Vemuram Spiritoneレビュー|Charシグネチャー中域ゲインOD+ブライトブーストを1台に凝縮
「伝説超え」を掲げて日本発boutiqueブランドVemuramがCharと共同開発したSpiritone。Klon Centaur系の味わいをベースに、Char歴代のリグで重要だったRoland CE-1/Watkins Copicatのプリアンプ的ブースト・ニュアンスまでも取り込み、ヴィンテージ感とブライトな押し出しを切り替えられる“2-in-1”オーバードライブとして登場した話題作です。
チャンネル構成:A=ヴィンテージ感、B=ブライト/パンチ、独立レベルでライブ即応
開発中にCharが気に入ったサンプル機2種のニュアンスを「どちらも欲しい」という要望から1筐体に同居させたのがSpiritoneの核。A(メイン)チャンネルは枯れたヴィンテージ寄りミッド感、B-ch(Bright Channel)は明るくアタックが出るパワフルなドライブ/ブースト。それぞれ独立レベルを備え、フットスイッチで即切替できるため、クランチ~ソロ・ブーストまで行き来するライブ運用が容易です。
バッファON/OFFとSAT(サチュレーション)トリマーでリグ適応
入力段にバッファ回路ON/OFFトグル、筐体背面にSAT(Saturation)トリマーを装備。アンプの押し込み具合やシグナルチェーン全体のインピーダンスに合わせて微調整が可能です。
- バッファON:ミッドがまとまり温かい質感に。悪く言えば若干ハイが落ち「こもる」と感じる場合あり。嫌ならOFFでスルー感重視に。
- バッファOFF:直列で多段接続している場合や、よりオープンで抜けの良いトップエンドを求めるときに試してみましょう。
- SATトリマー:真空管アンプのパワー管飽和感を模したコンプレッション量/倍音感を追い込める内部調整。ライブ会場の音量やアンプのヘッドルームに応じて設定すると実力を発揮します。
筆者所感:山野楽器銀座店で試奏&購入/Fender Supersonicで検証
筆者(本記事執筆者)は山野楽器銀座本店でSpiritoneを購入。店頭では当初思い込みで“Fender ’65 Deluxe Reverb Reissue”と記憶していましたが、実際に試奏に使用したのはFender Supersonicでした(訂正)。Supersonicをクリーン~ごく軽く歪むポイントに設定し、SpiritoneのAチャンネルを常時ON(プリアンプ的運用)、ソロ時にB-chを踏むセットで使うと中域の芯がきれいに前に出ます。
逆に極端にハイファイ&ヘッドルーム巨大な超クリーン・ソリッドステート(例:Roland JC-120)直結だと、Spiritone側で作った倍音とミッドがアンプ本体のキャラに馴染まず「こもる/硬い」と評価される場面もあるかもしれません。ネット上の「思ったほど良くない」評判の一部は、こうしたアンプ前提の違いが影響している可能性を感じました(推測)。
推奨セッティング例(ライブ/リハ想定)
- Aチャンネル常時ON(ゲイン低め)でプリアンプ化:ギター→Spiritone(A)→アンプクランチ手前。アンプEQはフラット~ややミドルカットでスタート。
- B-chをソロ・ブーストに:Level Bを+3~6dB目安で設定。トーンは楽曲に応じてTrebleを微調整。
- バッファ選択:ハイ落ちが気になる長大ケーブル/多段ボード時はまずON→こもりを感じたらOFFで確認。
- SATトリマー:小音量リハでアンプがまだ鳴っていないときはSATを少し上げて「鳴っている感」を補う。大音量現場でアンプ自体が飽和するならSAT控えめ。
他ペダル/アンプとの組み合わせヒント
Spiritoneをボード前段に置くか、中盤(ODスタック)に置くかでキャラが変化します。Klon系として考えるなら「常時ONで基礎トーン形成→他のTS系やファズをプッシュ」も有効。B-chを追加ゲインに使えばタイトなソロブーストが得られます。Marshall系クランチやFenderブラックフェイス系を軽く歪ませた状態に重ねると「牙の立ったミッド+粘り」バランスが好印象でした。
スペック(メーカー/ディーラー公表値)
Controls | LEVEL,TREBLE,BASS,GAIN,LEVEL B-ch (Bright)/SATトリマー(背面) |
---|---|
Switches | フットスイッチ:ON/OFF,B-ch(Bright Channel)/トグル:BUFFER ON/OFF |
入出力 | Input,Output(モノ) |
電源 | 006P(9V)電池 or レギュレーテッドDC9Vセンターマイナス(9V超使用不可) |
消費電流 | 約28mA |
サイズ | 約157(W)×103(D)×53(H) mm※突起物含む |
重量 | 約815 g |
上記は複数ディーラー表記を集約した代表値です。詳細は購入店にてご確認ください。
価格レンジ&流通メモ
国内流通価格は発売時点で税込59,000円台後半(例:¥59,950/¥59,840など)が複数店舗で確認されています。為替や仕入タイミングで変動するため、実際の販売価格は各ショップ最新表示を参照してください。
N.O.S.パーツ採用と供給リスク(=欲しいときに確保推奨)
Spiritoneには希少N.O.S.パーツが部分的に使われており、部品枯渇時には回路変更・販売休止・終了の可能性がディーラーから明記されています。「限定モデル」ではないものの、結果的にバッチごとに仕様差が生じたり突然市場から消えるリスクがゼロではないので、気になったら早めの確保がおすすめです。
サウンド・イメージ用クイック設定プリセット
以下は出発点になるざっくり目安です(12時=50%)。ギター&アンプで大きく変わるので耳で追い込みを。
用途 | Aチャンネル | B-ch | バッファ | SAT | コメント |
---|---|---|---|---|---|
常時ONプリアンプ | Gain 9時/Treble 1時/Bass 12時/Levelユニティ | Level B 0(不使用) | ON(ケーブルが長いとき) | 11時 | クリーン~ライトクランチ基礎音。 |
ソロ・ブースト | Gain 10時/Treble 12時/Bass 1時/Levelユニティ | Level B +3dB(耳で合わせ) | OFF(抜け重視) | 1時 | 中域押し出し+ブライト感で前に出す。 |
厚み系バッファ活用 | Gain 11時/Treble 11時/Bass 2時/Level+少し | Level B +3dB | ON | 12時 | 温かさ優先。ハイ落ち注意。 |
よくある質問(FAQ)
Q. 18Vアダプターで駆動してもいい?
A. ダメです。Spiritoneは9V専用設計。9V超は使用不可(メーカー/ディーラー警告)。内部回路の昇圧やパーツ耐圧を超える危険があり故障・保証外となる可能性が高いので絶対に避けてください。
Q. バッファは常時ONしておくべき?
A. ボード全体のケーブル長や前段ペダル数で変わります。ONでミッドがまとまり温かい質感(=場合によってはハイ落ち/こもり)。それが嫌ならOFFで生っぽさ優先に。ぜひ両モード試奏を。
Q. プリアンプ的に使える?
A. 使えます。Aチャンネルを常時オン(Gain低め)で土台トーンを作り、ソロ時にB-chを踏み増す運用が実戦的です。アンプを軽く歪ませた状態との相性◎。
Q. 在庫は潤沢?すぐ買える?
A. N.O.S.パーツ使用ゆえに生産変動リスクあり。限定表記こそ無いものの、パーツ供給次第で回路変更・販売休止・終了も。欲しいタイミングでの確保推奨。
まとめ
Spiritoneは「Klonミッド+CE-1/Copycatブースト」の系譜をCharサウンドで再構築した2ch中域ゲインOD。9V専用という電源制限とN.O.S.パーツ由来の入手性リスクはあるものの、適切なアンプ(軽く歪む真空管系)と組み合わせ、A/Bを戦略的に使い分ければライブでもスタジオでも“ギターが前に出る”頼れるペダルです。評価が割れる背景にはアンプ適性やバッファ設定の理解不足もあると感じます。ぜひ自分のリグでじっくり詰めてみてください。