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10万円のギターって実際どうなの?後悔しない選び方と、おすすめモデル8選!

本記事を執筆している私は、ギター歴7年で、都内を中心にバンド活動を行っています。自身の経験として、最初の本格的なギターとして10万円前後のモデルを選定した際、「この価格帯でライブやレコーディングに対応できるのか」といった点について非常に悩んだ経験があります。

その経験から、10万円前後の予算は、長く使用できる質の高いギターを見つけるための現実的な選択肢であると断言できます。この記事では、私の実体験に基づき、後悔しない一本を選ぶための具体的なポイントを詳しく解説します。

10万円と30万円のギターの具体的な違い

多くの方が最初に疑問に思うのが、価格による性能差です。価格が3倍異なれば、当然品質にも違いが生じます。その主な違いは、以下の3つの要素に集約されます。

1) 木材・パーツのグレードと仕上げの精度

最も大きな違いは、使用される木材(トーンウッド)やハードウェアパーツの品質です。30万円クラスのモデルでは、音響特性や木目の美しさにおいて厳選されたグレードの高い木材が使用されます。また、フレットの端を滑らかに処理する「フレットエッジ処理」や塗装の均一性など、職人の手作業による仕上げの精度が、演奏性や外観の品質に明確な差をもたらします。

例えば、Gibson傘下のブランドであるEpiphoneの上位モデルは、Gibson本家と同様の構造(セットネックのディープジョイントなど)を採用し品質が向上していますが、最上位のGibson Custom Shop製品と比較すると、木材の選定基準や最終的な手仕上げの工程量で価格差が設けられています。

2) 音質の核となるピックアップと電子回路

ピックアップは弦振動を電気信号に変換する、ギターサウンドの心臓部です。高価格帯のモデルには、ノイズが少なく、ピッキングの強弱といった演奏表現(ダイナミクス)を忠実に再現する高性能なピックアップが搭載される傾向にあります。

特にシングルコイルピックアップ特有の「ハムノイズ」は、ライブハウスの照明などが原因で発生しやすい問題です。近年のギターには、ノイズを軽減する「ノイズレス・ピックアップ」や、特定のピックアップの組み合わせでノイズをキャンセルする「RWRP(逆巻き/逆磁極)」配線が採用されることが多く、この点の性能は価格と相関しやすい部分です。

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3) 調整の安定性とリセールバリュー

高価格帯のギターは、製造工程における品質管理が厳格なため、ネックの反りに対する耐性が高く、チューニングの安定性にも優れています。さらに、将来的に楽器を買い替える際に、FenderやGibsonといった有名ブランドの製品は中古市場での需要が高く、資産価値が維持されやすい(リセールバリューが高い)という利点も見過ごせません。

結論:10万円は実用十分な品質を備える基準点

では高価格帯のほうが良いのでは、と考えるかもしれませんが、重要なのは、今日の製造技術の飛躍的な進歩により、10万円前後の価格帯でも、ライブやレコーディングで実用上問題のない品質のギターが多数存在するという事実です。

30万円のギターを「あらゆる面で余裕のある高性能車」とするなら、10万円のギターは「信頼性が高く、目的を十分に達成できる実用車」と捉えることができます。この価格帯で自身の音楽性に合ったモデルを見つけることは、非常に合理的な選択です。

10万円のギターは業務用途(ライブ・レコーディング)に耐えうるか

はい、問題なく使用できます。

私の周囲のミュージシャンにも、PRSのSEシリーズやYAMAHAのRevstarシリーズといった10万円台のギターをメイン機材としてライブで頻繁に使用している例は少なくありません。

近年のこの価格帯のモデルは、プロの現場での使用を想定した設計がなされています。一例として、YAMAHA Revstar Standard(RSS20)は、ボディ内部をくり抜いて軽量化を図る「チェンバード構造」やネックの剛性を高めるカーボン材の採用など、ステージでの取り回しを考慮した仕様を備えています。「低価格=妥協」という認識は、もはや過去のものです。

レコーディングにおいては、ギター本体の価格以上に、ノイズ対策と楽器の正確なセットアップが音質を左右します。適切な弦高やオクターブピッチ調整が施されていれば、価格帯を問わず高品質な録音が可能です。

失敗しない10万円ギター選定のチェックリスト

楽器店には多種多様なギターが展示されており、選択に迷うかもしれません。しかし、以下の選定基準を設けることで、自身に適した一本を効率的に見つけることができます。

  • ネック形状と演奏性:個人の手の大きさや演奏スタイルに合うかを確認します。実際に握り、ハイポジションでのチョーキングなどで音詰まり(ビビリ)が発生しないかといった、演奏性を確かめることが重要です。
  • ピックアップ構成:クリアなサウンドのシングルコイル、パワフルなハムバッカー、両者の中間的な特性を持つP-90など、目指す音楽ジャンルに適したピックアップを選定します。不明な場合は店員に志向性を伝えて相談するのが確実です。
  • ブリッジの種類:アーミング奏法を用いる場合はトレモロ・ユニット搭載機、チューニングの安定性を最優先するなら固定式(ハードテイル)ブリッジが適しています。Bigsbyのようなユニットは構造が複雑で、調整には一定の知識を要する場合があります。
  • 重量とボディバランス:立って演奏した際の重量バランスは、長時間の演奏における身体的負担に直結します。特にライブでの使用を考える場合、軽量なモデルは大きな利点となります。
  • 拡張性(カスタマイズ性):将来的なピックアップ交換やパーツのアップグレードを視野に入れる場合、Fender製品のように規格化された交換パーツが市場に豊富に流通しているモデルは、長期的な使用において有利です。

【2025年版】10万円前後で購入できるおすすめモデル

※価格は市場実勢価格であり変動する可能性があるため、あくまで目安としてご参照ください。

ブランドモデル名タイプ価格帯目安
FenderPlayer II Stratocasterストラトキャスター約11万円
YamahaRevstar Standard RSS20ソリッド約9.5万〜10万円
EpiphoneLes Paul Standard ’50sレスポール約8万円
Squier by FenderClassic Vibe ’60s Stratocasterストラトキャスター約7万円
IbanezRG421EXソリッド約6万円
GretschG5420T Electromaticフルアコ約11万〜13万円
SireLarry Carlton シリーズ各種約10万円
PRSSE Custom 24ソリッド約15万円〜

Fender Player II Stratocaster(約11万円)

現代のスタンダードと言える定番モデルです。あらゆる音楽ジャンルに対応できる汎用性の高さと、豊富なカスタマイズパーツによる拡張性が魅力。最初の本格的な一本として、良い選択肢と言えるでしょう。

Yamaha Revstar Standard RSS20(約9.5万〜10万円)

日本が世界に誇るヤマハの独創的なモデル。軽量なチェンバードボディと多彩なサウンドバリエーションが特徴で、特にライブでのパフォーマンスを重視するプレイヤーから高い評価を得ています。

Epiphone Les Paul Standard ’50s(約8万円前後)

伝統的なロックサウンドを求めるなら堅実な選択です。Gibson直系ブランドならではの設計思想が反映されており、レスポール特有の太く力強いトーンを手頃な価格で実現しています。

Squier by Fender Classic Vibe ’60s Stratocaster(約7万円)

Fenderの公式な廉価ブランドであるSquierの中でも、特に評価が高いシリーズです。Fenderがデザインしたピックアップを搭載し、ヴィンテージギターのルックスとサウンドを再現。コストを抑えつつ本格的なストラトキャスターサウンドを求めるユーザーに最適です。

Ibanez RG421EX(約6万円)

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テクニカルな演奏を志向するプレイヤーに人気のIbanezの定番モデル。薄くて握りやすい「Wizard III」ネックと、パワフルな自社製ハムバッカーピックアップが特徴です。ハードロックやメタルジャンルにおいて、特に高いコストパフォーマンスを発揮します。

Gretsch G5420T Electromatic(約11万〜13万円)

個性的なルックスとサウンドを持つフルアコースティックギターです。Bigsbyトレモロを搭載し、カントリー、ロカビリー、インディーロックなどのジャンルで特に人気があります。明確な音楽的ビジョンを持つプレイヤーにおすすめです。

Sire Larry Carlton シリーズ(約10万円)

近年、品質の高さで評価を確立しているブランドです。著名なギタリスト、ラリー・カールトンが監修しており、指板の角を滑らかに仕上げる「ロールド・エッジ加工」など、価格帯を超える丁寧な作りが特徴。コストパフォーマンスに非常に優れています。

(+予算少し上)PRS SE Custom 24(約15万円〜)

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予算を少し超えますが、価格以上の価値を持つモデルとして紹介します。美しい外観と、幅広いジャンルをカバーできるサウンドメイクの柔軟性を両立した、非常に汎用性の高い一本。長く満足して使用できるでしょう。

購入したギターの性能を最大限に引き出すための調整

良質なギターも、適切なセットアップを施すことで、その性能を最大限に発揮できます。専門的な知識がなくても実践可能な調整方法を紹介します。

1) ナットの潤滑

弦が乗るナットの溝に鉛筆の芯(黒鉛)を少量塗布することで、弦の滑りが改善し、チューニングの安定性が向上します。特にトレモロ・ユニットを多用する場合に非常に効果的です。

2) ノイズ対策の知識

ストラトキャスターなどのシングルコイル・ギターでは、2つのピックアップを同時に使用する「ハーフトーン」のポジションでハムノイズがキャンセルされることを覚えておくと便利です。演奏中の静かなセクションで活用するといったテクニックも有効です。

3) 専門家によるセットアップ

弦高やオクターブピッチの調整は、演奏性とサウンドの根幹に関わる重要な要素です。「弾きにくい」「特定のフレットで音が合わない」と感じる場合は、購入した楽器店やリペアショップに相談し、プロによる調整を依頼するのが最も確実です。

よくある質問

Q. 結局、10万円と30万円で音はどれくらい違うのか?

A. アンプを通さない生鳴りの豊かさや、ピッキングに対する反応性(ダイナミクス)において、価格差は明確に存在します。しかし、バンドアンサンブルの中やPAシステムを通したライブ環境では、その差は相対的に小さくなります。楽器のコンディションを最適に保つための適切なセッティングの方が、最終的な音質向上に大きく貢献する場合も少なくありません。

Q. 初めての一本として最も汎用性が高いのは?

A. Fender Player II Stratocasterは、幅広いジャンルへの対応力と豊富なカスタムパーツによる拡張性の観点から、非常にバランスの取れた選択肢です。モダンな音楽性を志向し、多彩な音作りを求めるならYamaha Revstar RSS20も有力な候補となります。

Q. 手頃な価格でレスポールタイプを選ぶなら?

A. Epiphone Les Paul Standard ’50sは堅実な選択です。近年のモデルは品質管理が向上しており、Gibson直系ブランドならではのサウンドキャラクターを忠実に再現しています。

10万円という予算は、単なるエントリークラスという位置づけではありません。本格的な音楽活動を開始するための、十分な価値を持つ投資と言えます。近年の製造技術の向上により、この価格帯のギターの品質は飛躍的に向上しており、ライブやレコーディングといった要求の高い場面でも実用的な性能を備えています。

重要なのは、価格情報だけに左右されず、自身の演奏スタイルや音楽的な好みに合致するかどうかを基準に選ぶことです。本記事が、あなたにとって最適な一本を見つけるため一助となれば幸いです。