BOSS PSM-5は、今から積極的に選ぶ機材かと聞かれると、少し困る一台です。パワーサプライとしては物足りず、マスタースイッチも1ループだけ。「今ならどこで使うんだろう」と思うのですが、高校生の頃には少し重宝していました。
当時、中古で買った値段は2,000円ぐらい。これ一台でエフェクターに電源を送り、音痩せするペダルをまとめて音の経路から外せたのは、ありがたかったです。

つまみのない赤いBOSS。塗装の剥がれも目立つPSM-5です。
音を作らず、電源と切り替えを引き受ける
正式名称はPower Supply & Master Switch。歪ませたり揺らしたりするエフェクターではなく、他のペダルへ電源を分配する機能と、エフェクトループをまとめてオン/オフする機能が一緒になっています。Rolandの公式資料では、1983〜1999年のモデルとされています。
ギターをGUITAR、アンプをAMPへ接続し、SENDからエフェクターへ送り、その最後をRETURNへ戻します。ループは一つですが、中につなげるペダルが一台限定というわけではありません。複数のペダルを並べて、一踏みでまとめて切り替えられます。

上面にGUITARとAMP、側面にSENDとRETURN。LEDはループ使用時に赤、バイパス時に緑になります。
高校時代は音痩せするペダルをつないでいた
私が使っていたのは、まさにこのマスタースイッチ機能です。バイパスでも音痩せするエフェクターをループへまとめて、使わないときはPSM-5で外していました。電源供給も兼ねていたので、当時の2,000円という買い物としては悪くなかったと思います。
ただ、PSM-5自体もトゥルーバイパスではありません。バッファーを含む回路を通るため、私の環境ではこれも多少音痩せする印象がありました。完全にギター直結へ戻るというより、「何もしないよりはマシかな」という程度です。
それでも高校生の頃は、そのくらいの改善でも十分に役立ちました。今の選択肢と比べると見劣りしますが、安く手に入った機材で何とかしていた頃には、ちゃんと出番があったペダルです。
電源は一つの出力から分配する

9V INへアダプターを接続し、背面の9V OUTから分岐ケーブルで各ペダルへ送ります。
電源はBOSS PSAシリーズのアダプターを使い、一つの9V OUTからパラレルDCコードで分配する仕組みです。現代のアイソレート型のように、各出力が独立しているわけではありません。
取扱説明書では最大7台への供給を案内していますが、合計電流が200mAを超えると正常に動作しないとも記載されています。本体のマスタースイッチ部も13mAを消費するので、台数だけでなく消費電流を見る必要があります。
電源だけが目的なら、今の私がわざわざこれを選ぶ理由はあまりありません。ループの切り替えまで一台で済むところに、PSM-5の意味があると思います。
master Switch Section; 9 V DC 13mA
日本語訳:マスタースイッチ部:DC9V、13mA。
参考
PSM-5 Specifications(英語)Roland
内部にはJRC4558DDが2個

内部基板。オペアンプやトランジスターが並んでいます。
所有個体にはJRC4558DDが2個載っています。外から見るとただの電源とスイッチですが、中を見ると、音声信号を扱う回路もしっかり入っているのが分かります。

ICの刻印は4558DD、JRC。
別の使い道はあるか
海外のHamer Fan Clubでは、PSM-5からBOSSペダル約5台とTU-12へ電源を送り、一部のエフェクトをループで切り替えていた使用者の話がありました。便利だった一方、信号が押しつぶされるように感じたという評価もあり、私の使っていた感覚と近いところがあります。
同じスレッドでは、SENDからチューナーへ分岐させ、チューナーをメインの音声経路から外す接続も紹介されています。電源を配る以外にも、こうした補助的な使い道はあります。
Very useful power supply/loop switch. It did squash the signal though
日本語訳:とても便利な電源兼ループスイッチ。ただし、信号が押しつぶされる感じはありました。
参考
PSM-5の使用経験と接続例(英語)Hamer Fan Club
また、Cryptic Mask Guitarの紹介動画では、音声経路から切り離して電源供給だけに使う方法も取り上げられています。6分12秒からがその項目です。本体を通した音が気になるなら、電源役だけを残すという考え方ですね。
とはいえ、私にとっては今のところ「再評価すべき隠れた名機」というより、高校時代の限られた予算を助けてくれた一台です。電源と一括バイパスが安く手に入る。その組み合わせが、当時はちょうどよかったのだと思います。
現在の電源選びについてはこちらでまとめています。

