エフェクターによく使われるコンデンサ【10種類】一覧

普段、自作でエフェクターを作らない人でも、電池交換のためにエフェクターの裏蓋を開けたときに見えるパーツだらけのよくわからない様相をみて、ドキドキが止まらないことはありませんか?

私はあります。

本日はそんな部品の中でも、一番ワクワクする「コンデンサ」という部品にスポットを当ててご紹介できればと存じます。

そもそもコンデンサとは?

スーパー文系というか、デザイン系の勉強をしていた管理人も実はよくわかっていません。

わかってないなりにわかってない人にわかりやすく伝えるとすれば、コンデンサの役割は大きく分けて3つあります。
—–
電気の充電と放電
直流と交流で動きが変わる
信号のフィルタ
—–
と言われてもよくわからないですよね。

まとめると、上の3つの機能を利用して「コンデンサはエフェクター内部のノイズを除去したり、信号を整えたりするもの」と覚えてください。

もっと詳しく知りたい方は下記ページ等ご参考ください。

https://www.aps-web.jp/academy/ec/07/

コンデンサの役割を学ぶことによって、充電や放電に必要な時定数を理解して、意のままに電気信号をコントロールできます。コンデンサには、主に3つの機能があります。1つ目は、電気の充電と放電。2つ目は、直流と交流で動きが変わる。3つ目は、フィルタです。

コンデンサの容量の読み方

コンデンサにはそれぞれ電気を蓄えられる容量が決まっていて、これはフィルタする信号の周波数にも関わってきます。

コンデンサにおいて容量の値は「F」(ファラッド)と呼ばれ、エフェクターなどで使うコンデンサの容量は1Fよりはるかに少ない容量なので、「μF」(マイクロファラッド)の値のものがよく使われます。

「μ」は読みづらいのでアルファベットの「U」(ユー)の小文字(u)を使って、「uF」と表記してる人も多いです。

更に低い容量の場合は「pF」(ピコファラッド)と呼ばれます。例えば1000pFで0.0001μFです。

実際にコンデンサを見てみると、丁寧に「0.047μF」など書いてあるものもあれば、「104」と3桁の数字だけ書いてあるものもあります。

3桁ははじめの2桁に3桁目の数だけ10を掛け算してあげると容量の数字がわかるようになってます。

■例 221 = 22 × 10 × 1 = 220pF = 0.00022μF 473 = 47 × 10 × 3 = 47000pF = 0.047μF 335 = 33 × 10 × 5 = 3300000pF = 3.3μF

エフェクターに使われるコンデンサ10種類

ポリエステルフィルムコンデンサ

おすすめ度

信号部分: 2.5
カップリング: 2.5
電源周り: 1.5
クリア度:: 2
耐久性: 4
お安さ: 5
通称マイラコンとよばれ、一番ベーシックでお値段も安いです。

フィルム系のコンデンサはプラスチックフィルムを誘電体として利用したコンデンサで、温度の変化にも強いためエフェクターだけでなく様々な電気回路に使用されています。

音色は使うところによりますが、お値段なりな印象でぼやける感じはしますが、むしろそれが温かみのあるような雰囲気もあります。

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Xicon Panasonic

ポリプロピレンフィルムコンデンサ

おすすめ度

信号部分: 4
カップリング: 4
電源周り: 3.5
クリア度:: 3
耐久性: 2.5
お安さ: 4.5
ポリプロピレンはポリエステルよりも性能がよく、お値段も若干高いです。

非常にクリアーな音色でエフェクターよりもオーディオ用等の高音質を求められる機材に使われています。

エフェクターに使えばもちろんクリアーな音色になりますが、あまり使いすぎても綺麗すぎて面白みにかける印象です。

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WIMA ERO(Roederstein) NISSEI Sprague

メタライズドフィルムコンデンサ

おすすめ度

信号部分: 4
カップリング: 3
電源周り: 3.5
クリア度:: 4
耐久性: 4
お安さ: 3

便宜上分けましたが、メタライズド系コンデンサは、上記のポリプロピレン・ポリエステルのコンデンサのフィルムに直接、金属を蒸着させて巻き取ったものです。

故に、メタライズドポリプロピレン・メタライズドポリエステル等のコンデンサが存在します。

耐久性に優れ、音色ももとのフィルムの良さを活かしつつさらに音質が良くなってます。

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WIMA ERO(Roederstein) NISSEI Panasonic AVX

スチロールコンデンサ

おすすめ度

信号部分: 4.5
カップリング: 3.5
電源周り: 1.5
クリア度:: 4
耐久性: 1.5
お安さ: 1.5

ポリスチレン(スチロール樹脂)、もしくはアルミスチロールを誘電体とするフィルムコンデンサです。

個人的にフィルムコンデンサの中では音質は最高と感じているのですが、あまり容量が高いものがないのと熱に弱く壊れやすいのと、お値段も高く現在ではあまり製造されていないようです。

ワウのコンデンサに使うと最高とみんなおっしゃってますね。最高ですよ!!!

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xicon MIAL

セラミックコンデンサ

おすすめ度

信号部分: 2.5
カップリング: 4
電源周り: 3.5
クリア度:: 3
耐久性: 2.5
お安さ: 4.5

古くからあるコンデンサの一つで、小型で小容量から中容量くらいまでラインナップがあります。

その名の通り誘導体にセラミックが使われており、昔のMXR等ヴィンテージのエフェクターによく使われていました。

現在でもカップリングなど、100pF等小さい容量を求められる場所にはセラミックコンデンサが使われます。

すごく細かく容量刻んで種類あるので、全部網羅して所有できないのが厄介ですが、なかなか使われない容量まであるので便利です。

管理人はギターのトーン回路に使うのが好きです。

サウンドは信号が通る場所に使った場合、少し硬くなる印象ですが、その分音像もはっきりするので好きな人は好きです。

ファズとかに使うと意外と良いかもしれません。

少し脆いので、取扱には注意しましょう。熱には強いです。

そして安いです。

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Sprague 村田製作所

積層セラミックコンデンサ

おすすめ度

信号部分: 3
カップリング: 4
電源周り: 4
クリア度:: 4.5
耐久性: 4
お安さ: 4
セラミックコンデンサを改良したもので、セラミックコンデンサと同じく幅広い容量の種類があります。

耐久性もバッチリで、サウンドもクリアで安価です。

ディレイやコーラスに使うのにおすすめですね。

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AVX KEMET

マイカコンデンサ

おすすめ度

信号部分: 4
カップリング: 5
電源周り: 1.5
クリア度:: 4.5
耐久性: 4
お安さ: 1
前述のポリエステルコンデンサの別名マイラコンに名前は似てますが別物です。

雲母(うんも)と呼ばれる誘導体が使用されています。小学校の理科の時間に聞いたことがありますね。

非常に高価なコンデンサで、1pFから0.01μF周辺の小容量のものが中心です。周波数特性に非常に優れているので、高級オーディオ機器にはセラミックコンデンサの代わりに使われていたりします。

非常にクリアで素直な音色です。高いのであまり使えませんが、管理人はこっそり自分用のエフェクターには使っちゃったりします。

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CDE(コーネルデュブラー) SANGAMO SAHA 松崎電機製作所

電解コンデンサ

おすすめ度

信号部分: 1
カップリング: 2
電源周り: 4.5
クリア度:: 2
耐久性: 2
お安さ: 3
アルミニウムなどの金属と電解質を使っているコンデンサです。特徴としては大きい容量を揃えられる代わりに、+-の極性があり方向を間違えて設置すると音が出なかったり壊れたりします。

容量が大きいものまであって比較的安価なので便利なのですが、あまり性能が良くないので信号が通る場所には不向きです。

Fuzz Faceにはあえて信号が通る場所に電解コンデンサが使われており、逆にそれがあの不安定なファズを生んでいるのかもしれませんね。

大体電源周りに使われることが多いです。

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Nichicon ELNA SANYO Sprague LELON KEMET

タンタルコンデンサ

おすすめ度

信号部分: 2.5
カップリング: 2
電源周り: 4
クリア度:: 3
耐久性: 2
お安さ: 2.5
電解コンデンサと同じ程度の範囲の容量を揃えており、周波数特性は電解コンデンサよりも優ります。電解コンデンサと同じく極性があります。

誘導体にタンタルという物質を使用しているため、そのままタンタルコンデンサと呼ばれています。

弱点としては、壊れたときにショートしてしまうので回路全体を壊してしまう可能性があることです。

管理人は10年近く自作を行っていますが、まだ壊れているものを見たことがありません。あまりはんだごてで熱を与えなければ大丈夫でしょう。

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Xicon Sprague KEMET

オイルコンデンサ

SCUD 国産オイルコンデンサ フラットタイプ 0.047uF CR-047OIL

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おすすめ度

信号部分: 3
カップリング: 4.5
電源周り: 2
クリア度:: 4
耐久性: 3.5
お安さ: 1.5
現代ではあまり流通しておらず、製造されていたとしても非常に効果です。高級オーディオ機器の愛好家の方たちがよく使用しています。

エフェクターにおいては信号部分に使用するよりも、カップリング部分に使用するほうが相性が良いかもしれません。

艶やかでストレートな音色の印象です。

エレキギターやベースのトーン回路にも人気で、ビタミンQというオイルに浸した紙を誘導体にしたものがとりわけ人気です。

非常に艶やかな音色になります。

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Sprague Westcap

エフェクターによく使うコンデンサのまとめ

いかがでしたでしょうか。

10個ご紹介しましたが、値段や特性に差はあれど、音色の好みは人それぞれ。回路や求めている音色に合わせて適切な素材のコンデンサを使用するといいでしょう。