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BIG MUFF系統のファズエフェクター26選まとめ

ビッグマフ(Big Muff Pi)は、1969年にElectro-Harmonix(EHX)の創業者マイク・マシューズとエンジニアのボブ・マイヤーによって誕生しました。

特徴は“長いサステインを歌わせる”ための独特な増幅とトーン回路。初期型は三角ノブ配置から「Triangle」と呼ばれ、70年代半ばには回路が見直され「Ram’s Head」へ。78年前後にはオペアンプ採用の「Op-Amp」期も生まれ、80年代のEHX休止を経て90年代にはマシューズがロシアでSovtekブランドを展開し、通称「Civil War」「Green Russian」と呼ばれる無骨な名機群が登場します。

木箱の梱包や大型筐体、分厚い中低域はロックの“壁”を作る象徴となり、2000年代以降はNYC製でのリイシューや拡張版(Deluxe、Tone Wicker、Bass系)が続々と整備。現在はヴィンテージの文脈と現代の使い勝手が交わる、唯一無二のファズ/ディストーションの系譜として定着しています。

BIG MUFFはどんな曲にオススメ?

BIG MUFFは激しい歪みと繊細なニュアンス、程よいサステインが特徴のエフェクターです。

ソロで弾く場合はプログレなどの詩的なメロディにおすすめで、コード弾きで激しく弾く場合はロックからメタルまで幅広く使えます。個人的にはPink Floydのデヴィッド・ギルモア氏のようなBIG MUGGの使い方が非常に好きです。

BIG MUFF系統のファズエフェクター26選まとめ

MUFF系統の違い表(主要バリエーション)

系統音の傾向使いどころ
Triangle(1969〜)レンジ広め、倍音が整いコードが濁りにくいリズム〜リードの基準作りに
Ram’s Head(1973〜)伸びの良いサステイン、ややスリムな中域単音リードを前に出したい時に
Op-Amp(1978頃〜)タイトでエッジ感、押し出しが強い多人数編成や粒立ち重視のロックに
Civil War / Green Russian(1990年代)中低域が太い、少し荒いテクスチャ分厚い“壁”作り、ダウンチューニング
NYC/現行・拡張王道+EQ/ゲートなど拡張機能現場対応力重視、環境差の吸収
Bass向け低域保持、ブレンド機能などベース/多弦ギターでの運用

紹介エフェクターの一覧リスト

画像機種名メーカー名MUFF系統備考
Big Muff Pi(現行NYC)Electro-HarmonixNYC/現行基準機。多用途
Nano Big Muff PiElectro-HarmonixNYC/現行省スペース
Op-Amp Big MuffElectro-HarmonixOp-AmpIC期再解釈
Ram’s Head Big MuffElectro-HarmonixRam’s Head’73 Violet系
Little Big MuffElectro-HarmonixNYC/現行コンパクト筐体
Green Russian Big MuffElectro-HarmonixGreen Russianロシアン再現
Triangle Big MuffElectro-HarmonixTriangle初期再現
Nano Bass Big MuffElectro-HarmonixBass向けナノ筐体
Bass Big MuffElectro-HarmonixBass向け定番ベース用
J Mascis Ram’s Head Big MuffElectro-HarmonixRam’s HeadSignature
Deluxe Bass Big MuffElectro-HarmonixBass向け拡張機能
Deluxe Big Muff PiElectro-HarmonixNYC/拡張EQ/ゲート等
Big Muff Pi with Tone WickerElectro-HarmonixNYC/拡張トーン可変
Caprid Blue Violet SpecialWren and CuffRam’s Head限定仕様
CapridWren and CuffRam’s Head70s再現
Caprid Small FootWren and CuffRam’s Head小型筐体
The Good OneWren and CuffV1志向初期感
Tri-Pie ’70Wren and CuffTriangle初期再現
Tall Font RussianWren and CuffGreen RussianTall Font期
The Tri-Pi MuffRYRATriangle現代解釈
Baltic Blue FuzzOne ControlMuffトポロジー非クローン
C6H8O6 “Vitamin C”KarDiaNRam’s Head分析国産設計
Rust Rod FuzzAnimals PedalRam’s HeadSkreddy系譜
Fishing Is As Fun As FuzzAnimals PedalCivil War寄り太い中低域
MuffulettaJHS Pedals多モード6ボイシング
Fazy CreamSONICAKEMuff系コスパ

Electro-Harmonix(創業:1968年、NY発BIG MUFF本家本元。大胆な発想の歪み系とリイシューで定評)

Electro-Harmonix Big Muff Pi

発売(現行NYC再生産):2000年代以降(継続)。ビッグマフの“王道像”を体現する基準機。太いサステインと独特の倍音で、壁系のリズムも歌うリードも作りやすい。アンプやPA環境への追従が素直なので初めてのマフにも向く。名演の文脈に近いニュアンスを、現代の使い勝手で得たい人に。

Electro-Harmonix Nano Big Muff Pi

発売:2010年代前半。王道トーンを省スペースに凝縮。大型筐体との差が少なく、ライブのサブや宅録ボードにも入れやすい。扱いは簡単で、トーンを11〜1時あたりから詰めるとまとまりが良い。初めての“マフ体験”をストレスなく始めたい人向け。

Electro-Harmonix Op-Amp Big Muff

発売:2017年再発。78年前後のIC期を現代に再構成。タイトでエッジのある押し出しが持ち味で、多人数編成でも輪郭が残りやすい。リフの粒立ちやアルペジオの分離が欲しい人、歪み量は多いが音像を崩したくない人に合う。

Electro-Harmonix Ram’s Head Big Muff

発売:2019年再発。70年代中期“Violet”期の風味。伸びの良いサステインと、ややスリムな中域がリードで活きる。コードの濁りが少なく、ソロとリズムの切替がスムーズ。古典の味を現場で使いやすくした一本。

Electro-Harmonix Little Big Muff

発売:2000年代中盤。NYC系の王道トーンを一回りコンパクトに。素直なレスポンスで、スタジオ常備の“とりあえず一台”にも使われる。ジェネリックなマフの音像を知りたい人にちょうどいい選択。

ちなみに私の初めてのエフェクターはこれでした。なんとなく買ってしまったのでやりたい音楽と合わずにすぐに使わなくなってしまいましたが、本記事を執筆するにあたって久々に弾いてみたら意外と良い歪みでした。普通の大きい筐体のBIG MUFFと比べるとソリッドな歪み方をする気がします。

Electro-Harmonix Green Russian Big Muff

発売:2017年リイシュー。90年代Sovtek“グリーン”の再現。中低域の厚みとわずかな荒さが壁作りに効く。ダウンチューニングやハムバッカーと好相性で、重心の低いバンドサウンドに馴染む。

Electro-Harmonix Triangle Big Muff

発売:2018年リイシュー。初期Triangleのレンジ感と整った倍音。コードで濁りにくく、録音の乗りも良い。ソロとリズムを一台で両立させたい人、Muffの“基準の耳”を作りたい人に。

Electro-Harmonix Nano Bass Big Muff

発売:2013年頃。ベース用に最適化したナノ版。ローの保持と輪郭の両立がしやすく、ピックでも指弾きでも音像が崩れにくい。サブベースや多弦ギターでの応用にも向く。

Electro-Harmonix Bass Big Muff

発売:2008年頃。ベース界隈の定番。原音ブレンドやロー保持の設計で、トリオ編成でも存在感を損なわない。ブースト量もつくりやすく、ライブでの使い勝手が良い。

Electro-Harmonix J Mascis Ram’s Head Big Muff

発売:2023年。Violet Ram’s Headを基にしたシグネチャー。伸びやかなサステインと抜けの良い中域で、メロディを前に出したいプレイヤーに合う。単音だけでなくオープンコードにも気持ち良く反応。

Electro-Harmonix Deluxe Bass Big Muff

発売:2014年頃。ブレンド、ノッチ、ゲートなど機能を拡張した上位版。ローを崩さず“Muffらしさ”を足せるのが強みで、曲ごとの切替にも柔軟に対応。現場主義のベーシストに。

Electro-Harmonix Deluxe Big Muff Pi

発売:2013年頃。王道Muffに強力なEQやゲートを追加。アンプやPAの環境差を吸収しやすく、同じバンドでも会場ごとに音が変わる人の助けになる。一本で“現場対応”したいギタリスト向け。

Electro-Harmonix Big Muff Pi with Tone Wicker

発売:2009年頃。トーン回路に可変要素を加えてハイ抜けや圧縮感を調整可能。王道感はそのままに、編成や曲に合わせて質感を追い込みたい人に向く。録音でも細かい“抜け”のさじ加減が作りやすい。

クローン、ブティック系エフェクター

Wren and Cuff Caprid Blue Violet Special

発売:2021年頃(特別仕様)。Violet期Ram’s Headの粘りと分離を強調したチューニング。小音量でも倍音が立ち、宅録やインストでのニュアンス作りが得意。Ram’sの歌い方を現代に上手く落とし込んだ一本。

Wren and Cuff Caprid

発売:2012年頃。70年代Ram’s Headの王道像を追った看板モデル。強いサステインでも音の芯が残り、コードも単音も気持ち良く伸びる。Ram’s系を一本で押さえたい人に。

Wren and Cuff Caprid Small Foot

Wren and Cuff Caprid Small Foot ファズ エフェクター

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33,220円(10/01 08:56時点)
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発売:2017年頃。Capridの音像を小型筐体に凝縮。ボード省スペース派でもRam’sの旨味を導入できる。大型機との差が気になりにくく、ライブ派に嬉しい。

Wren and Cuff The Good One

Wren and Cuff The Good One ファズ ギターエフェクター

Wren and Cuff The Good One ファズ ギターエフェクター

50,050円(10/01 10:01時点)
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発売:2022年頃。V1最初期の雰囲気に迫るモデル。レンジが広く素直な反応で、ブースターや他のマフと組み合わせても破綻しにくい。録音の土台としても扱いやすいキャラクター。

Wren and Cuff Tri-Pie ’70

発売:2011年頃。初期Triangleのワイドレンジと素直な倍音感を狙った再現。コードの濁りが少なく、録音やリハで音決めが速い。Muffの原点を掴みたい人にちょうど良い。

Wren and Cuff Tall Font Russian

Wren and Cuff Creations Tall Font Russian エフェクター

Wren and Cuff Creations Tall Font Russian エフェクター

34,100円(10/01 10:13時点)
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発売:2012年頃。90年代ロシアン“Tall Font”の中低域の厚みとラフさを再現。ダウンチューニングやハムバッカーと相性が良く、重心の低いアンサンブルに馴染む。

RYRA The Tri-Pi Muff

発売:2016年頃。Triangle期の解像感と現代的なバランスを両立。コードで潰れにくく、アルペジオやリードでも輪郭が残るので“リードもリズムも一台で”を狙う人に合う。

One Control Baltic Blue Fuzz

発売:2014年頃。One Controlは日本発のコンパクト設計で知られるブランド。Baltic BlueはMuffのトポロジーを踏まえつつもクローンに寄りすぎない現代設計。扱いやすい帯域とノイズ感で、省スペース派や“最初のマフ系”にも向く。

KarDiaN C6H8O6 “Vitamin C”

KarDiaN / C6H8O6 "ビタミンC" ファズ

KarDiaN / C6H8O6 “ビタミンC” ファズ

38,500円(10/01 10:01時点)
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発売:2018年頃。KarDiaNは国産で解析と音作りの丁寧さに定評。Vitamin CはGuild版Ram’s Headの研究を基に、太さと抜け、追従性を現代環境に合わせて調整。ベース運用でも評価が高い。

Animals Pedal Rust Rod Fuzz

発売:2017年頃。Animals Pedalは遊び心あるデザインと実戦的なチューニングが持ち味。Rust RodはRam’s寄りの分離と粘りが心地よく、単音からアルペジオまで守備範囲が広い。自宅録音でも乗せやすい倍音設計。

Animals Pedal Fishing Is As Fun As Fuzz

発売:2017年頃。Civil War寄りの太さとフラット感が特徴。壁系リフや重厚ポップに合い、広がりのあるコードでも輪郭が残る。低域が崩れにくいのでバンド内での扱いが容易。

JHS Pedals Muffuletta

発売:2015年。JHSは米国カンザスシティのモダン系ブランド。MuffulettaはTriangle/Ram’s/Russian/Civil War/’73 Piに加えJHSモードの6ボイシングを搭載し、時代ごとの個性を一台で切り替えられる。自分に合う系統を探す“試金石”として強力。

SONICAKE Fazy Cream

SONICAKE ファズ ギター エフェクター ペダル Fazy Cream

SONICAKE ファズ ギター エフェクター ペダル Fazy Cream

4,290円(10/01 08:56時点)
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発売:2020年頃。SONICAKEは手頃な価格帯でエントリーを支える中国系ブランド。Fazy CreamはMuff的な粘りを意識した設計で、過度に暴れず扱いやすい。まずは“マフらしさ”を低コストで体験したい人に。