多くのブースターやオーバードライブは、入力段やスイッチ部にカップリングコンデンサを使っています。
通電直後はこのコンデンサが放電状態で、信号経路との電位差が大きく、スイッチを踏むと一気に放電して「ポンッ」「パチッ」というノイズが発生します。
何度か踏むと、コンデンサが充電されて電位差が小さくなり、ノイズが減る…というのが典型的な流れです。
トゥルーバイパスなどの機械式スイッチによく発生します。
エフェクターは機械式スイッチの代わりにFETスイッチングやリレー制御を使うことがあります。
これらは電源投入直後に内部のバイアス電圧やリレーのコイル電位が安定するまで、瞬間的にポップノイズを発生させることがあります。
おっしゃっているパワーサプライから電源を入れた直後にスイッチングノイズが発生しやすいというのはよくある話かもしれません。
パワーサプライの電源を入れた直後は突入電流が流れ、回路全体のDCオフセット(直流成分)が不安定な状態です。
この不安定な直流電位が、バイパス状態からエフェクトONに切り替わる瞬間に耳に聞こえるノイズとして現れます。
スイッチング電源ではなく、トランス式の電源だとかなりマシになりましたがその分パワーサプライが大型化してしまいますね。
主な対策としては以下です。
1. 電源投入後、数秒待ってから操作する
通電後すぐに踏むと、上記の理由でノイズが出やすいです。
電源ONから5〜10秒ほど待つことで、コンデンサ充電やバイアスが安定します。
2. ポップノイズ抑制用抵抗の追加(自作/改造)
入力や出力のカップリングコンデンサに1MΩ〜2.2MΩ程度の抵抗を並列に入れておくと、電位差がゆっくり解消されてポップノイズが軽減されます。
既製品でもメーカーによってはこの抵抗を入れていますが、無い場合は改造で追加可能です。
3. パワーサプライとケーブルの見直し
安定したアイソレート出力のパワーサプライを使うと、電源ラインからの直流オフセットや突入電流の影響が減ります。
パッチケーブルやジャックの接触不良でもノイズが増えることがあります。
4. FET/リレー回路のミュート対策
FETスイッチング回路の場合はミュート回路(J-FETやBJTを使って出力を瞬時にGNDに落とす回路)が有効です。
リレー式の場合も、切り替え直前後に信号をミュートする設計が望ましいです。
5. エフェクターの順番を工夫
ノイズが出やすいブースターやODをバッファやチューナーの後に置くと、直流成分の影響を減らせることがあります。