常田大希とは?
King Gnu/millennium paradeを率い、作曲・ギターボーカルのみならず映像集団PERIMETRONまでも束ねるクリエイター──それが常田大希です。2025年には『ギター・マガジン2月号』表紙を飾り、最新機材遍歴が特集されるなど、その足元は常に注目の的。
本記事は15年以上自作ペダルに没頭してきた筆者の視点で、公式SNS・専門メディア・そして最新ショート動画まで総ざらい! 常田サウンドの“核”を成すエフェクターをまとめました。長文ですが腰を据えてどうぞ!
どんなギターやアンプを使っているのか
メインギターは黒いFano Alt de Facto RB6、本人設計Fender Swinger“Daiki Tsuneta”ほか数本。アンプはDivided by 13 CCC9/15を軸にMilkman SoundやRoland JC-120を併用しています。
どんなサウンドが特徴か
「白日」や「Vinyl」に聴ける粘るワウ+ダンブル系ODが核。ワイドレンジながら鼻に抜ける中高域をXotic XW-1が生み、厚みはShin’s Music DUMBLOIDが支えます。空間系はRV-7・Flashbackなど高品位DSPで奥行きを演出。
常田大希の使用エフェクター16選まとめ
ショート動画では歴代ボードの変遷も紹介されており、初期はBOSS ME-50だけでステージに立っていたことも明言されています。
機種名 | メーカー名 | カテゴリー | 備考 |
---|---|---|---|
Xotic XW-1 Wah | Xotic | ワウ | 「Vinyl」などでの使用が広く言及/2020年ボード常備 |
Shin’s Music DUMBLOID ODS | Shin’s Music | オーバードライブ | 配信・ツアー期の主力歪み/公式ポストで搭載確認 |
MXR CSP037 Raijin Drive | MXR(Dunlop) | オーバードライブ/ディストーション | モリダイラ公式が使用明記(2019〜20) |
Shin’s Music CLD-1 Clean Drive | Shin’s Music | ブースター/ローゲインOD | 機材まとめで採用言及(推定:アルペジオ補助) |
Digitech HardWire RV-7 Stereo Reverb | DigiTech | リバーブ | 「Modulated」全開設定での使用が店頭解説に記載 |
TC Electronic Flashback Delay | TC Electronic | ディレイ | プリセット活用記述あり/ボード常備期と一致 |
TC Electronic Hall of Fame Reverb | TC Electronic | リバーブ | 資料中に名が挙がる採用例(ライブでRV-7と使い分け) |
TC Electronic Viscous Vibe | TC Electronic | ビブラート/ユニヴァイブ | Intensity全開・Speed約11時の設定が解説に記載 |
TC Electronic Brainwaves Pitch Shifter | TC Electronic | ピッチシフター | 「白日」ソロでの重ね(推定)を解説サイトが検証 |
Keeley 30 ms Double Tracker | Keeley Electronics | ダブラー/モジュレーション | 採用機種として名前が挙がる(厚み付け用) |
Eventide PitchFactor | Eventide | ピッチ/ハーモナイザー | Brainwaves以前の主力ピッチ(資料言及) |
BOSS CS-3 Compression Sustainer | BOSS | コンプレッサー | 配信期以降のボード差し替えで採用記録あり |
BOSS ME-50 Multi-Effects | BOSS | マルチエフェクツ | 武道館以前の“マルチ時代”の主力と複数資料 |
Digitech Whammy 4 | DigiTech | ピッチシフター | Ricochet含むWhammy系の使用例あり(初期〜中期推定) |
A/DA Flanger | A/DA | フランジャー | 使用機材記事で採用言及(録音中心と推定) |
One Control Crocodile Tail Loop OC10 | One Control | ループスイッチャー | 2020年前後のボード写真・機材記録で確認 |
Xotic XW-1
メーカー説明
Xotic Guitars & Effects は米カリフォルニアのブティックブランド。クリーンでハイヘッドルームな設計思想と堅牢な造りでプロの信頼が厚く、RC/BB/AC Boosterの系譜でも評価が高いブランドです!
製品説明
XW-1は2バンドEQ(BASS/TREBLE)に加えWAH-QとBIASでピーク位置やカーブを追い込める“現代系”ワウ。中域の鼻抜けを狙いつつローは痩せにくく、P-90やシングルPUでも芯を残しやすいのが魅力です!
どんな曲に使用された?いつ頃?
「Vinyl」でのワウ・プレイが広く言及され、2019〜2020年のライブ期のボード写真にも常設が確認できます。スタジオ版に加え、ライブ・アレンジでの「白日」でも表情付けに多用されたと見られます。
参考:使用機材記事(Vinylでのワウ言及)/Providence公式のボード投稿。
Shin’s Music DUMBLOID ODS
メーカー説明
Shin’s Musicは東京・葛飾のハンドメイド。アンプ改造由来の豊かな倍音と“ダンブル感”を小型筐体で再現し、世界的に指名が絶えない日本発ブランドです!
製品説明
厚みとコンプ感のバランスに優れ、ピッキングでゲインが気持ちよく追従。Jazz/Rockスイッチやトリムの組み合わせで、クリーン〜ハイゲインまで1台で広く対応できるのが強みです!
どんな曲に使用された?いつ頃?
2019〜2020のツアー&配信期に主力歪みとしてボード搭載が公式ポストとファン記録で確認できます。バンド代表曲「白日」「Teenager Forever」「飛行艇」などのライブでは、クランチ〜リードの土台を担ったと考えられます。
参考:モリダイラ(Shin’s取扱)公式ポスト/機材記録(2020/8/30)。
MXR CSP037 Raijin Drive
メーカー説明
MXRは1973年創業の老舗。頑丈さと実戦的サウンドで“コンパクトの標準”を作ったブランドで、現在はDunlop傘下でCustom Shopも展開しています!
製品説明
Shin’s Music監修の日米コラボモデル。OD/DIST切替と周波数設計で、カッティングの押し出しからソロの毛羽立ちまで素早く段差を作れるのが強烈な武器です!
残念ながら廃盤のようなので、ヤフオクやメルカリなどで中古を探しましょう。
どんな曲に使用された?いつ頃?
2019年ツアー期の使用が代理店公式ポストで明記。テンポ速めの「どろん」や「Teenager Forever」のバッキングで、DUMBLOIDと住み分けたゲイン段差要員として運用されたと見られます。
参考:モリダイラ公式:Raijin Drive使用明記。
Shin’s Music CLD-1 Clean Drive
製品説明
原音のエアーと倍音をほんのり足せるクリーン系ブースター。後段ODの前に置いて立ち上がりを速くしたり、アルペジオで少しだけ太らせたりと“痒い所”を気持ちよく埋めてくれます!
どんな曲に使用された?いつ頃?
機材まとめ系の複数記事で採用が言及。ライブでの「Vinyl」アルペジオやダイナミクスの広い楽曲でのクリーン上げに使われたと推定されます(DUMBLOIDの前段or後段)。
参考:機材図鑑(CLD-1の記載)。
Digitech HardWire RV-7 Stereo Reverb
メーカー説明
DigiTechは1984年創業のDSPパイオニア。Lexicon譲りのアルゴリズムを搭載したHardWireシリーズは、堅牢さと音質でステージの定番です!
製品説明
ルーム、プレート、スプリング、リバース、モジュレーテッド…と“要るべき音”が粒立ち良く並ぶ万能機。特にModulatedは残響に揺らぎを与え、歌モノの奥行き作りに絶大です!
私も過去に持っていたはずなのですが、気づいたらなくなってました。Digitechのこのシリーズはどれも良かった記憶があります。
どんな曲に使用された?いつ頃?
店頭解説記事に「Modulated全開での使用」と具体的記述。2019〜2020のボード写真にも搭載が確認され、「白日」などバラード〜ミドルテンポの残響作りを主に担ったと見られます。
参考:島村楽器記事(設定言及)/機材記録(2020/8/30)。
TC Electronic Flashback Delay
メーカー説明
TC Electronicはラック名機2290に端を発するDSP技術で知られる北欧ブランド。TonePrintでアーティストプリセットを呼び出せるのも魅力です!
製品説明
テープ/アナログ系の揺らぎ〜デジタルのシャープな反射まで幅広く、400ms前後の設定でコードの抑揚を“呼吸”させるような間合い作りが得意。フィードバック上げの演出も見栄えします!
どんな曲に使用された?いつ頃?
プリセット活用の記述があり、2019〜2020のボードでも常備を確認。リフの間を埋める「Vinyl」や、アウトロで余韻を引く曲で多用されたと推定されます。
参考:島村楽器記事(プリセット運用)/Providence公式(ボード投稿)。
TC Electronic Hall of Fame Reverb
製品説明
定番のHall/Plate/Springに加えTonePrint対応で“浅く広い”使い方が得意。会場が響く日はRV-7よりHOF側で薄く回す、といった使い分けがしやすいのも強みです!
どんな曲に使用された?いつ頃?
採用機種のひとつとして資料に名が挙がり、RV-7と併用・代替しながらライブで残響の最終調整にあてられたと考えられます(2019〜2021)。
参考:Wikipedia:使用エフェクター欄。
TC Electronic Viscous Vibe
製品説明
Uni-Vibe譲りの“揺れ過ぎない揺れ”を現代解像度で再現! Intensity全開+Speedは11時前後でレズリー風の広がりを作り、クリーン〜クランチの浮遊感に抜群の相性を見せます!
どんな曲に使用された?いつ頃?
設定(Intensity全開/Speed約11時)の店頭解説があり、2019〜2020のライブで空間演出に活用。浮遊感が欲しいAメロ〜Bメロの「どろん」などでFlashbackと組み合わせた可能性が高いです。
参考:島村楽器記事(設定言及)。
TC Electronic Brainwaves Pitch Shifter
製品説明
デュアル・ピッチを自在に組める多機能機。+7th/–5thとMASH操作でリアルタイムにグリッサンドさせ、ソロやブレイクでシンセライクな“飛び道具”を作れます!
どんな曲に使用された?いつ頃?
「白日」のソロでのハモり追加について検証する解説があり、2019〜2020のライブでもピッチ系の主力として運用。Providenceのボード投稿期とも合致します。
参考:Night-cap記事(白日ソロの検証)。
Keeley 30 ms Double Tracker
メーカー説明
Keeley Electronicsは“スタジオクオリティ”を掲げるハイファイ志向のブティック。ノイズ管理と回路設計に定評があり、プロの導入率も高いブランドです!
製品説明
“ダブルトラッキング”の厚みをライブで再現する狙いの一台。Dimensionモードや30ms前後の遅延を活用すれば、クリーンでも単音でも自然な広がりが一気に出ます!
どんな曲に使用された?いつ頃?
採用機として資料に挙がる機種。歌を邪魔しない“薄い厚み”が必要な楽曲(「白日」のアルペジオ帯など)で使用されたと推定されます。
参考:Wikipedia:使用機材欄。
Eventide PitchFactor
メーカー説明
Eventideは世界初のデジタル・ディレイを打ち立てたNYの巨頭。H910/H3000の系譜を継ぐ高品位ピッチ系は、プロの現場でも王道です!
製品説明
“Crystals”など象徴的なアルゴリズムでオクターブ+5度上昇を重ねる豪華な広がりが作れます。多層ハーモニーの轟音セクションへハイトーンを足す用途に強いです!
どんな曲に使用された?いつ頃?
Brainwaves導入以前の主力ピッチとして資料に記載。2018〜2019のライブやアレンジでの高次倍音の付与に活躍したとみられます。
参考:機材図鑑(PitchFactor記載)。
BOSS CS-3 Compression Sustainer
メーカー説明
BOSSは1973年創業の“世界標準コンパクト”。堅牢な筐体と現場での再現性で、プロから入門者まで幅広く支持されています!
製品説明
ピークの均し方が自然でワウ後段やクランチ前段に最適。FOH(PA)へ渡る信号の扱いやすさが増し、アンサンブルの座りがグッと良くなります!
どんな曲に使用された?いつ頃?
2020年の配信ライブ以降、ボード差し替えで導入が記録に残ります。カッティング多用の「Vinyl」やクリーン主体の楽曲でピーク整形に活躍したと考えられます。
参考:機材記録(2020/8/30:CS-3記載)。
BOSS ME-50 Multi-Effects
製品説明
王道歪み・モジュレーション・空間系を1台で直感操作できる名機! 足元の“起点”として、初期〜武道館前夜までの現場を支えたと語られる常田の原点的マルチです。
すでに廃盤です。わざわざ古いモデルを買う必要もないので、本人と全く同じ物を使いたいという理由以外であれば最新版を買いましょう。
どんな曲に使用された?いつ頃?
複数の機材まとめで“武道館以前はME-50がメイン”との証言が整理されています。初期レパートリー「Tokyo Rendez-Vous」期のライブでも、ワウ/ディレイ/歪みの土台として機能しました。
参考:機材図鑑(ME-50記載・証言整理)。
Digitech Whammy 4
製品説明
足元でピッチを“踏み倒す”アイコニックな1台! 2Oct Upなどの極端なベンドはソロを一気にシンセ的な存在感へ引き上げ、劇的な展開演出にもってこいです!
どんな曲に使用された?いつ頃?
Whammy系(Ricochetを含む)の採用は資料に明記。ペダル式のWhammy 4は初期〜中期ライブでの“派手技”として投入された可能性が高く、「Tokyo Rendez-Vous」期のアグレッシブな編成に好相性です。
参考:Wikipedia(Whammy系記載)。
A/DA Flanger
メーカー説明
A/DAは70年代に18V駆動の名フランジャーで名を馳せたブランド。壮麗な“ジェット感”は今なお多くのギタリストを魅了しています!
製品説明
深いレゾナンスとスピードの幅で“SE的”に響かせることが可能。ハーモニクスを誇張し、シンフォニックに空気を撓ませる唯一無二のトーンを作れます!
どんな曲に使用された?いつ頃?
使用機材記事で採用が挙げられており、主に録音中心に投入されたと推定。轟音セクションやインタールードでのスペイシーな広がり付与に最適です。
参考:機材記事(A/DA記載)。
One Control Crocodile Tail Loop OC10
メーカー説明
One Controlは日本発ブランド。小型電源やBJFeコラボのフェイムも高く、堅実なスイッチャー群もプロの信頼を得ています!
製品説明
10ループ+プリセットで曲ごとにワンタップ呼び出しが可能! 出力切替やチューナーアウトなども使いやすく、大規模ボードの要に最適です!
どんな曲に使用された?いつ頃?
2020年前後のボード写真やファン記録で採用確認。セットリストが大規模化した全国ツアー以降、曲頭/間奏での“踏み替え事故”を避ける要役を担いました。
参考:機材記録(OC10記載)。
エフェクターの生産完了・価格改定が頻発しています。中古相場を最新確認の上で導入してください。
Q1.すべて揃えないと常田サウンドは出せませんか?
核心は「P-90搭載ギター+DUMBLOID系OD+高品位ワウ」の3点。空間系は代替容易なので、まずはここを押さえましょう。
Q2.BOSS ME-50で再現できますか?
ショート動画でも語られる通り初期はME-50一本でライブをこなしていました。ワウ+ディレイ+ODを同時使用できるため入門用には十分です。
Q3.最新ボードを調べるコツは?
ProvidenceやOne Control(代理店/ブランド)の公式投稿が最速。公演日と照合して時系列追跡すると投入・除外が一目瞭然です。