私が所有するElectro-HarmonixのOp-Amp Big Muffは、歪みの粒を比較的聞き分けやすいと感じる一台です。トーン回路を外すスイッチも付いていますが、切り替えたときのジャキジャキした音は好みではなく、私はあまり使っていません。
ポットの刻印から、1978年頃の個体と考えています。小型の復刻版とは筐体も切替時の仕様も違うため、ここでは手元のヴィンテージ個体の内部と音を紹介します。
所有するOp-Amp Big Muffの音
私には歪みの粒が比較的はっきり感じられ、Big Muffらしく暴れる感じを期待すると、少し物足りなく感じることもあります。
1978年のBig Muffと復刻Op-Ampを比べた試奏です。Fender Telecasterと1974年のMarshall JMP 100W Super Leadを使った別個体の比較なので、手元の個体の録音とは分けて聴いてください。
4558系と741系のICを使った内部
音の信号を増幅する部品として、二つのICが使われています。いわゆるオペアンプで、手元の個体では4558系が一つ、741系が一つです。トランジスターで増幅するBig Muffとは、回路の組み方が違います。

所有するOp-Amp Big Muffの部品側。4558系と741系の二つのICを使っています。
メーカーは復刻Op-Amp版について、トランジスター版の4段に対し、3段の増幅回路を使うと説明しています。ICの個数と増幅する回路の段数は別の数え方です。ICだから音がクリーンになる、信頼性が高くなる、という比較ではありません。
The pedal relies on op-amps rather than transistors and three gain stages rather than four
日本語訳:トランジスターに代えてオペアンプを使い、増幅段は4段ではなく3段です。
参考 Op-Amp Big Muff Pi製品情報(英語)Electro-Harmonix基板の裏にも抵抗やコンデンサーが取り付けられています。配線や部品の置き方はずいぶんワイルドで、内部を眺めるところにも、この時代のエレハモ製品の面白さがあります。

基板の配線側。裏側にも抵抗とコンデンサーが取り付けられています。

横から見た所有個体の基板。形や大きさの異なるコンデンサーが並びます。
1978年頃と考えたポットの刻印
音量などのつまみにつながる可変抵抗器を、ポットと呼びます。手元のCTS製ポットには「1377818」と刻印されています。137がCTSのメーカー番号、78が1978年、18が第18週という読み方です。

CTS製ポットの「1377818」の刻印。1978年第18週製造と読めます。
これはポットの製造時期で、本体の完成日ではありません。部品が保管されてから組み込まれる場合や交換される場合もあるので、本体は1978年頃という推定にとどめています。
参考 CTS製造年代判別WSRトーンバイパスと交換されたように見えるスイッチ
トーンバイパスは音色を調整するTONE回路を信号の通り道から外す機能です。エフェクト全体をオフにするバイパスとは別で、歪みはかかったまま音色が変わります。手元の個体ではジャキジャキした音になるので、普段はTONE回路を使う側を選んでいます。

トーンバイパス用のスライドスイッチ。歪み全体のオン/オフとは別に働きます。
全体を見ると、筐体に対して基板は小さく、空間に余裕があります。フットスイッチは過去に交換されたように見えますが、入手前の修理歴までは分かりません。現在の配線をすべて純正仕様の見本にはできない個体です。

所有個体の内部全体。基板、配線、電池とフットスイッチの配置。
復刻版やほかのBig Muffとの違い
| 比べる点 | 所有するヴィンテージ個体 | 復刻Op-Amp版 |
|---|---|---|
| 筐体 | 大きな板金筐体 | 小型のダイキャスト筐体 |
| トーン切替 | トーンバイパス付き。私はあまり使わない | 切替時の音量をそろえる改良あり |
| 状態 | スイッチの交換歴があるように見える | 所有個体の交換部品・配線とは区別する |
Electro-Harmonix Op-Amp Big Muff Pi
ELECTRO-HARMONIX OP-AMP Big Muff Distortion Sustainer ディストーション
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1970年代後半のOp-Amp回路を再現した小型の復刻版です。TONEを回路から外す切替もありますが、取扱説明書では切替時の音量が同じになるよう改良したと説明されています。所有個体と復刻版を比べるときには、歪みの音色だけでなく、この操作の違いも確認したいです。
This switch has been improved over the original Op-Amp Big Muff in that the volume remains the same in both positions.
日本語訳:このスイッチはオリジナルから改良され、どちらの位置でも音量が同じになるようにしています。
参考 Op-Amp Big Muff Pi取扱説明書(英語PDF)Electro-HarmonixElectro-Harmonix Big Muff Pi
通常のBig Muff Piは、VOLUME、TONE、SUSTAINで調整する別モデルです。歪み量と音量をそれぞれ合わせ、Op-Amp版と弾いた音の残り方を聴き比べる対象になります。
Adjusts the amount of sustain and distortion.
日本語訳:SUSTAINは音の伸びと歪みの量を調整します。
参考 Big Muff Pi製品情報(英語)Electro-HarmonixElectro-Harmonix Triangle Big Muff Pi
Electro-Harmonix Triangle Big Muff
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Triangleは1969年頃の初期回路を再現する別世代です。1978年頃のOp-Ampと同じ復刻ではありません。古いBig Muffという名前だけでまとめず、どの回路を再現したモデルかで比べると違いが分かります。
Faithful re-creation of the original circa 1969 circuit!
日本語訳:1969年頃のオリジナル回路を忠実に再現したモデルです。
参考 Triangle Big Muff Pi製品情報(英語)Electro-HarmonixBig Muffの系統全体から比べたい場合は、種類ごとの違いをまとめた記事も参考になります。
よくある質問
- 1978年製と断定できますか?
- CTSポットの1377818という刻印は1978年第18週と読めます。ただし部品の製造時期なので、本体は1978年頃という推定です。
- トーンバイパスで歪みもオフになりますか?
- 歪みはかかったままです。TONE回路を信号の通り道から外す機能で、エフェクト全体のオン/オフとは違います。
- 復刻版は所有個体と同じ仕様ですか?
- Op-Amp回路を再現したモデルですが、筐体が小型化され、トーン切替時の音量をそろえる改良もあります。所有個体にはスイッチの交換歴があるように見えるため、配線も区別します。
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