ファズフェイスとは
ファズフェイス(Fuzz Face)は1966年に登場した、2石トランジスタ構成のシンプルなファズです。初期はゲルマニウム、その後はシリコンに移行し、ギターのボリュームノブ操作に強く反応して「クリーン〜ファズ」を自在にコントロールできるのが最大の特徴です。Jimi HendrixやDavid Gilmourをはじめとする伝説的ギタリストが使用し、ロックサウンドを象徴するペダルのひとつとなりました。
ゲルマニウムとシリコンの違い
音の傾向と特性
- ゲルマニウム(Ge):温かく丸い倍音、滑らかなコンプレッション、優れたクリーンアップ。ただし温度変化に弱く、個体差も大きい。
- シリコン(Si):明瞭でレンジが広く、アタックが速い。安定性が高くライブ向きで、ノイズも少ない。
当サイトでは自作でファズフェイスを作る方向けにオススメのトランジスタとそれぞれの特徴をまとめて記事にしてます。よろしければこちらもご覧ください。
どんな曲におすすめ?
ゲルマニウムは60年代ブルースロックやサイケデリックなど、繊細にクリーンとファズを行き来する曲に最適です。一方、シリコンは70年代ロックやファンクなど、明瞭で力強いサウンドが求められる楽曲に向いています。
ちなみに当ブランドから販売しているMosache Fuzzはシリコンファズに属しますが、MOSFETという特殊な素子を使用していてシリコンとゲルマの中間というようなサウンドです。
ファズフェイスの使い方
基本的な操作
FuzzとVolumeを調整しつつ、ギターのボリュームノブで歪み量をコントロールします。ボリュームを絞るとクランチ〜クリーンに、全開でファズが得られるのが大きな魅力です。
クリーンなアンプでは効果的に使えない理由
完全にクリーンなアンプではファズフェイス特有の倍音やコンプレッションが出にくく、痩せた音になりがちです。軽くクランチしたアンプやブースターを併用することで本領を発揮します。
よくある話ですが、初めてファズフェイスを買ってみて使ってみたらモコモコにこもって使えたものじゃないという感想だった人は多いのではないでしょうか?トランジスタアンプでも本領を発揮しづらいので、真空管アンプを軽く歪ませた状態でファズフェイスを繋がないと意味がないです。
あと、ファズフェイスのノブは基本的に3時移行の位置で調整するのをおすすめします。ボリュームもゲインどちらも。
Fuzz Faceの基本セッティング例
接続順と注意点
ファズフェイスは基本的にチェーンの最前段に置きます。前にバッファがあるとクリーンアップが効かなくなるため注意が必要です。MXR Classic 108のようにバッファスイッチを搭載するモデルは例外的に柔軟です。
トーンベンダーとの違い
トーンベンダーは1965年に英国で登場したファズで、初期型は3石ゲルマ構成でした。MK1.5では2石に簡略化され、ファズフェイスの直接的な原型となります。ファズフェイスが滑らかで手元操作に追従する「歌う」ファズであるのに対し、トーンベンダーはより荒々しく、ゲート感とサステインが強いのが特徴です。
Jimmy Pageをはじめとするギタリストに愛され、より攻撃的で厚みのあるサウンドを求める場合に適しています。対してファズフェイスは繊細なニュアンスを活かしたプレイに強みがあります。
相性の良いエフェクター
- ワウ(Wah):ワウ→ファズの順が一般的。ただし相性問題があるため、バッファ搭載ワウやバッファスイッチ付きファズで改善可能。
- ブースター:前段に置くとクリーンアンプでも力強さを補える。トレブルブーストとの相性も良好。
- オーバードライブ:ファズの後に配置することで毛羽立ちを整え、音量と輪郭を補強できる。TS系は特に相性が良い。
- バッファ:基本的にファズの後段に配置。前段に置くとクリーンアップ性能が損なわれやすい。
Fuzz Face系エフェクター25選まとめ
画像 | 機種名 | メーカー | 種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|
![]() | FFM2 Fuzz Face Mini Red Germanium | Dunlop | ゲルマニウム | クラシックなGe2石、ミニ筐体 |
![]() | JD-F2 Fuzz Face Distortion | Dunlop | ゲルマニウム | 現代的に出力強化されたモデル |
![]() | JHMS1 Hendrix Shrine ’68 | Dunlop | ゲルマニウム | 1968 Hendrix期を再現 |
![]() | FFM4 Joe Bonamassa Fuzz Face Mini | Dunlop | ゲルマニウム | ボナマッサ・チューン |
![]() | FFM3 Jimi Hendrix Fuzz Face Mini | Dunlop | シリコン | 後期Hendrix系BC108 |
![]() | JH-F1 Fuzz Face | Dunlop | シリコン | クラシックSi版 |
![]() | FFM6 Band of Gypsys Mini | Dunlop | シリコン | Gypsys期の鋭いサウンド |
![]() | JH-M5 Fuzz Face | Dunlop | シリコン | Hendrix特別モデル |
![]() | ’69 Pedal MKII | Fulltone | ゲルマニウム | Contour/Bias調整 |
![]() | Stank Face Fuzz Germanium | Paperboy Pedals | ゲルマニウム | ハンドメイドGe2石 |
![]() | FUZZ | Pedal Pawn | ゲルマニウム | NOSトランジスタ |
![]() | Fuzz A-Matic Yellow | RYRA | ゲルマニウム | ヴィンテージ寄り |
![]() | Two Face Custom Red | Tru-Fi | Ge/Si切替 | 1台で2種切替 |
![]() | Lander | Virtues | ゲルマニウム | 国産ビルダー |
![]() | Your Face 60’s Hot Germanium | Wren and Cuff | ゲルマニウム | 60s質感 |
![]() | Fuzz Factory | Z.VEX | 特殊 | Ge2+Si1/発振可 |
![]() | Angel Bear Face Fuzz | Animals Pedal | シリコン | Skreddy監修 |
![]() | DuoFace | Fredric Effects | Ge/Si切替 | 独立回路 |
![]() | ’70 Pedal-BC | Fulltone | シリコン | BC108/70s系 |
![]() | Fuzz Phrase Si | Jam Pedals | シリコン | 選別Si/Ge風味 |
![]() | Smiley | JHS Pedals | シリコン | 1969 London |
![]() | Baby Face Si (Red) | Manlay Sound | シリコン | P2P/ハンドメイド |
![]() | M296 Classic 108 Fuzz Mini | MXR | シリコン(特殊) | BC108/Buffer切替 |
![]() | CSP041 Hybrid Fuzz | MXR | ハイブリッド | Ge+Si構成 |
![]() | FUNN FACE FUZZ Blue | Shin’s Music | シリコン | 国産ハンドワイヤード |
![]() | Your Face Smooth Silicon 70’s | Wren and Cuff | シリコン | 高出力チューニング |
ゲルマニウムファズ
Dunlop JIM DUNLOP FFM2 FUZZ FACE MINI RED GERMA
Dunlopの赤い“Mini Germanium”は、クラシックFuzz Face直系のPNPゲルマニウム2石構成。太く温かい倍音、手元Volでのスムーズなクリーン回復が魅力です。ビンテージ志向の音色をミニ筐体で安定運用できるのが差別化点。自宅〜ライブまで扱いやすく、60s系の甘い歪みを求める人におすすめ。方向性は完全にヴィンテージ寄りです。
Dunlop JIM DUNLOP JD-F2/FUZZ FACE DISTORTION
クラシックFFのフィールを踏襲しつつ現代的に出力を底上げしたモデル。ゲルマ2石系の柔らかなトップ、ボリューム追従の良さが光ります。より太い中域と実戦ゲインが欲しい人におすすめ。差別化は安定駆動と扱いやすいレンジ設定。志向はヴィンテージ基調ながらモダン現場適応も意識。
Dunlop JIM DUNLOP JHMS1 FUZZ FACE Authentic Hendrix Shrine ’68
JIM DUNLOP Jim Dunlop(ジム ダンロップ)JHMS1 FUZZ FACE ファズフェイス Authentic Hendrix Shrine `68 Se…
Hendrix“’68”期の質感を狙った特別チューン。ゲルマ特有の丸み〜Si的な切れ味まで一台でカバーできる設計で、手元操作主体のプレイに最適。差別化は現代の電源・バッファ相性を踏まえた安定性と再現性。志向はヴィンテージの再現に軸足を置きつつ、モダンな利便性も融合。
Dunlop Jim Dunlop FFM4 Joe Bonamassa Fuzz Face Mini
Jim Dunlop ジム ダンロップ FFM4 ジョー・ボナマッサ Joe Bonamassa Fuzz Face Mini【国内正規品】
選別NOSゲルマ2石により、分厚いローエンドと持続感あるリード向けボイス。ハムバッカーとの相性が良く、太い歌うトーンを求める人におすすめ。差別化はミニ筐体での高出力・安定動作、ライブ実用性の高さ。方向性はヴィンテージ寄りの濃厚トーンです。
Fulltone ’69 Pedal MKII
手選別ゲルマ2石にContour/Bias等の調整機を加えた“使える”FF系。甘い倍音と中域の密度が特徴で、クリーン〜ファズの連続可変を重視する人に向きます。差別化は可変域の広さとノイズ対策。志向はヴィンテージ基調の実戦調整型。
Paperboy Pedals Stank Face Fuzz Germanium
ゲルマ2石の選別とシンプル配線で“毛羽立つ”倍音と高いクリーンアップ性を実現。録音での質感重視や、ピッキングで歪み量を繊細にコントロールしたい人におすすめ。差別化はハンドメイドならではの個体最適化。志向はヴィンテージ感の再現です。
Pedal Pawn FUZZ
英国ハンドメイドのゲルマ2石Fuzz Face系。クラシックなクリーンアップと厚いリードトーンを狙ったモデル。ブルースやロックをビンテージ感たっぷりに演奏したい人に向きます。差別化はNOSトランジスタの使用と細やかな調整。志向はヴィンテージ寄り。
RYRA Fuzz A-Matic Yellow
NOSゲルマを使ったクラシックFF系。手元Vol絞りでの“鈴鳴り”〜全開の毛羽立ちまで美味しい帯域を簡単に作れるのが美点。ブルース〜クラシックロックでアンプを押し込みたい人に。差別化は丁寧な選別と安定化。方向性はヴィンテージ寄り。
Tru-Fi Two Face Custom Red
Ge/Siを切替可能な“二面性”なファズフェイス。ゲルマ側の温かさとシリコン側の切れ味を場面で使い分けたい人に最適。差別化は外部Biasやゲイン最適化の自由度。志向はヴィンテージ×モダンの折衷で、一本化したいボード運用に好適。
Virtues Lander
国産VirtuesによるGe Fuzz Face系。粒立ちの良いドライブ感とクリーンアップの滑らかさを両立。宅録〜ライブまで幅広く対応。差別化は国内製作による細部調整と安定性。志向はヴィンテージ感を尊重した設計。
Wren and Cuff Your Face 60’s Hot Germanium
Wren and Cuff Creations レナンドカフクリエイションズ ファズ Your Face 60’s Hot Germanium Fuzz 【国内…
60s期ファズフェイスのフィーリングを忠実に、低域処理や出力を今風に最適化。ゲルマ2石の甘さと手元のVol追従が秀逸で、ブルース〜サイケのニュアンス作りに向きます。差別化は内部トリムやローカットでの追い込み易さ。志向はヴィンテージ重視の実戦型。
Z.VEX Vexter Series Fuzz Factory
例外枠(Ge×2+Si×1)ながらファズフェイスの増幅段を増設。COMP/GATE/DRIVE/STARVEで発振〜ゲートまで創作的に操れるのが特徴。飛び道具〜テクスチャー作りを求める人におすすめ。差別化は極端な可変幅と独自ノブ群。志向はヴィンテージ起源×モダン表現力。
シリコンファズ
Dunlop DUNLOP FFM3 Jimi Hendrix Fuzz Face Mini
BC108系シリコン2石の後期Hendrix系トーン。高域の透明感とタイトなロー、ノイズ少なめでライブ再現性が高いのが魅力。鋭いアタックを求める人におすすめ。差別化はミニ筐体+現代電源の実用性。志向はモダン安定寄りの70s風味。
Dunlop JH-F1 “FUZZ FACE”
シリコン期ファズフェイスの代表リファレンスとして有名です。明瞭なアタックとレンジの広さ、手元Volでのクリーン回復が滑らか。大音量アンプでの抜けを重視する人に好適。差別化はオリジナル然とした筐体とパーツ選別。志向はヴィンテージ設計+モダン安定。
Dunlop JIM DUNLOP FFM6 Band of Gypsys Fuzz Face Mini
JIM DUNLOP FFM6 Band of Gypsys Fuzz Face Mini Distortion ディストーション エフェクター
攻撃的なSi FFサウンドをミニ筐体で。レンジ広め・鋭いサステインで、リフの粒立ちが際立ちます。ファンク〜ロックのカッティング〜リードまで一台で賄いたい人に。差別化はタイトなロー制御と現場対応力。志向はモダン寄り。
Dunlop JIM DUNLOP / JH-M5 Fuzz Face
HendrixスタイルのSiボイシングを踏襲。上の帯域が曇らず、歪みを上げてもコードの分離が良いのが利点。大編成や録音で“抜け”を確実にしたい人におすすめ。差別化は限定的デザインと現代仕様。志向はビンテージ風味×モダン運用。
Animals Pedal Angel Bear Face Fuzz
カリフォルニアで長年エフェクターを製作しているSkreddy Pedals監修のシリコン2石ファズフェイス。低ゲイン選別でGe的な丸さも再現しやすく、手元Vol操作の表情が豊か。宅録〜ライブでの使い勝手を重視する人におすすめ。差別化は帯域キャラを素早く変える工夫(スイッチ/内部調整)。志向はヴィンテージ感とモダン操作性の折衷。
Fredric Effects DuoFace
Ge側/Si側を独立回路で実装した“二刀流FF”。各サイドのBiasを追い込み、季節や曲調に最適化可能。1台で質感を使い分けたい現場派に。差別化は電源極性問題の解消など実用派設計。志向はモダン設計、サウンドは両極のヴィンテージ再現。
Fulltone ’70 Pedal-BC
BC108系シリコン2石にMidコントロールを追加。70s的な荒々しさを保ちつつ帯域バランスを整え、バンドでの抜けを確保。ハイゲイン壁面を作りたい人におすすめ。差別化は可変域の広さ。志向はヴィンテージ70sの延長線にある実戦モダン。
Jam Pedals Fuzz Phrase Si
選別Si(BC107など)でGe的クリーンアップ感を狙うFF系。温度に強く、再現性高いのが長所。伸びの良い高域とスムーズなコンプレッションでソロの抜けが秀逸。差別化は選別と微調整。志向はモダン安定+ヴィンテージフィール。
JHS Pedals SMILEY
“1969 London”のSi FFをリスペクト。マッチドSi2石で歪みゼロ付近の煌びやかなクランチ〜全開の咆哮まで滑らか。復刻系にありがちなローのもたつきを抑えたチューニングが差別化。志向はヴィンテージの作法を保ったモダン安定。
Manlay Sound Baby Face Si (Red)
Arbiter系Si2石をP2P配線で最適化。倍音が粗すぎず、手元Volでの整い方が美しい。Hendrix〜70sの張り出しと安定動作を両立したい人に向く。差別化はパーツ選別と“生々しさ”。志向はヴィンテージ感を持つ実戦モダン。
MXR M296 Classic 108 Fuzz Mini
BC108シリコン2石のFF回路に“Buffer”スイッチを追加。ワウ前段や長尺ケーブルでも暴れにくいのが差別化。クリーンアップの良さを保ちつつ安定性を得たい“モダン運用派”に最適。志向はモダン安定だが音は70s的タイトさ。
MXR CUSTOM SHOP HYBRID FUZZ CSP041
GeとSiを1石ずつ組み合わせた“ハイブリッド”FF。Geの甘さとSiの明瞭さを両立し、温度安定性にも優れます。クラシックなフィールを保ちつつモダンな信頼性を求める人におすすめ。志向はモダン設計の融合系。
Shin’s Music FUNN FACE FUZZ Blue
国産ハンドワイヤードのFF系Si。手元Volでのクリーン〜ロングサステインまで“楽に”作れる微調整が秀逸。録音でも輪郭が残る整音が差別化点。ハム/シングル問わず扱いやすさを最優先する人におすすめ。志向はモダンの使い勝手×ヴィンテージ質感。
Wren and Cuff Your Face Smooth Silicon 70’s
Wren and Cuff Creations レナンドカフクリエイションズ ファズ Your Face Smooth Silicon 70’s Fuzz (国内…
BC108×2の70s系FFを基に、高域の刺さりを抑えた“スムーズ”チューニングと出力増強でライブ適性を高めたモデル。ロックバンドでの抜けを重視する人におすすめ。差別化は高出力・静粛性・ハイ周りの整え。志向はモダン実戦寄りです。