Katanasoundの「青線 (Blue Stripe)」は、名機UREI 1176を基にした高品質なコンプレッサー/リミッターです。エフェクター市場では、市販品の中でもトップクラスの品質を誇るモデルです。この記事では、実際に使用した感想や、他のコンプレッサーとの比較を交えながらレビューします。
残念ながらKatanasoundは2021年で終わってしまったブランドなので、本機は中古で見つけるしか入手方法がありません。良いコンプなので復活してほしいですね。
UREI 1176タイプのコンプは他にUniversal Audioからも出てるのでどうしてもUREIのコンプサウンドを試したければ検討しても良いかもしれません。
Katanasound「青線 (Blue Stripe)」の特徴
この「青線 (Blue Stripe)」の最大の特徴は、UREI 1176をベースにしたコンプレッション回路です。FETを採用し、ICを一切使用しないディスクリート回路で、透明感のあるクリアなコンプレッションを実現しています。さらに、Daleの金属皮膜抵抗やメタライズフィルムコンデンサといった高品質な部品が使われており、長年エフェクターを自作している私から見ても、これが非常に優れた製品であることがわかります。
ディスクリート回路とFETの魅力
FETによるクイックなレスポンスは、このペダルの大きな魅力です。UREI 1176同様、速い応答性が特徴で、ダイナミクスの細かい調整が可能です。ディスクリート回路を採用しているため、ICを使った製品と比べて音が非常にナチュラルで、透明感のあるサウンドが得られます。これは、特にスタジオ品質の音を求めるギタリストには最適です。
4つのコントロールで自由自在な音作り
このペダルには、THRESHOLD、RATIO、ATTACK、そしてOUTPUTという4つのコントロールがあります。これにより、ギターサウンドの圧縮具合を細かく調整することができます。さらに、側面にあるトリマーを調整することで、Hi-Fiなきらびやかなサウンドから、ペダルコンプレッサーのようなマイルドな音色まで幅広く対応します。
使いやすさ
青線は、使い勝手の面でも優れており、特にライブでもスタジオでも信頼できる一台です。4つのノブによる簡単な操作で、あらゆるシチュエーションに対応できる柔軟性があります。電源管理も、入力ジャックが電源スイッチを兼ねているので、電池の消耗を抑える工夫がされています。
ROSSやMXRと比較しての音の違い
ROSSコンプレッサーやMXRのDyna Compと比較すると、「青線」は明らかに音の傾向が異なります。これらはOTA(Operational Transconductance Amplifier)を使ったコンプレッサーで、柔らかく温かみのあるサウンドが特徴です。しかし、「青線」はFET回路による非常にクリーンで透明感のある音色が特徴で、よりタイトでダイナミックなコンプレッションが可能です。
ROSSコンプレッサーの特徴
ROSSコンプレッサーは、OTAベースのコンプレッサーで、柔らかくナチュラルなコンプレッションを提供します。特にヴィンテージトーンを求めるプレイヤーに支持されていますが、「青線」とは対照的に、音に多少のカラーをつけるタイプです。
MXR Dyna Compの特徴
MXR Dyna CompもOTAベースで、ファンキーなカッティングやリズムギターに最適な、強いパンピング効果が得られるコンプレッサーです。中域が強調されるため、音が太く聞こえますが、「青線」のように透明感のあるクリーントーンは得にくいです。
UREI 1176の影響を受けた「青線」
UREI 1176は、スタジオでよく使われるプロフェッショナルなコンプレッサーで、非常に速い応答性とダイナミクスのコントロールが可能です。「青線」はこの1176を基にしており、クリーンでありながらも、しっかりとしたコンプレッションが特徴です。スタジオでもライブでも、音の輪郭を崩さずに圧縮することができ、細かいコントロールが可能です。
冒頭にも書きましたが、すでにKatanasoundエフェクターは廃盤で入手困難なので、似たニュアンスを探している場合はUniversal Audioから出ているコンプがおすすめです。
Q&A
Q1: 青線はどんなギターに向いていますか?
A1: 青線は、クリーンなトーンを維持しつつ、ダイナミクスの細かいコントロールを求めるギタリストに最適です。特にジャズ、ブルース、ロックなど、繊細な表現力が求められるジャンルに向いています。
Q2: 他のコンプレッサーとどう違いますか?
A2: OTAを使ったコンプレッサーはナチュラルな圧縮が得意ですが、青線はFET回路の速い応答性と透明感が特徴です。クリアな音質を保ちつつ、精密なダイナミクスコントロールが可能です。
Q3: 初心者でも使いやすいですか?
A3: はい、4つのコントロールノブはシンプルで直感的です。細かい調整が可能なため、ギター初心者でもすぐに使いこなせます。
まとめ
Katanasoundの「青線 (Blue Stripe)」は、スタジオクオリティのコンプレッサーとして、非常に高品質なパーツと回路設計がなされたペダルです。FET回路によるクリーンでダイナミックなコンプレッションが得られ、UREI 1176の影響を色濃く受けています。ROSSやMXRといった他のコンプレッサーと比較しても、その透明感と音の反応性は際立っています。ギタリストなら一度は手に取って試してみる価値がある逸品です。