ユニバイブとは?
ユニバイブ(Uni-Vibe) は、1960年代末に登場したモジュレーション系エフェクターで、ジミ・ヘンドリックスやロビン・トロワーが使用したことで有名になりました。音の特徴は「フェイザーとコーラスの中間」と表現されることが多く、揺らぎのあるサイケデリックなサウンドを生み出します。
通常のフェイザーがオペアンプ回路やFETで段階的に位相をシフトするのに対し、ユニバイブは光学素子(電球と光センサー)を用いた独特の回路構造を持ち、温かく有機的な揺らぎが特徴です。これが「普通のフェイザーでは出せない唯一無二の質感」とされ、現在も人気の理由となっています。
中国製ユニバイブ系でも大丈夫?
「ユニバイブを使ってみたいけど、本家や有名メーカーは高価すぎる…」という人にとって、中国製ユニバイブ系ペダルは大きな選択肢になります。実際、多くのブランドがオリジナルを意識したサウンド設計を行っており、エントリーモデルとしては十分なクオリティを持つものが増えています。
ただし注意点として、本物のUni-Vibeはムギ球電球+CDSセル(光抵抗/LDR)を使ったアナログ光学回路ですが、中国製クローンではコストを抑えるためにフォトカプラ方式やLED+CDSセル方式で代替されているケースがあります。これによりオリジナル特有の“ふわっとした揺らぎ”が簡略化される可能性があります。
ユニバイブ回路方式の違い
- オリジナル(ムギ球+CDSセル)
小型白熱電球(ムギ球)が点滅し、その光をアルミの反射シールド内で拡散。周囲の4つのCDSセル(光抵抗)が光量変化に応じて抵抗値を変化させ、独特の揺れを生み出します。この方式は立ち上がりが遅く有機的で、クラシックなサウンドの核心といえます。 - フォトカプラ方式
電球とCDSセルの組み合わせをフォトカプラ(LED+光抵抗を一体化した素子)で代用する方法。安定性が高くペダル製造に向きますが、オリジナル特有の“遅れ感”が薄れる傾向があります。ロジャー・メイヤー(Roger Mayer)のユニバイブ系ペダルはフォトカプラ方式を採用していたといわれています。 - LED+CDSセル方式
電球の代わりにLEDを用い、オリジナル同様に複数のCDSセルを駆動する方法。オリジナルの仕組みに近いが、LEDは点灯/消灯が電球より速いため、揺らぎが硬く感じられる場合があります。
このように、方式の違いはサウンドキャラクターに直結するため、「できるだけ本物に近い揺らぎが欲しいのか」「ライブ用に安定性を重視するのか」で選び方が変わります。
中国製Univibe系ペダルの紹介
Joyo Voodoo Vibe JF-325
Saras JOYO JF-325 Molo-Trem Tremolo Mini Electric Guitar Effect Pedal with Knob Guard True Bypass
元ネタ: Dunlop Univibe / MXR M68 系列と思われる
コンパクトな筐体ながら、コーラス/ヴィブラートを組み合わせたモジュレーションを実現。完全クローンではないが、ユニバイブ的な揺らぎを「お手軽に」体験できるモデルです。
Mooer Soul Shiver
元ネタ: Dunlop Univibe / MXR M68 系列と思われる
モジュレーションのマルチ機能を搭載し、ユニバイブ的な音色もカバー可能。ただし回路的には簡略化されており、完全なコピーというより「ユニバイブ風」のサウンドを楽しめます。
NU-X Voodoo Vibe
元ネタ: Dunlop Univibe / MXR M68 系列と思われる
NU-Xは中華ブランドの中でも安定した品質に定評があり、Voodoo Vibeも滑らかな揺らぎを再現するとの声があります。フォトカプラ方式が採用されている可能性が高く、ライブ用に実用的です。
Rowin VIBROCK
元ネタ: Dunlop Univibe / MXR M68 系列と思われる
Rowin VIBROCKはトレモロやコーラスを組み合わせた設計で、ユニバイブ的なニュアンスを出せます。価格が安いので「まず試したい」という層におすすめ。
Sonicake Wave Crush Modulation
元ネタ: Dunlop Univibe / MXR M68 系列と思われる
マルチモジュレーションペダルのひとつで、ビブラートやフェイザーと組み合わせることでユニバイブ的な揺れを再現できます。コスパを最重視するユーザーに向いています。
Moen Shaky Jimi
元ネタ: Dunlop Univibe クローンの一種とされる
名前からもわかる通り、ジミ・ヘンドリックスを意識したモデル。価格は抑えめながらもユニバイブ的な深い揺れを再現できると評判です。LED+LDR方式が採用されているとの情報もあり、オリジナルの雰囲気を現代的に再構築しています。
まとめ
今回は「ユニバイブを安く・お手軽に試したい」という方に向けて、中国製Univibe系エフェクターを紹介しました。ユニバイブの仕組みを理解すると、回路方式の違いでサウンドキャラクターが変わる理由も見えてきます。
- オリジナル方式(ムギ球+CDSセル):最も有機的で温かみのある揺らぎ
- フォトカプラ方式:安定性が高いがやや硬質な揺らぎ
- LED+CDSセル方式:現代的なクローンで多く採用、再現度とコストのバランス型
「ユニバイブ お手軽」「ユニバイブ 安く」「ユニバイブ 中国」で検索する人の多くは、本家の高価なユニバイブの雰囲気を、できるだけ低価格で味わいたいというニーズを持っています。この記事で紹介したモデルはいずれもその期待に応えられる候補といえるでしょう。