類や再塗装の有無までは判定できません。
参考 Fernandes 1982年カタログ索引Guitar Catalog保存資料 参考 Fernandes 1982 Vol.2カタログFernandesカタログ保存PDF所有するRST-50-57の実機レビュー
筆者はThe Revivalシリーズを4本所有しています。このFiesta RedのRST-50-57は、購入時点でフルオリジナルと思われる状態でした。ただし、古いギターは外から分からない部品交換もあるため、「確認できる範囲では」という評価です。

音は高域が派手に伸びるというより、乾いていて中域に古さを感じる方向です。筆者の環境では、軽く歪ませたアンプで単音を弾くとピッキングの強弱が出やすく、ブルースに合わせやすい個体です。
これは所有個体の感想であり、「薄い塗装だから必ず鳴る」と塗膜だけを原因にすることはできません。ネック、フレット、ナット、ブリッジ、ピックアップの高さ、アンプとの組み合わせでも反応は変わります。
ネック角度とシムについて
筆者が所有するThe Revivalシリーズ4本は、いずれも購入時のネック角度が浅く感じられました。このRST-50-57もシムを入れてサドル高とのバランスを調整すると、弾きやすい状態になりました。
ただし、4本の経験だけで「工場出荷時からシム前提の設計」とは断定できません。シムの有無自体も故障ではなく、必要性はサドル高、弦高、ネックの反り、ポケットの状態を合わせて判断します。自信がなければリペアショップで確認してください。

ネック裏のスカンクラインは非常に濃く見えます。筆者の個体は現在までネックが大きく動かず安定していますが、木の色だけで硬さを判定したり、安定性の原因だと断定したりはできません。
RST-80との違いと見分け方
旧本文では「RST-80は1954年モデル、RST-50は1957年モデル」と書いていました。しかし1982年カタログには、RST-80の’54/’59と、RST-50の’57/’64が掲載されています。シリーズ全体を2つの年代だけで分ける説明は正確ではありません。
同じカタログの仕様表では、RST-80とRST-50で仕上げや部材に差があります。筆者が確認した個体では、RST-80はラッカー、RST-50はウレタン、RST-80にはガラス被膜系の配線材、RST-50には樹脂被膜の配線材という違いが見られました。ただし、電装部品は交換しやすいため、配線材だけで型番やオリジナル性を決めないでください。
RST-80は2トーンサンバーストを見かけることが多い、というのが筆者の中古市場での印象です。一方、カタログには複数の年代型と仕様があるため、「RST-80は2トーンサンバーストしかない」とは言えません。
丸型のストリングガイド、ヘッド形状、ロゴは手掛かりになりますが、後から交換・加工できます。見分けるときは、次を組み合わせます。
- ヘッド表裏のロゴ、シリアル、ペグ穴
- ネックポケットとネックエンドのスタンプ
- ボディのピックアップ/コントロール部の加工
- 塗装の下地、導電塗料、再塗装の痕跡
- ピックアップ、ポット、スイッチ、はんだの状態
- カタログの年代型と現物仕様の一致
中古で買う前に確認したいこと
2025年8月時点で、筆者はRST-50を5万円弱、RST-80を20万円弱で見かけることがありました。これは当時の観測であり、現在の相場を保証するものではありません。価格より先に、修理費を含めた総額を考えます。
| 場所 | 確認内容 | 見落とした場合 |
|---|---|---|
| ネック | 反り、ねじれ、トラスロッド、角度 | 弦高が下がらない、調整余地がない |
| フレット | 残量、浮き、極端なすり合わせ | 打ち替え費用がかかる |
| 電装 | ピックアップ、ポット、スイッチ、はんだ | 型番やオリジナル性を誤認する |
| ボディ | ザグリ、ネックポケット、塗装 | 改造や再塗装を見逃す |
| 金属部品 | トレモロ、サドル、ペグ、ねじ | 欠品や互換部品の確認が必要 |
古い国産ギターは、型番が上位だから必ず良いわけではありません。調整して演奏するならネックとフレットの健康状態、収集価値を重視するなら塗装と電装を含むオリジナル性を優先してください。
同じThe Revivalシリーズのテレキャスタータイプも、実機写真と所有者の感想を掲載しています。
ブランド横断で年代、改造歴、購入時の確認点を整理したい場合は、ジャパンヴィンテージギターのまとめも参考になります。
まとめ
Fernandes RST-50-57は、The Revivalシリーズの1957年型にあたるモデルです。筆者のFiesta Red個体は、乾いた反応とブルースに合う音が魅力で、ネック角度を含む調整後は実用性の高いギターになりました。
一方、RST-80との違いを色やストリングガイドだけで判断するのは危険です。カタログの年代型、ネックポケット、ボディ加工、電装、塗装を合わせて確認し、所有個体の感想とシリーズ全体の仕様を分けて判断してください。
FAQ
- Fernandes RST-50-57の「57」は製造年ですか?
- 製造年ではなく、1957年型の仕様を示す表記です。1982年カタログにはRST-50の’57と’64が掲載されています。
- RST-50とRST-80は色だけで見分けられますか?
- 色だけでは見分けられません。カタログの年代型、塗装、ネックポケット、ボディ加工、電装、交換可能な部品を合わせて確認します。
- The Revivalのネックにはシムが必要ですか?
- すべての個体に必要とは限りません。筆者の所有個体では有効でしたが、ネックの反り、サドル高、弦高、ポケットの状態を確認して判断します。

