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カート・コバーンの使用エフェクター・機材|DS-1・DS-2・Small Clone

カート・コバーンの機材を最短で押さえるなら、初期のBOSS DS-1、1992年以降のDS-2、Electro-Harmonix Small Clone、In Utero期のPolychorus/EchoflangerとSansAmp Classicが中心です。ギターやアンプは時期ごとに変わるため、ひとつの固定ボードとして混ぜずに見ます。

先に結論
本人が1991年のインタビューでDS-1とSmall Cloneを挙げ、ギターテックのEarnie Baileyは後期の信号順を「DS-2→SansAmp→Poly ChorusまたはEcho Flanger→Small Clone」と証言しています。この記事では、この一次証言とメーカー資料を軸に、使用確認と現行の代替候補を分けます。

まず押さえる5台と確認根拠

機材主な時期確認できること現在の扱い
BOSS DS-1初期〜Nevermind前後1991年の本人インタビューで使用を明言現行品あり
BOSS DS-21992年以降ギターテックが後期の信号順を証言現行品あり
EHX Small CloneNevermind期〜後期本人の発言とギターテックの証言が一致現行品あり
EHX Polychorus/EchoflangerIn Utero期EHXが実機と手書き設定、使用曲を公開中古中心
Tech 21 SansAmp ClassicIn Utero期のライブギターテックが信号順を証言2021年に再発売

1991年10月の本人インタビューでは、DS-1とSmall Cloneを自分の機材として答えています。後期については、BaileyがGuitar Worldで「ギター→DS-2→SansAmp→Poly ChorusまたはEcho Flanger→Small Clone→アンプ」という順番を説明しています。

参考 1991年10月28日のカート・コバーン本人インタビューLiveNirvana Interview Archive

参考 Earnie Baileyが語るカート・コバーンの機材と信号順Guitar World

時期別に見る機材の変化

時期歪み揺れ・質感考え方
Bleach〜1991年DS-1を中心に、RATやBig Muffの記録も参照されるSmall Clone荒い歪みと深いコーラス
1992年DS-2へ移行Small Clone、Echoflanger/Polychorusライブで再現しやすい直列構成
In Utero期DS-2、SansAmp ClassicPolychorus/Echoflanger、Small Clone歪みと過激なモジュレーションを重ねる

アルバム録音とツアーの機材は同一ではありません。特定の曲を再現するときは、ライブ写真だけでスタジオの信号順を断定せず、本人、プロデューサー、ギターテック、実機資料のどれに基づく情報かを分けて確認します。

使用エフェクター

BOSS DS-1|初期の中心ディストーション

DS-1は1978年発売の3ノブ・ディストーションです。カート本人が1991年のインタビューで使用を明言しており、初期からNevermind前後を考えるうえで最優先です。

BOSS公式は、DS-1をエッジのあるアタックとサステインを持つディストーションとして説明しています。再現ではTONEを固定値で真似るより、使用するアンプとピックアップに合わせ、コードの輪郭を残せる位置へ調整します。

参考 BOSS DS-1公式製品情報BOSS

BOSS DS-2|1992年以降のライブ機材

DS-2は1987年発売で、TURBO IとTURBO IIの2モードを備えます。Baileyの証言では後期の信号順の先頭に置かれています。

BOSS公式では、TURBO Iを中低域を充実させた歪み、TURBO IIをミッドブーストのある歪みと説明しています。ただし、カートが常にTURBO IIを使ったとする一次資料は確認できないため、特定モードを固定しません。

参考 BOSS DS-2公式製品情報BOSS

Electro-Harmonix Small Clone|深いコーラス

Small Cloneは、本人の1991年の発言とBaileyの後期信号順の両方で確認できます。現行機もRATEノブとDEPTHスイッチという単純な構成です。

公式マニュアルでは、DEPTHが周波数変化量、RATEが変化の速さを調整します。「Come As You Are」のような揺れを狙う場合も、録音の二重化やアンプ、演奏まで含むため、ノブ位置だけで完全再現とはしません。

参考 Small Clone公式マニュアルElectro-Harmonix

Electro-Harmonix Polychorus/Echoflanger|In Utero期

Electro-Harmonixは、In Uteroで使われた実機とカートの手書き設定を公開し、「Heart-Shaped Box」のソロ、「Radio Friendly Unit Shifter」「Scentless Apprentice」での使用を説明しています。Small Cloneの代替ではなく、コーラス、フランジ、短いディレイ、フィードバックを組み合わせる別の機材です。

参考 実機と設定で見るNirvanaのPolychorusElectro-Harmonix

Tech 21 SansAmp Classic|後期の歪みとアンプ質感

Baileyの信号順では、SansAmpはDS-2の後、モジュレーションの前です。現在のSansAmp Classicは2021年に再発売され、Tech 21公式では1989年のオリジナル設計をほぼ変えず、アナログのプリアンプ、パワーアンプ、スピーカーシミュレーションを一体化した機材と説明しています。

上の商品リンクはGT2で、本人使用のClassicそのものではありません。GT2は操作系が異なるため、「同じ機材」ではなくSansAmp系の現行代替として扱います。

参考 SansAmp Classic公式製品情報Tech 21

RATとBig Muffはどう扱うか

RATとBig Muffは初期やスタジオ機材の資料で参照されますが、DS-1/DS-2、Small Cloneのように全時期を通した固定ボードの中心としては扱いません。曲、録音、ライブ日を分けずに「カートの定番」とまとめると誤解が生じます。

現在の音作りでは、RAT系はディストーションからファズ寄りまで変化させたい場合、Big Muff系は長いサステインと圧縮感が必要な場合の追加候補です。まずDS-1またはDS-2とSmall Cloneを揃え、その後に必要な役割だけ加えます。

Big Muffの系統差はこちらで比較しています。

ギター

Fender Mustang

Fenderは2012年のKurt Cobain Mustang発表時に、本人がMustangを好み、体格に合う小型のギターとしてライブで多用したと説明しています。1969年製Competition Mustangは「Smells Like Teen Spirit」のMVでも知られます。

参考 Kurt Cobain Mustang発表資料Fender

Fender Jaguar

象徴的な1965年Jaguarは、DiMarzioハムバッカー、3ウェイトグル、Gotohブリッジなどの改造個体として知られます。現行のKurt Cobain Jaguarは、その特徴を再現したシグネチャーモデルです。

参考 Kurt Cobain Jaguar公式製品情報Fender

Jag-StangとUnivox Hi-Flier

Jag-StangはJaguarとMustangの要素を組み合わせた本人設計のシグネチャーです。Univox Hi-Flierは初期のライブ写真で確認される重要なギターですが、年代や個体でピックアップ仕様が異なるため、すべてをP-90搭載と一括りにしません。

アンプとライブの信号順

Baileyによれば、基本の再現は「ブリッジハムバッカーを載せたFender系ギター、DS-1、Small Clone、クリーンなFender Twin Reverb」で成立します。後期のライブではMesa/Boogie Studio Preamp、Crownパワーアンプ、スピーカーキャビネットを使う構成もありました。

録音では曲ごとに別のアンプや重ね録りが使われるため、ライブ用ラックをそのままアルバムの全曲へ当てはめません。自宅では、十分なクリーンヘッドルームを持つアンプまたはアンプシミュレーターへ歪みを入れ、ON/OFFの音量差を先に整えます。

Fender系アンプの種類と用途はこちらで整理しています。

現行機で揃える順番

優先機材役割注意
1DS-1またはDS-2クリーンと歪みの落差年代に合わせるなら初期DS-1、後期DS-2
2Small Clone深いコーラス現行機とヴィンテージの完全同一を前提にしない
3クリーンアンプペダルを受ける土台低域を出しすぎず、音量差を確認
4SansAmp Classic系後期の追加歪み・アンプ質感ClassicとGT2は別機種
5深いフランジャーPolychorus系の過激な揺れ完全な代替ではない

BF-3は現在入手しやすいフランジャーですが、Polychorusのコーラス/フランジ/ディレイ複合回路と同じではありません。過激な揺れを作る代替手段として使います。

コーラス、ディストーション、フランジャー、ファズをカテゴリ全体から比較する場合は、次の記事へ進めます。

歪みの種類と選び方はこちらです。

深い揺れを作れるフランジャーはこちらです。

初期の荒い質感を別のファズから探す場合はこちらです。

よくある質問

カート・コバーンの代表的なエフェクターは何ですか?
初期のBOSS DS-1、1992年以降のDS-2、Electro-Harmonix Small Cloneが中心です。In Utero期にはPolychorus/EchoflangerとSansAmp Classicも重要です。
DS-1とDS-2のどちらを選べばよいですか?
初期からNevermind前後の構成を基準にするならDS-1、1992年以降のライブ構成を基準にするならDS-2です。アンプとの組み合わせで試奏して選びます。
Come As You Areのコーラスは何ですか?
使用機材として確認しやすいのはElectro-Harmonix Small Cloneです。現行機もRATEとDEPTHで調整できますが、録音全体をノブ位置だけで完全再現できるわけではありません。
カート・コバーンのエフェクター接続順は?
後期ライブについて、ギターテックはDS-2、SansAmp、Poly ChorusまたはEcho Flanger、Small Clone、アンプの順と証言しています。全時期・全曲で同一とは限りません。

まとめ

カート・コバーンの使用機材は、初期のDS-1、後期のDS-2とSansAmp、全体を通じて重要なSmall Clone、In Utero期のPolychorus/Echoflangerという時期差で整理すると分かりやすくなります。

現行機で始めるなら、DS-1またはDS-2とSmall Clone、クリーンなアンプの3点を先に揃えます。RAT、Big Muff、フランジャーは、再現したい曲で必要になってから追加してください。