こんにちは!私は34歳、15年以上自作エフェクターを製作している、ギター歴18年のギタリストです。エフェクターの世界に長く浸っていると、たくさんのペダルに触れ、音色の違いを楽しむだけでなく、個々のエフェクターが持つ独特のキャラクターにも惹かれるようになります。今回はそんな中でも、特に「トランスペアレントオーバードライブ」に焦点を当てて、2024年最新のおすすめ13選を紹介します!
トランスペアレントオーバードライブの特徴とは?
トランスペアレントオーバードライブは、ギターの音色に大きなカラーを加えるのではなく、原音のキャラクターやニュアンスを忠実に保ちつつ、歪みを加えるペダルです。多くのオーバードライブペダルが特定の周波数帯を強調して音に特徴を持たせるのに対し、トランスペアレント系はあくまでギターの本来の音を生かし、あまり「色付け」しないことが特徴です。
たとえば、一般的なオーバードライブではミッドレンジが強調されて「太い」音が作られることが多いですが、トランスペアレント系はギターやアンプの素のサウンドを維持しつつ、ナチュラルなドライブ感を追加する役割を果たします。特にピッキングのニュアンスやダイナミクスがしっかりと再現されるため、細かい表現を追求したいギタリストに人気があります。
Klon Centaurとトランスペアレント系の違い
ここで、「Klon Centaurってトランスペアレント系じゃないの?」という疑問が浮かぶかもしれません。実際、Klon Centaurは内部昇圧回路やその独特の音色で、ギタリストに愛されているオーバードライブペダルですが、Klon Centaurはトランスペアレント系というよりも、Klon Centaur系として一つのジャンルが確立されています。
もちろん、Klon Centaurの音色も透明感があり、ピッキングのニュアンスをしっかりと再現する特性を持っているため、トランスペアレント系に似た要素があります。しかし、その強い存在感やブランド力から、一般的なトランスペアレント系オーバードライブとは少し異なる扱いになっているのです。
TS系とトランスペアレント系の違い
TS系オーバードライブは、ミッドレンジを強調し、ギターの音を太くすることが特徴です。代表的なペダルには、Ibanez TS9やBOSS SD-1、JHS Pedals The Bonsaiなどがあります。これに対し、トランスペアレント系は原音のキャラクターを維持しつつ、ナチュラルな歪みを追加します。
TS系は音に「色」を加え、特定の周波数帯(特にミッド)をブーストするのに対し、トランスペアレント系は周波数のバランスを崩さず、元の音をそのまま活かす点で異なります。
バッファの有無
TS系エフェクター(Tube Screamer TS9)は、Input BufferとOutput Bufferの2つのバッファ回路を備えています。この回路の目的は、ギターからの信号を安定させ、後段のエフェクターやアンプに送る際に音質が劣化しないようにすることです。TS9では、入力にトランジスタ(2SC1815)を用いたバッファがあり、出力にも同様のバッファが配置されています。このバッファ回路が、エフェクター全体の音色に多少の「色付け」をもたらし、TS9のミッドレンジが強調された音の一因となっています。
一方、トランスペアレント系エフェクター(Vemuram Jan Rayなど)は、バッファを搭載していない場合が多いです。バッファは信号に変化を与える可能性があるため、原音をそのまま保ちたいトランスペアレント系では、バッファを使わないことで音の純粋性を重視しています。Jan Rayでは、ギターの信号をそのまま扱い、入力や出力にバッファを介さない設計になっているため、よりナチュラルな音色が得られます。
ここで言うバッファとは、トゥルーバイパスとバッファードバイパスのバッファのことではないです。エフェクトオンにしたときの回路にあるバッファの話をしています。
クリッピングダイオードの配置と歪みの特性
TS系エフェクターの代表例であるTS9では、オペアンプのフィードバックループ内にクリッピングダイオードが配置されています。この配置により、入力信号が増幅される際に特定の信号がクリッピングされ(歪みが生じ)、独特な音色が作られます。この構造により、TS9は中音域が強調された、太くウォームな音色を提供します。特に、ミッドレンジが強調されることが、TS系オーバードライブの特徴です。
一方、トランスペアレント系エフェクター(Vemuram Jan Rayなど)では、クリッピングダイオードがオペアンプの外部に配置されています。この配置により、オペアンプの増幅回路とは独立してクリッピングが行われ、よりフラットでナチュラルな音が得られます。Jan Rayの回路では、クリッピングダイオードがオペアンプのフィードバックループ外にあり、音が歪んでも原音のバランスを維持しています。
9Vと18Vの違いによる音色の変化
多くのトランスペアレント系オーバードライブは9Vで動作しますが、いくつかのモデルでは18Vでも動作できるよう設計されています。では、9Vから18Vに昇圧した場合、音色にはどのような変化があるのでしょうか?
大きな違いは「ヘッドルームの増加」です。18Vに昇圧すると、ペダルが受け取れる最大の信号レベルが上がり、よりダイナミックなプレイが可能になります。歪みが少なく、クリアなトーンが得られるため、特にクリーンなサウンドを保ちたいギタリストにとって魅力的です。また、低音が引き締まり、高音域もクリアになるため、音の輪郭がより鮮明になることが多いです。
ただし、すべてのプレイヤーにとって18Vが最適とは限らず、9Vのほうが適度なコンプレッションがあり、温かみのあるサウンドを得やすいと感じることもあります。自分の好みに応じて、9Vと18Vを使い分けるのがベストです。
18Vが使用できる場合はエフェクター本体や説明書仕様書にその旨が記載されていることが多いですが、書いてない場合は18Vを使わず普通に9Vを使ってください。最悪壊れてしまします。
以前当ブログでおすすめのパワーサプライを取り上げたときに、18V出力が可能かどうかも記載してますのでよろしければご覧ください。
2024年最新!トランスペアレントODのおすすめ13選
Mad Professor|Royal Blue Overdrive
Mad Professor マッドプロフェッサー エフェクター FACTORY Series オーバードライブ Royal Blue Overdrive…
Mad ProfessorのRoyal Blue Overdriveは、透明感のあるナチュラルな歪みを得ることができ、ピッキングのニュアンスを忠実に再現します。
Fulltone|OCD
Fulltone OCDは、オーバードライブからディストーションまで幅広いトーンをカバーできる多機能なペダルです。ダイナミクスレンジが広く、クリーントーンの透明感を保ちながら、しっかりとした歪みを加えることができます。
定番中の定番です。
シンプルな操作性と、特にロックやブルースで愛されるそのサウンドは、長年にわたり多くのギタリストに支持されています。また、V2ではトゥルーバイパスとバッファードバイパスを選択できるモードが追加され、さらにフレキシブルな使用が可能です。
Wampler|Tumnus Deluxe
Wampler Tumnus Deluxeは、透明感のあるオーバードライブトーンと豊富なトーンシェイプ機能で多くのギタリストに愛されています。トランスペアレント系オーバードライブとして、クリーンブーストからミディアムゲインまで柔軟に対応し、原音を忠実に保持しながら、暖かく自然な歪みを提供します。
Tumnus Deluxeは、オリジナルのTumnusと比較して、3バンドEQが追加されており、さらに細かくトーンをコントロールできます。また、9Vと18Vの両方で動作可能なため、ダイナミクスを重視するプレイヤーにとって最適です。小型でありながらも非常に多機能なペダルで、ペダルボードのスペースを節約したいギタリストにもぴったりです。
MXR|CSP027 Timmy Overdrive
MXR版のTimmy Overdriveは、Paul Cochraneとのコラボモデルで、オリジナルのトーンを忠実に再現しつつ、手頃な価格で提供されています。ピッキングのニュアンスを忠実に再現し、幅広いトーンが特徴です。
JHS Pedals|Morning Glory
Morning Gloryは、クリーンからオーバードライブまで幅広いトーンを提供しつつ、ギターの原音をしっかりと活かしたトランスペアレントODです。軽い歪みでもナチュラルなサウンドを維持します。
Keeley|Super Phat Mod
KeeleyのSuper Phat Modは、自然なトーンを保ちつつ、少しだけファットなサウンドを加えることで、プレイヤーに新しい表現の幅を提供します。
Vemuram|Jan Ray
Vemuram Jan Rayは、Fender Blackfaceアンプのクリーンサウンドにインスパイアされたトランスペアレント系オーバードライブで、細かいニュアンスまでしっかりと再現します。価格は高めですが、その音質の良さは多くのプレイヤーに支持されています。
Electro-Harmonix|Crayon
electro-harmonix エレクトロハーモニクス エフェクター オーバードライブ Crayon 01 シャーシ黒 【国内正…
Electro-HarmonixのCrayonは、手頃な価格でトランスペアレント系ODの特徴を持ったペダルです。クリーントーンを保ちながら、歪みを加えてサウンドを色付けします。
Walrus Audio|Warhorn
Walrus Audio Warhornは、クリアでダイナミックなトーンを提供し、ピッキングの力加減に応じた柔軟なサウンドが得られます。
MXR|Duke of Tone
MXRのDuke of Toneは、Analogmanとのコラボモデルで、クリアなドライブサウンドと透明感のあるトーンを特徴としています。
Virtues|Monica
VirtuesのMonicaは、手頃な価格で透明感のあるオーバードライブトーンを提供し、多くのギタリストに愛用されています。
今どきというか、最近若い世代に人気らしくセッションに来る若手が使ってました。
Warm Audio|Warmdrive
Warm AudioのWarmdriveは、Klon Centaur系の特性を持ちながら、さらにトランスペアレントな音色を提供します。プロとアマチュア問わず、幅広く支持されています。
EarthQuaker Devices|Westwood
EarthQuaker Devices Westwoodは、ギターのトーンをそのまま活かしつつ、ナチュラルな歪みを加えるトランスペアレント系オーバードライブです。特にアクティブEQが特徴で、低音と高音を自由に調整できるため、幅広いトーンシェイプが可能です。クリーンブーストからオーバードライブまで幅広く対応し、シンプルながらも強力なペダルです。
トランスペアレントオーバードライブでよくある質問
トランスペアレントオーバードライブはどのようなギターやアンプに合いますか?
トランスペアレントODは、ギターやアンプの音色を大きく変えずに歪みを追加するため、ほぼすべてのギターやアンプに適合します。特に、シングルコイルのギターやクリーンサウンドを重視するアンプとの相性が良いです。
Klon CentaurとトランスペアレントODの違いは?
Klon CentaurはトランスペアレントODに似た部分もありますが、独自のジャンルとして確立されています。Klon Centaurは特にバッファ回路や独特のクリッピング方式で音の「カラー」を与えるペダルです。
9Vと18V、どちらで使うべきですか?
9Vはよりコンプレッションがあり、温かみのあるサウンドが特徴です。18Vはヘッドルームが増え、クリアでダイナミックなサウンドが得られます。好みによって使い分けましょう。
18Vが使用できる場合はエフェクター本体や説明書仕様書にその旨が記載されていることが多いですが、書いてない場合は18Vを使わず普通に9Vを使ってください。最悪壊れてしまします。
トランスペアレントオーバードライブのまとめ
トランスペアレントオーバードライブは、ギター本来のトーンを活かしながら、自然な歪みを加えることができる万能なエフェクターです。今回紹介した13選は、それぞれの個性を持ちつつ、ギタリストの演奏に新しい表現の幅を提供するものばかりです。自分のプレイスタイルに合ったペダルを見つけ、音作りを楽しんでください!