私がこのTS9の改造で目指したのは、ヴィンテージTS9の音へのリスペクトを形にすることです。コンデンサーの容量は基本的にそのままに、素材やメーカー、オペアンプやダイオードの種類を選び直して、自分の好きな音に近づけていきました。
たとえば、同じJRC4558Dでもヴィンテージの部品を選ぶ、同じ0.047μFでもフィルムの種類を変える、といった考え方です。TS9らしい音の土台を大切にしながら、部品選びを楽しむ改造として紹介します。
Ibanez(アイバニーズ) Tubescreamer TS9
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交換前にすること
- 基板両面、配線、各部品の印字と極性を撮影
- 元部品を番号別に保管
- 交換前の電流、ノイズ、ON/OFF音量を記録
- 1か所交換するたびに同じ音量で録音
ヴィンテージを意識して選び直した8か所の部品
以下の基板写真は、部品の位置を説明するために使っているTS808のものです。TS9も製造時期によって部品や配置が異なるため、作業する個体の基板と部品表示を照合してください。
1. オペアンプ

オペアンプにはヴィンテージのJRC4558Dを選びました。同じ型番でも、当時の部品を使って音を追い込んでみたい、というのが私の狙いです。交換するときは8ピンの向きと1番ピンの位置を確認します。型番や年代だけで好みの音が決まるわけではないので、最終的には自分のギターとアンプで弾いた感触を大切にしています。
2. スイッチング用JFET

JFETは2SK30AのOランクからGRランクへ交換した箇所です。ここはスイッチングに使われる部品で、ヴィンテージTS9の仕様をそのまま写すというより、私が部品選びを試した部分です。ランクを変えれば必ず音が良くなる、という意味ではありません。元の端子配列を確認し、交換後はエフェクトのON/OFFが正常に切り替わるかも確かめます。
3. クリッピングダイオード

クリッピングダイオードは、東芝製1S1588を2本選びました。ヴィンテージを意識した部品選びの一つで、歪みを作る部分にも自分の選んだ部品を使いたかった箇所です。写真で示した2本が対象です。取り付ける向きは元の状態と基板表示で確認します。
4. 0.047μFフィルムコンデンサー

0.047μFという容量は保ち、ポリプロピレンのフィルムコンデンサーを選びました。同じ容量の中で素材を変えてみる、という今回の改造の考え方が分かりやすい箇所です。「473」の表記は0.047μFを表します。部品を選ぶときは、容量に加えて耐圧、外形寸法、リード間隔も確認します。
10個のCBBコンデンサ473250V 473K 0.047uF 47nF P10CBB21メタライズドポリプロピレンフィルムコンデンサ
この商品の外形寸法とリード間隔は確認できていません。TS9基板へ収まることを保証する商品ではないため、購入前に現物と寸法を照合します。
5. 0.22μFコンデンサー

ここは0.22μFのタンタルコンデンサーです。容量を維持したまま、タンタルの種類やメーカーを選び直す箇所として取り上げています。部品の印字から種類と仕様を確認して選びます。極性があるので、取り付ける向きにも注意が必要です。
6. 1μF両極性コンデンサー

1μFの両極性電解コンデンサーは、ニチコン製などを候補に、メーカーやシリーズを意識して選ぶ箇所です。容量は1μFのまま、ヴィンテージの部品選びを参考にしています。古い部品を使う場合も状態の確認は必要です。両極性電解と通常の極性付き電解は区別して選びます。
7. 51pFコンデンサー

この箇所も51pFという容量を基本に、セラミックコンデンサーの種類を選び直す考え方です。古い部品を探すことも含めて、ヴィンテージの音に思いを巡らせながら選ぶ楽しさがあります。古さそのものを品質の保証にせず、容量や状態を確認して使います。
8. 入力部0.02μFコンデンサー

入力部は0.02μFを保ち、フィルムコンデンサーの種類を選び直す箇所です。よく見かける0.022μFとは容量が異なります。今回のように元の容量を大切にするなら、購入時に表記を確かめておきます。私の中ではほかの箇所より優先度は低めですが、部品選びを揃えていく楽しさのある部分です。
安全に使う道具
こて台を固定し、吸取線へ熱をかけ続けないよう数秒ごとに基板を冷まします。
改造後の確認
- 拡大鏡でブリッジ、極性、部品値を確認
- 電流制限または電流監視下で通電
- 異常がなければバイパス、ON、各ノブを確認
- 同じ出力音量で交換前録音と比較

よくある質問
- TS9改造でヴィンテージと同じ音になりますか?
- 容量を基本的に維持しながら部品の素材や種類を選び、ヴィンテージTS9へのリスペクトを自分の音に反映する改造です。仕上がりは部品の個体差や使用環境でも変わるため、同じ音になることを保証するものではありません。
- 部品を一度に全部交換してよいですか?
- 1か所ずつ交換し、電流と異常発熱を監視してから同音量で比較すると、不具合と変化を追いやすくなります。
- 異臭や異常発熱が出たらどうしますか?
- すぐに電源を外します。再通電せず、極性、ショート、部品値を確認し、判断できなければ修理店へ相談してください。
TS9の音作りをさらに広げたいときは
容量を保ちながら部品を選び直していくと、ヴィンテージへの憧れと自分の好みを重ねながら、一台を作り込む楽しさがあります。私にとって、この改造はそのための取り組みです。
歪みの量や音域のバランスまで変えてみたくなったら、Ibanez TS-9の改造方法6つまとめも参考にしてみてください。カントリーMODやモダンMOD、Analogman Re-J、Tamura MODなど、TS9の音作りを広げる別のアプローチを紹介しています。
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